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東京ゲームショウ2007レポート

ゴンゾグループ、「ドルアーガの塔 Animation x Online RPG」記者会見を開催
パーティプレイならではの謎解きを楽しめる「ドルアーガ」に

9月20日~23日 開催予定(20、21日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料


 「東京ゲームショウ2007」初日の9月20日、会場内イベントステージにて「ドルアーガの塔 Animation x Online RPG」の製作記者会見が開催された。プレゼンテーターは株式会社GDH、株式会社ゴンゾ、株式会社ゴンゾロッソの3社共同。往年の名作「ドルアーガの塔」をベースにゲーム会社とアニメーション会社が共同し、MMORPGとアニメーションシリーズを同時展開するというこれまでにない試みが行なわれることが明らかにされた。


■ MMORPG「ドルアーガの塔 」は2008年1月正式サービス予定
   パーティプレイならではの謎解きを重視した作品に

本発表会のタイトルは「Animation x Online RPG」。クロスメディア展開を強く意識した内容となった
 「ドルアーガの塔」といえば往年のゲーマーならば知らぬ者は居ない作品である。同作は'84年にナムコ (現バンダイナムコゲームス) よりアーケードゲームとしてリリースされ大ヒット。同シリーズは家庭用ゲーム機にも数多く登場し、実際にプレイしたことのある読者も多いことだろう。

 今回の記者発表会見で公表されたのは、この「ドルアーガの塔」をWindows PC用オンラインRPGとTVアニメーションシリーズを同時に展開しようという試み。ゲームそのものが人気を博した後にアニメ化されたMMORPGとしては「ラグナロクオンライン」や「Master of Epic」などが記憶に新しいが、MMORPGのリリースと間を置かずにアニメシリーズも展開するというケースは今回が初めてだ。

 会見では本プロジェクトを統括する株式会社GDH代表取締役社長の石川真一郎氏、ゲームパブリッシュを担当するゴンゾロッソ代表取締役社長の守屋秀樹氏のほか、オンラインRPGとアニメーションそれぞれの製作に携わる中枢スタッフらが登壇。アニメーションスタッフとしては、監督の千明孝一氏、シリーズ構成・脚本を担当する賀東招二氏。

 ゲーム開発側からは製作を担当するキューエンタテイメントのCEO内海州人氏、および作品プロデューサーを務める小島弘和氏が登壇。版権元のバンダイナムコゲームスからはライツ部ゼネラルマネージャーの杉山学氏、そして初代「ドルアーガの塔」を生み出した遠藤雅伸氏をスーパーバイザーに迎え、ゲームとアニメ両方の作品紹介が行なわれた。

自らの「ドルアーガ」ファンぶりを披露するGDH社長石川氏(左)と、「時代にふさわしい作品になることを期待します」という、原作の生みの親である遠藤氏(右) バンダイナムコゲームスの杉山氏は本プロジェクトを「最強のスタッフが揃い、非常に楽しみ」と評価した キューエンタテインメントの内海氏は「日本発のMMORPGとして是非グローバルに展開していきたい」と将来の展望を語った

・ゲーム版は原作とアニメ版の間の時代を舞台とするMMORPGへ。パーティプレイならではの謎解きをフィーチャー

会場スクリーンに映し出されたデモ映像では、禍々しい「塔」へ向かうパーティの姿が印象的だった
 話を起こしていく役回りも務めたGDH社長の石川氏は、「自分自身は昔アーケードゲーマーで、『ドルアーガの塔』はもちろん、遠藤さんの手がけたゲームは全部プレイしていました」と、このゲーム好きがきっかけとなって今回の企画に至ったという背景を感じさせるコメント。これにはバンダイナムコゲームスの杉山氏も「新しい『ドルアーガ』にあたり、最強のクリエーター陣を揃えて頂きまして非常に楽しみです」と期待感を覗かせていた。

 「ドルアーガの塔」生みの親である遠藤氏は今回のプロジェクトについて、たくさんの若いスタッフから「ドルアーガ」の世界観について教えを請われたという。その遠藤氏自身は「原作は20年も昔の作品ですので、自分自身忘れている部分もありました。スタッフの方々には世界観について詳しい話もしてきましたが、今回の作品は別の時代ということで、原作のエッセンスを踏襲しながらも全く新しい現代的なものになることを期待しています」と、新しい作品は新時代のクリエータたちの才能に任せようという、大御所らしい姿勢だ。

 オンラインRPG「ドルアーガーの塔 the Recovery of BABYLIM」の開発はキューエンタテインメントが手がけ、ゴンゾロッソがパブリッシングを行なう。同タイトルはMMORPGとして開発が進められており、今年12月より始まるオープンβテストを経て、2008年1月より正式サービス予定というスケジュールで動いているとのこと。

 登壇したゴンゾロッソCEOの守屋氏はMMORPGとしての「ドルアーガの塔」を次のように語る。「アニメ版は原作から80年後の世界を舞台にしていますが、ゲーム版は原作とアニメ版の時代の間を埋める物語になっています。アニメファンもゲームファンも両方が楽しめて、両方を体験することでより世界が深まっていくような作品にしたいですね」。

本作の「塔」は原作とは別のものらしい。そのデザインは意外にもSFチックで、生物のような曲線で構成されている
 続いて開発を担当するゲームプロデューサー小島氏は、同作品のポイントとして「『ドルアーガーの塔』がMMORPGになったということがウリですね。ゲームは原作のテイストを引き継いだ『バビロニアン・キャッスル・サーガ』の世界で、スライムやローパーやナイトのようなお馴染みの敵も登場しますよ」とゲームの雰囲気を説明してくれた。

 同時に、「原作は謎解きが大きな魅力でした。本作でも塔が重要な舞台になっています。外の世界はMMOなのですが塔の中はプライベートダンジョンとなり、じっくり攻略できるようになっています。パーティプレイならではの謎解きがポイントですね」と、ゲーム性の特質について明かした。また、アニメから入ったユーザーにもプレイしやすいものになるよう、ユーザーインターフェイスには特に注意して開発を進めているという。同時にヘビーユーザーにも満足してもらえるよう、頻繁なアップデートを行なっていく意気込みを持っているそうだ。

 このMMORPG「ドルアーガの塔」は、「東京ゲームショウ2007」の会場内のビジネスソリューションコーナーにてゴンゾロッソによるプレイアブル展示が行なわれている。筆者はそこで触れてみたが、基本操作は「World of Warcraft」などに近い印象。移動はマウスで移動先をクリックする方法と「WSAD」キーによるFPSライクな操作の両方が可能で、敵との戦闘では数字キーに対応した各種スキルを呼び出せるようになっていた。ショートカットには回復ポーションも割り当てられており、ガブ飲みしながら戦う「DIABLO」的な操作が可能なのかもしれない。パーティプレイでの謎解きについては触れることができなかったが、基本部分ではプレイしやすさを感じ、好印象だ。

 展示されている作品は、現地のスタッフによればまだβ前のバージョンということで様々な調整が必要という。とはいえ基本的なゲームシステムは味わえるものになっているので、興味をもった読者の方はぜひ実際に触って試してみることをお勧めしたい。

こちらはゲームのイメージ映像。男性キャラクターの鎧姿は原作の主人公「ギル」のイメージだろうか
おなじみ「スライム」との戦闘風景。パーティプレイを意識してか、塔の内部は原作からの想像よりは広く感じる ゴンゾロッソのブースではプレイアブル展示が行なわれていた


■ スタッフは皆「ドルアーガの塔」のファン
   ゴンゾによるアニメシリーズは豪華スタッフによる本格的作品に

「自信ありますよ」と語るのは、構成・脚本を担当する賀東招二氏。同氏も「ドルアーガ」の大ファンであるとのこと
 ゲームのサービス開始予定直後に放送が予定されるTVアニメシリーズでは、初代「ドルアーガの塔」で塔が崩壊してから80年後の世界を舞台にするという。ここではまた新たな塔が建てられており、その塔を巡って巻き起こるエピソードが主眼となるようだ。

 そのアニメ板の製作は株式会社ゴンゾが担当する。同社は、TV放映されるハイクオリティなアニメシリーズを作り続けてきたことでアニメファンなら誰もが知る存在。ゲームからアニメへと展開するメディアミックス作品は、ゲームが「主」、アニメが「従」という関係になりがちだが、今回の企画ではゲームとアニメそれぞれを担当する両社が同じグループ企業ということで、これまでとは質的に異なる展開となっているようだ。それだけに、アニメ製作にあたりゴンゾに参集したスタッフは今を代表するクリエーターばかりで、ゲームを抜きにしても話題性のあるアニメ作品になりそうな雰囲気があった。

 構成・脚本を務める賀東氏はTVシリーズ「涼宮ハルヒの憂鬱」も手がけた人物。氏は今回の作品について「面白いアイディアがたくさん出まして、ちょっと自信があります。是非期待していてください」と自信たっぷりのコメント。アニメ版の監督を務める千明氏は映画「ブレイブストーリー」で知られた監督で、「私自身『ドルアーガーの塔』をプレイしていましたがダメゲーマーで、なかなか上の階層まで登れませんでした。今回の作品ではしっかり上まで上りたいと思います」と意気込みを明らかにした。

現代的で引き締まった表現が見て取れるキャラクターデザイン。原案は白亜右月氏が手がけている
 さらに本作アニメ板のキャラクタデザインは、本日の会見には登壇しなかった人気イラストレーター、白亜右月氏(TVシリーズ「爆裂天使」キャラクタデザイン等)。石川氏によれば同氏も「ドルアーガの塔」ファンで、「脚本の賀東さんもドルアーガファンでしたし、白亜さんも同作品が好きだとのことで、キャラクタデザインをお願いしたらすぐに快諾。お話をした直後にギルとカイの原案が上がってきました」とエピソードを紹介。

 現代を代表する豪華スタッフを得た「ドルアーガの塔」TVアニメシリーズは2008年春に放送開始を予定しているとのことだ。プロットの詳しい部分について現時点では明らかにされなかったが、賀東氏によると「初代から80年後、英雄も神もいない混沌とした世界で、MMO的な脚本を考えています。原作とは別の時代ということで世代感も出したい。ギルとカイも登場するかもしれません」とのこと。ゲームをプレイしながら視聴すれば一層楽しめる作品になりそうである。

 最後に、GDHの石川氏が「発表があります」として、アニメ版の脚本を担当する賀東氏が、同作品をもとに小説を書くかもしれませんと語った。賀東氏自身はこれについて「まずはシナリオを片付けないと」と答えていたが、これが実現すればゲーム・アニメときて最後に小説と、メディアミックス展開の好例になりそうな雰囲気でおもしろい。今後とも「ドルアーガの塔」を巡る動きから目を離さないでおきたいところだ。

【アニメ版イメージ】
キャラクタデザイン。各キャラの役回りは現時点では不明 「塔」のデザインはゲーム版と共通でSF風
プロモーションビデオ映像のカット。アニメシリーズは2008年春に放送予定なので楽しみに待とう


□GDHのホームページ
http://www.gdh.co.jp/
□ゴンゾロッソのホームページ
http://www.gonzorosso.jp/
□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.gonzorosso.jp/news/070920_01.html
□関連情報
【2006年3月22日】GDH、「ドルアーガの塔」アニメ化とオンラインゲーム化決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060322/druaga.htm

(2007年9月20日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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