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マランツ、フロントサラウンドシステム「CINEMARIUM ES7001」
ゲーム機も使用した試聴会を15、16日に開催

2月15~16日 開催

会場:恵比寿ショールーム

入場料:無料

 株式会社マランツ コンシューマー マーケティングは、フロントサラウンドシステム「CINEMARIUM ES7001」の体験試聴会を、同社の恵比寿ショールームにて、2月15日11時から19時までと、16日10時から17時までの2日間開催する。入場は無料で、予約も不要。

 「CINEMARIUM ES7001」は、1ユニットでサラウンド再生を行なうアンプ・スピーカー一体型のフロントサラウンドシステム。ツイーター(高音部)、スコーカー(中音部)、ウーファー(低音部)の3種類のスピーカーが各2個、計6個内蔵されている。入力端子はHDMI Ver1.1×2、光デジタル×3、アナログ×2。HDMI出力も1系統備えている。価格は124,000円。

 本製品は、「OPSODIS (オプソーディス)」という立体音響再生技術を採用しているのが特徴。人は耳で音を聞くと、その音の大きさや高さだけでなく、方向や距離などの空間的な情報を把握できる。「OPSODIS」は、この耳に入る時の音を、独自のアルゴリズムによってデジタル処理し、スピーカーから再生する。これによって、フロントスピーカーだけで、明確なサラウンド効果が得られる。

テレビの下、ラックの上段にある横長のユニットが「CINEMARIUM ES7001」
 今回、一足先にこのショールームで「CINEMARIUM ES7001」を試聴させていただいた。製品としては発売されたものだが、常設している場所というのはマランツでは把握していないそうで、落ち着いて試聴できる貴重な機会といえる。

 デモの内容は、5.1chソースのDVDの再生と、ステレオの音楽CDなどの再生、プレイステーション 3のゲームプレイなど。実際に音を聞いてみると、「本当に正面の1ユニットだけなの?」と言いたくなるほど、音の広がりが感じられる。特に左右の方位が明確で、前から斜め前、横方向と流れる音がとてもスムーズ。後方は物理的なスピーカーがないためか、音量は若干弱く感じるものの、定位感はしっかり感じられる。さらに、上下の高さの概念まではっきり見えてくるのも面白い。

 ステレオの音声も、5.1chの再生の時と同じく、左右が極めて明瞭に聞こえる。それも左右から音が鳴っているというよりも、部屋中に広がる音に包まれる感覚がとても強い。テレビなどで普段聞いているステレオの音が、全く違う感触で響いてくる驚きがあり、5.1chソースよりもむしろこちらに感動したほど。

 一般的な5.1chのスピーカーの場合、部屋の形やスピーカーの配置によって、きちんとしたサラウンド環境が組めていないことがある。定位感はあっても、スピーカーの合間の位置(センターとフロントの間や、真横、真後ろ)などに音の隙間ができ、包囲感が今ひとつ感じられないことがある。「CINEMARIUM ES7001」の場合、1ユニットで完結するので、上記のようなスピーカーの配置による問題は起こらない。また反響音を使わない仕組みなので、部屋の形や家具の配置などにも影響されない。

 また「OPSODIS」は、スピーカーから再生される音が互いに干渉して打ち消しあってしまう現象に着目。各スピーカーの再生周波数帯において最適な制御効果が得られる角度にスピーカーを配置し、全ての周波数帯の音を忠実に届けられるようデザインされている。仕組み上、スピーカーの前方からある程度の距離がスイートスポットとなる。ただ、そこから左右に移動しても、音がおかしくなるようなことは感じられなかった。ショールームでも、3人分の椅子が横並びにしてあり、そのくらいの範囲はカバーできるということのようだ。

 マランツの担当者は、本製品の特徴を述べる際に、「元々ある音の情報をそのまま再生しているだけ」と繰り返し語っていた。スピーカーの配置や音の干渉を考えることなく、プロが練りこんだサラウンド環境がすぐに手に入るというわけだ。それを端的に示しているのが、音場設定がないこと(ドルビープロロジックIIだけは、仕様としてMusicモードとMovieモードがある)で、どんなソースが入ってきても、ただそれを忠実に再生するという硬派なコンセプトで設計されている。

 ゲーム用として考えた場合、ムービーシーンなどでの迫力が増すのは間違いないし、ステレオソースでも音の広がりが感じられるので、ゲームへの没入感は格段に増しそうだ。またFPSなどで、音で敵がどこにいるのかを知りたいという人も、かなり満足のいくものになっていると感じた。実際に試聴できたのは「グランツーリスモ5 プロローグ」だけだったが、リプレイ時に車が後ろから前へ進む際には明確な定位感があったし、映像と音のずれも感じられなかった。

 技術的な仕組みを聞くと理屈としては納得できるし、実際に聞いてみるとそれ以上に「フロントだけでもここまでできるのか」と素直に驚かされた。10万円以上という価格を考えると、誰でも気軽に買えるものではないが、もしゲーム用のサラウンド環境をしっかり整えたいというなら、それだけの価値はあると感じられる。興味がある人は、ぜひ体験試聴会に足を運んでみていただきたい。

PS3のデモも行なえるリスニングルーム。ただ担当者は、「こういった部屋よりも、自宅に置いたほうがより効果を体感できる」と語っていた 奥には本格的なサラウンドスピーカーの試聴室がある。今回は両耳の部分にマイクを搭載したダミーヘッドを置き、その音を先程のリスニングルームにある「CINEMARIUM ES7001」で再生するというデモを実施。奥の部屋で再生した5.1chソースのDVDの音が、試聴室でもそれに近いサラウンド効果が得られていることがわかる

「OPSODIS」について、同社の別の製品「ES-150」で技術的な説明がされている。「CINEMARIUM ES7001」のスピーカーの配置は、「OPSODIS」技術に基づいてデザインされている 「OPSODIS」のもう1つの特徴として、左右の耳に伝えたい音を作り出す技術(クロストークキャンセル)がある。位相が90度ずれた信号を送ることで、片側の耳に入る音を打ち消す。このシンプルな方法により、従来よりも高品質な音場を再現する


□マランツのホームページ
http://www.marantz.jp/
□「CINEMARIUM ES7001」のページ
http://www.marantz.jp/ce/products/hometheater/cinemarium/7001/index.html
□関連情報
【2007年12月10日】ゲームのサウンド環境をグレードアップ! その1
Xbox 360やPS3のためのサラウンド環境を構築
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071210/b_ss.htm

(2008年2月14日)

[Reported by 石田賀津男]



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