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価格:3,980円
CEROレーティング:A (全年齢対象)
PSP「勇者のくせになまいきだ。」は、プレーヤーが「魔物側」としてダンジョンを管理・構築し、「悪者退治」とばかりにダンジョンを訪れる勇者たちをやっつける、シミュレーションやパズル風味の強い作品。 本作は「ビオトープ(bio「命」+topos(場所)」と呼ばれる、ドイツで提唱された環境に対する考え方を「RPG的文脈」で解釈しゲーム内にとりこんでいる。ビオトープは、経済的繁栄を目指す人間の開発により失われた「小さな生態系」を、復元および保全しようという概念。本作では、生物を「魔物」、「生息場所」をダンジョン、開発による環境破壊を「勇者」にあてはめ、容赦なく襲い掛かる勇者の魔手からダンジョンと魔物を守るべく、生態系に順次手を加えていく仕組みになっている。 ゲームの遊び方は、とてもシンプル。プレーヤーは「つるはし」を使い地下に穴を掘り、強い魔物を発生させてダンジョン内の生態系を管理していく。「堀パワー」を消費して穴を掘ると、土中の養分、通路内の魔力に応じて、さまざまな魔物が発生する。 ここまで読むと「あれ、逆転的発想で作られたゲームなんて、いくつもあるんじゃないの?」と思われそうだが、ここからが「勇者のくせになまいきだ。」の真骨頂。最初に発生する生物は「ニジリゴケ」と呼ばれる、極めて弱い魔物。だが、それとは別に「ニジリゴケ」を捕食すべく「ガジガジムシ」と呼ばれる新たな魔物が発生する。魔物には「誕生」、「摂取」、「繁殖」、「死」といったライフサイクルがあり、これらの小さな積み重ねが、ダンジョン内の生態系を構築していく。 勇者を退治するためには強力な魔物が必要だが、それらは当然“生態系の上位”に位置するものばかり。いざというときには頼りになるが、さりとて上位種が繁殖しすぎると、ダンジョン内の生態系バランスが崩れてしまう。プレーヤーはダンジョンを構築しつつ、ときには魔物を間引いて生態系のバランス維持につとめなければならないのだ。
タイトルにもある「なまいきな勇者」には、剣士、魔法使い、ファイターと、それぞれ最大3人パーティで攻めてくる。ダンジョンには朝、昼、夜といった時間の概念があるといい、“夜討ち朝駆け”とばかり一瞬たりとも気が抜けない。勇者を退けられず、プレーヤーを破壊神とあがめる「魔王」が地上に連れ去られたらゲームオーバーとなる。
ゲームモードは「トレーニング」、「ストーリー」、「VS(バーサス)」、「ずかん」などが用意される。トレーニングは、魔物発生(食物連鎖)の仕組み、勇者の効果的な撃退方法などが訓練できるモード。ゲームをクリアすると、閲覧できる項目が少しずつ増えていく。ストーリーは、攻め込んでくる勇者たちを次から次へと撃退していく。勇者の愛、悲しみなども描かれるというが、あくまでもプレーヤーは「魔物側」なので同情の余地は微塵もない。バーサスは、自分や友だちがエディットした勇者パーティと戦うモード。データの受け渡しはメモリースティックを介して行なわれる。ずかんは、ゲーム中に生まれた魔物が記録されていく。
□ボタンで穴を掘り、魔王を配置してゲーム開始。勇者を撃退すればいいが、魔王のもとまでたどりつかれ、倒されたら一巻の終わり。オールドファンにはどこか懐かしい“8bit時代”のドット絵を意識したグラフィックスデザインは、まさに「我が愛しの魔物たち」といった雰囲気。プレイを進めるごとに愛着がわくこと必至で、RPGファンはもちろん、幅広い層にアピールする作品となりそうだ。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
□プレイステーションのホームページ (2007年11月14日) [Reported by 豊臣和孝]
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