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★PCゲームレビュー★

ポスト「Oblivion」の最右翼がヨーロッパから登場
ユニークな成長システムでぐんぐん強くなる本格アクションRPG

Two Worlds

  • ジャンル:アクションRPG
  • 開発元:Reality Pump
  • 発売元:ZUXXEZ Entertainment
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • 価格:59.99ドル(英語版)
  • レーティング:ESRB:Mature(17歳以上)
  • 発売日:8月21日(発売中)



 今年は、例年になくスタンドアローンでガッツリ遊べる海外産RPGに注目が集まっている。きっかけとして大作3DRPG「The Elder Scrolls IV: Oblivion」の日本語版がXbox 360とプレイステーション 3で発売され、大好評を博した事が記憶に新しい。そのおかげか典型的な「洋ゲーファン」のみならず、カッティングエッジを求める新しい層にも海外ゲームを注目する雰囲気が醸成されつつある。そういった流れに一味加えそうなタイトルが欧州ドイツから登場した。それが今回紹介する「Two Worlds」だ。

 「Two Worlds」は近年のトレンドであるシームレスで広大な世界、自由度の高い環境を備え、さらに独特の成長システムを搭載。戦闘はヒット&アウェイも可能な小気味良いアクション性に重点を置いた意欲的な作品だ。発売プラットフォームはPCのほか、Xbox 360、PS3を用意。今のところ日本語版の発売は発表されていないものの、一昔前なら「可能性は低い」と言い切れたが、今はちょっと見えない部分がある。取り急ぎ英語版でゲームの内容をご紹介していきたい。


■ ライバルは「Oblivion」? 広大なフィールドを舞台にテンポのよいキャラ成長が楽しめる

遥か彼方まで描写される風景は独特の雰囲気。世界の広大さと移動の自由度を象徴しているかのようだ
 「Two Worlds」は、美しい3Dグラフィックスで再現された世界を各種クエストをこなしながら冒険し、キャラクタを成長させていくことに楽しみの要点がある骨太の3DアクションRPGだ。

 主要な開発はポーランドのReality Pumpが行なっている。ドイツのZUXXEZ Entertaimentとの緊密な連携で完成したタイトルであり、そのためドイツ生まれと表現されることが多い。ゲームの雰囲気はヨーロッパらしく派手さには欠けるものの、映像表現には独特の雰囲気があり、若干ながらウクライナ生まれの「S.T.A.L.K.E.R」で感じた精緻なテクスチャワークの印象がある。

 ゲームシステムの大まかな表現としては、広大な世界を自由に探索しながら各地でクエストを見つけ、モンスターを倒しながら目的を達成していくという点で「Oblivion」に近いものがある。ただしキャラクタの成長システムはレベル制で、戦闘は非常にアクション性が高く壮快さを重視したバランスだ。そういったプレイを通じた感触では「DIABLO」に近い作品といえるかもしれない。

・被写界深度を取り入れた映像表現が秀逸。LODシステムの調整の甘さゆえの違和感がヨーロッパ風

鬱蒼とした森林の表現は特筆すべきレベルに達している。遠方のオブジェクトがぼやけるエフェクトがうまく利き、映像のクオリティに貢献している
 グラフィックス面では、中世ヨーロッパをモチーフにしたシームレスで広大な世界、ということで、同じテーマの「Oblivion」と比較したくなるのは人情というものだろう。技術的な面では、本作は「Oblivion」並みか、それ以上の面積をもつフィールドを切り替えなしに歩き回れるというボリュームを実現している。

 その映像表現で目に付くのが被写界深度によるボカシ効果を使った距離感の演出だ。この被写界深度の効果により遠方のオブジェクトがボヤけて見えるので、広大なフィールドを一度にレンダリングするときにありがちな、簡易化された遠方のオブジェクトのディティールが「ちゃち」に見えてしまう、という問題を見事に回避している。副作用として映像がミニチュアふうに見えてしまうという弱点があるが、これはプレイしているうちに慣れてしまう程度のものだ。

 この点では秀逸な本作だが、シームレスな世界を表現する為に必須の、オブジェクトが近づくにつれて解像度が向上していくLODシステムが大雑把すぎるのが残念。特に草地や森を歩くたびに目の前に植物がボコボコ現われるさまがあからさますぎて、これに目が慣れるまでにかなり時間が掛かる。せめて、近づくオブジェクトが半透明で現われるような調整がされていれば、違和感は軽減されたのではないか。個々の事例で光る部分は散見されるものの、全体的な完成度では「Oblivion」に軍配を上げたい。

近景のディティールの高さと遠景のスケールがうまくマッチして、独特の絵作りに成功している。世界は広く、端から端まで歩けばそれだけで1時間近くかかってしまいそうだ

近景の描写では、植物の表現に注目。密度が高く静止画としてのクオリティは高いが、実際に歩いてみるとディティールの切り替えが大雑把で、ボコボコと新しいオブジェクトが現われるのが気になってしまう

・同種の装備を合体強化する「Double-Up」。小気味よいテンポでキャラクタを強化できる

成長システムはレベル制で、1レベルにつき5ポイントを基本パラメータを割り振ることが可能。加えて38個の戦闘スキル群があり、スキルポイントを割り振って強化する
 ゲームシステム面での最大の特徴は、本作では「Double-Up」と呼ばれるユニークな装備強化システムの採用だ。これは武器や防具などで「全く同種の」アイテムであれば、二つのアイテムを重ねあわせることで、その能力を強化できるというものだ。このとき両者に付与されていた魔法効果も合算される。いわゆる「エンチャント」のシステムを持つゲームは多いが、本作のそれは飛びぬけてお手軽に利用することが可能となっている。

 この「Double-Up」は、何段階でも、何十回でも可能だ。その気になれば100本の剣を合体させて100段階の強化もできてしまう。唯一の制限は、アイテムに付与されていた魔法効果の種類をある程度以上に増やす合体はできない、ということ。つまり、武器で言えば「火炎ダメージ」の魔法を付与された剣に、「氷ダメージ」を付与された同種の剣を合体させることはできない。この組み合わせが同種、つまり「火炎」に「火炎」ならば合算されるので、同系統の魔法が付与されたアイテムを大量に入手できれば、理論上どこまでも強化できる。

 このお手軽な強化方法により、店で買える装備の性能を2倍でも3倍でも高められるので、繰り返し行なうことで、キャラクタはレベル水準を飛び越えた能力を手にできる。ただしレベルが上がればより強力なベース性能の武器を入手できるようになるため、お気に入りの武器を強化していくか、それともレベルを上げてもっと良い装備を手に入れるまで待つか、このあたりの判断が面白く、楽しくプレイを続けられる原動力のひとつになっている。

同種の武器や防具を合体させて性能を向上する「Double-Up」。お金さえあればNPCショップで見かけた装備をどんどん合体させて何十段階にも強化することができる

冒険の最中に見つかる魔法の宝玉は、各色に対応した魔法攻撃の効果を武器に付与する。これも数さえあればいくらでもダメージを追加していくことが可能で、キャラクタ強化の自由度が高い


■ 「間合い」と「タイミング」で強敵を制する。戦闘システムはアクション風味が強く壮快

ジャイアント系の敵は攻撃力が強く、殴られると一発でやられることも。そんなときは間合いを取れる槍系の武器が有効だ。1撃したらすぐにバックステップで距離を取る
 次に本作の特徴的なゲームシステムについて押さえておこう。まず、戦闘システムは非常にアクション寄りで、プレーヤーの戦い方次第でレベル以上の敵を倒すことも可能なバランスになっている。基本的なコマンドはFPS的な操作による移動と、マウスクリックによる攻撃。特徴的なのは「Back Jump」キーを押すことで瞬間的に相手との距離をとり、攻撃をかわせるという操作だ。

 本作の武器には「見た目どおりの当たり判定」が付与されており、一般的なRPGとは違って、見た目で相手にヒットした攻撃は、実際にヒットするようになっている。相手の攻撃も、振りおろした剣の軌跡をうまく移動してかわせば実際に避けることができるので、戦闘はヒット&アウェイを意識したアクションゲーム的なプレイになる。FPS系の上手なプレーヤーなら、コツを掴んで有利にゲームを展開できることだろう。

 当たり判定が正確なため、敵に攻撃を当てるためにはハルバードやスピアなどポールアーム系の、攻撃レンジの広い武器を持つことが有利に働く。パラメータ上の攻撃力が高くても、肉切り包丁や手斧のように丈が短い獲物では、相手に密着しなければ攻撃をヒットさせることができず、反撃を受けやすい。射程距離の長い武器で戦えば、相手の届かないところから連続で攻撃をあてて後ずさり、ノーダメージでハイレベルの強敵を倒すこともできてしまうわけである。格下の敵を多数相手にするなら、「二刀流」で連撃を浴びせて一気になぎ倒すような壮快なプレイも可能だ。

長柄の武器で複数の敵を串刺しに! 馬上では片手剣を振るって戦うことができる 片手剣は二刀流が可能。スキルを上げれば攻撃回数が劇的に増える

・3種類の攻撃属性と5種類の魔法効果。「相性」を意識した戦闘の組み立てが楽しい

スケルトンを斬ったり突いたりしても、ロクにダメージが通らない。武器を選ぼう
 上述のように、攻撃をヒットさせるまではアクションゲームだが、ヒットした攻撃には攻撃力・防御力というパラメータと、攻撃の種類と相性によるダメージ評価が厳密に行なわれ、この点ではRPG的だ。特に重要なのは、その攻撃の持つ属性と敵の防御属性との相性だ。

 攻撃の属性は、「斬撃」、「刺突」、「打撃」の3種類。「斬撃」は大抵の敵に有効でバランス型といえるが、プレートメイル、チェーンメイルなどで重武装した敵を相手にするとかなりダメージが落ちてしまう。そんな敵には「刺突」が有効だが、槍で突くような攻撃は、肉のないスケルトンには全く通用せずノーダメージだ。

 そこでハンマー系の武器で「打撃」を与えれば、通常の倍以上の威力で叩き潰せるが、逆に今度はウッド・ゴーレム系の敵をいくら殴っても効果がない。敵に応じて武器を切り替える必要があり、一筋縄ではいかないのだ。中には「ハルバード」のように「斬撃」と「刺突」の両方の攻撃属性を併せ持つものもあるが、原則として1武器に対して1属性なので、メインウェポンの選択はくれぐれも注意したい。

 また、武器の魔法属性の追加も効果的だ。各所で手に入る宝石を武器に合体させることで武器に魔法属性を追加でき、お気に入りの武器の威力を倍増させてくれる。魔法属性には「火」、「氷」、「雷」、「魂」、「毒」の5種類がある。これも、ゾンビ系の敵には「火」がてきめんで、サソリ系の敵には「毒」があまり有効でないなど相性の問題がある。プレーヤーは常に複数の攻撃手段を持つ必要があるわけで、この点もまたプレイに刺激を与え、面白い要素になっている。

・魔法も「Double-Up」が可能。同種のマジックカードを幾つも重ね、強力な一撃に

魔法は対応するカードをスロットにセットして使う。5つのマジックスクールがあり、対応スキルを上げないと高位の魔法は使えない
 本作では武器、防具と同様に、魔法も「Double-Up」と同様の強化方法が可能なシステムになっている。魔法はスペルブックに収められた各種のカードによって表現されている。

 魔法を使うには対応するマジックカードを入手し、アクティブスロットにセットする必要がある。マジックカードは冒険する中でいくつも見つけることができ、同じカードを複数入手すれば重ね合わせてさらに強化が可能だ。特に体力回復(ヒーリング)の魔法は、キャラクタのレベルが上がってくると、回復量が不足するため、必要な時期にはNPCから購入してでも強化しておきたい。強化する結果、威力と同時に消費するマナポイント(MP)も増えてしまうので、キャラクタの能力に合わせたバランスを考えよう。

 筆者はキャラクタに戦士タイプの成長をさせたため魔法はあまり多用しなかったものの、前述のヒーリングと、キャラクタの能力を向上させるブレッシングの魔法を常にアクティブにしていた。魔法には、さらに効力を向上させる「Booster」と呼ばれるカードがある。これを組み合わせれば持続魔法の有効時間を延ばしたり、攻撃魔法の威力向上や、MP消費を抑えるようなことができる。「Booster」カードは出現率が低く数を揃えにくいが、本作ではそれが逆に「カード集め」をひとつのサブゲームにしてしまうパワーになっていて面白い。

「ファイアボール」の魔法は序盤でこそ使い出があるが、戦士系統の成長を目指すとすぐに威力不足になる 体力を回復する「ヒーリング」は、魔法使いでなくとも必修だ。常にアクティブスロットへ入れておきたい マップ上の所々にあるアンク型の「マジックソース」は、近寄るとマナを回復してくれる


■ 気楽な傭兵稼業が楽しめるストーリー。自由なシステムがプレイを阻害してしまう要因にも

ゲームはチュートリアルを兼ねた戦闘シーンから始まる。のんびりしているといきなり死んでしまうところがヨーロッパ風だ
会話は音声と字幕で進行する。字幕は発音にあわせて自動的に進んでしまうので要注意だ
 さて、少々順序が逆になってしまったが、続いて「Two Worlds」の世界観を紹介していこう。本作はマルチプレイもサポートするが、メインパートはあくまでシングルプレイモードだ。この世界は古代の神の復活に関連した動乱の真っ最中で、一本の大河を挟んだ「西の世界」を人間族が統治し、「東の世界」をオーク族が支配するという勢力地図になっている。題名が示す「二つの世界」は、まさにこの世界の状況を表している。この予備知識があればある程度スムーズにゲームへ入っていけるが、本作はそういった意味でプレーヤーを導く演出が随所で不足しているのが難点だ。

 主人公はそんな世界を放浪する傭兵稼業の旅人だ。しかし、それがわかるのはゲームを開始してしばらくたってからのこと。タイトル画面から、あまりカスタマイズ性が高いとは言いがたいキャラクタメイキングを終えてゲームに入ると、地下室のような場所でチュートリアルを兼ねた戦闘が始まる。これをクリアして地上へ出ると1人のNPCが待っており、話しかけてみるといきなり、主人公が旅の傭兵であり、各所で異形の種族が跋扈しているという設定を前提とした会話が始まり、にわかについていけないプレーヤーを混乱に陥れる。

 事前に世界背景を紹介するようなオープニングの演出が一切無いので、この展開に面食らってしまうのだ。このあたり、日本のゲームには絶対に有り得なさそうな突き放しぶりで、海外ゲームの不親切さに慣れたプレーヤーでなければ違和感を感じてしまうだろう。この先もノリは変わらないが、どうか、めげずにゲームを続けてほしい。

クエストは行く先々で出会うNPCとの会話で、選択肢を選んで請け負う。マップ上にはクエストに関連する場所が輝点として表示されるので、頼りにしよう

・サブクエストの構成はやや雑。気ままに冒険していると膨大な未解決クエストが残る

クエストは簡単なお使いや、敵地から何かを回収してくるようなものが主流だ
世界は広く、未解決のクエストを増やしすぎると面倒なことになる。ひとつひとつ片付けたい
 この世界には「西の世界」を中心に、4つの大都市と10あまりの村落およびキャンプがあり、プレーヤーは世界の北辺近くに位置する「Komorin」という村を足がかりに旅立っていくことになる。それぞれの町や村でNPCに話しかけることでクエストを得るという点ではオーソドックスなシステムだ。

 本編の進捗とは関連しないサブクエストは数多く、序盤のクエストは北部一帯に位置する村々と都市「Tharbakin」の中で進行していく。多くのクエストは、どこかよその村の様子を見に行ったり、アイテムを渡しに行ったり、モンスターを倒すといったオーソドックスなものだ。その点では可もなく不可もなく冒険を楽しめる、と言いたいところだが、全体を眺めてみるとその作りの荒さが目に付く。

 というのは、ある場所で得たクエストを解決するために別の場所へ向かい、そこで新たなクエストを得て、ということを繰り返していると、すぐに未解決のクエストにまみれてしまうというバランスの悪さだ。1つ1つのクエストが長距離の移動を必要とするわりにキャラクタのレベルが上がりやすいため、次第にキャラクタの成長とは裏腹にゲームが進んでいないような焦りを覚える。

 さらに世界がシームレスに広がっていて通行制限は一切無いため、道中目に付く町や村落でNPCと会話しているうちに膨大なクエストがたまり、それを解決するためだけに行ったり来たりを繰り返さなければならない。多くのクエストが「局地的に解決できない」内容になっている弊害だ。このあたり、レベル制限やクエストフラグの成立による通行制限の解除といったシステムを持つ「親切な」ゲームに比べると確かに自由だが、ここまでくると自由でもなんでもなく、単なる無秩序である。この辺はもうちょっとどうにかならなかったのかと思う。

・メインクエストの出来は賛否両論? 時にはゲームの自由度がアダになる面も

主人公の家系は古代の神「AZIRAAL」の儀式に関連しているらしい。GANDAHARと名乗る謎の人物の計略に半ばハメられた形でメインシナリオが進行する
やんちゃが過ぎて街の人がすべて敵になってしまった。こうなるとこの街に関連するサブクエストはすべて失敗してしまう
 本編のストーリーに関わるメインクエストは、主人公が受け継ぐ「血統」を主題として展開していく。オーク達の崇拝する神「AZIRAAL」を現世に復活させようとする謎の人物「GANDOHAR」は、その儀式を完成させるために必要な血統を持つ主人公に目をつけ、その妹を人質に取って利用しようとしている。

 序盤を過ぎると、プレーヤーはこの人物「GANDOHAR」の思惑に乗り、古の儀式に必要な複数のアーティファクトを探して世界中を駆け巡ることになる。メインクエストはいくつかのサブクエストに分岐し、各地で問題を解決することでアーティファクトの入手へ近づいていく。本作は自由度が高く、クエストの達成条件を正しく満たさなくても、関連する人物を皆殺しにすることで、無理矢理にメインクエストを先に進めることもできてしまう。そのかわり、犯罪を犯した町のNPCは敵になってしまう。

 この点を別の視点で考える為に、初回のプレイでは、メインクエストに関連するサブクエストと、そうでないサブクエストが演出の面で全く区別できないところを本作の特徴として挙げておきたい。これの良い点としては、どのクエストも重要なものに思えて、ゲーム全体のボリュームを大きく感じられること。

 ただ、サブクエストには落とし穴がある。本作では誤操作でもNPCに攻撃してしまったり、盗みを繰り返してしまうと、町の全てのNPCが敵に回ってしまうことがある。そうなるとその町の人物がトリガーとなるサブクエストは一切クリアできない。実は、その手のクエストは例外なくサブクエストであり、メインクエストのクリア条件とは無縁だったりするのだが、最初はそれがわからないので「ひょっとしてゲームクリア不可能?」と考えてしまうのだ。筆者はこのため一度プレイを最初からやりなおした。30時間程度のプレイが無駄になったが、今思えば、ハマっていたのは本筋に関係のないサブクエストだった。

 本作は、メインクエストのクリア条件を満たすためだけにプレイをすれば、実際のところ十数時間でクリアできる。あらかじめ、そのあたりのポイントをわかっていればスムーズにプレイできるのだが、一番楽しいはずの初回のプレイで混乱に陥りがちなのは、本作の「自由な」クエストやNPCのシステムが、実際のプレーヤーのふるまいとうまく噛み合っていないためだろう。その点で本作のシナリオ完成度は今ひとつ、という評価になってしまうのである。成長システムが面白く引き込まれる要素があるだけに、惜しいところである。

メインクエストでは、儀式に必要な4つの神器を手に入れるため奔走することに。序盤の地域である北部一帯では「CLAN KARGA」と「EXCAVATIONS」という2つの組織の間でいざこざが発生しており、これを解決することが神器のひとつを手にする鍵になっている


■ とっつきにくさはあるが、一旦慣れれば存分に楽しめる力を持つタイトル

植物を調合して秘薬を作れば、各種パラメータを恒常的に強化できる。時間さえかければ極端なキャラクタも作れるだろう
 本作は、RPGの柱であるクエストがいまひとつ消化不良な印象ではあるものの、キャラクタの成長の楽しさが、それを幾分補ってくれている。レベルを上げ、STRENGTH、VITALITY、DEXTERLITY、INTELIGENCEの各パラメータを調整しつつ強化し、30種類以上のスキルにスキルポイントを振り分けていく。筆者は戦士系の成長をさせたが、魔法中心に組み立てることも可能だ。

 さらにマップ上で見つかる特定の植物を「Alchemy」スキルで秘薬に調合すれば、各パラメータをレベルに関係なく向上させることもできる。前述した装備の「Double-Up」システムや魔法の宝玉による追加ダメージを延々強化していくことで、努力次第でキャラクタは青天井の成長ができるわけだ。小気味良くキャラクタを強化していける快適なプレイ感覚は、無敵の主人公を目指してついついプレイを続けてしまう面白さに溢れている。

・自分好みのキャラクタ成長を続けられるネットワークプレイ

オンラインサーバーは世界3箇所、北米に1つ、欧州に2個用意されており、それぞれに10個のロビーがある。そこでピアツーピアセッションを立ててゲームをおこなう仕組みだ
RPGモードは限られた範囲のマップ内にちりばめられたクエストをこなし、金銭を獲得していくというゲームだ
 シングルプレイではメインクエストの完了とともにキャラクタの成長も終わりとなるが、オンラインモードでは、終わりなくどこまでも成長させ続けることが可能だ。オンラインモードではシングルプレイに近いシステムで進行する「RPGモード」と、あらかじめ決められたテンプレートのキャラクタを選んでおこなう「PvPモード」とがある。現在のところ人気があるのは「RPGモード」のようだ。

 「RPGモード」ではロビー代わりとなる町を拠点に、ピアツーピア型のオンラインセッションを立ち上げて、8つのステージのいずれかを舞台にしたクエスト解決ゲームをおこなう。各ステージは本編の各地域を切り取った地勢になっており、村々でNPCから8~10個程度のクエストを請け負うことになる。

 クエストの内容はある程度ランダムになっており、ゲームセッションを行うたびにちょっとした変化が現われるようだ。モンスターの出現パターンも同様で、あるセッションではオークの集団が出現した場所で、別のセッションではドラゴンが出現して慌てるというような場面もあり。町やキャンプ、宝箱、植物など固形物の出現パターンは固定なので、各種パラメータを上昇させる植物を大量に回収するため繰り返しゲームセッションを行うようなこともひとつの「ワザ」だろう。

 筆者は上記の技でキャラクタを徹底的に鍛え上げ、レベル40という中堅クラスのレベルには似つかわしくないほどパラメータを上昇させて、最強クラスの敵もあっさり片付けてしまうような性能を実現させてみた。「RPGモード」で作ったキャラクタは、「ARENA」ステージのゲームセッションに参加することで対人戦を行なうこともできるので、見た目以上に強いキャラクタというのは面白い。こういう遊び方をすると本作はなかなか手応えがあり、正直に言えばゲームとしては大味だがなかなか面白い。

オンラインサーバーの中は町の姿をした待合ロビー。ここで買い物や仲間集めができる ゲーム内ではマップが通過不能の植え込みで仕切られており、迷子にならない仕組みだ 効率よくクエストをこなすのにオススメなのは騎乗+弓装備。素早く敵を片付けられ、テンポよくプレイできる

・大型パッチのリリースが続いている。プレイ前にはバージョンの確認をされたし

 シングルプレイの本編については、演出の強化など改善すべき点は目立つ。その他の点でも脇の甘さが目立つゲームであるだけに、開発元は度重なるパッチのリリースで内容を改善しているようだ。07年9月現在の最新バージョンはv1.5である。1GBを軽く越えるパッチをダウンロードするのは大変だが、本作を手にした方は是非最新パッチのバージョンでプレイすることをお薦めしたい。特に初期バージョンは物理演算チップ「PhysX」向けのエフェクトが多用されていたため、通常のプレイでも非常に重くなっているためだ。これがパッチで改善している。

 筆者が問題としたクエスト周りの不親切さ・乱雑さは、開発元にはパッチで是非取り組んでもらいたい課題だ。悪さをするとNPCが敵になってしまうという反応のリアルさや、無制限に世界を歩き回れる自由度の高さと引き換えに、本作はあまりにも多くのものを犠牲にしている。ゲームとして完成度を高めるためには、そういったシステム面を見直して洗練していく必要があるだろう。

 本作は、そんな欠点も含めて「歯ごたえのあるRPG」をプレイしたいと考える読者にはお薦めできるタイトルだ。とっつきにくさはあるが、アクション性の高さ、成長システムの小気味よさなど、アクションRPGとして見るべき点は多い。個人的にはパッチのリリース状況も含め今後の評価にも注目していきたい。

武器を振り回す攻撃は複数の敵を一度に倒せて壮快。きちんと当てるためにはアクションゲーム的な操作が必要なゲーム性だ

(C) Copyright 2002-2006, ZUXXEZ Entertainment AG, Germany. All rights reserved.


    【Two Worlds】
  • CPU:Pentium 4 2GHz以上(同3GHz以上を推奨)
  • HDD:5GB以上
  • メインメモリ:512MB以上(1GB以上を推奨)
  • ビデオメモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)


□「Two Worlds」の公式ページ
http://www.2-worlds.com/

(2007年11月3日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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