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【連載第130回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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モーションセンサー内蔵のグリップコントローラとマウスで
PS3をさらに楽しめる多機能コントローラ |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今回紹介するのは、ちょっと変わり種の海外製PS3用コントローラ「FragFX Controller」。これは多数のボタンを装備したマウスと、モーションセンサーを内蔵したグリップ形状の片手用コントローラを使うというユニークなコントローラセット。グリップに内蔵されたモーションセンサーは6軸検出に対応しており、ボタン操作を割り当てることも可能。この多機能コントローラセットをいろいろ試してみることにしよう。
● グリップ&マウスで操作! グリップを振ってのボタン操作も可能な多機能コントローラ
・「FragFX Controller」
メーカー:ゼネラルオートサービス
価格:8,800円
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グリップコントローラとマウスは全てケーブルで繋がっている。PS3側のケーブルは約3mと長く、グリップとマウス間も約85cmほどの長さ |
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グリップコントローラ用の台座がついたラップパッド。台座部分が一段下に下がっているので、置き場所を工夫する必要がある |
「FragFX Controller」はグリップコントローラとマウスでPS3を操作できる、多機能なコントローラだ。様々なジャンルのゲームに対応する4つのモードや、各種調整機能を持っているほか、グリップコントローラには6軸検出のモーションセンサーも搭載されている。ラップパッドを含む全体の重量は544gあるが、グリップコントローラは82g、マウスは73gと、かなり軽い。
左手側のグリップコントローラは、Wiiの「ヌンチャク」のように、従来のコントローラの左半分だけに分割したような棒状になっている。左アナログスティック(押し込みでL3ボタン)、方向キー、L1/L2ボタンを備えるほか、独自のボタン類として、「START/SWAPボタン」、「SELECT/pMOボタン」、「PS/MOUSEボタン」、「Fragボタン」がある。マウス操作の感度を調節するダイアルが側面にあって、ダイヤルは0~9までの目盛りがついている。
グリップコントローラのスタート、セレクト、PSボタンに関しては、従来のSIXAXISに搭載されている機能と同様のもの。だがFragボタンと一緒に押すことで、SWAP、pMO、MOUSEというモードを切替えるボタンにもなる。これらのモードについては後述する。
右手側は光学式のマウスがセットされている。親指があたる内側に○、×、□、△ボタンが十字に配置される。マウス上部の左/右ボタンはR1/R2ボタン。中心には大きめのR3ボタンと、その下にSTART/SWAPボタンがある。光学式マウスを動かす操作は基本的には右アナログスティック操作に該当するが、モードによって変更できる。
このように、SIXAXISに搭載されているボタン類は全てカバーされている。PSボタンに関しては、電源オン操作にだけは対応しないが、他の機能はSIXAXISのPSボタンと同等に機能する。
台座となるラップパッドは、左側にあるグリップコントローラ台が一段下がってついている。そのため、机の端や膝の上に置いて使うことになる。グリップコントローラ台は30度ほど平行に可動する作りになっていて、台ごとグリップコントローラを持って使うスタイルでも使える。
グリップコントローラを握ってみると、グリップに緩やかについた傾斜と、段差がついた形状にしっかりと指が収まる。全体の形状も握りやすかった。マウスとPS3とはケーブルで接続されているが、片手で持っている感覚はリモコンのようでもある。アナログスティックの感触はSIXAXISのそれと近い。だが、3個並んでいるFragボタン、L1/L2ボタンは少しがたつきがあって安っぽいのが気になった。
かたやマウスの方は、無難な楕円型で握りやすいが、上部の左/右ボタンの感触があまりよくない。スイッチのクリック感がほとんどなく、カタカタとがたつく。○、×、□、△ボタンも同様で押している感覚に乏しい。グリップコントローラ側にはあまり不満がないのに比べると、マウスは全体が安っぽく感じる。
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グリップコントローラは従来のコントローラの左半分だけにしたような棒状。単独で持ってもいいし、台座ごと持つのもいい。マウスには内側に4つのボタンが配置されている。並びは従来のコントローラと同じになっている。マウスの質感があまり良くなかったのが非常に惜しいところだ |
・FPSをマウスでプレイできる「Gameモード」
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最も扱いやすかったのが写真のような膝置きスタイル |
マウス操作で遊びたいゲームといえば、なんといってもPCゲームではマウス操作でおなじみのFPSタイトルだろう。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの「RESISTANCE~人類没落の日~」で試してみた。
グリップコントローラのアナログスティックで移動し、マウス操作で照準を動かす。左ボタンで武器の発射、右ボタンで武器の変更だ。他の操作に関しても、「FragFX Controller」のボタン配置は、SIXAXISで標準的な配置がそのまま順当に割り当てられるように考えられている。「RESISTANCE~人類没落の日~」においてはキーコンフィグを設定することなくそのまま快適にプレイできた。
検証を担当した研究所員は、FPSをマウスとキーボードでプレイすることにあまり慣れておらず、これまでSIXAXISでプレイしてきたタイトルだけに、最初は違和感を感じていた。特にマウスの内側に配置された○、×、□、△ボタンでの殴り攻撃、リロード、ジャンプなどへのとまどいは大きかった。だが、何度かプレイしているうちに慣れてきた。
快適にマウスでプレイするためのギミックとして、マウス感度設定のダイヤルとFragボタンの存在が大きい。マウス感度設定はそのまま照準の動く速さになるわけだが、マウス操作に慣れていくにつれて速くすることで、最終的にはアナログスティック操作よりも素早いキビキビとした操作ができるようになった。最後には最速設定の9でプレイするに至ったが、感度設定をいちいちオプション設定などで変更するのではなく、手元のダイヤルで即座に調整できるのが嬉しい。
マウス感度を俊敏にするに伴って重要になるのが「Fragボタン」の使い方だ。Fragボタンはアナログボタンになっていて、押し込む強さに応じてマウスの感度が落ちる。つまり、微妙な操作をしたいときに押し込むと照準がゆっくり動くわけだ。最速感度のマウスで素早くサイトを移動させ、標的付近でFragボタンを押し込み固定する。スナイパーライフルで敵を狙うときなどに手ぶれを押さえるのにも便利だ。かなり嬉しい工夫なのだが、それだけにFragボタンの押し込みの感触がつかみづらいのは少し残念。これがトリガー式のボタンだったら、より微妙な力加減ができたのではないだろうかと思う。
マウス側のボタン類はやはり感触が気になる。ソフト側がアナログボタン操作で認識している点もあるかと思うが、マウス上部の左/右ボタンは、しっかり押しこまないと認識されない。ここは慣れると問題なく使えるようになるが、当初は違和感が大きかった。もしかしたら左/右のボタンはアナログ仕様になっているかもしれず、それゆえにクリック感がないのかもしれないと思えた。
ラップパッドのセッティングも最初はいろいろと試行錯誤したのだが、最終的には片膝において、グリップコントローラをラップパッドの台座ごと持つ姿勢がしっくりきた。台座で安定しているぶん、グリップコントローラのFragボタンとL1/L2ボタン(それぞれ特殊武器操作としゃがみ操作)を扱うために指を2本かけやすい。マウスパッドの滑りはそれほど悪くはないが、試しにPCに使っているマウスパッドを置いてみると格段に操作性がよくなった。こうした工夫をしてみるのはよさそうだ。
いろいろと惜しい点はあるのだが、数日使ってみた最終的な印象としては非常にいい。「RESISTANCE~人類没落の日~」のプレイならば、SIXAXISでの操作と甲乙つけがたいというところまで体に馴染んだ。研究所員は元々マウス操作でゲームをするのにあまり慣れていないので、PCゲームで慣れている人なら「FragFX Controller」をより気に入ると思う。
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本来はサポートされていないマウスでのゲームプレイを快適にするために、マウス感度調整ダイヤルや「Fragボタン」を備えている。ラップパッドのグリップ台座も可変し、使いやすい |
・「pMoモード」でモーションセンサーをさらに活用できる
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「Fragボタン」と各モードボタンを押すことで4つのモードに切り替えられる。写真のようにLEDの色が変わり、ビープ音も鳴る |
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モーションセンサーだけで操作できるタイトルならば、写真のように握ってプレイもできる |
「FragFX Controller」には前述のように他にも3つの操作モードがある。モードの状態はLEDボタンになっている「PS/MOUSEボタン」の色でわかるようになっている。青色は初期状態の「Gameモード」だ。
緑色は「Mouseモード」で、カーソル操作をするWebブラウザやPLAYSTATION Storeに適している。マウスの左ボタンが×ボタン、右ボタンが○ボタンになり、マウスでカーソル操作、つまり左アナログスティック操作が可能になる。他のボタンの割り当ても置き換えられてウィンドウ操作などがしやすい配置になる。
アナログスティックでカーソル操作をするのに比べて非常に操作しやすいのだが、大きな問題として、普通なら左ボタンで決定になるところが逆の右ボタンになっている。これは×ボタンが決定、○ボタンがキャンセルという日本とは逆の海外仕様にあわせているためだろう。
青緑色はグリップコントローラのアナログスティックとマウス操作の割り当てを入れ替える「Swapモード」だ。Mouseモードとは違って、ボタン操作などはそのままになっている。
青緑色の点滅は6軸検出モーションセンサーに特定のボタン操作を割り当てる「pMoモード(プログラムド モーション オーバーライド モード)」だ。これがなかなか魅力的な機能で、例えば「RESISTANCE~人類没落の日~」ならば△ボタンで武器で殴る攻撃を行なうが、「pMoモード」で△ボタンをモーションセンサーに登録すると、グリップコントローラを振ると殴るようになる。ちなみにモーションセンサーを使うときには台座からグリップコントローラを外して使う。
もちろん他のボタンもモーションセンサーに割り当てられる。例えばリロードのボタンをモーションに設定して、振るとリロードするという操作にもできる。FPS以外のタイトルでも、例えばセガの「Power Smash 3」でラケットをスイングするボタンを割り当てれば、グリップを振る一体感のある操作で楽しめる。スパイクの「The Elder Scrolls IV:オブリビオン」でも、武器を振る動作を手の振りに対応させることが可能。SIXAXISとは違い片手で持つグリップコントローラならではの体験ができる。
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モーションセンサーだけで操作する「GO! Sports Ski」をプレイ。モーションセンサーの感度もFragボタンとL3を押しながら方向ボタンを押すと調整できることもあり、非常に遊びやすかった |
ボタン設定を割り当てずとも、片手で持つグリップコントローラにモーションセンサーが内蔵されていることの恩恵は大きい。試しにPLAYSTATIONRStoreのダウンロード専用タイトル「GO! Sports Ski」を遊んでみた。「GO! Sports Ski」はモーションセンサーのみで操作するタイトルなのだが、正直なところSIXAXISを動かして操作するよりも、「FragFX Controller」のグリップコントローラを片手で持って操作するほうがとっつきがよかった。片手で持つことでよりモーションセンサーのレスポンス感覚がダイレクトで、よりわかりやすいのではないだろうか。
全体の感触としては、やはりマウスの質感が気になったが、マウス操作自体の恩恵は確かに味わえた。感度調整ダイヤルや各種のモード設定、そして「Fragボタン」と、マウス操作を快適にする工夫が嬉しい。そして、なによりも「pMoモード」のモーションセンサーの使い方に魅力を感じた。「FragFX Controller」に触れたことで、モーションセンサーをよりうまく活かせるコントローラの登場が楽しみになったほどだ。
これまではサードパーティ製のPS3用コントローラはモーションセンサーに対応していないことが多かった。だが、「SIXAXIS」や「DUALSHOCK 3」では得られない感触を実現できるのは、むしろこうした意欲的なサードパーティ製のゲームグッズなのではないかとすら思える。「FragFX Controller」はマウスの質感等に惜しい点も見られたものの、「pMoモード」や特殊形状ならではのモーションセンサーのレスポンスなど、独自の魅力に満ちている。
なお、本製品は海外製グッズゆえに、日本語説明書は付属しない。英語のマニュアルには図解が入っているので、それだけでも一応の操作は理解できるが、モード切替やモーションセンサーの感度調整、さらにファームウェアのアップデート機能など複雑な機能もあるため、ぜひとも日本語説明書の同梱やダウンロード配布などの対応を期待したいところだ。
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□ ゼネラルオートサービスのホームページ
http://www.m-s-y.com/
□ 「MSYSHOPPING」のホームページ
http://www.msyshopping.com/
(2007年10月1日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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