★オンラインゲームレビュー★
シンプルながらしっかりとしたゲーム性を高評価
国内最大規模のプレーヤー数を誇るオンラインFPS
「サドンアタック」 |
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- ジャンル:オンラインFPS
- 運営元:ゲームヤロウ
- 開発元:GameHi
- 利用料金:基本プレイ無料/アイテム課金
- 対応OS:Windows 2000/XP/Vista
- 発売日:7月26日(正式サービス中)
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2007年もいよいよ年の瀬。このホリデーシーズンに遊ぶゲームのレパートリーはお決まりだろうか。PCのFPSユーザーにおかれては、10月の「Half-Life 2: Orange Box」、11月の「Crysis」以降、これといって食指をそそうるゲームが見つからないといった向きも多いのではないだろうか。そんな時はフリーで遊べるオンラインのFPSを嗜んでみてはいかがだろう。
今回紹介する「サドンアタック」は、ゲームヤロウ株式会社のオンラインゲームポータル「レッドバナナ」が今年7月より国内サービスを展開しているオンラインFPSだ。現在ではサービス開始よりおよそ半年が経過し、アカウント数は10万を越え、ピークタイムの同時接続数は10,000近くと、国内でプレイされているFPSとしては最大規模を誇っている。シンプルでとっつきやすい、だけど案外深くやりこめる。本稿では、ホリデーシーズンに試してみるにはうってつけの本作をご紹介しよう。
■ 本当に無料で遊べてしまうオンラインFPS。手軽ながらガッツリ遊べる確かなゲーム性
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「サドンアタック」は非常に素直な操作特性を持つスポーティなオンラインFPSだ |
「サドンアタック」とはどんなゲームなのか。ゲームそのものの構造としては、政府軍を模した「ブルーチーム」、反乱軍を模した「レッドチーム」の2チーム対抗で戦うチーム戦FPSであり、登場武器類は「AK47」、「M4」、「MP5」など実在の銃器をモデルにしている。ゲーム内容に関して、敢えて身もフタもない言い方をすれば、「『Counter-Strike』の亜種」である。
その本作は韓国GameHiが開発し、ビジネスモデルとしてはアイテム課金制を採用している。レッドバナナでは11月に本作の最高司令官として所ジョージを起用し、12月には公認インストラクターとしてEスポーツ界で有名なKeNNy氏を登用するなど、一般ゲームプレーヤー向けのプロモーションに積極的だ。サービス開始からおよそ半年を経過し、プレーヤー数の伸びも上々、いよいよ脂が乗ってきた時期というわけである。
本作は「基本プレイ無料」のオンラインゲームであり、ゲームクライアントは「サドンアタック」公式サイトよりダウンロードできる。レッドバナナポータルのゲームを始めて利用するのであればアカウントを登録し、ウェブサイトのゲームスタートボタンをクリックすればすぐにゲーム開始だ。
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ロビー画面。常に沢山のプレーヤーで賑わっているため、好みのゲームルームをすぐに見つけられるだろう |
ゲーム起動後、まずはサーバーを選択する。現在のところ用意されているサーバーは、中級~上級者向けの「【正規兵】Silent Fox 1」、初級者向けの「【新兵訓練所】Silent Fox 3」、そしてクラン戦専用の「【クラン戦】Silent Fox 3」の3種類だ。アカウントを作りたての初級者は新兵訓練所を選択してゲームルールを覚えると良いだろう。サーバーを選択すると、次にゲームルームのリストとなる。ルームはプレーヤー自身が作成するもので、ゲームルールや状態ごとに並んで表示される。進行中のゲームへの途中参加も可能なので、定員に達していないゲームを見つけてダブルクリックすればすぐに参加ができ、お手軽だ。
現時点でサポートされているゲームルールは3種類。ひとつは、「Counter-Strike」で言えば“de_”のプレフィクスが付くマップとなる「爆破」ルール。これは、マップに2箇所存在するターゲット地点のいずれかに、攻撃側のレッドチームが時限爆弾を設置、防御側のブルーチームがそれを阻止するというもの。もうひとつは「奪取」ルール。これはマップ上にいくつか配置されたアイテム(現時点で実装されているのは爆弾のパーツ)を、攻撃側のブルーチームが奪取し、防御側のレッドチームがそれを阻止するというルールだ。3つ目のルールは「デスマッチ」。文字通り、赤青の2チームに分かれてキル数を競うシンプルなバトルルールである。
・クイックでスポーティな操作感に好感が持てる。ハイテンポな「デスマッチモード」がイチオシ
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この距離なら平行移動しつつヘッドショットを狙いたい。プレイ感覚はタクティカルFPSではなく完全にアクションFPSだ |
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敵の裏をとり、近接武器で接近。なかなか緊張感のあるシチュエーションである |
「サドンアタック」の最大の特徴は、カジュアル寄りにバランスされたアクション志向のプレイ感覚だ。基本操作は平行移動、マウスによる照準・射撃、ジャンプ、しゃがみ、武器交換など、リアル系FPSとしては必要最低限のものに抑えられている。実際にプレイしてまず気が付くのは、リアル系FPSにありがちな移動時の照準のブレが、かなり小さく抑えられているということだ。動き回りながらでも比較的正確な射撃が可能なので、結果的に非常にアクション性の高いゲーム展開になる。
リアル系FPSにはお約束の「ヘッドショット」もある。相手の頭部に対して正確に着弾させれば一撃で倒せるというものだが、移動中でも正確な射撃が可能というバランスもあり、遠距離、近距離、出会い頭の撃ち合いでも、常時ヘッドショットを狙うことがスコアを伸ばす秘訣になっている。同種のオンラインFPSである「スペシャルフォース」と比較すると、移動操作は非常にクイックであり、移動キーを離せばキュッと停止するという、いわゆる「ストッピング」操作もやりやすい。このあたりのゲーム性は、リアル系FPSというよりは、「Quake」系、「BattleField」系のようなスポーツ系FPSのノリである。
武器バランスについても触れておこう。ヘッドショットが強い本作であるが、「AK47」など1発のダメージが大きい武器であれば足や体を狙っての射撃も有効。この手の武器は連射時にブレやすい特性を持つので、これはマウスボタンを頻繁に離して射撃する「タップ撃ち」という技術で補う。「MP5」のように1発の攻撃力が弱い武器はフルオートでも照準がブレにくいため、射撃しつつ頭部に照準を持っていくことでヘッドショットを狙うことが可能だ。連射力の高い武器はマガジンチェンジのタイミングが多く発生するため、このあたりも駆け引きのポイント。十数種類のメインウェポンはこのように特性が付けられ、実に絶妙なバランスとなっている。
こういったゲーム性のため、本作はリアル系FPSとして「爆破」ルールを遊ぶのはもちろん、単純な「デスマッチ」モードでも相当楽しめてしまう。デスマッチモードでは、プレーヤーは倒されても一定時間後に再出現する。ひたすら敵チームのプレーヤーを倒し、倒され、腕を磨きながらハイスコアを競うのだ。クイックで素直な操作性、移動中でもブレにくい照準により、非常にスポーティなゲームプレイを楽しめる。スピード感のあるスキルフルなFPSを好むプレーヤーであればガッツリやりこめるはずだ。
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スナイピングにいそしむ敵の側面を突き、まとめて一網打尽に! FPSプレーヤーとしての立ち回りが生かされるシーンだ。本作のデスマッチモードでは度々こういった状況にでくわす |
・課金アイテムはゲームバランスを崩さず。その気になれば本当に無料で遊べてしまう良心設計
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武器類。これらは全てゲーム内で稼ぐ「ポイント」でレンタルできる。メインで使う武器だけなら普通にプレイしていれば十分お釣りが出る安さ |
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アバターはゲーム性に影響せず、ほとんどはゲーム内のポイントで購入できる |
「基本プレイ無料」のゲームにはお約束となっている課金アイテムは本作にもある。同系統のオンラインFPSである「スペシャルフォース」と比較してみると、本作の課金アイテムはゲーム性そのものに影響しないものばかり。強いてビジネス的なことを言えば、「これでどうやって収益を上げるのか?」と不思議に思わざるを得ないほどの良心的なアイテム体系なのである。
まず、メインウェポン、サブウェポン等、ゲーム中プレーヤーが装備する武器類に関しては、全て「ポイント」によるレンタル制になっている。平均的なところでは、1,400ポイントで1日、6,000ポイントで7日など。ポイントはゲーム中の活躍に応じて取得することができ、お気に入りの武器を2、3種類ほど常備しておくだけならば、普通にプレイするだけで十分お釣りが出るほどのポイントが獲得できる。ポイントは課金アイテムの付属物としても手に入るが、それが必要になる状況は限られていて、沢山の武器を試したり、最強のスナイパーライフル「TRG21」(15,000ポイント/7日)のように高価な武器をあまりプレイせずに保持したい時など、ごく稀な場合だ。
次にアバターアイテム。レッド、ブルーそれぞれに数種類のアバターが用意されており、これらも基本的にはポイントでレンタルが可能だ。アバターには課金アイテムのバージョンも用意されていて、それらを使うとゲーム後に獲得できる経験値の上昇率を数割ほど向上させることができる。経験値といってもプレーヤーキャラクタそのものが強くなるわけではなく、プレーヤー名の横につく階級章が、二等兵、一等兵、伍長、少尉……と、高級なものになっていくだけだ。おおむね自己顕示のためのものだと思っていい。
課金アイテムとしてしか入手できないアイテムは、上記の特殊なアバターに加えて数種類ある。ひとつは「キャラクター名変更」や「戦績初期化」など、プレーヤープロフィールを変更するもの。戦績は、プレーヤーごとに集計されているKill/Death数とラウンドの勝敗数のことで、これのクラン版もある。ふたつめは「ポイントアップ」、「経験値アップ」といった、1ゲームが完了したときのポイント・経験値の獲得量を増すもの。三つ目は、「退出カード」、「レッドカード」など、進行中のゲームを途中退場した場合に課せられるポイントのペナルティを無効化したり、途中退場でも経験値やポイントを得られるようにするものだ。途中退場さえしなければ全く必要のないものだ。
ゲーム性に影響するアイテムが全くないわけでもない。「リスポーン時間短縮」、「予備マガジン」の2つは、ゲームプレイにやや影響する。前者は文字通り、デスマッチルールで倒された時に10秒ほど課せられる再出現までの時間を半減させるものだ。後者は所持銃器の総弾数を向上させるもの。とはいえ、ワンマガジンの装弾数はそのままで、そもそも所持弾を全て撃ちつくすまで生きていられることは稀であるため、これを持っていたからといって強くなるかというと、そんな状況にはほとんどお目にかかれない。どちらもゲームへの影響は最小限であり、誰かが所持していても気付かないほどだ。
このあたりのアイテム体系は、同じくアイテム課金のFPSである「スペシャルフォース(SF)」と比べると、性質が全く異なることに気がつくだろう。「SF」では、ヘッドショット率を向上させるアイテムや、味方が落とした武器を拾えるようになるアイテム、移動速度を変えるアイテムなど、ゲーム中のキャラクタ性能に関するアイテムがギッシリ揃えられていた。したがって、1人前の働きをしようと思えば腕を磨くだけでは不足で、課金アイテムで身を固める必要があった。
一方、「SA」は、その手のアイテムが全く無く、ゲーム内のことはゲーム内で完結する仕組みになっている。課金アイテムは「腕が上がったのでこれまでの戦績をリセットしたい」、「短時間で色々な武器を使いたい」といった、なんともささやかな願望を叶えるためだけに存在しているという按配だ。その気になればというべきか、普通にプレイしていても完全に無料で、課金サービスを意識することなくゲームを楽しめるというわけだ。これほど良心的で、ビジネス的に心配すらしてしまうゲームは、他になかなか見当たらない。
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課金アイテムのラインナップ。ゲーム性に影響するアイテムは皆無で、そのほとんどは「プレーヤーの自己顕示欲」のような、ささやかな願望を助けるための補助アイテムだ。クラン戦などをやるようになればお世話になるかもしれない |
■「Counter-Strikeクローン」と侮るなかれ。 しっかりとしたゲーム性、未曾有のプレーヤー数が手応え十分のゲーム体験を生み出す
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サーバー画面。これは平日早朝のショットだ。この時間帯にこれほど賑わっているとは、いやはや凄い |
ひとりのFPSプレーヤーとして「サドンアタック」を評するにあたり、ここで筆者の個人的なFPS遍歴を披露する愚をお許し願いたい。筆者のFPS暦は13年になる。初代「DOOM」で通信対戦の面白さに目覚め、「Quake」でクランを作り、「Counter-Strike」ではいくつかの大会にも出て、それなりの成績を残した。以降もネットワーク対戦型のFPSを常時やり続けてきている筆者は、いわゆる「洋ゲー」のコアユーザーである。欧米生まれのFPSこそ本道であり、ゲームファンとしてプレイする価値のあるものだと考えていた。
そんなわけで、筆者には、昨今巷に溢れる韓国生まれのオンラインFPS、特に「Counter-Strike」クローンに対し、恥ずかしながら一種の先入観を持っていたことを告白しなければならない。「所詮はクローン。真にハイエンドで面白いのはオリジナルに決まっている」などという思い込みである。この思いのため、筆者は「サドンアタック」が持つ真の価値に気付くのが遅れてしまった。ひとりのゲームファンとして、実に勿体無い話だ。
すなわち、現在、「サドンアタック」には国内だけで数万のプレーヤーがいる。同時接続者数は、午後9時~12時頃のピーク時間帯で5,000~10,000近く、早朝でも2,000人規模。これだけ大勢のプレーヤーが日夜オンラインで切磋琢磨しているわけだ。これは、これまでどのFPSタイトルも成し得なかった規模である。これは、2つの点で「サドンアタック」の価値を高めている。
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気を抜けば、いや本気でかかっても簡単にやられてしまう。クッキリとしたゲーム性なので、足りないスキルを磨きたくなる |
ひとつめ。一般的に、プレーヤースキルの頂点はプレーヤーの総数に応じて高くなる。そう考えると、いまや国内のFPSシーンにおける頂点は「Counter-Strike」ではなく、「サドンアタック」である。アクティブプレーヤー数で言えば、おそらく2桁ほど違う。無料で遊べるゲームであるだけに、中高生程度の若年層も多く、本作をきっかけにFPSを始めたというプレーヤーもよく見かける。新しい才能が発掘され、全体のレベルがさらに押し上げられているわけである。それだけに、筆者のようにFPS慣れしているプレーヤーでも歯が立たないという状況が多く、手応えは十分だ。
ふたつめ。オンライン対戦はプレーヤーの数が多いほど楽しい。とても単純なことだが、「過疎」が当たり前の欧米産FPSをプレイし続けていると忘れがちなポイントだ。現在、早朝の時間帯に「Counter-Strike」をプレイすると、国内サーバーに数人しかプレーヤーが居ない、なんていう状況が常態化している。「サドンアタック」では同時間帯でも数十数百のルームが満員御礼状態。ゲームの質が違うため簡単に比較はできないが、少なくとも手軽に楽しもうと思えば、どちらのゲームを起動したくなるかは考えるまでもないだろう。
・3種類のルール、それぞれの楽しみ方
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ゲームルールと巡回マップはホスト画面で選択できる。ホスト役のプレーヤーが抜けると自動的に他のプレーヤーが代行するシステムだ |
数千人のプレーヤーが日夜対戦に勤しんでいるおかげで、ゲームロビーにログインして適当なゲームルールを見つけるまでの時間は本当に短くて済む。常時数百のルームが立ち上がり、定員に達していなければ常時途中参加が可能なので、ゲーム起動後十数秒でゲームを始められるのだ。ちなみに1ゲームの定員は最大16人で、実数をいくつにするかはゲームルームのホスト役を務めるプレーヤーが決めることができる。
まず手ごろに楽しめるのが「デスマッチ」。リスポーンありの単純なチームデスマッチルールだ。ブルー、レッドどちらかのチームに属し、チームとしてKill数を競う。非常にアクション性がありスポーティなゲームなのでハマりやすい。個人的にはこれが「SA」で一番面白いモードなのではないかと思う。強弱様々なプレーヤーと遭遇するわけだが、基本的なレベルは結構高いのも驚きだった。
FPSを長く続けてきた筆者だけに、正直なところ最初はナメてかかっていたのも事実だ。実際やってみると、そこはツワモノぞろいのFPS空間。個人スコア的には勝ち越すのがやっと、というところで、スコアトップに躍り出ることは稀。照準と射撃、回避行動、相手の動きを読む能力など、自分のゲームスキルを嫌というほど思い知らされた。反応は素早く、照準は的確に、行動は無駄なく、などと意識しつつ、自分のスキルを磨きながらプレイする感覚は完全にスポーツ系FPSそのものだ。本作はそれに応えるだけのソリッドなゲーム性を持っているので、やりこみがいがある。古参のFPSプレーヤーも存分に楽しめることだろう。
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「爆破」ルールでは互いのチームが一斉にスタート。ラウンド内の再復活はできないため、慎重なプレイが必要だ |
戦術的なチーム戦を楽しもうと思うのなら「爆破」ルールが良い。「Counter-Strike」の“de_”マップとほぼ同じルールだが、相違点は3つ。まず、「Counter-Strike」ならではの金銭システムが存在しない。武器はロビーのショップで購入し、あらかじめ装備しておいたものを使う。このため、感覚としては「Counter-Strike」の1局面を切り取ったかのようにシンプルにゲームが進行する。ふたつめの相違点は、攻撃側の全員が爆弾を持っていることだ。ややこしいルールは排除され、初心者にもわかりやすいシステムになっている。
最後の相違点は、これは当然のことだが、マップが違う。正直なところ、本作の「爆破」モードのマップの出来は、傑作ぞろいの「Counter-Strike」に比べるとあまり良くない。全体的にロングレンジの通路や広間が多く、“スナイパー天国”といったマップが多いのだ。このため最強のスナイパーライフル「TRG21」を使用するプレーヤーが実に有利で、ゲームルームの中には「スナ禁」として、スナイパーライフルの使用を禁じたものも見受けられる。プレーヤーの装備バランスがよければ「Counter-Strike」に負けず劣らず、十分楽しめるモードであるので、システム的に装備を制限する仕組みがあってもよいかもしれない。
もうひとつのチーム戦ルールである「奪取」は、本作オリジナルのゲームルールだ。ブルーチームが攻撃側となり、レッドチームの守る拠点から3つのアイテムを奪取するというもの。攻撃側は拠点内をくまなく掃討する必要があるため、チームの息が合っていないと非常に不利だ。実際プレイしてみると結構楽しいのだが、現在のところ「奪取」ルールに対応したマップは1種類しかないためあまり人気がない。マップバリエーションの拡充が望まれるところだ。
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筆者の成績。ようやく勝ち越しといったところ。これ以上のプレーヤーは山と居るわけで……まだまだ腕を磨きたいところだ |
いずれのゲームルールでも感じるのは、参加プレーヤーのプレイスキルの高さだ。本作では各プレーヤーのKill/Death数値がパーセンテージで記録され、他のプレーヤーからも参照できるようになっている。「一般兵」サーバーにはこの数値が60%を越えているプレーヤーも多いのだが、そういったプレーヤーと対戦するとほぼ確実に強く、気を抜けない戦いとなる。
筆者は今となっては古参ではあるものの強者ではなくなっているので、Kill/Deathとしては55%をキープするのがやっとというところ。これでもFPSの基本技術はひととおり間違いなくやれる自負はある。この数値が60%以上のプレーヤー、中には70%を越える個人も存在するようだが、彼らの実力が本物であることは確実だろう。裾広ければ山高し、ということらしい。多くのプレーヤーを前にして、ついつい成績を気にしてしまうのも仕方なし。「サドンアタック」は、古参FPSプレーヤーである筆者にとって、鈍った腕を再度磨かねば、と思わせるゲームだった。
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「デスマッチ」。反射神経、照準能力、行動の的確さなど、FPSの基礎能力をとことん問われる。単純だが楽しいゲームだ。画像は筆者のお気に入りである「Cube」マップ。低重力空間による空中戦も楽しめるという変わりダネだ |
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「爆破」。現在8個のマップが実装されている。爆発物を設置しても、ブルーチームに解除されてしまっては敗北してしまう。しっかりと周囲をケアしながら護衛する意識が重要だ |
■ サービス開始から半年を経て脂がのってきた時期。年末年始のホリデーシーズンに一度はプレイしてみよう
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「サドンアタック」公式サイト。現在50万アカウント突破キャンペーンとして「NETCASH」が当たるキャンペーンを実施中とのことだ |
「サドンアタック」はオンラインゲームとして、定期的にアップデートが実施され、徐々にゲーム内容が充実してきた。12月21日に行なわれた最新のアップデートでは新ウェポン「GAL-1」が追加され、「AK-47」系の打撃力のある武器の使い手に新たな選択肢が加えられた。また24日、25日のクリスマスイベントでは期間限定のサブウェポン「デザートイーグル」がプレーヤーにプレゼントされるなど、時事ネタもしっかり抑えている。
こういったサービスを展開するゲームポータルレッドバナナの運営に対する評価は総じて高い。基本的には、非常に良心的な課金アイテムの体系があってこそのことだろう。一般ユーザーにとって「金にがめつくない」サービス事業者というのは、それだけで印象が良くなるというものだ。
また本作ではオンラインゲームではよく話題になるバグ問題なども本作ではほとんど聞かれず、頻繁にツッコミが入るのは「グレネードの音がしない」、「武器の射撃音がショボイ」など、サウンド関係の話題である。確かに本作のサウンドは良くなく、とても実銃に近い音がしているとは言えない。しかし、ゲーム自体の出来が非常にしっかりしているため、それほど気にならないといえば気にならないのである。そのことを反映してか、順調にプレーヤー数を伸ばしている。現在ではピークタイムで5,000人以上、週末には1万人近くの同時接続者数を誇る。
そこでレッドバナナでは現在、アカウント登録数50万人突破記念キャンペーンを実施中である。12月21日から来年1月7日の期間中にレッドバナナポータルへアカウント登録すると、レッドバナナオリジナルのNET CASHカード500円分が抽選で200名にプレゼントされるという。また同時に年末年始キャンペーンとして、12月21日から1月11日までに登録するとNETCASHカード1500円分が100名に当たるというキャンペーンも行なっている。
筆者が本作を実際にプレイしてみて感じたことで最も大きなことは、やはり「オンラインゲームはプレーヤーが多いと楽しい」ということだ。マルチプレイが過疎気味のFPSタイトルをプレイすることの多い筆者にとって、対戦相手を探すのに全く労を要さないというのはそれだけで感動に値する。もちろん、ゲームそのものの出来も非常に重要。その点、「サドンアタック」は「Counter-Strike」ふうの外観をしながら、実のところ非常にスポーティなアクション性に富むFPSであり、シンプルかつイージーでありながら、しっかり楽しめるバランスが成立している。
というわけで、筆者は本作を「非常に良作」と評したい。「サドンアタック」をまだプレイされていないFPSファンの皆さん、このホリデーシーズンの余暇を利用して一度試してみてはいかがだろうか。PCゲームの楽しみ方に異なる一側面が見つかるかもしれない。
【スクリーンショット】
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□「サドンアタック」のホームページ
http://suddenattack.redbanana.jp/
□関連情報
【12月18日】「BIGLAN Socket6」にて2大Eスポーツイベントが開催
「Sudden Attack 全国大会」はKeNNy率いる「Rusty Eggs」が優勝
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071218/biglan_2.htm
(2007年12月26日)
[Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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