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HanbitSoft本社訪問レポート
「Hellgate」からスピンオフした「Diablo」風RPG「Mythos」

11月7日 訪問

 韓国HanbitSoftは、ソウル市麻浦区に拠点を置いている大手ゲームパブリッシャー。昨年開催されたG★2006では「Hellgate: London」を出展して人気を集めたが、今年は出展を見送った。現在は「Hellgate: London」のサービス開始に全力を注いでおり、G★での“種まき”の時期は過ぎた、といったところだろうか。

 そこでG★2007の開催に合わせて、HanbitSoft本社に伺い、「Hellgate: London」以降に展開予定の新作タイトルを2本紹介していただいた。1つは、その「Hellgate: London」を開発したFlagship Studiosが手がけるアクションRPG「Mythos」。もう1つは、カジュアルアクションゲーム「Popoming」となっている。

PRやQAチーム、ポータルサイト「HanbitOn」チームなど、開発を除くほとんどの機能が1カ所に集約されている やや閑散として札もかかっていない場所は、「Hellgate: London」のGM用スペースになるそうだ
壁際には多数のグッズが置かれ、正面には「Hellgate: London」の巨大な剣と、コスプレ衣装が飾られている。ここはスタッフの休憩所なのだそうだ こちらは会議室。訪問時は「Hellgate: London」のデモプレイのため、複数のPCが置かれていた



■ 「Diablo3」のつもりで作られたハック&スラッシュ「Mythos」

欧米産のファンタジー作品にしては、かなりカジュアルなデザインをした「Mythos」
 前述のとおり、Flagship Studiosといえば、現在は「Hellgate: London」という次期主力タイトルを抱えている。この「Hellgate: London」の開発に際し、同社はネットワークのテストのために1つのテスト用アプリケーションを作成した。それ自体はテストとして終了したのだが、このアプリケーションが意外と面白いということになり、「Hellgate: London」とは別のゲームとして立てられることになった。これが「Mythos」の成り立ちなのだという。

 開発は、「Hellgate: London」を手がけるサンフランシスコのスタジオではなく、シアトルのスタジオで進めているという。HanbitSoftの担当者によると、元Blizzardのスタッフが、「Diablo3」を待ちきれずに作ったのだとか。

 ゲームの基本的なところを説明すると、自動生成されるランダムマップのフィールドで敵を倒していくというもの。グラフィックスは3Dになっているが、俯瞰視点で見るゲームは、まさに「Diablo」シリーズそのものだ。ただ世界観やキャラクタはカジュアルで明るめにデザインされており、ダークな雰囲気に包まれた「Hellgate: London」とは対称的。プレイ時間も短時間で楽しめるよう考えているそうで、「Hellgate: London」の休憩のようなつもりでプレイして欲しいとも話していた。

 「Diablo」の問題点を改善するアイデアも盛り込まれる。たとえばモンスターを倒したときなどにドロップするアイテムは、自分が取得できるアイテムだけが表示される。実際には、パーティ全員に1個ずつドロップするようになっており、見えているアイテムはパーティメンバーに気兼ねなく、全て拾ってしまえる。経験値も遠距離攻撃ができるユーザーに偏らないよう、全員に分配される仕組みも用意されるという。

 ゲームサーバーはMMORPGのように大きな枠が用意されており、その中に複数のチャンネルが用意される。これも「Diablo」にあったネットワークサービス「battle.net」と似たやり方だが、本作ではビジュアル化されている。サーバー間でチャットをしてメンバーを探し、「パーティポータル」を通って集まるというようなことができるという。

 料金体系は、この手の欧米タイトルには珍しく、アイテム課金を考えているという。韓国や日本といったアジア圏でアイテム課金のビジネスが成功していることを踏まえて、アイテム課金に合わせた設計も取り入れているのだそうだ。具体的には、特定のダンジョンに入場するための許可証を販売する、といったものを考えているという。バランスを壊さないことを重視して、装備類の販売は行なわない方向で進められている。

 北米では現在クローズドβテストが行なわれている。プレーヤーが他の参加者を招待できるという仕組みでテストが進められているそうだ。韓国では年内にβテストを開始する予定だったが、来年初頭に延期することが発表されている。

【スクリーンショット】
この画面を見れば、「Diablo」を強く意識したタイトルなのは一目瞭然。「Diablo」の生みの親であるBill Roper氏が率いるFlagship Studiosで、元Blizzard社員が作った作品となれば、実質的に「Diablo3」と言ってよさそうだ。もちろん、「Diablo」シリーズの問題点を踏まえたアレンジも加わっている
プロモーションムービー
(WMV9形式: 4分19秒 54.9MB ZIP圧縮)



■ 変身して戦う横スクロールアクションRPG「Popoming」

変身して戦うのが特徴のアクションRPG。3Dグラフィックスもなかなか美しい
 人間、動物、ロボットの3種類のキャラクタを操って戦うアクションRPG。MOタイプのゲームで、他のプレーヤーと協力してミッションを攻略したり、対戦したりできる。

 3Dグラフィックスで描かれたアバターは、7つの部位でパーツを変更できる。ベースが3種類というだけで、さまざまなアバターパーツの組み合わせによって、最終的にはまるで異なる外見になる。アバターパーツを購入すると「ありがとう」と喋るなどして喜ぶが、試着しただけで買わないと、すねたり怒ったりする。生き生きとしたキャラクタはなかなかに魅力的だ。

 ゲームのほうも詳しく紹介していこう。まずRPG要素については、キャラクタレベルが上がるごとに、スキルポイントが付与される。このスキルポイントを使って、新たなスキルを覚えていく。スキルツリーは5系統に分かれたシンプルなもので、同じ系統のスキルを集中して上げていけば、早い段階で強力なスキルを身につけることも可能。スキル使用中は変身するという面白さもある。ただしモンスターは、各スキル系統に対して強弱の差がある。複数の系統のスキルを覚えておけば、爆発力こそないものの安定して戦えるというわけだ。

 ゲームモードは、現時点ではクエストモードと対戦モードの2種類が用意されている。クエストモードでは、全4ステージでNPCから依頼される内容を、他のプレーヤーと協力して達成していく。フィールド上にはキューブと呼ばれるアイテムが落ちており、これを拾って使うことで、変身してスキルを使用できるようになる。ステージごとに難易度が3段階あり、レベルに応じたクエストを受けられる。ステージは現在7種類で、今後も増やしていくという。

 対戦モードは、他のプレーヤーと戦えうもの。覚えたスキルを駆使して戦うのだが、マップには突然火が噴き出してくるなどのトラップがあり、一筋縄ではいかない。また対戦は個人戦だけでなく、チーム戦も可能。勝てば経験値のほかに、ランダムでアイテムも入手できる。

 このほか、ショップなどがある街にいると、1日に3回、ミニゲームが発生する。例として見せていただいたのは「縄跳び」のイベントで、NPCがまわしている縄に入り、連続でタイミングよくジャンプをして、その回数を他のプレーヤーと競っていた。βテストでは、1チャンネルに入場できる最大の50人で縄跳びをしたこともあったそうだ。

 第1次クローズドβテストのデータでは、参加者の1日のうちの平均接続時間が約1.5時間で、4日間のβテストを毎日プレイした人が6割もいたという。サーバーも安定しており、GMも40人用意し、万全の体制を整えて臨んだことで、ユーザーにも満足してもらえたのではないかと話していた。

 韓国では第2次クローズドβテストを年末に行ない、ほどなくオープンβテストを行ないたいとしている。今後はクエストモードの拡張のほか、ミッションモードやスポーツモードといった新たなゲームモードも実装される予定。

【スクリーンショット】
実際に見てみて一番面白そうなのは対戦モード。4人が入り混じってスキルを駆使して戦うところに、各種トラップが襲い掛かる。パーティゲーム的な楽しみ方で盛り上がりそうだ


□HanbitSoftのホームページ
http://jp.hanbitsoft.com/

(2007年11月12日)

[Reported by 石田賀津男]



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