|
会場:Moscone Center
セッションではまず前半に、体験版の重要性と、体験版を配信する際の注意点について述べられた。「体験版で遊ばせすぎるな!」など、ちょっと面白い話がいくつか飛び出したので、その様子を紹介しておきたい。
■ 体験版の作りで、製品版の売れ行きは大きく変わる
ただ、製品版が面白いからといって、体験版も面白いとは限らない。Austin氏は次に、体験版に必要な要素や、注意すべきポイントについて順に述べた。 まず1つ目は、プレーヤーにゲームの面白さを経験させること。ゲームの最もいい部分がどこかを見極め、それを体験版で確実にユーザーに届けるのが大切だと説明した。それは必ずしもゲームのスタートから数分という仕切りではない。 2つ目は、遊び方を教えること。Xbox Live Arcadeはパッケージタイトルとは違い、マニュアルがユーザーの手元にないため、遊び方を教えることはとても重要になる。特にオリジナル作品や複雑なゲームでは最も重要なことである。また説明は、適時出すことも勧めている。一度の説明で全てを教え、覚えてもらうのは難しいからだ。 3つ目は、ゲームクリアのゴールを作ること。ユーザーから頻繁に寄せられる苦情は、ユーザーが自分のプレイしている内容や、理由が理解できないというものだという。目的や目標を明確にしないと、何をすべきかわからないままで面白くない。 4つ目は、達成感を与えること。プレーヤーがゲームが進展していることを感じられないと面白くない。Xbox Live Arcadeでは、プレイ内容によってポイントを与える実績機能が使えるので、それを明確に示すことでも目標や達成感が与えられる。 5つ目は、ローカルでのマルチプレイに対応させること。友人とのプレイは、購入にも強い動機を与えられる。またこのときのゲーム内容は、対戦よりも協力プレイのほうが望ましいという。 6つ目は、プレーヤーが必要とするものを与えること。ゲームの面白さを示すことは大切だが、延々と遊べる場所を作るのはよくないので、スムーズに適切な場所で終わらせるようにすべきだという。もし無料の体験版が何度も繰り返し遊ばれるようなら、それはゲーム内容を与えすぎている証拠といえる。 7つ目は、アップセル(上位の商品を勧める)は重要だということ。Xbox Live Arcadeにおけるアップセルというのは、無料体験版から有料の製品版へユーザーを誘導するということ。製品版ではゲームがどうなるのかは、明確に示さなければならないと説明された。またこれらの内容を示すための創造的な方法も見つけるべきだとした。
体験版の中で、遊び方やゲームの面白いところ、目的を教えておかないと、ユーザーは体験版で見切りをつけてしまう。しかし無闇に要素を詰め込んだ体験版は、それ自体で遊べてしまうため、今度は製品版が要らなくなってしまう。ここのさじ加減を綿密に練りつつ、製品版の魅力をきちんとユーザーに伝えることが、Xbox Live Arcadeの体験版には求められるのだという。
体験版のガイドに続いては、Xbox Live Arcadeで何ができるかという説明をするため、既存のタイトルを紹介しながら、それぞれのユニークな遊び方を説明していった。スライドを交えながら順に紹介していくので、興味があればご覧いただくか、Xbox Live Arcadeで体験版を試してみていただきたい。
□Game Developers Conferece 2008のホームページ http://japan.gdconf.com/ □Xbox 360のホームページ http://www.xbox.com/ja-JP/ □「Xbox Live Arcade」のページ http://www.xbox.com/ja-JP/livearcade/ □関連情報 Game Developers Conference 2008 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080221/gdclink.htm (2008年2月25日) [Reported by 石田賀津男]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|