国際ゲーム大会「GNGWC2007 日本地域本戦」 「WarRock」など5種目で日本代表選手が決定
11月17日 開催
会場:原宿クエストホール
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会場には選手団のほか数百名のギャラリーが駆けつけ、大盛況の中イベントが進行した |
11月17日、原宿クエストホールにて「GNGWC 2007(Game & Game World Championship 2007) 日本地域本戦」が開催された。「GNGWC」は韓国ソフトウェア振興院(KIPA)の主催で行なわれるオンラインゲームの世界大会で、2006年大会に続き今年は2度目の開催となる。ここでは来たる12月1日に韓国において開催される本大会に向け、アメリカ、ドイツ、ベトナム、韓国、日本の6地域で最終予選が行なわれているものだ。
日本地域本戦で選ばれた種目は「WarRock」、「シルクロードオンライン」、「ショットオンライン」、「ルニア戦記」、「NAVYFIELD」の5タイトル。会場には各ゲームでオンライン予選を勝ち抜いた選手のほか多数のギャラリーが集まり、総来場者は概算で400名以上。会場では各ゲームの試合が賑やかなムードの中で実施された。
■ 韓国で開かれる本大会へ向けた最終予選はカジュアル・スタイルのお祭りムードで進行
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選手用の競技スペースには60台を越えるPCが設置。オープンな会場スタイルのおかげで間近でプレイを見ることができた |
2006年に第一回大会が開催されて以来、オンラインゲームの大会としては世界最大規模とされている「GNGWC」。主催は韓国ソフトウェア振興院ということで、種目となるゲームタイトルとしては日本・韓国を含む世界各国で人気のあるオンラインゲームが選ばれている。他の大規模ゲーム競技会として知られる「WCG (World Cyber Games)」や「CPL (Cyberathlete Professional League)」などストイックな大会に比べ、オンラインで人気を博すカジュアルなゲームタイトルで競われるところが大きな特徴だ。
その傾向を反映してか、約60台のPCが並べられたスペースは客席から遮るものがなくオープンな配置。「WarRock」決勝など重要な試合ではスペースへの立ち入りは制限されたものの、ほとんどの試合では一般ギャラリーが選手近くまで接近し、間近からプレイを見守るという光景が見受けられた。これは物々しい雰囲気の中で行なわれることの多い他のゲーム大会と比べると、非常にリラックスしたスタイル。予選会というよりは楽しいお祭りといった印象だ。
この日本地域本大会で勝ち抜いたプレーヤーは、12月1日より韓国で開催される「GNGWC 2007」の本大会への出場切符を手にすることになる。ギャラリーを含む会場の雰囲気はリラックスしたムードではあるが、本大会出場を掛けた選手達は真剣そのもの。会場中央に配されたメインステージには各ゲームの映像が映し出され、実況解説のもと熱戦が繰り広げられた。
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開会式では東京外国語大学ベリーダンスによる華麗なダンスが披露された。ゲームファンのための「お祭り」を印象付ける演出に会場が盛り上がる |
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競技種目は「ショットオンライン」、「シルクロードオンライン」、「ルニア戦記」、「NAVY FIELD」、「WarRock」の5種類。重要な試合はメインステージで上映され、会場全体で観戦 |
■ 5種目でGNGWC 2007本大会出場選手が決定。ややまとまりに欠ける大会形式が課題となるか
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「WarRock」決勝戦を戦ったTeam:Japan(写真奥)とTeam H(写真手前)。両チームとも真剣な表情でキャラクタを操作。場は緊張に包まれた |
競技種目として最もギャラリーからの関心が高かったゲームは「WarRock」と「ショットオンライン」の2タイトルだ。チーム戦FPSである前者はスピーディなゲーム展開が特徴で、5人構成のクラン同士の対決は実にエキサイティング。後者はゴルフゲームで、400ヤードを越えるロングショットで一気にピン寄せを達成するなど、ゲームならではのスーパープレイにギャラリーから歓声が上がり、独特の盛り上がりを見せた。
その「WarRock」決勝戦では、予選を勝ち上がったTeam:JapanとTeam Hの2クランが激突。ゲームルールは5対5のデスマッチ形式となる「小規模戦闘」で、雰囲気としては「Counter-Strike」風味。日本代表となれるのは1チームのみということで、試合はかなり緊迫する内容となった。有力株は先立って東京ゲームショウ会場で行なわれた大会で優秀な成績を残したというTeam:Japanだ。彼らはここでも安定した勝負強さを見せ、5ラウンド先取で1本、計3本先取で行なわれた決勝戦を3-1のスコアで見事勝利し、日本代表の座を獲得した。
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1対1で競われる「ショットオンライン」決勝戦では、両雄がメインステージ上で対決。思わぬミスショットで苦笑いをしてしまう場面も |
他方「ショットオンライン」では選手達の連発するスーパーショットにギャラリーの注目が集まった。決勝戦に進出した焼きうるめ選手とnajya選手の戦いを決したのは最終ホール。グリーン周辺が飛び地な上に障害物で狙いにくくなっているというホールで、ピンショットでボールに極端なスピンを掛け、障害物を迂回させて1オンを狙うというプレイが重要になる。
2ポイントのビハインドで最終ホールに臨んだ焼きうるめ選手は見事なピンショットを決め、セカンドショットで無難に沈めてイーグルを獲得。対するnajya選手は、ピンショットが運悪く障害物の立ち木の枝にぶつかり、まさかのOBを喫してしまった。結局ボギーでホールアウトしたnajya選手はスコアをひっくり返され敗北。焼きうるめ氏の劇的な逆転勝利という形で決勝戦の幕が下り、これには大勢のギャラリーからも拍手が沸き起こった。
他方、「シルクロードオンライン」ではH.T選手とナル選手、「ルニア戦記」ではフォル選手とユーキ選手、「NAVY FIELD」ではrex caelestis選手とOS2選手がそれぞれ代表の座を獲得し、総勢15名の日本代表選手団が顔をそろえた。代表選手に選ばれた各選手には、12月1日より韓国で行なわれる「GNGWC 2007」本大会への出場権および旅費・宿泊費が支給される。
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「シルクロードオンライン」では制限時間内にモンスターを多数倒してポイントを競う形式。倒した後には普段お目にかかれないようなレアアイテムがゴロゴロと散乱するが、選手達は一瞥もくれずに狩り続ける |
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「WarRock」では小規模戦闘モードというルールで対戦。これは爆弾設置もあるという「Counter-Strike」ライクのゲームモードで、衛生兵や狙撃兵といったクラス特性を生かすチーム戦闘が醍醐味だ |
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大会最後に行なわれた表彰式では、各ゲームで上位成績を残した選手達に「GNCWC 2007」本大会への切符が授与された。激闘の予想される本大会へ向け、選手たちには一層の健闘を期待したい |
■ 賑やかなゲームイベントとしては成功。競技会としては一層の洗練が必要か
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「NAVYFIELD」の競技スペースには常時大勢のギャラリーが詰め掛けていた。他種目と同時進行のため、会場の関心が割れてしまう場面もあったのは残念 |
大勢のギャラリーが訪れゲームイベントとしてひとつの成功を見た本大会ではあるが、会場では複数の競技が同時進行する場面が目立った。特に長時間一部のギャラリーを集めていたのは、対戦が長丁場となる「NAVYFIELD」である。会場の一角に設けられた「NAVYFIELD」の競技スペースではメインステージで他のゲームの試合が実況されている間に決勝戦が行なわれているという按配で、会場内の関心が複数箇所に分散してしまうという状況が散見された。このようにゲームイベントとしてややまとまりに欠ける局面が出てきてしまったことは次回以降の課題となるだろう。
また、試合中には競技中の選手に対してフラッシュを焚いての撮影が頻繁に行なわれるなど、ゲーム競技会としては疑問符の残るふるまいも見られた。オープンでカジュアルな大会運営は歓迎されるものではあるが、「最高峰のオンラインゲーム大会」として成熟していくためには、試合進行のクオリティをより一層向上させていく必要がある。
いずれにしても当大会で日本代表の座を勝ち取った選手たちは、来たる12月、韓国の地で世界のプレーヤーを相手に決勝大会を戦うことになる。優勝賞金は5,000ドルということで、より一層の真剣勝負が期待される。世界の舞台で戦う日本のプレーヤー達を心より応援したい。
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閉会式に臨む時間帯には、早稲田大学公認サークル「シナウィ」による韓国伝統楽器の演奏が披露された |
イベントの最後は一般参加者お待ちかねの賞品抽選会。ゲーム関連グッズやMP3プレーヤーなどの賞品がズラリ |
□Game & Game World Championship(GNGWC)のホームページ
http://www.gngwc.com/jp/
(2007年11月21日)
[Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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