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Game Developers Conference 2008現地レポート

ピーター・モリニュー氏自らが語る
Xbox 360「Fable 2」プレイデモ

2月18~22日 開催(現地時間)

会場:サンフランシスコ Moscone Convention Center

 米Microsoftは、現在開催されているGDC 2008のキーノートでXbox 360専用タイトルとして「Fable 2」を2008年中に発売する予定であることが発表された。同作の開発を行なっている英Lionheadの代表、ピーター・モリニュー氏が壇上に立ち、同作で新たに盛り込まれる2つの新要素を発表した。1つがゲーム本編発売前に先駆けてミニゲームをリリースすること、もう1つが協力プレイのサポートだ。

 今回新たに発表された機能に関して補足的な説明をプレスに向けて行なうため、ホテルの一室を使ってピーター・モリニュー氏自らがゲームを実際にプレイしつつ新機能の説明をしてくれる機会を設けてくれたので、早速紹介していきたい。


■ 今だからこそ思い出しておきたい初代「Fable」とは?

 2004年11月に発売された「Fable」は、「ポピュラス」や「ダンジョンキーパー」など日本のゲームファンにも馴染み深いタイトルを生み出したピーター・モリニュー氏が監修を務めたファンタジー調のアクションRPGだ。

 既存のコンシューマーゲーム機のアクションRPGというと、一本道で自由度が少ないという印象の強いタイトルが多かった中で、本作最大の特徴を「自由度の高さ」におくことで、主人公をプレーヤーの行動ひとつで善人にも悪人にも仕立てることができるという、なかなか前例の少ないユニークなゲームデザインが話題を呼んだタイトルだ。

 本作は日本語版も発売されているが、既にXbox 360へプラットフォームの転換が完了して久しく、初代Xbox版「Fable」をプレイするには、Xbox LIVE マーケットプレイスにて提供されている「Xboxクラシックス」のサービスを使えば、1,200マイクロソフトポイント(約1,700円相当) でダウンロードできる。もし本作を未プレイの場合はこちらのサービスを使って今から予習に励んでおくのも手だろう。

 さて、2月20日(現地時間) に待望の続編「Fable 2」が2008年中に発売されることが正式に発表され、4年ぶりにピーター・モリニュー氏が手がける新作をプレイできる日も、随分具体的な話になってきた。ただし、このスケジュールは米国のもので日本版も予定はあるが、日本のマイクロソフト広報担当によると具体的な時期は未定らしく、ファンにとっては日本版の正式アナウンスが待たれる。

 前作はゲーム内容に追加要素を加えたPC版「Fable: The Lost Chapters」も発売されているが、「Fable 2」は現時点ではXbox 360以外のプラットフォームは予定自体がないということなので、PCユーザーが前作と同じように「Fable 2」も楽しめる機会を得ることができるかはまだ不透明な状況だ。

いよいよ新作のお披露目に自信満々のピーター・モリニュー氏 このような環境でデモプレイが行なわれた


■ ピーター氏自らがデモを行ない、2つの新要素を強調

 最初にピーター氏は「今日のキーノートを聞いたかい?」と尋ねてきた。冒頭で書かせていただいた通り、氏はキーノートの壇上で「Fable 2」の新要素としてミニゲームと協力プレイのサポートの話をしており、今回のデモは開発途中の「Fable 2」をプレイしながら、キーノートの話を一段掘り下げて話をもう一度なぞるような形となった。

 まず最初に話しを切り出したのはミニゲームについて。氏は「Fabel 2」の製品版発売の約6週間前あたりに、3種類のミニゲームをXbox LIVE マーケットプレイス上で配布する計画を立てており、開発はそれぞれLionheadとは異なる会社が担当している。場合によっては更にゲームの種類を増やすことも氏は考えているようで、最終的な仕様はピーター氏の考え方如何によって変わってくるという含みがあるように感じられた。

 キーノートでは、ルーレットのようなミニゲームが発表されたが、それぞれのミニゲーム自体は「Fabel 2」のゲーム本編と関わらず、ミニゲーム中で稼いだものを「Fable 2」へ持っていくことで、ミニゲームとゲーム本編との関連性を持たせてある。

 例えば、ルーレットのミニゲームでコインを1,000枚稼いだ場合、このコイン1,000枚分のデータを「Fable 2」のゲーム本編に持ち越すことができる。そのため、ミニゲームであらかじめお金をたくさん稼いでおけば、本編スタート時から有利な条件でゲームを進めていける。

 氏の話を聞く限りでは「Fable 2」の世界で生きていくには、現実と同じようにお金はいくらあっても良いという環境らしく、まずは発売前に一稼ぎしておくことが、ゲーム本編を更に奥深く楽しむための欠かせない要素となりそうだ。

戦闘時のボタンアクションを解説するピーター氏
 まず戦闘シーンの実演として洞窟に住むホビットのようなモンスターを倒してみせてくれた。攻撃はコントローラーの各ボタンに割り当てられており、組み合わせで様々な攻撃が繰り出せるような工夫がされているが、残念ながら具体的な戦闘関連のシステムについては聞くことができなかった。

 次に氏は「Fable 2」の新要素「協力プレイ」について語ってくれた。プレーヤーはXbox LIVEを使い、他のプレーヤーの世界に接続して、一緒に冒険を楽しむことができる。その際、ゲーム進行の主導役は、ホスト側のプレーヤーにゆだねられており、ゲスト側のプレーヤーはホスト側のプレーヤーが目指す方向以外は自由に歩き回ることはできない。

 例としてホスト側のプレーヤーが歩いて一定の距離を離れると、ゲスト側のプレーヤーキャラクタは自動的にホストのキャラクタについて歩くようになっていた。つまりホスト側の世界にお邪魔した際は、ホストのあずかり知らぬ場所で犯罪をおこしたりすることができないようになっており、あくまで「協力」という言葉の範疇にとどまったゲームプレイのデザインがなされていることも判明した。

 実演途中でピーター氏のキャラクタが住む家を見ることができた。家には旦那と子供が1人いて、男性のキャラクタと一緒に帰宅したせいで、旦那が怒り出したのが何とも面白かった。この後でピーター氏は旦那をわざと殺害(!)してしまったが、このようにゲーム内の世界で様々なアクションを取って、人生を作り上げていくことが、本作の大きな魅力のひとつと言える。もちろんプレーヤーの好き勝手放題ができる訳ではなく、ある程度の倫理基準に則った上で、選択の自由がプレーヤーに与えられる。

 ピーター氏の家に入ってみると、様々な装飾品や家具が置いてあったが、家のコンストラクション部分に関しても、お金さえあればかなり自由にプレーヤーがカスタマイズすることが可能になるようだ。具体的にどのような形でプレーヤーが手を入れることができるかは、あいにく時間の都合で聞くことができなかったが、メインのストーリーを楽しむ以外にも様々な要素が用意されていると考えた方が良いだろう。

 「Fable 2」の世界では現実の世界と同じように時間が経過しており、プレーヤーキャラクタが若い頃は早めに時間が経過し、年老いていくうちに段々と時間の流れが遅くなる仕様になっているようだ。自分の子供をつくれる、という要素で真っ先に浮かぶのがプレーヤーキャラクタを世代交代できるのか? という点だが、これに関してピーター氏は「(キャラクタが) 死んだら子供が後を継ぐというよりも、子供がある程度成長した段階でキャラクタの切り替えができる」と教えてくれた。

 前作では、ストーリーが短いという指摘があった点を伝えると、ピーター氏も色々なメディアに聞かれて気にしていたらしく、今作ではハリウッドの脚本家などの助言を得ることができたおかげで、前作よりも確実に充実したメインストーリーを収録したという。さらに、家を購入したりダンジョンを冒険するなど、ゲームを進めていくうちに遭遇する様々なサブストーリーも前作以上に用意しており、世界観の面での薄さは感じさせないようにゲームシステム共々パワーアップしているのは間違いない。

暗い森の中を一人で旅する様子が伺える ホッブスと名づけられたモンスター。暗い所が好みなのだろうか ピーター氏のデモで登場した家と全く同じものだ
「Fable」の雰囲気を残しつつ、うまくHD対応がされている 屋台のようなものだろうか? 隊商のようにも見える 橋の上での戦闘、剣を振り上げている様子がカッコイイ
協力プレイ時にはこのようにキャラクタのプロフィールが表示される 家に男性を連れてきたピーター氏のキャラクタ(女)に旦那が怒っている 家のコンストラクションはかなり充実した機能が用意されるようだ


■ 2008年最大の話題作となるか!?
  今後徐々に明らかになるゲーム内容に期待

 今回のデモを通してピーター氏が「Fable 2」に対していかに精魂を込めているかが良くわかるひとときを過ごすことができたのは大きな収穫だった。肝心のメインのゲームシステムなどは、まだ謎のベールにつつまれており、初代「Fable」からどこまで自由度がアップしているのか、既存のシステムが改良されているのかなどは、ハッキリと伺い知ることはできなかったが、本作に対する関心はますます深まるばかりだ。

 ピーター氏が初代「Fable」を発売した後、自らが中途半端なゲーム内容だったことを認め、本作「Fable 2」で氏のクリエイターとしてのキャリアをかけた作品にするべく、努力を重ねてきたことが海外メディア発で知らされてきていたので、今回開発途中のバージョンではあるが実際に動いてるものを見る機会を得て、氏の本気度が並々ならぬものでないことを改めて実感できた。

 日本版の発売がまだ正式に発表されていないため、当面は海外発の情報を後追いすることになるのは避けられない状況ではあるが、GAME Watchでは2008年を代表するタイトルの最有力候補である本作に注目をしていくので、続報を期待してお待ちいただきたい。

氏はGDC 2008最終日にも講演を行なう。追加の情報があるかもしれない 身振り手振りを踏まえてわかりやすくゲームを解説してくれた

デモ中に撮影した直撮り画像を最後にご紹介したい。見た感じでは、ゲームは確実に完成に近づいている印象を受けた。HD化により美しい質感を誇るビジュアルだが、初代「Fable」の雰囲気は色濃く受け継がれており、同作のファンであれば必ず気に入る内容に仕上がるだろう。発売がとにかく楽しみだ


□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□「Fable 2」のページ(英語)
http://www.xbox.com/en-US/games/f/fable2/
□関連情報
【2007年3月】Game Developers Conference 2007 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070308/gdclink.htm

(2008年2月21日)

[Reported by Game Dude]



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