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会場:幕張メッセ
台湾の市場は大きくはないため、メーカーは最初から海外の展開を考えている。中国に目を向ける人も多いが、台湾の人々は日本のコンテンツを親しみ、強いあこがれを抱いている人も多い。「自分たちのコンテンツを日本でも!」という想いは大きく、東京ゲームショウへの出展を希望する会社は非常に多いという。台湾貿易センターはその中でも「新しいコンテンツを生み出しているメーカー」に出展スペースを割り振っているとのことだ。 今回、ユニークで積極的なアピールをしていたのがMEGA NET&TECHだ。箒に乗って飛び回る魔女達の戦いをモチーフにした「パラセ・ロルンペ」は、実際に箒型のコントローラにまたがりプレイをするという見た目がまず楽しい作品だ。メイド姿のコンパニオンがユーザーをサポートしてくれ、見た瞬間「プレイしてみたい」と思わせる楽しい雰囲気をもっている。さらにかわいらしいデザインのグッズを配りユーザーにアピール。台湾ゲーム館の中で一番のにぎわいを見せていた。
MEGA NET&TECHのケースは極端としても、ゲームショウではプレイアブルな試遊台を用意し、疑問に応えてくれるサポーターが勧めてくれれば、来場者は積極的にゲームをプレイをする。今回、映像出展されていた台湾のゲームは台湾の開発の力が増している事を強く感じさせるものだった。海外のゲームに興味を持つユーザーは決して少なくない。「ゲームの感触」を感じられるような出展を、もっと増やして欲しいと感じた。
■ 箒に乗って戦う「パラセ・ロルンペ」を日本と台湾、PCとアーケードで展開するMEGA NET&TECH
MEGA NET&TECHのこのねらいは大成功だと行って良いだろう。この他にコスプレをしたコンパニオンを配置し、カメラを持った来場者を集めるのも忘れない。ブースは常に注目を集めていた。 その中心となっているのが「パラセ・ロルンペ」だ。可動式の椅子型コントローラで重心を動かすことでキャラクタを操作する。椅子の後ろには箒がつきだしており、プレーヤーは実際に箒にまたがっているように見える。モニタはタッチパネルの機能を持っており、個々に現われる呪文を指でなぞると魔法が発動する。「魔法使い」をわかりやすく表現したスタイルは、感心させられる。デバイスを用意し、コンセプトに従って組み合わせる発想はアーケードゲームメーカーならではだ。 本作は箒にまたがり空を飛び、コースを進んだり、他プレーヤーと戦うアクションゲーム。タッチパネルと、箒をモチーフにした可動式の椅子、というデバイスでアーケードゲームとして台湾12月25日よりの展開を予定している。「パラセ・ロルンペ」はさらにオンラインゲームとしてPCでもプレイ可能なバージョンも全く同じ12月25日にリリースする予定だ。この場合プレーヤーは左手にゲームのコントローラ、右手にマウスを握って左手のコントローラで腰の代わりに箒を操作し、タッチパネルの代わりにマウスで呪文をなぞるスタイルになるという。 PC版の課金システムは基本プレイ無料のアイテム課金制。キャラクタのアバターやスキルを購入していく。ユニークなのはPCとアーケードでキャラクタデータの互換性を持たせるところで、カメラに使われているメモリカードなど、数種類の媒体を読み込めるインターフェースをアーケードの筐体につけ、PCからコピーしたデータを読み込ませる。専用のキャラクタカードを用意させる日本のアーケードゲームとは全く違う発想だ。
今回出展されたバージョンはTGS向けのもので、現在はまだ「パラセ・ロルンペ」の台湾版はなく、日本語版のみだという。すでに日本語版の公式ページも用意されており、日本展開への意欲を強く感じる。この他にもモバイルの展開も予定しているとのことで、今後が楽しみなメーカーであり、タイトルである。
■ USERJOY JAPAN、見た目はシンプルだがゲーム性で勝負する「三国群英伝Online」を12月より日本で展開
USERJOY JAPANは、MMORPG「三国群英伝Online」を自社運営により12月より日本でクローズドβテストを行なう予定だ。その後2008年の1月にはオープンβテストを行なっていく。アイテム課金による正式サービスを予定している。 「三国群英伝Online」は「三国志」をモチーフとしたMMORPGで、プレーヤー達は武将として軍団(ギルド)を結成し他の勢力と戦い領土の拡大を目指す。本作は2DグラフィックスのMMORPGで、台湾では2005年からサービスされている。台湾のオンラインゲームの初期のタイトルであり、正直、第一印象はかなり古くさい感じがある。 しかし、USERJOY JAPANは本作に強い期待を寄せている。オンラインゲームはアップデートを繰り返すことでより深いゲーム性を獲得する。本作は台湾のみならず、中国、ベトナム、タイでサービスされており、現在もアップデートが続けられている。合計で400万人のユーザーを獲得している。見た目通りの古いだけのゲームであれば、ユーザーからの評価は得られないだろう。 本作のセールスポイントは多数のプレーヤーのぶつかり合いを実現したところだ。2Dのためにクライアントの描画も軽く、サーバーへの負荷も少ない設計になっているため、1画面で200人以上のプレーヤーがぶつかり合うことも可能だ。本作ではキャラクタに「従者」をつけて1人のプレーヤーでもパーティーのようになるため、常にプレーヤー以上のキャラクタが画面に登場する。多数のキャラクタが入り交じるこの合戦の醍醐味は、他のタイトルでは実現できないというのが、この作品に自信を持っている理由とのことだ。 USERJOY JAPANのブースでは「三国群英伝Online」の他に、「エンジェルラブオンライン」のPS3版が出展されていた。急遽制作が決まったタイトルとのことだが、現時点ですでにPS3の実機で動作し、SCEブースから接続しているユーザーの姿も見ることができた。今回はまだマウスのクリックによる移動のみしかできなかったが、今後コントローラの対応、ソフトウェアキーボート機能、そしてキーボードへの対応などをしていくという。
本作はクライアントを無料でダウンロードでき、アイテム課金制となる。ゲーム要素やグラフィックスに関してもPC版とほとんど同じもので、同一サーバーでプレイできる予定だ。課金システムはキューエンタテインメントが担当するのか、それとも全く違うシステムを使うかは現在まだ未定だ。PC版の本作のプレーヤーは特に興味を惹かれるようで、ブースで1台のみの出展だったにもかかわらず、画面をじっくりと見つめ、友達と熱心に話をする来場者の姿も見られた。
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□台湾貿易センターホームページ (2007年9月23日) [Reported by 勝田哲也]
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