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「HIS」は第2次世界大戦を舞台にしたオンラインフライトシューティングゲーム。プレーヤーはアメリカ、イギリス、ソ連の連合国と、日本、ドイツ、イタリアの枢軸国の両陣営にわかれて様々な戦場で戦っていく。プレーヤーは空軍兵の1人となり陣営各国の飛行機を駆りつつミッションモード、対戦モード、25対25の占領モードの3モードをプレイすることができる。 特に本作の目玉となっているのが、第2次世界大戦での史実に基づいた22個のステージからなるシングルプレイのミッションだ。「ミッドウェー海戦」など教科書で1度は目にした事のある名戦闘シーンに参加できる他、4人でのCOOPも実装されており、スタンドアロンとしての作りこみもされており非常に面白かった。 機体の基本操作は方向キーと機銃などの「A」、「S」、「D」キーのみを使ったシンプルな操作で、非常にアーケードライクなゲームである。登場する機体はおよそ60種類で、それぞれ戦闘機、爆撃機、管制機といった3系統にクラス分けされ、使えるスキルや兵装に特徴を持たせていた。ひたすら気体が直進する空中戦ならではの条件下で、運動性能や兵装が大別されており、細かいバランス調整については絶妙の一言だった。 「HIS」のサービススケジュールならびにビジネスモデルは未定。昨年末のG★2007のJCEntertainmentブースではムービーの展示に留まり、気になる内容には初めて触れることができた。早速お伝えしたい。
■ 舞台は第2次世界大戦の大空!歴戦の勇者となって戦線を駆け抜けろ!
陣営内なら国をまたいで各国の機体を所有することができ、プレーヤーのレベルを上げることで次々に機体をアンロックして生産し、搭乗することができる。筆者は枢軸国に参戦し、高い機動力を持つ日本の戦闘機「A6M3(零戦32型)」を主に使用した。 「HIS」のモードは、ミッションモード、対戦モード、占領モードの3つ。対戦モードでは最大16人のプレーヤーによる空戦が楽しめ、個人デスマッチやチームデスマッチ方式が用意されている。所属陣営に関係なく2チームに分かれて、ミッションモードに登場する11マップを自由に対戦できるモードだ。 占領モードは25対25の対戦で連合国と枢軸国がお互いの領土を奪い合うモードだが、完全には実装されておらず、現段階では領土をどのように奪い合うかといった仕組はまだわからない。本テストでは陣営間の25人対25人の最大50人による対戦モードとしてプレイすることができた。 ミッションモードは各陣営が第2次世界大戦の有名な戦場を舞台にミッションを遂行するモードだ。レベルに合わせて初級用の「欧州戦線」、レベル9以上の「太平洋戦線」、レベル15以上の「日本戦線」、最後にレベル19以上の「ドイツ戦線」に分けられている。 ミッションでは、コンピュータAIが操作する敵側の艦艇や航空部隊を相手に、最大4人で協力してミッションを進めるCOOP機能が盛り込まれている。1人でもプレイできるが、ハイレベルな戦線になるほど敵機が雲霞のごとく押し寄せ、さらには機体ごとHPが高くなるため、4人がかりでもクリアできなかったステージもあった。戦闘自体は特別難しくはなかったが、殲滅ミッションで時間内に倒しきれないシーンにはしばしば遭遇した。 ミッションをクリアすると報酬として本作内の通貨「ジェム」と経験値を得ることができる。レベルアップのためには同じミッションを繰り返すことになるが、敵の行動パターンが毎回同じで、回を重ねていくごとに手応えが薄れてしまうのが残念だった。実際に韓国のプレーヤーたちもある程度ミッションでコツをつかむと対戦モードに付きっ切りになるプレーヤーが多かった。 ミッションは「ミッドウェー海戦」、「真珠湾攻撃」など史実をモチーフにした内容で、両陣営に11個のミッションが用意されている。同じ内容のものを逆の陣営の立場から参加するミッションもあるが、両陣営オリジナルのミッションもある。 ミッションの具体的な内容は、たとえば枢軸国側で「ミッドウェー海戦」に参戦した場合、ミッドウェー島へ進軍する日本軍の機動部隊を米軍の空母艦隊から護衛する設定だ。プレーヤーは20分の制限時間の間、味方艦隊の撃沈を阻止しなければならない。 爆撃機、戦闘機、空母で構成された米軍部隊が時間を追うごとに次々と増援されてくる。味方艦艇が1つでも撃沈されるとミッションが即失敗に至るため、米軍部隊の増援アナウンスがあるたびに追い込まれるようで、ぴりぴりとした緊張感が終始楽しめた。他のミッションもスタイルとしては敵艦隊や航空部隊、地上基地などの殲滅や護衛ミッションとなっている。
史実に従った歴史上の戦闘任務にプレーヤーが参加するというのはマニアでなくともとても興奮するのだが、ミッション中に史実に基づいたイベントが起きたり、実在する艦艇や史実を語るには欠かせない著名な提督の登場が一切無く、ひたすら戦術的なオブジェクトをこなしていくだけというのがやや寂しいところだ。第2次世界大戦という舞台設定があまりにもったいない。当時の世界情勢について理解するためのエピソードや歴史上の人物にミッション内容を語らせるなど当時のカラーにもう一押しほしいところだ。
■ シンプルでアーケード性が高い操作は、初心者でも馴染みやすい 「HIS」は、キーボードの方向キーで機体を操作し、「A」で機関銃の発射、「S」で補助武器の発射、「Space」でブースト、「X」、「Z」でスキルとなっている。移動と発射はマウス操作との切り替えが可能だが、ジョイスティックなどのキーボード以外のデバイスへのサポートは未定とのこと。 機体の操作は、方向キーにより上昇、下降、右ターン、左ターンと「Space」キーによるブーストができる。ブーストは加速ゲージがヒートアップするまで使用することができる。使用しなければ徐々に減っていくため、敵の追撃を逃れたり、あと1歩追い詰める時のゲージ分は温存しておきたい。 機体のメイン武器は「A」で発射する機銃で、機銃を用いた格闘戦が基本となる。攻撃力は低いが連射力の高い機銃や、攻撃力は高いが連射力の低い機銃など、自分好みの武器に載せかえることができる。 視界は航空機ゲーム独特で照準が視界中央に固定されており、移動とエイミングが一体となっている。このため機体をいかにうまく操れるかが勝敗の決め手となるのだ。 「S」キーで発射する補助武器は空中や地上の敵を直接狙うロケットミサイル、対空砲、艦隊などや建造物に落とす爆弾、メインの機関銃とは別に発射することができる補助機関銃などがあり、3つとも装備して、「D」キーで変更しながら発射することができる。「X」、「Z」で使えるスキルは360度回転する「ルーフ」、一定時間無敵効果がある「ローリング」などがある。これらの武器やスキルはアイテムショップやミッションを通じて獲得し、ロビーの格納庫メニューで切り替えることができる。 操作性を総評すると「HIS」はシンプルな操作で、動きの反応が非常に早く爽快感がありアーケード性が高い。初心者も手軽にプレイを楽しめることができる印象だった。
■ 機種によって多様な戦略が可能に!マルチプレイの空中戦に着目
生産できる機体数は無制限で、テックツリーによっては爆撃機や管制機を生産することができる。機体の兵装はアイテムショップで買うことができるが、こちらも性能によってレベル制限がつけられていた。 「HIS」で登場する機種は大きく戦闘機、爆撃機、管制機の3つに分けられている。戦闘機は運動性能が高く前方の攻撃力は高いが、HPや防御力が低く後方機関銃を搭載できない機種だ。プレーヤーの射撃スキルがもっとも反映される機体だった。 爆撃機は防御力が高く、爆弾と後方機関銃を搭載できる機体だ。爆弾の攻撃力は凄まじく、ユーザー同士の対戦では高高度から爆弾を航空機に対してぶつけるというトンデモない戦法が盛んに使われていた。 一般的に魚雷や通常爆弾など海上の艦艇や施設に対する兵器を指すが、本作では空中を飛んでいる飛行機にこれらを当てることで、空中戦の一発逆転兵器として使われていた。当然ながら、HPが少ない戦闘機に一発でも命中させれば相手はほぼ撃墜。船に比べれば飛行機などどれほど大きかろうと紙みたいなもの。ゲームならでは掟破りの戦法が非常に面白かった。 最後に管制機は誘導ミサイルや回復するスキルを塔載できる機種で、兵装は平凡ながらも回復スキルを持っているという点で、存在感を放っていた。 対戦では相対する機体によって異なる戦略が不可欠だった。戦闘機同士の戦いの場合は、お互いの機動力が高いため、なかなか機銃を連続して当てられず勝負がつきにくい。相手の後方を奪い合いながら地道に体力を削るのが定番となっていた。とにかく後ろを取れば勝ちなので、ユーザー同士のボイスチャットを交えることができれば、自分の後方についた敵のさらに後ろを味方に取ってもらうといったやりとりが楽しめるだろう。 爆撃機に乗った場合、「A」の発射キーさえ押しておけば、気体後方に設けられたポッドから自動照準銃撃を加えられるため、爆撃機を相手にする時は後ろをとりに行くのは賢明ではない。その上自動照準の性能は驚くほど高く、目視されていないにもかかわらず落とされるというシーンも。機体の横や下方から銃撃をお見舞いすると効果的だった。 爆撃機に比べやや苦戦を強いられたのが管制機だった。当時の最新兵器でもあった誘導ミサイルを放つことができるのだが、肝心のミサイルが遅く敵機に追い着かない場面が多かった。味方の支援以外でいざ戦闘となると、敵機に正面から向かわねばならないなどプレイするユーザーの判断力や技術を問われた機体だった。
「HIS」は高いアーケード性を持つ爽快な操作と機種によって異なる戦略を持つ戦略性で非常に面白く、高いゲーム性を持っていた。ミッションモードの敵が単純なパターンになっており、飽きやすいところが改善すべき点だが、高いAIを取り入れたり、バックストーリーを盛り込むことでボリュームを増していけば、多様な層のユーザーに訴求できそうだ。今後の展開に期待したいところだ。
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□JCEntertainmentのホームページ(韓国語) (2008年1月21日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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