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カプコンの「ストリートファイター」シリーズは、韓国においても'90年代のアーケードシーンで誰もが1度はプレイしたことがある大ヒット作だ。その同シリーズを代表する人気キャラクタ「ケン」と「春麗」が登場するオンラインゲームが「Perfect KO」だ。同作はMOタイプのPCオンラインゲームながら、韓国のアーケードファンからも高い注目を集めているタイトルだ。 「Perfect KO」は、韓国ThingSoftが開発し、韓国大手パブリッシャーのNeowiz Gamesがパブリッシングを行なうオンライン格闘ゲーム。昨年11月からNeowiz Gamesのポータルサイト「Pmang」でオープンβテストが実施されている。正式サービス及びビジネスモデルは未定だ。 本作は平面上で2人のキャラクタが戦うオーソドックスな対戦格闘ゲームとは対象的に、キャラクタがレスリングのように8方向へマップ上を動き回る。カプコンとのコラボレーションで「ストリートファイター」シリーズの人気キャラクタ「ケン」や「春麗」も登場し、ぱっと見で「『ストII』の3Dアクションか?」と思わせる一作だ。
「Perfect KO」は最大6人で楽しむことができ、プレーヤーはテコンドーや柔道といった各武道を極めた8人のキャラクタから1人を選び参加する。モードは対戦モード、CPUモード、ミッションモードが用意されており、スタンドアロンとしても楽しめる。またネットコードも特筆すべきで、オンラインならではの多人数バトルのバランスも非常に良くできている。早速本作のプレイをお伝えしたい。
■ マップの空間を活かし、肉弾戦を繰り広げる戦闘スタイルに注目!
本作の基本操作はキーボードで移動の方向キーと、「A」でガード、「S」でパンチ(以下P)、「D」でキック(K)になっており、強パンチ、弱パンチといった区別は無い。移動の面ではマップの8方向を方向キーの操作で、自由に動き回ることができる。 敵キャラクタのターゲッティングは近くにいるキャラクタに自動設定され、解除することはできない。周囲に複数の敵がいた場合、目当ての敵を殴るためにはコマンドキーで体の向きを振ってやるなど工夫が必要だ。自由な方向に動き回れた場合は相手に攻撃を定めるのが難しい一方で、少し離れた弱った敵を狙うといった動きが即座にできないため、プレイに慣れたユーザーにとっては好みが分かれるところだろう。 また、方向キーを2度押しすることで走ることができ、実際のプレイでもフィールドを移動しながら戦うようなアクティブな展開が中心となる。相手との間合いを計算しながら距離を詰めていく様は、オンラインアクションの「アラド戦記」を彷彿とさせるシーンだった。ゲームパッドにも標準対応しており、幅広いユーザーに楽しめそうだ。 スキルはK+K+K+K、或いはP+P+K+K、↓+→+Pなど、そのほとんどが格闘ゲームのようなコンボ技になっている。攻撃キーを組み合わせたスキルは、当たると3~4ヒットする。本作でのプレイを詰めていくと、相手キャラクタに接近するかのように見せ掛けながら、間をおいてフェイクをかけるのがポイントだった。 コンボ技が一度発動されるとキャンセルできないため、相手がスキル攻撃を空振りしてミスする隙に攻撃するのがセオリーとなる。チーム戦では味方と攻撃のタイミングがマッチすればユニゾン攻撃を決めることができるなど、チーム戦ならではのゲーム性もしっかりとカバーされている。ちなみに「ケン」はユニゾン攻撃で波動拳を出すことが可能で、特殊技の扱いとなっている。 「A」キーはガードキーとなっており、相手の攻撃に合わせてタイミング良く押すことで攻撃を防ぐことができる。ガードキーも使用後には一定の硬直があり、使うタイミングが重要となる。タイミングさえ合えば上段下段といった攻撃の種類に関係なく攻撃から逃れることが可能で、積極的な立ち回りが面白かった。
放った攻撃が回避されると高い確率でカウンターに繋げられてしまうため、回避のタイミングを読むことも大事だ。上級のプレーヤーほどすぐコンボ技を出そうとせず、パンチとキックを細かく区切って繰り出しているユーザーが多かった。攻撃と回避タイミングに絞って繰り広げられる心理戦は、本作ならではの要素といえるだろう。
■ それぞれの武道を極めた8つのキャラクタが登場 現在のところ全8人のキャラクタは、リーチの差こそあれ大技に対するアンチスキルも用意されており、バランスは良く取れていると感じた。 筆者は8つの中からテコンドーの使い手「イ・ガオン」と柔術の使い手「セイチ・ナツミ」というキャラクタを主にプレイしてみた。「イ・ガオン」はリーチの長い蹴り技が特徴で、キックだけでまかなえるシンプルな操作体系が初心者にも適していた。スキルの発動前は他のキャラクタと同様だが、コンボスキルの後には「イ・ガオン」のみ相手を素早く空中に飛ばす2段攻撃ができ、空中に飛ばした相手に4ヒットコンボを再度決めるのが定番だ。蹴り技に力があって逞しく、痛快なコンボを入れることができるキャラクタだ。 「セイチ・ナツミ」はリーチこそ短いが、低い体勢と素早い動きで攻撃を避けながら、素手で相手を制する格闘スタイルだ。一方で不要な動きが多く、攻撃の速度やリーチが短いためコントロールが非常に難しい。しかしスキルの発動タイミングがバラバラで読み辛いところがあるため、うまいユーザーがこのキャラクタを使うと組みにくい嫌なキャラクタに変貌する。低い体勢で相手の攻撃を避けながら、最後の一撃で空中へ飛ばす「落下飄」スキルを上手く使い連続攻撃へとつなげいくのが、「セイチ・ナツミ」流の戦いだった。 ここで、本作のネットワークシステムについて言及しておきたい。本作はかつてモデム環境でのプレイが主流だった初期の「Age of Empires」シリーズや「Starcraft」と同様に、セッション内のプレーヤーのネット環境を最も回線環境の貧弱な人に合わせる方式をとった。これにより、セッション内の全員がラグのない環境でプレイすることが可能になっている。 絶妙なタイミングの妙を楽しむ格闘ゲームにおいてネットワークシステムは非常に重要で、サーバークライアント方式やP2P方式のようにセッション内のプレーヤーが品質の異なる回線環境が混在した場合、見ている画面がプレーヤーごとに異なったり、ラグの発生につながってしまう。 勿論あまりにも貧弱すぎる回線環境ではかえって同期をとりにくくなるため、全員に迷惑になるため、ある程度の限度を超えるプレーヤーは自動的に退場させられ、代わりにCPUがジョインする。どの程度が限度なのかは不明だが、筆者がプレイしているADSL環境では快適にプレイできた。打撃にもズレが無く、非常にダイレクトな操作感覚が印象的だった。
このシステムを採ると遠く離れた海外のユーザー同士のプレイや、限度を超えて回線の弱いユーザーは実質的にマルチプレイで遊べなくなることになるが、そうしたシチュエーションを切り捨ててしまうことも、オンラインで格闘ゲームを開発するデベロッパーの1つの判断として評価したい。
■ 最大3対3の対戦モードを始め、スタンドアロンとしての楽しみも満載 本作は最大3対3をサポートする対戦モードとCPUとの対戦を楽しめるCPUモード、クリアすると報酬が貰えるミッションモードと3つのゲームモードが用意されている。 対戦モードでは1対1から3対3のチーム戦とFFA方式の個人戦が楽しめる。さらにデスマッチとサバイバルと2つのゲーム設定がある。デスマッチは倒れても何度でも復活することができ、いずれかのチームか個人が早く目標キル数に到達するかを競う方式だ。 サバイバルはチーム戦の場合は2本先取制で行なわれるゲーム設定で、個人戦では1人が生き残るまで全員が敵同士として戦う「バトルロイヤル」方式がとられている。ただ、最後の1人になれば勝者という訳にはいかず、ヒット数などを点数に換算し、順位を決める。積極的な展開も必要なモードだろう。 CPUモードは文字通り、CPUと対戦が楽しめるモードで、プレーヤー対CPU、プレーヤー&CPU対プレーヤー&CPUなど自由にチームの設定し、対戦を楽しむことができた。CPUのレベルも設定可能で、高レベルに設定し、ガードの練習用にやりこむプレーヤーたちも多かったようだ。 ミッションモードではプレーヤーがオリジナルのNPCキャラクタを倒していく、ストーリー仕立てのモードになっており、クリアすると経験値やゲーム内通貨「Pera」が報酬として貰える。これらは対戦モードやCPUモードでも得られることができるが、ミッションモードの報酬にも厚く設定されており、スタンドアロンとしての面白さも強調されている。ミッションモードは複数のプレーヤー同士が味方同士としてNPCを倒すCOOPモードとしても楽しむことができる。
「Perfect KO」は対戦格闘ゲームとしては非常に空間の使い方に頭を使うゲームで、本作の個性をハッキリと感じた。感想としては上級ユーザー向けに自動ターゲッティングにオンオフ機能がほしいと感じた。ターゲッティングを手動にすることで、コンボ技で周囲の敵を巻き込んだり、チーム戦で集団に対してコンボを小分けに決めるといったプレイが可能になればより楽しめるだろう。ネットワークシステムもしっかりしており、土台の部分はしっかりしている。「アラド戦記」で一気にブレイクしたオンライン対戦格闘ゲームの新分野として、これからの展開が非常に楽しみだ。
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□NeoWizのホームページ (2008年2月18日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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