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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン) G★の常連メーカーであるJCEは、他の大手メーカーに並ぶ60コマのブースを設け、すべての試遊台をアーケードゲーム用の筐体にしてゲームセンターのようなデザインで出展を行なっていた。出展タイトルは、代表作である「FreeStyle」を筆頭に、昨年のG★に続いて2年連続の出展となるフライトシューティングゲーム「Aeronauts」と、横スクロールタイプのアクションRPG「Ghost X」、そして初公開の第二次世界対戦をモチーフにしたオンラインフライトシューティング「HEROES IN THE SKY」の計4タイトル。バラエティ豊かなラインナップを揃え、「FreeStyle」だけのパブリッシャーではないことを実証してみせてくれた。
■ 「紅の豚」を彷彿とさせる愛と友情の空戦活劇シューティング「Aeronauts」
ゲーム画面は、宮崎駿氏が描くような20世紀初頭の大航空時代の雰囲気を濃厚に感じさせる、他の空戦モノとは一線を画すビジュアルデザインが特徴的だ。航空機は、いわゆる複葉の単発機の形状を採用しているが、左右にハネを備えその場でホバリングできたり、アフターバーナーのようなものを炊いて急加速できるなど、「天空の城ラピュタ」のフラップターのような不思議な機体特性を備えているものが多い。 ゲーム性はカジュアルで、風向きや天候を考慮したり、ストールして制動力を失ったり、搭乗員に掛かるGによってブラックアウトしたりといったことはない。地上の建物が常に視界に入る程度の低空を滑るようになめらかに飛行しながら、上昇降下旋回を繰り返して、敵生徒に銃弾をたたき込んでいく。機銃の当たり判定もかなり大きく設定されており、偏差射撃の必要もない。中にはホーミング機能を備えた特殊兵器も登場するようだ。 グラフィックスはLOD採用により、地表すれすれでのリアルな描写がウリ。モーションブラーを多用したスピード感の表現や、被弾時の画面揺れによる臨場感など、演出もうまい。撃破されると落下傘が開き、「次は負けないぞー」といった航空学生らしい演出が用意されている。まさに“空戦ごっこ”が満喫できる作品だ。 ゲームモードは、3対3のチーム戦で、総得点を競う時間制のデスマッチモードを基本に、個人戦、サバイバル、レースなどが用意される。この学生同士の戦いを「シーズン1」とし、今後実装が予定されている「シーズン2」では学生同士が協力して戦うモードも実装し、教官を助けたり、倒したり、新たな敵と戦ったりすることになるようだ。 マップは、基本的に学生同士の演習なので、ヨーロッパ風の街の上空が舞台になる。初球向け、中級向け、上級向けと3種類のバリエーションがあり、上級になればなるほど、障害物や狭い空域が増え、繊細な操縦が必要になる。 ゲームにランダム性を加味する要素としてはアイテムやスキルの存在が挙げられる。アイテムは空中の特定の箇所にランダムポップするようになっており、取得することで自機の性能を強化したり、敵を弱体したりすることができる。デモで見られたのは、竜巻を敵機にぶつけ身動きを取れなくするというもので、機体の操縦がうまいから常に勝てるというゲームにはならないようだ。 スキルについては、4タイプ11機種の機体で、専用スキルを含む10種類以上のスキルが存在し、機体をアップグレードするたびに新たなスキルを獲得できる仕組み。デモでは、真横に回転しながら横滑りするスキルを確認することができた。
最後にサービススケジュールをまとめておくと、現在韓国でクローズドβテストを実施しており、2008年中にサービス開始を予定。日本展開も予定されている。ビジネスモデルはアイテム課金制を採用。ハネ、エンジン、銃、キャラクタなどを有料アイテムとして販売していく方針だ。オンラインゲームファンのみならず、コンソールゲーマーやライトゲーマーにもアピールできるカジュアルなゲームデザインが好印象だ。日本展開にも大いに期待したいところだ。
■ 妖怪が跋扈するハイセンスな横スクロールアクション「Ghost X」
ビジュアル表現にはトゥーンシェーダーを採用し、久保帯人氏の漫画「BLEACH」や高橋瑠美子氏の漫画「犬夜叉」など、日本の漫画/アニメーションの影響が濃厚に感じられる世界観となっている。舞台設定は現代で、妖怪が存在する異世界が、爆発事故により現代と繋がってしまったことが物語の発端となっている。現代に妖怪が満ちあふれた世界に生きるプレーヤーらは、あるきっかけを機に妖怪と交流し、その力を得ることが可能になる。仲間と力を合わせて無数の妖怪達を撃破していくというのが基本的なゲームの流れとなる。 このゲームの特徴はなんといってもその妖怪との交流にあるが、妖怪は単に武器として使えるだけでなく、ペット機能、コミュニケーション機能、チュートリアル役を担ってくれるシステム機能、そして異世界のガイド役など、実に多彩な役割を備えている。 今回試遊台では、ケルベロス、サンダーボルト、閻王、飛流、龍牙など8種類の妖怪が公開された。正式サービス開始時には30~40種類になる見込みで、将来的には50から100まで増やす予定。これらをすべてコレクションすることも可能だという。妖怪はプレーヤーとは別途にレベルの概念があり、バトルを通じて経験値を獲得し、レベルアップを図ることができる。プレーヤーは複数の妖怪を駆使して、数々のバトルに挑むことになるようだ。 基本的なゲームデザインは、ロビーでパーティーを構成し、30人前後の規模で同じインスタンスに挑戦していく。パズル的な楽しさよりは、単純明快に敵をなぎ倒していく楽しさを追求している。横スクロールタイプのアクションゲームだが、場面によっては奥に空間が広がっていることもある。これにより、縦スクロールのステージが用意されていたり、従来の横スクロールアクションでは難しかった、「真・三國無双」シリーズのような無数の敵に囲まれるような演出も行なっているという。 また、アクションゲームらしく多くのスキルが用意されている。「Ghost X」には、4つのクラスと8つのスキルが用意され、各上位クラスまで含めると50種類近くのスキルが存在する。これに妖怪の違いも加えると、無数のキャラクタのバリエーションが用意されることになる。それぞれ固有のアニメーションとエフェクトで繰り出されるスキルは非常に派手で、プレーヤーは通常攻撃とスキルを使い分けながらステージを進んでいくことになる。特異な世界観とグラフィックス、豊かなアニメーションによる攻撃スキルが魅力的なアクションRPGと言えそうだ。
サービススケジュールは、12月頃にクローズドβテストを実施し、来年2月頃に正式サービスに移行する計画。ビジネスモデルは、基本プレイ無料のアイテム課金制。キャラクタを飾るアバターアイテムや妖怪を強化するために必要となる合成用のアイテム、エンチャントアイテム、色を変えるペイントアイテムなどが用意される見込みだ。日本展開は未定としているが、日本法人があるためその可能性は高い。「Aeronauts」同様、こちらも日本展開が楽しみなタイトルだ。
□G★ 2007のホームページ (2007年11月11日) [Reported by 中村聖司]
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