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会場:東京・秋葉原「秋葉原UDX 2F AKIBA-SQUARE」
【アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩(メタファリカ)】 価格:7,140円
CEROレーティング:B(12歳以上対象)
PS2「アルトネリコ2」は、ガストとの共同開発タイトル「アルトネリコ」シリーズの最新作。「死の雲海」の中に建つひとつの塔を舞台に物語が展開する。10月25日発売予定で、価格は7,140円。CEROレーティングはB(12歳以上対象)。 「発売前プレミアムイベント」は、10月20日から28日にかけて東京・秋葉原で開催されている「秋葉原エンタまつり」の一環として実施された。
この日、イベントを盛り上げてくれたのは、進行役としてガストの土屋ディレクターとバンプレストの河内プロデューサー。ゲストとして、霜月はるかさん、志方あきこさん、みとせのりこさん、石橋優子さんの4人の歌姫。そして、危ない話が飛び出したときに「ピー」という警告音を発するバンプレストの広報Tさんの合計で7人。詩の制作秘話やゲームの世界観などを、時には出演者同士で軽くツッコミ合いながら語ってくれた。
イベントは、まず来場者全員で「アルトネリコ」の世界に“ダイブ”するところから始まった。進行役の合図とともに照明が落とされ、「アルトネリコ2」のプロモーションムービーがステージ上のスクリーンに映し出された。そして映像終了とともに、進行役を含めた登壇者たちがみんなでおそろいのTシャツを着て登場した。
イベント自体は、制作を担当した楽曲を聴きながら、4人の歌姫たちのトークを交えつつ、「アルトネリコ2」の世界観が紹介される「レベル1」と、実際にゲームをプレイしながら戦闘システムをメインとしたゲームシステムが紹介される「レベル2」の2部構成で進められた。
「アルトネリコ2」の制作が始まったのは、「アルトネリコ」が発売された直後、売れるかどうかドキドキしながら心配していた時期からだという。当時、現状で考え付くすべての要素を「アルトネリコ」に盛り込んだということで、「どうしよう、もうネタないよ~」というところからプロジェクトがスタートしたという。 そんな中、本シリーズのテーマである「絆」と「成長」に関する要素は絶対に外せないとして、ほかにどんな要素を絡めていこうかと話し合っていたときに「創造」というキーワードがイメージとして頭の中に沸いてきたと、河内プロデューサーが当時のことを思い出しながら語ってくれた。 同氏によると、大地を創造する、主人公とヒロインの関係を創造する、という風にさまざまな要素に関して創造していくことで、徐々にゲームの世界観が出来上がり、最終的には本作のもっとも特徴的な要素のひとつであるヒロインとヒロインの関係を創造することに繋がったという。 これについて土屋ディレクターは「前作ともっとも大きく異なる点は、ヒロイン同士の絡みが多いところです。特に、瑠珈(るか)とクローシェの2人の織り成す物語に注目してプレイして欲しいです」と、さまざまな物語が展開する中でも、この2人の絡みがポイントになっていることを強調した。
続いて、自分の担当したキャラクタの印象や作曲の際にイメージした点などを4人の歌姫たちが語ってくれた。このプログラムでは実際に作曲した楽曲が流れ、それを聴きながら、曲にまつわる話が披露された。
担当キャラクタ:瑠珈 「瑠珈は、本シリーズのテーマとなっている“絆”と“成長”を体現しているキャラクタです。最初は、周囲の目を気にして、いつもニコニコ笑っているキャラなんですけど、仲間たちと交流していく中で徐々に内面が変わっていき、どんどん成長していきます。(会場で流れている曲を聴きながら)瑠珈の成長の証とも言えるこの曲は、いただいたシナリオを読んで自分が感じたこと、頭の中でひらめいたことを重視して作りました」 担当キャラクタ:クローシェ 「クローシェはとても純粋なキャラクタです。自分の背負う運命に対して、一生懸命すぎるくらい必死に立ち向かっている。この曲はその表れだと思います。身近な人が病気になったときに、自分は何ができるだろうと考えたのですが、だからといって特別なことをする必要はなく、元気になって欲しい、また笑顔を見せて欲しいと思って行動することが大切だと思ったんです。そういう気持ちで曲を作りました」 担当キャラクタ:聆紗 「瑠珈のお母さんなんですけど、いろいろな思いを抱えているんです。そのせいで、本当は優しく接したいけれど、どうしても素直になれないでいる。母親というものが、どれだけ深くて大きい存在なのかを教えてもらいました。私もいつか母親になる日がくるならば、深くて大きくて強い母親になれたらいいなと思います。言葉で伝えられない思いを歌に託す、聆紗さんの気持ちを曲にしました」 担当キャラクタ:??? 「いつまで経ってもシークレットキャラで、ろくなことが語れないみとせのりこです。みなさまよろしくお願いします(会場爆笑)。世界の根幹に関わるキャラクタということで、(親指と人差し指で2cmくらいの幅を作りながら)設定資料をプリントアウトした紙の量がこのくらいになりまして、必死になって読みました。この曲は、基本的にほかの誰かと対話をする形になっています。ただ、一方がヒムノス語と呼ばれる言語しかしゃべれない。ヒムノス語というのは、最初に感情を表して、そのあとやりたいことを言う言語なので自分の気持ちを隠すことができないんです。引っ込み思案な人に最適な言語で、曲も真実をそのまま伝える詩になっています」 石橋さんの曲の紹介時には、手がけている別の曲についても話が及んだ。それによると、石橋さんは、「アルトネリコ」シリーズ史上初の大長編を手がけているという。 その曲について石橋さんは、「1曲収録するのに4日間かかりました。最近5.1chという、歌い手泣かせのシステムができたせいで、同じ映像に対して最低でも8回も歌わなければならなくなりました(笑)。どこかで、少しでも音を外すと、それが目立ってしまうので、4日間かけて少しずつ制作しました。今は明かせませんが、とあるキャラクタが成長する歌になっています。成長に伴って移り変わる“声”にも注目してください」と笑顔で語ってくれた。 曲の制作に関して河内プロデューサーは、「歌い手さんにも、ゲームを制作している人間と同じくらい世界観を共有してもらって、その上で担当するキャラクタに感情移入して詩を歌って欲しいとお願いした。ここにいる4人の方は、快く引き受けてくださった」と、感謝の意を示していた。 また、本作のもっとも大きな仕掛けとして「世界の創造」が主題になっている面もあるという。前回は塔の破壊の危機というテーマのみにスポットを当てていたが、今回はどうやって塔を作ろうかというところまで踏み込み、最終的に理想郷「メタファリカ」を紡ぐ物語が作られたという。
■ レベル2:広報Tの「ピー」がついに炸裂。ハプニング続出の展開に進行役の2人は冷や汗たらたら?
最初に紹介されたのは、「レプレキアシステム」について。これは、極めればボス級の相手でも瞬殺できてしまう戦闘システムで、作成した仲間のI.P.Dの数によって、魔法の威力が格段に上昇する。詩魔法の威力の強化のほかにも、コレクション要素やパワードなどのシステムを組み合わせた、やり込み・強化システムとなっている。 壇上では、レプレキアを発動するためにスタッフが孤軍奮闘。発動可能な状態にまでは簡単に進めるものの、肝心のところで凡ミスを連発し、結局3度目の正直でレプレキアを披露することができた。 実はこのとき、予定されていなかった映像まで流れていたようで、進行役のお2人は広報Tさんからの「ピー」が入らないかドキドキしていた模様。その旨を土屋ディレクターが伝えると、広報Tさんは「マイクがなかったから!」と、マイクのない状態で口をパクパクさせていた。
レプレキアのシーンでは、クローシェ親衛隊達が最大100人で一緒に歌う曲が流れるという。これについて志方さんは、「親衛隊ならではの曲にしたかったので、みんなで一斉に早口で歌い隊員の団結力を見せる、というシチュエーションで作曲しました。が、歌を収録する時、早口フレーズ×40トラック収録で、とにかく大変で……。自分で作っておきながら『こんなのできるかー』とヤケになったり(笑)。苦労して歌った曲なので、ぜひたくさんレプレキアを使って下さい」とアピールしていた。
来場者の体験プレイが終わったところで、どうしてもプレイしたいと必死にアピールしていた霜月さんも、「霜月さんのプレイを見たい人~」という質問に対しての来場者の温かい拍手を受けてレプレキアを体験できることに。本人曰く根っからのゲーム好きということで、敵の攻撃をガードする際の操作にやや苦戦しつつも、終始ニコニコしながら戦闘を楽しんでいた。
戦闘システムに続いては、本作の代表的なゲームシステムである「デュアルストール」、「ダイバーズセラピ」、「ショップ調合」の3種のうちのいずれかを紹介するコーナーが設けられた。どのシステムを紹介するのかは、来場者の拍手の大きさを騒音計で測定して決められた。 測定の結果、「デュアルストール」が89デシベル、「ダイバーズセラピ」が82デシベル、「ショップ調合」が62デシベルとなり、「デュアルストール」のシステムがスタッフのゲームプレイを交えながら解説された。 「デュアルストール」は、「デュアリスノ結晶」をお風呂に沈め、ヒロインたちが一緒に湯船につかることによってパラメータを上昇させることができるシステム。壇上では、その一連の流れを順に説明しながら、プレイが進められた。 会話イベントが挿入されることや、「デュアリスノ結晶」を入手すれば何回でもお風呂に入れることなどが順調に解説され、前作でもおなじみの「とある表」がモニターに表示されたところで、ついに広報Tさんの「ピー」が炸裂。これに動揺したのか、画面を切り替える際にさらに公開不可の画面がモニターに映されるなど、進行側にとっては冷や汗ものの、来場者にとってはちょっとお得なハプニングもあり、いろんな意味でこの日最高の盛り上がりを見せた。
Q&Aコーナーは、来場者が「アルトネリコ2」に関して聞きたいことが質問され、それに壇上者の方が答えるという形で進行。壇上のかたたちが、広報Tさんの「ピー」が入らない程度に質問に対する回答を述べてくれた。 もっとも会場が盛り上がったのは、「詩魔法は奇跡を呼ぶ詩だと思っているのですが、収録中になにか奇跡のような出来事が起こったことはありますか」という質問への回答。「収録中に(疲労のためか)歌おうと意識していなかったことがあって、やばいボーっとしてたと我にかえったら、『ハイOKでーす』といつの間にかOKテイクを歌っていたんです」と、まさに奇跡のような体験を石橋さんが語ってくれた。 最後に、4人の歌姫から以下のようなコメントが寄せられて、この日のイベントは幕を閉じた。 「クローシェはすごく不器用な子なので、ぜひともみなさんの手でその厚い心の殻を破ってあげてください」(志方さん) 「わたしも時間を作ってゲームをプレイする気満々です。頑張ってエンディングまでプレイしようと思うので、みなさんもぜひ楽しんでください」(霜月さん) 「いつまで経ってもシークレットキャラで、ろくなことが語れないみとせのりこですが、きっとこのままだと『3』が出てもシークレットキャラだと思います。こういったイベントでは何も語れなくて寂しいので、みなさんに早くプレイしていただいて私と語り合えるようになっていただけると嬉しいです」(みとせさん) 「『アルトネリコ』にたくさんの仕掛けがあるように、私たちも丁寧に一生懸命曲を作りました。いろいろな面でゲームを楽しんでいただけたら幸いです。これからも『アルトネリコ』シリーズをよろしくお願いします」(石橋さん)
ゲームや詩の制作時の裏話が語られたほか、ゲームの体験コーナーあり、途中で軽いハプニングもありと、発売前のイベントとしては非常に充実したイベントだったのではないだろうか。イベント終了時に来場者から盛大な拍手が送られたことが、それを証明していたと思う。
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□バンプレストのホームページ (2007年10月25日) [Reported by 中野信二]
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