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会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
■ MMORPG「ドルアーガの塔 」は2008年1月正式サービス予定
今回の記者発表会見で公表されたのは、この「ドルアーガの塔」をWindows PC用オンラインRPGとTVアニメーションシリーズを同時に展開しようという試み。ゲームそのものが人気を博した後にアニメ化されたMMORPGとしては「ラグナロクオンライン」や「Master of Epic」などが記憶に新しいが、MMORPGのリリースと間を置かずにアニメシリーズも展開するというケースは今回が初めてだ。 会見では本プロジェクトを統括する株式会社GDH代表取締役社長の石川真一郎氏、ゲームパブリッシュを担当するゴンゾロッソ代表取締役社長の守屋秀樹氏のほか、オンラインRPGとアニメーションそれぞれの製作に携わる中枢スタッフらが登壇。アニメーションスタッフとしては、監督の千明孝一氏、シリーズ構成・脚本を担当する賀東招二氏。
ゲーム開発側からは製作を担当するキューエンタテイメントのCEO内海州人氏、および作品プロデューサーを務める小島弘和氏が登壇。版権元のバンダイナムコゲームスからはライツ部ゼネラルマネージャーの杉山学氏、そして初代「ドルアーガの塔」を生み出した遠藤雅伸氏をスーパーバイザーに迎え、ゲームとアニメ両方の作品紹介が行なわれた。
・ゲーム版は原作とアニメ版の間の時代を舞台とするMMORPGへ。パーティプレイならではの謎解きをフィーチャー
「ドルアーガの塔」生みの親である遠藤氏は今回のプロジェクトについて、たくさんの若いスタッフから「ドルアーガ」の世界観について教えを請われたという。その遠藤氏自身は「原作は20年も昔の作品ですので、自分自身忘れている部分もありました。スタッフの方々には世界観について詳しい話もしてきましたが、今回の作品は別の時代ということで、原作のエッセンスを踏襲しながらも全く新しい現代的なものになることを期待しています」と、新しい作品は新時代のクリエータたちの才能に任せようという、大御所らしい姿勢だ。 オンラインRPG「ドルアーガーの塔 the Recovery of BABYLIM」の開発はキューエンタテインメントが手がけ、ゴンゾロッソがパブリッシングを行なう。同タイトルはMMORPGとして開発が進められており、今年12月より始まるオープンβテストを経て、2008年1月より正式サービス予定というスケジュールで動いているとのこと。
登壇したゴンゾロッソCEOの守屋氏はMMORPGとしての「ドルアーガの塔」を次のように語る。「アニメ版は原作から80年後の世界を舞台にしていますが、ゲーム版は原作とアニメ版の時代の間を埋める物語になっています。アニメファンもゲームファンも両方が楽しめて、両方を体験することでより世界が深まっていくような作品にしたいですね」。
同時に、「原作は謎解きが大きな魅力でした。本作でも塔が重要な舞台になっています。外の世界はMMOなのですが塔の中はプライベートダンジョンとなり、じっくり攻略できるようになっています。パーティプレイならではの謎解きがポイントですね」と、ゲーム性の特質について明かした。また、アニメから入ったユーザーにもプレイしやすいものになるよう、ユーザーインターフェイスには特に注意して開発を進めているという。同時にヘビーユーザーにも満足してもらえるよう、頻繁なアップデートを行なっていく意気込みを持っているそうだ。 このMMORPG「ドルアーガの塔」は、「東京ゲームショウ2007」の会場内のビジネスソリューションコーナーにてゴンゾロッソによるプレイアブル展示が行なわれている。筆者はそこで触れてみたが、基本操作は「World of Warcraft」などに近い印象。移動はマウスで移動先をクリックする方法と「WSAD」キーによるFPSライクな操作の両方が可能で、敵との戦闘では数字キーに対応した各種スキルを呼び出せるようになっていた。ショートカットには回復ポーションも割り当てられており、ガブ飲みしながら戦う「DIABLO」的な操作が可能なのかもしれない。パーティプレイでの謎解きについては触れることができなかったが、基本部分ではプレイしやすさを感じ、好印象だ。
展示されている作品は、現地のスタッフによればまだβ前のバージョンということで様々な調整が必要という。とはいえ基本的なゲームシステムは味わえるものになっているので、興味をもった読者の方はぜひ実際に触って試してみることをお勧めしたい。
■ スタッフは皆「ドルアーガの塔」のファン
そのアニメ板の製作は株式会社ゴンゾが担当する。同社は、TV放映されるハイクオリティなアニメシリーズを作り続けてきたことでアニメファンなら誰もが知る存在。ゲームからアニメへと展開するメディアミックス作品は、ゲームが「主」、アニメが「従」という関係になりがちだが、今回の企画ではゲームとアニメそれぞれを担当する両社が同じグループ企業ということで、これまでとは質的に異なる展開となっているようだ。それだけに、アニメ製作にあたりゴンゾに参集したスタッフは今を代表するクリエーターばかりで、ゲームを抜きにしても話題性のあるアニメ作品になりそうな雰囲気があった。
構成・脚本を務める賀東氏はTVシリーズ「涼宮ハルヒの憂鬱」も手がけた人物。氏は今回の作品について「面白いアイディアがたくさん出まして、ちょっと自信があります。是非期待していてください」と自信たっぷりのコメント。アニメ版の監督を務める千明氏は映画「ブレイブストーリー」で知られた監督で、「私自身『ドルアーガーの塔』をプレイしていましたがダメゲーマーで、なかなか上の階層まで登れませんでした。今回の作品ではしっかり上まで上りたいと思います」と意気込みを明らかにした。
現代を代表する豪華スタッフを得た「ドルアーガの塔」TVアニメシリーズは2008年春に放送開始を予定しているとのことだ。プロットの詳しい部分について現時点では明らかにされなかったが、賀東氏によると「初代から80年後、英雄も神もいない混沌とした世界で、MMO的な脚本を考えています。原作とは別の時代ということで世代感も出したい。ギルとカイも登場するかもしれません」とのこと。ゲームをプレイしながら視聴すれば一層楽しめる作品になりそうである。
最後に、GDHの石川氏が「発表があります」として、アニメ版の脚本を担当する賀東氏が、同作品をもとに小説を書くかもしれませんと語った。賀東氏自身はこれについて「まずはシナリオを片付けないと」と答えていたが、これが実現すればゲーム・アニメときて最後に小説と、メディアミックス展開の好例になりそうな雰囲気でおもしろい。今後とも「ドルアーガの塔」を巡る動きから目を離さないでおきたいところだ。
□GDHのホームページ http://www.gdh.co.jp/ □ゴンゾロッソのホームページ http://www.gonzorosso.jp/ □バンダイナムコゲームスのホームページ http://www.bandainamcogames.co.jp/ □ニュースリリース http://www.gonzorosso.jp/news/070920_01.html □関連情報 【2006年3月22日】GDH、「ドルアーガの塔」アニメ化とオンラインゲーム化決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060322/druaga.htm (2007年9月20日) [Reported by 佐藤“KAF”耕司]
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