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G★(GSTAR) 2007現地レポート

ベルクス、「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」をG★にて公開
チームで島を削り合う異色のカジュアルオンラインゲーム

11月8日~11日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:5,000ウォン(前売り3,000ウォン)
子供3,000ウォン(前売り2,000ウォン)


 G★開幕前日に「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」を電撃発表したベルクス。同社は、オンラインゲームパブリッシャーのELEVEN-UP、サクセスのオンラインゲーム事業部門、そしてベクターのオンラインゲーム事業部門の3つの事業体を結合した、ソフトバンクグループ傘下の新しいオンラインエンターテインメントメーカーだ。

プーカァがG★会場に襲来!! 抱きつくコンパニオンが続出していた。日曜にはBtoC会場にも登場するという
 3社がそれぞれ抱えていたオンラインゲームタイトルは、ベルクスブランドとして新たに同社で運営が継続されているが、ベルクスとしての最初の大きな動きとなるのが、今回発表された「ディグダグアイランド」となる。

 ビジネススキームとしては、企画と開発をバンダイナムコゲームスが担当し、販売と運営をベルクスが担う。ベルクスではオープンポータル政策を採っているため、親会社のベクターをはじめ、国内の複数の有力ゲームポータルを通じて提供される見込み。

 また、販売の一環として海外展開もベルクスの担当となるため、G★のBtoBコーナーでは、ベルクス単体でブースを設け、韓国を含む世界中のバイヤーに向けて「ディグダグアイランド」の商談を開始していた。

 当然、韓国のパブリッシャーもこれから決めるという段階なので、メイン会場では出展されていなかったが、日本の有力IPを使ったオンラインゲームの発表ということで、無理を言って取材に応じていただいた。残念ながら、実機でのデモを見ることはできなかったが、「ディグダグアイランド」のゲームデザインと運営ポリシーを聞くことができたので、さっそく紹介していきたい。


■ オンラインゲームらしいコミュニティ機能とショップ機能を利用できる「マイランド」

「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」のイメージイラスト。島内に描かれているオブジェクトがアクセサリー。購入してマイランドに置くことができる
取材に応じていただいたベルクス取締役マーケティング部長の片山崇氏。元ELEVEN-UPの代表取締役社長である
自分専用のプライベートエリアとなる「マイランド」。建物には目や口が着いており、ゆらゆら動いている
 「ディグダグ」は、「パックマン」に並ぶナムコ(現バンダイナムコゲームス)の代表作として、日本のみならず、欧米やアジアで大ヒットを記録したアーケード生まれのアクションゲーム。「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」は、シリーズ第2弾「ディグダグ II」をベースに、オンラインゲームとして全面的な改修を施したタイトルだ。サブタイトルの“プクプクポン”とは、モリを発射して、ポンプでモンスターに空気を送り込んで破裂させるという、ディグダグにおける伝統的な攻撃方法の呼称で、バンダイナムコゲームスの意向で設定されたという。

 基本的なゲーム内容は、島を削ってモンスターを残らず倒す「ディグダグ II」のエッセンスはそのままに、4対4の8人で“島くずし”を競い合う内容となっている。オンラインゲームらしく、ゲームの主人公はホリ・タイゾウやホリ・ススム(「ミスタードリラー」シリーズの主人公)ではなく、ゲームの舞台であるホラヌ共和国の呼びかけにより参加したプレーヤー自身となる。メインキャラクタ不在という点では、外伝的な位置づけに当たる作品と言えそうだ。

 もっとも、「ディグダグ」を彩る重要な脇役であるファイガーやプーカァは、新たな脅威として再び参戦し、ステージデザインも3Dグラフィックス化、巨大化してはいるものの「ディグダグ II」そのままの雰囲気で残されている。

 ゲームの構成は、公式サイトとランチャー機能を兼ね備えた「Webパート」、友人とのコミュニケーションやショップ機能が利用できる「マイランドパート」、そしてメインとなる「バトルパート」の3つからなる。

 まず、「マイランド」については、完全に「ディグダグアイランド」オリジナルの機能で、他のユーザーとのコミュニケーションと、アイテムショップの利用、そしてマイランドの建設が主な目的となる。このマイランドには、運営を担当するベルクス側の多くのアイデアが盛り込まれている。

 まず、マイランドにおけるコミュニティ機能は、「ディグダグアイランド」のターゲット層を大人から小学生までと幅広く見据えていることから、いきなりすべての機能を盛り込むのではなく、いくつかのステップを踏んで順番に実装していく方針だという。

 具体的には、最初の段階ではゲーム内メールでのメッセージのやりとりや、ランダム訪問機能、掲示板機能、チャット機能で直接的、偶然的なコミュニティの場として演出していく。その後の展開は、ユーザーの動向次第としており、状況によっては多くのアバターが集えるコミュニティ島などを実装することも検討していくようだ。

 アイテムショップでは、アバターアイテムとアクセサリーを販売する。アバターアイテムで、キャラクタの装いを変えることができ、アクセサリーでマイランドを飾ることができる。アバターは画面上では非常に小さいので、MMORPG的な意味での個性をアピールするには不十分だが、アクセサリーは、「ディグダグアイランド」のウリのひとつで、“生きたオブジェクト”を島の上に建てることができる。目があり、ゆらゆら揺れている。これがコミュニケーションにどのような影響をもたらすかは未知数だが、個性をアピールできる要素だ。

 これらアイテムの多くは現金のみならず、マイレージ(後述)でも購入できるが、いずれにしてもゲームの強さには影響を与えない。ベルクスでは、「アイテム課金以外の収益源も模索していく」としており、あまりアイテム課金のデザインにこだわるつもりはないという。第一義として、まずは多くのユーザーを集め、新しいビジネスモデルを試行したり、次のアクションに繋げていきたい考えだ。

【ディグダグアイランド】
BtoBコーナーで商談に使用していたスライドを日本語化したものの一部。PCスペックについては未定となっているが、3Dグラフィックスを使用しているため、3Dチップを搭載していないノートPCでは動作しない。また、Webパートではインターネットエクスプローラーを使用するためIE5.5以上がインストールされた環境が必要になる


■ 4対4のランダムマップで競う「バトルモード」。多種多様な勝利条件を用意

ゲームの概要について説明してくれたベルクスマーケティング副部長の樋山城氏。樋山氏も元ELEVEN-UPだ
グラフィックスが3D化されたことで、視点がクォータビューになり、マップもスクロールが前提となる広さとなっている。画面端の矢印で敵と味方の位置を確認しながらヒビを入れていく
「相当カオスなゲームになってますよ、でもそこがおもしろいんです」と語る片山氏。ゲームとしてのクオリティには自信を持っているようだ
 「ディグダグアイランド」のメインモードとなる「バトルパート」は、ロビーでのマッチングを介して4対4のチームバトルが楽しめる。マップタイプは、草原、砂漠、氷の3種類を用意。マップサイズは固定となるが、地形はゲームが開始されるたびにランダム生成されるランダムマップ方式を採用している。

 マッチングの部分にも一工夫あり、8人が集まるとスロットが回転し、止まった項目のルールが採用される。つまり、常にゲームルール(勝利条件)はランダムなのだ。さらに、キャラクタのレベルやマイレージに応じて、スロットの出目に微調整が掛かるようになっている。基本的な考え方としては、ビギナーが多いゲームでは、比較的単純でランダム性の高いルールが出やすく、上級者の多いゲームでは相応のルールが出やすくなるという。

 ルールには、スコア、敵の撃破数といった基本的なもののほか、島が崩せない、敵を倒せないといった縛りルールもある。制限時間は90秒前後を想定しており、1プレイわずか数分で終了する非常にカジュアルなデザインとなっている。

 バトルモードの基本的なゲーム展開は、島に8人が散らばった状態でスタートし、敵を倒すなどしてスコアを稼ぎながら、島の各所にある杭を叩いてヒビを入れていく。ヒビが島の端から端に繋がると、小さい面積の部分が海中に水没する。この際、その上にプレーヤーキャラクタやモンスターが居れば、それらもまとめて落ちる仕組みで、この大原則は「ディグダグII」とまったく変わらない。

 しかし「ディグダグアイランド」では、落ちても負けにはならず、島まで泳いでいくことで大ジャンプを駆使して、再び戦場に復帰することができる。また、島の岸にプレーヤーキャラクタが居れば、プクプクポンを伸ばして引き上げてもらうことができる。これは敵味方にかかわらず引き上げ可能で、岸沿いでの救助活動は、自らも島から落とされる可能性が高いハイリスクな行為であるため高得点技だということだ。

 ゲームが経過するごとに、どんどん杭の数が増え、島崩しがしやすくなる。残り20秒前後になるとすべてのポイントにヒビが入れられるようになり、大逆転のチャンスも生まれる。勝敗はチーム単位で確定し、チームが獲得したスコアは、ホランと呼ばれるマイレージとして返還されるため、アクションゲームがあまり得意でないユーザーでも常に一定のマイレージが得られるようになっている。

 ちなみにゲーム中は基本的にチャットはできないため、事前に方針を打ち合わせておく必要がある。片山氏によれば「空気を読む力が必要になるだろう」ということだ。1試合あたり数分で終了するため、同じチームで連続してプレイすることでボーナスが付与される。隅々まで気配りがなされたゲームデザインは、さすがバンダイナムコゲームスという印象である。

 気になるサービススケジュールは、11月下旬から12月上旬を目処にクローズドβテストを実施し、大きなトラブルがなければ年明け以降にオープンβテスト、正式サービスへと移行する見込み。ビジネスモデルは、正式発表はまだだが、アイテムショップが用意されていることから、基本プレイ無料のアイテム課金制となる見込み。

 最後に片山氏は、「単純だけど繰り返し遊べるのがゲームの原点だと考えています。その楽しさがオンラインで楽しめるのが『ディグダグアイランド』です。オープンβテストが一刻も早く実施できるように努力していきますのでぜひご期待ください」とユーザーに向けてコメントしてくれた。日本発のカジュアルゲームの今後の展開に期待したいところだ。

【バトルパート】
グラフィックスは3Dだが、視点は固定。これは視点が変えられるとゲームが難しくなるからだという。マップパターンはオーソドックスな草原に加え、砂漠や氷などのステージが用意されている。毎回島の形状が変わるランダムマップ方式の採用が嬉しいところだ

(C)1982-2007 NBGI Published by VerX Inc.

□G★ 2007のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□ベルクスのホームページ
http://www.verx.co.jp/
□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」のページ
http://www.pukupon.net/
□関連情報
【2007年11月7日】ベルクスとバンナイナムコ、'80年代の名作アクションゲームをオンライン化!
「ディグダグアイランド~南の島のプクプクポン~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071107/puku.htm
【2007年11月8日】韓国最大規模のゲームショウ「G★ 2007」が開催
今年のトレンドは海外タイトル。BtoBコーナーが大盛況
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071108/gstar_01.htm
G★2006 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061111/gslink.htm

(2007年11月11日)

[Reported by 中村聖司]


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