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バンプレスト、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
全国大会「2007オフィシャル全国大会 ver.0.1」決勝戦をレポート

12月22日 開催

会場:ナムコ ワンダーパーク ヒーローズベース(神奈川)

 株式会社バンプレストのAC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」を使用した初の全国大会「機動戦士ガンダム 戦場の絆 2007オフィシャル全国大会 ver.0.1」の決勝戦が、12月22日、神奈川県川崎市のナムコ ワンダーパーク ヒーローズベースにて行なわれた。この大会は今後予定されている「戦場の絆」全国大会の前哨戦としての開催となる。大会は、ヒーローズステージ側に8台、ナムコランド側に8台、そして新規ユーザー向けに店頭に4台設置し、20台のP.O.D.をフル活用して行なわれ、多数の見学者でごったがえした。

 今回の大会の参加種目にはA、B、Cの3つの「Side」があり、大会枠としては2つ。AとCがいわゆる大会、BがSide-Aの応援カテゴリとなっている。そこから地方予選が行なわれ、各エリアの代表13チームによるトーナメント戦(ダブルイルミネーション方式)で覇が争われた。

 今回、ゲストとしてバンプレストの馬場龍一郎氏、株式会社バンダイナムコゲームスの小山順一朗氏に加え、ディレクターの夛湖久治氏らも登壇。場当たり的な戦場の状況のレポートだけでなく、もう少し突っ込んだ解説も行なわれた。また、ステージ側、ナムコランド側、それぞれ両陣営の2つずつのP.O.D.の内部を出力するいわゆる「晒しモニタ」が設置され、ステージでのスイッチングによる単発モニタの実況だけでなく、ステージにいなくとも常に4人のプレーヤーの戦況がわかるようになった。客数の増加もあるが、純粋に戦いを真剣に観戦したい来場者にはありがたい措置で、9月に行なわれた首都圏大会からの運営側の進化が見られたところだ。

ヒーローズベースのステージ側に8台 ナムコランド側に8台が設置 それぞれに4台ずつの晒しモニタが設置


■ 「ホットなホットなクールさん」チーム、首都圏に続いて全国を制す!

 「戦場の絆 2007オフィシャル全国大会 Ver0.1」決勝大会では、全国から集結した13チームによる激戦の末、首都圏大会でも栄冠に輝いた「ホットなホットなクールさん」チームの連覇で幕を閉じた。本稿ではいくつかの試合をピックアップし、激戦の一端をお伝えしていく。大会の熱気とハイレベルな攻防の一端を感じていただければ幸いである。

【出場チームとパイロットネーム】

北海道代表

東北代表

関東A代表

湘北

ピンク魔王団とその下僕

ホットなホットなクールさん

連邦 ジオン 連邦 ジオン 連邦 ジオン
ARA ARA ダミアン666 ダミアン666 クールさん COOL3
ジャギ ジャギさま…? レイアウト スパイク WING WING
ユウサク ユウサク ヤバスクン ルカシー R・LOVE・Y YUDA
おす!ばんちょう Reba-M2 サンワ サ・ンワ たまま おれYOEEE!

関東B代表

関東C代表

関東D代表

Werther's Original ~おじいさん全国へ~

ヒーサ寝坊しました

萌え戸愚呂カンパニー

連邦 ジオン 連邦 ジオン 連邦 ジオン
ブルー スズラン Imashi いましめ とぐろ・おとうと JJJ
てんしなイモウト チャワン・ムシ HEI$TAI HEI$TAI とぐろ・ちち フローレン
ステラ・ルーシェ ビッキー どせいさん どせいさん モエッコカンパニ メルクーリオ
ヒナ TAKE ヒーサ ヒーサ とぐろ・はは ユウ・エイチ

東海代表

近畿A代表

中国・九州代表

カムイMk.17小隊

竜巻わんこ

T.T

連邦 ジオン 連邦 ジオン 連邦 ジオン
FUNE 3RD FUNE 3RD いわい イワイ バベテツ バベテツ
KAMUI-17 Kamui-17 めーくんあるふぁ うたのおねーさん あむろ ゴロゾー
エアバ AIRBIRD やんわり やんわり ムソウ・ターくん クラウザー
G/S S/G オレンジ ギルフォード たくみ たくみ

Side-B代表(神奈川)

Side-B代表(東京)

日本語でおk?

神(しん)

連邦 ジオン 連邦 ジオン
ユイ ユイ SHIN こんどういさみ
ちょB とうどうへいすけ ソラ ソラ
GREG おきたそうし Shalgiel Raphael
-ヤマト- -ヤマト- イタ2 HDD

Side-C代表(群馬)

Side-C代表(滋賀)

ダルマ神社

side-Cwww

連邦 ジオン 連邦 ジオン
かみさま カミサマ オコイ オコイ
ひろつぐ アナベルトガトー トラクター コンバイン
さりーちゃん ひろっぐ タニシ たにし
エディン ドナシュラーク CBS!? CBS!?

ダブルイルミネーショントーナメントとなった
 大会形式は1戦勝負(1クレジットのうち1戦)のダブルイルミネーショントーナメント。ダブルイルミネーションとは、勝ち側と負け側にトーナメント表が伸びていて、どのチームも負けた時点で負け側のトーナメントに回り、そこから全勝すれば決勝にたどり着けるというもの。もちろん、最初から負けなしで全勝していけば文句なしの決勝進出となるが、決勝の相手は負け側のトーナメントから上がってきたチームなので、そのまま決勝の勝敗を決めるのはやや不公平。そこで、全勝チームが決勝で負けた場合に限り、プレーオフとしてもう1度決勝戦が行なわれるというレギュレーションとなっている。ではさっそく、印象的な試合をピックアップしていこう。

・やれることをやれなくて負ける典型パターン
「side-Cwww」(○)vs「神(しん)」(×)

side-Cwww 神(しん)
ガンダムEz8(タニシ) グフ(ソラ)
陸戦型ガンダム(オコイ) ズゴック(S)(Raphael)
陸戦型ガンダム(トラクター) ザクII(HDD)
ガンタンク(CBS!?) ザクタンク(V-6)(こんどういさみ)
 Side-B代表とSide-C代表の対決となった1回戦は、未知数とされていた「side-Cwww」チームの確かな実力の一端が垣間見えたのと対照的に、関東の強豪のひとつである「神(しん)」チームが本来の実力を出し切れず、「side-Cwww」チームの勝利となった。お互いにアンチ(※1)に回ったRaphaelが陸戦型ガンダムを撃破し、タニシがザクIIを撃破と、立ち上がりとしてはジオン側がやや有利だったが、勝負所で「神(しん)」チームのソラのグフが2連撃までしか出ないという不調に陥り、ガンタンクを倒すのに時間がかかってしまったのは痛かった。

 なお、低コスト機体と高コスト機体のダッシュおよびジャンプ後の硬直時間の差別化や、タンクのコストが調整されたことにより、いわゆる「高コスト編成」が大会におけるスタンダードとなっていたのが印象的。とくに地球連邦軍の場合はガンダムEz8、陸戦型ガンダム×2、ガンタンクという組み合わせが主流となっており、この試合での「side-Cwww」チームもその編成を取り入れている。

※1:アンチタンクの略で、相手のタンクとその護衛を妨害する役目の俗称。

・大本命が下馬評通りの強さを見せるスタート
「ホットなホットなクールさん」(○)vs「T.T」(×)

ホットなホットなクールさん T.T
ガンダムEz8(WING) グフ(ゴロゾー)
陸戦型ガンダム(たまま) グフ(クラウザー)
陸戦型ガンダム(R・LOVE・Y) ザクII(たくみ)
ガンタンク(クールさん) ザクタンク(V-6)(バベテツ)
 首都圏大会での圧倒的なパフォーマンスにより、全国大会でも優勝候補の筆頭間違いなしと噂されていた「ホットなホットなクールさん」チームだが、その実力はやはり本物。開幕から全機でドーム方向に移動し、アンチを行なうと同時にラインを作ってタンクを前に出すという攻防一体の戦術を見せ、見事なまでの圧勝で幸先の良いスタートを切った。

 NYでのタンク戦術において、敵拠点の2落としまでで良しとするならこういうバリエーションもあるぞ、ということを思い出させてくれたが、WINGいわく「右侵攻もあるよっていうのをとりあえず見せたけど、他の試合は普通に真っ向勝負でした」ということで、このルートを使ったのは初戦のみ。ジオン側の拠点撃破を1回にとどめつつ、連邦側はきっちりと2落としに成功しているあたりはさすが。

・東海の雄、無難に初戦を飾る
「カムイMk.17小隊」(○)vs「日本語でおk?」(×)

日本語でおk? カムイMk.17小隊
ガンダムEz8(-ヤマト-) グフ・カスタム(FUNE 3RD)
陸戦型ガンダム(ユイ) ドム・トローペン(Kamui-17)
陸戦型ガンダム(GREG) ドム・トローペン(AIRBIRD)
ガンタンク(ちょB) ザクタンク(V-6)(S/G)
 稼働初期から全国屈指のドムトロ乗りとして勇名を馳せたAIRBIRD率いる「カムイMk.17小隊」と、関東の実力者が集まり、Side-Bで出場権を得た「日本語でおk?」チームの対決。

 「カムイMk.17小隊」といえば、全国マッチでもドム・トローペン2機以上を主軸とした独創的な編成で知られるが、全国大会でもそのコンセプトは変わらず。ただし近接格闘型の枠に採用したグフ・カスタムはガトリング・シールドではなく3連装ガトリングBを装備しており、見事に総コスト790のコスト内編成(※2)に抑えてある。また、「カムイMk.17小隊」の基本戦術はタンクの護衛にグフ・カスタムと片方のドム・トローペンをつける「2護衛」のスタイルで、相手がそれに対応してアンチに2枚回せば、エースのAIRBIRDのドム・トローペン単機で相手の護衛とタンクが叩きやすくなるという、自分たちの形に持ち込んでの強さを重視しているのも印象的。

 ……なのだが、この初戦ではなんと、アンチに回ったAIRBIRDが簡単に撃破されてしまうという大方の予想を裏切る展開に。しかし連邦軍のアンチも2枚まとめて壊滅するという非常事態が発生したため、ジオン側有利で戦場は展開。その後の連邦軍はザクタンク(V-6)の周囲に3機のMSが揃ったにもかかわらず本命のザクタンク(V-6)を取り逃がすという失敗もあり、陸戦型ガンダムが合計3機撃破、ガンダムEz8とガンタンクが1機ずつ撃破されたことでほぼ詰みの状態。拠点を2回落とされた時点で連邦側の戦力ゲージが消滅、オンリーワンとも言える強さをいかんなく発揮した「カムイMk.17小隊」が初戦を飾った。

※2:相手に拠点を2落としされるのを前提とし、4vs4の総コスト(戦力ゲージ)1,600から拠点2回分のコスト800を差し引くと、残りコストは800となる。機体編成の際に、MSの総コストが800未満に収まる(拠点2落ち、MSすべて1落ちで戦力ゲージが0にならない)ようにMSのコストを調整する編成を「コスト内編成」と呼び、MSの総コストが800以上になるものを「コストオーバー編成」と呼ぶ。

・軍師どせいさんの采配、少年兵にも容赦なし
「ヒーサ寝坊しました」(○)vs「ダルマ神社」(×)

ヒーサ寝坊しました ダルマ神社
ガンダムEz8(ヒーサ) グフ(アナベルトガトー)
陸戦型ガンダム(どせいさん) グフ(ドナンシュラーク)
陸戦型ガンダム(Imashi) ドム・トローペン(カミサマ)
ガンタンク(HEI$TAI) ザクタンク(V-6)(ひろっぐ)
 優勝候補の対抗に推すプレーヤーが多かった「ヒーサ寝坊しました」チームの司令塔は、全国マッチでは見慣れぬ「どせいさん」。本来は「ぽらりす」というパイロットネームで知られるプレーヤーだが、全国大会の予選で敗退した際に一度は引退を決意したものの、周囲の説得によってカードを作り直して復帰したという経緯により「どせいさん(曹長)」での出場となった。

 対する「ダルマ神社」は弱冠10歳(!)の少年兵を擁し、親子でSide-Cでの代表権を獲得したというハートウォーミングなチーム。少年兵の活躍に期待したいのが人情だが、ジオン側の「ダルマ神社」が全員でタンクを護衛しながら攻め上がったのを歴戦の「ヒーサ寝坊しました」側が見逃すはずもなく、ジオン側が1カ所に固まったところをガンダムEz8と陸戦型ガンダムに取り囲まれてジオンは万事休す。序盤のアドバンテージを維持したまま「ヒーサ寝坊しました」が無難に勝利した。

・うたのおねーさんの蛮勇、試合を決す
「竜巻わんこ」(○)vs「ピンク魔王団とその下僕」(×)

ピンク魔王団とその下僕 竜巻わんこ
ガンダムEz8(レイアウト) ギャン(うたのおねーさん)
陸戦型ガンダム(ダミアン666) ザクII(F-2)(ギルフォード)
陸戦型ガンダム(ヤバスクン) ドム・トローペン(やんわり)
ガンタンク(サンワ) ザクタンク(V-6)(イワイ)
 近畿代表vs東北代表という全国大会らしい顔合わせは、「竜巻わんこ」側の速攻で意外な展開に。開幕から間もなく、砲撃ポイントに向かうサンワのガンタンクにうたのおねーさんのギャンが噛み付き、それに気がついた陸戦型ガンダムが慌ててガンタンクを救おうとするも、ギャンのクイックドローで転倒させられ、ガンタンクは致命的なダメージを受けることに。その勢いのままにジオン側が大きなアドバンテージを得ることに成功。

 序盤の出遅れと、1回目のダブデ破壊を達成した直後にガンタンクが2回目の被撃破を迎えたことにより、連邦側は2回目の拠点攻撃が不可能な状態に。終盤、冷静に引くジオン側に対して連邦側は打つ手がなく、「竜巻わんこ」が勝利した。

・瀕死のザクタンク(V-6)が試合を決める
「カムイMk.17小隊」(○)vs「side-Cwww」(×)

side-Cwww カムイMk.17小隊
ガンダムEz8(タニシ) グフ・カスタム(FUNE 3RD)
陸戦型ガンダム(オコイ) ドム・トローペン(Kamui-17)
陸戦型ガンダム(トラクター) ドム・トローペン(AIRBIRD)
ガンタンク(CBS!?) ザクタンク(V-6)(S/G)
 初戦と同様にグフ・カスタムとドム・トローペンでタンクを護衛する「カムイMk.17小隊」に対し、「side-Cwww」はアンチに2機を派遣するがっぷり四つの展開。残り180カウントの時点でグフ・カスタムとドム・トローペンが撃破されるというジオン側不利の展開となるも、S/Gが操るザクタンク(V-6)が必死の粘りを見せ、残りARMOR値2で奇跡の生存。

 これによって全員の被撃破が1回ずつで拠点の2落としを成功させたジオン側が劇的な勝利を飾った。総コストを計算して編成を組んでいる以上、計算外の被撃破は可能な限り抑える、というコンセプトを極限状態でも守り通せたことが勝因、という好試合である。

・決勝戦第一試合(?)はタンクの立ち回りで勝敗が決した
「ホットなホットなクールさん」(○)vs「ヒーサ寝坊しました」(×)

ホットなホットなクールさん ヒーサ寝坊しました
ガンダムEz8(WING) グフ・カスタム(ヒーサ)
陸戦型ガンダム(たまま) ズゴック(S)(いましめ)
陸戦型ガンダム(R・LOVE・Y) ザクII(どせいさん)
ガンタンク(クールさん) ザクタンク(V-6)(HEI$TAI)
 優勝候補の本命と対抗による「決勝戦第一試合」と見るプレーヤーが多く、注目度が高かった一戦。「ヒーサ寝坊しました」のプランとしては、ザクタンク(V-6)の被撃破が1回、ザクIIの被撃破が3回、グフ・カスタム(ガトリング・シールド装備)またはズゴック(S)の被撃破が1回までというコスト計算で、中盤までは狙い通りの展開。

 だが、連邦側にプレッシャーを受けたザクタンク(V-6)が、すでに被撃破1回であるにも関わらず、いわゆる「ひな壇」から連邦前広場にダイブしたことでジオン側の公算が狂う。インカムによる意思疎通に一瞬の遅れがあったという事情もあるが、結果としてジオン側はザクタンク(V-6)の援護が難しくなり、ザクタンク(V-6)の被撃破が2回、グフ・カスタムが1回、ザクIIが2回の被撃破でコストオーバーの敗戦。

 チームコンセプトと味方を信じ、生存するために最適な立ち回りを意識できなかったというのが敗因と言えるが、そこまで突き詰めた立ち回りに徹することができるプレーヤーやチームがどれほどあるのかと思えば、ザクタンク(V-6)に乗るHEI$TAIの判断もやむなしか。だが、もしも次回があるのであれば、そのレベルまで突き詰めたプレーヤーとチームが集う、よりハイレベルな戦いに期待したい。チームコンセプトとタンクの位置取りの齟齬、そして一瞬の意思疎通の遅れだけで敗戦がある、という教訓だけでも十分にハイレベルではあるのだが。

・リスク排除の立ち回りが結実しての判定勝ち
「日本語でおk?」(○)vs「湘北」(×)

湘北 日本語でおk?
陸戦型ガンダム(ユウサク) グフ(-ヤマト-)
陸戦型ガンダム(ARA) ギャン(ユイ)
ジム・コマンド(ジャギ) ザクII(F2)(おきたそうし)
ガンタンク(おす!ばんちょう) ザクタンク(V-6)(とうどうへいすけ)
 戦力ゲージがなくなっての決着が多いなか、連邦側の編成が瞬間的な火力に欠ける近距離戦型3機ということもあり、時間切れによる判定で勝敗が決まった試合のひとつ。序盤、タンクの護衛に回ったユイのギャンとアンチに回ったARAの陸戦型ガンダムが1対1の状況となるが、お互いに攻め手を欠き、ほぼノーダメージのままで睨み合いが終わる。その時点でARAの陸戦型ガンダムは連邦側の川のあたりまで位置を下げられ、ユイのギャンの方がわずかに早く主戦場に復帰できるという展開。

 だが、連邦のタンク護衛側がよく戦い、連邦側がコスト有利な状態でお互いに拠点を2回ずつ落として撤退戦へ。ジオン側は追撃戦で連邦側のMSを2機落とさなければ勝ち目がなかったが、その時点でギャンはARMOR値わずか25で、追撃戦への参加を断念。近距離戦型3機の弾幕で撤退戦を展開する連邦に対し、ギャンを欠く2枚で追撃を行なうジオン側は明らかに不利と思われたが、連邦側の連携ミスによって時間ぎりぎりで形勢が逆転。ギャンが撃破されるのを覚悟した玉砕戦法を採らなかったジオン側の冷静さと、戦況を把握し、被撃破直前で戦線から離脱したユイの判断力が勝利をもたらした。

・「カムイMk.17小隊」が見せた脆さ
「カムイMk.17小隊」(×)vs「萌え戸愚呂カンパニー」(○)

カムイMk.17小隊 萌え戸愚呂カンパニー
ガンダムEz8(FUNE 3RD) グフ・カスタム(JJJ)
陸戦型ガンダム(エアバ) ズゴック(S)(ユウ・エイチ)
陸戦型ガンダム(KAMUI-17) ザクII(F2)(メルクーリオ)
ガンタンク(G/S) ザクタンク(V-6)(フロ・ー・レン)
 ジオン軍をメインとする「カムイMk.17小隊」が連邦軍に回った唯一の試合。宇都宮の強豪で構成された「萌え戸愚呂カンパニー」がMS戦で圧倒的優位に立ち、ビッグトレーを撃破したのは1回のみに関わらず、連邦側の戦力ゲージを0にして勝利した。この戦いで垣間見えたのは、連邦側のMSを扱う「カムイMk.17小隊」の脆さ。AIRBIRDの陸戦ガンダムにドム・トローペンほどのキレは感じられず、FUNE 3RDのガンダムEz8も効果的な働きができないままに2度の被撃破を数えた。対する「萌え戸愚呂カンパニー」が連邦側とジオン側のどちらでもほぼ遜色のない熟練度を見せていたことを思うと、「カムイMk.17小隊」の敗戦は順当だったのかもしれない。

 ちなみに両チームは敗者復活サイドで再び顔を合わせ、その試合では「カムイMk.17小隊」がジオン側に回り、「萌え戸愚呂カンパニー」へのリベンジを果たしている。

・慎重さゆえの判断ミス?
「カムイMk.17小隊」(○)vs「ヒーサ寝坊しました」(×)

ヒーサ寝坊しました カムイMk.17小隊
ガンダムEz8(ヒーサ) グフ・カスタム(FUNE 3RD)
陸戦型ガンダム(Imashi) ドム・トローペン(Kamui-17)
陸戦型ガンダム(どせいさん) ドム・トローペン(AIRBIRD)
ガンタンク(HEI$TAI) ザクタンク(V-6)(S/G)
 「カムイMk.17小隊」恒例のグフ・カスタムとドム・トローペンによるタンク護衛に対して、「ヒーサ寝坊しました」はガンダムEz8と陸戦型ガンダムを派遣。枚数的にはがっぷり四つの展開となるも、連邦側はARMOR値が残り少ないガンダムEz8でザクタンク(V-6)の撃破を狙わず、大事を取って陸戦型ガンダムとガンダムEz8がスイッチ。その流れでガンダムEz8を拠点に戻すも、ザクタンク(V-6)の撃破に失敗して拠点の2落としを許してしまう。ジオン側はアンチに回っていたドム・トローペンと、撃破されて連邦の砲撃地点周辺に復活したグフ・カスタムとで連邦側の護衛とタンクの壊滅に成功。ガンタンクを2回撃破するなどで連邦に拠点2落としを許さないまま、連邦側の戦力ゲージを消して「カムイMk.17小隊」が勝利した。

 コスト210のガンダムEz8をやすやすと失うわけにはいかないという判断は決して間違いではないが、結果的にはザクタンク(V-6)の撃破を狙うタイミングが遅れたことが敗因につながった。裏を返せば、ザクタンク(V-6)のストンパーの脅威が、連邦側の判断ミスを誘ったとも言えるかもしれない。

・決勝戦:無敗の勝利
「ホットなホットなクールさん」(○○)vs「カムイMk.17小隊」(××)

ホットなホットなクールさん カムイMk.17小隊
ガンダムEz8(WING) グフ・カスタム(FUNE 3RD)
陸戦型ガンダム(たまま) ドム・トローペン(Kamui-17)
陸戦型ガンダム(R・LOVE・Y) ドム・トローペン(AIRBIRD)
ガンタンク(クールさん) ザクタンク(V-6)(S/G)
 激戦の果てにたどり着いた決勝の舞台で顔を合わせたのは、関東代表の「ホットなホットなクールさん」と東海代表の「カムイMk.17小隊」。お互いがメインとする軍と編成においては陸戦型ガンダムvsドム・トローペンという図式もあり、興味深い要素には事欠かない対決となったが、結果から言うと連邦側の「ホットなホットなクールさん」が2連勝を収め、無敗のままで全国優勝を決めた(決勝は3戦勝負)。

 1戦目では開幕早々にWINGのガンダムEz8が護衛と間違えてザクタンク(V-6)に噛みつき、FUNE 3RDのグフ・カスタムにカットされるという冷や汗ものの局面を迎えるが、ここはグフ・カスタムが堅実に格闘1発からクイック・ドローにつないだため致命傷には至らず。たままの陸戦型ガンダムが2度の被撃破を受け、連邦側は決して楽ではない展開を迎えるも、R・LOVE・Yの陸戦型ガンダムが撃破されていない時点でガンダムEz8は拠点に戻って回復を選択。その判断が功を奏し、陸戦型ガンダムの2回とガンタンクの1回だけに被撃破を抑えて連邦側が勝利した。

 2戦目はお互いに全MSの被撃破が1回ずつで終盤戦までもつれ込み、残り55カウントの時点で連邦軍の残りコスト20、ジオン軍の残りコスト10という、コスト内編成同士の手に汗握る戦いに。最終的にはKamui-17のドム・トローペンが2回目の被撃破を迎え、その瞬間に「ホットなホットなクールさん」チームの全勝優勝が決まった。

■ 総括:4vs4の高コスト編成は突き詰められたのか?

 連邦軍の編成はガンダムEz8、陸戦型ガンダム×2、ガンタンクでほぼ決まり、といった印象を受ける大会であったことは論を待たないところだろう。編成の面白みには欠けるが、「すべて被撃破1回ずつ」というシンプルなコスト計算を行なうのであれば、この編成を超えるバリエーションは考えにくいし、なにしろ優勝チームの編成である以上、その有効性も証明された格好だ。だが、パイロットの力量やMSによっては異なるコスト計算のアプローチがあるということも、「ヒーサ寝坊しました」チームが示している。陸戦型ガンダムやズゴック(S)が撃破されないのであれば、2回以上の被撃破を前提とした低コストMSの運用という発想にも行き着く。

 コスト内編成およびコスト計算の重要さは、今回レポートしたいくつかの試合が如実に示している通りで、これらの編成は間違いなくお手本のひとつ。しかしながら、絶対的な正解というわけでもない。より効率的な編成というものがそう簡単に見つかるとも思えないが、中距離支援型MSへのダブル・アームド・システムの搭載や、ジム改および高機動型ゲルググの登場など、戦場もまた刻一刻と変化し続けている。プレーヤー諸君のさらなる考察と研鑽を願いつつ、レポートを締めくくるとしよう。

ダルマ神社にはMIP賞(Most Improved Pilots=最も印象に残ったチーム)が贈られた 前列左がカムイMk.17小隊、右がホットなホットなクールさん


(C) 創通・サンライズ

□バンプレストのホームページ
http://www.banpresto.co.jp/
□「機動戦士ガンダム 戦場の絆」のページ
http://www.gundam-kizuna.jp/
□「機動戦士ガンダム 戦場の絆」大会用特設ページ
http://gundam-kizuna.jp/taikai/2007/
□関連情報
【10月15日】バンプレスト、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
初の全国大会「2007オフィシャル全国大会 ver.0.1」を11月3日より開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071015/kizuna.htm
【10月1日】ナムコ、「ヒーローズベース」オープン1周年記念イベント第1弾
「戦場の絆」ナムコ首都圏大会決勝戦を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071001/pod.htm

(2007年12月27日)

[Reported by トバ・ルマン 取材協力/レイセン・U・I Photo by 佐伯憲司]



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