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会場:ナムコ ワンダーパーク ヒーローズベース(川崎市)
「RR7立体視バージョン」は、偏光フィルターを貼り付けた液晶TVと、対応するフィルターを備えた立体視メガネを使う「Xpol」方式により、立体視を可能にしたもの。株式会社NHKテクニカルサービスと株式会社有沢製作所の共同開発によるもので、従来の立体視方式と異なり、疲れの少ない3D映像を生み出すという。 従来の方式は、左目用、右目用の映像を交互に全画面で描きかえて映し出す方式だった。この方式では画面がチラつき、速い動きの映像で立体感が失われたり、眼の疲労が大きくなるなどの欠点があった。
「Xpol」方式では、液晶ハイビジョンテレビの走査線の1本置きに逆の特性の偏光フィルターが貼ってあり、フィルターに対応する偏光メガネ(らせん状のフィルター)をかけて3D映像を見れば、左眼は左眼用の映像、右眼は右眼用の映像をそれぞれ同時に見ることができるため、疲れが少ない理想的な3D表示が得られるという。イメージとしてはNHKテクニカルサービスのページを参照してほしいが、1080pの解像度で60フレームに対応している。
また、確かにある程度長時間見ても、わざと左右にステアしつつドリフトを多用するような走りをしてみたり、動きの早い映像を見続けても、それほど目が疲労することがないのも実感できる。しかも、“これみよがしな立体映像”ではなく、あくまで、見慣れた「RR7」の映像に、より一層の空気感が付加されたとでもいうか、自然な奥行きを感じさせてくれる。それに、複数で見ていてもちゃんと立体に見えるのも魅力。他人がプレイしているのを左右後ろから見ているときも、きちんと奥行き感は感じられた。 「RR7 立体視バージョン」は、通常1点中央にあったカメラを左右2つ用意し、それぞれの視点の映像を生成。さらに左右の映像を1ラインずつ交互に合成したものをフレーム単位で表示するという改良が行なわれただけで、実質1週間程度で完成したものだという。PS3本体同発タイトルながら、1080pの60フレーム表示を実現していた「RR7」だが、「立体視バージョン」では2つの視点の映像を合成するプロセスが増えたため、フレームレートは若干落ちている。 元々、この「Xpol」方式は、株式会社有沢製作所とNHKテクニカルサービスによって具体化されたものだが、コンテンツが不足していた。バンダイナムコゲームスでは、この方式に則ったコンテンツのテストケースとして、「RR7」の立体視バージョンの開発を手がけることになったという。処理速度の確保の問題はあるにせよ、従来のゲームから、左右の目にあわせた映像を出力するだけで済むので、プログラムレベルの書き換えだけで、ポリゴンで立体化しているオブジェクトをすぐに3D化に対応できるゲームコンテンツは、Xpol方式に合わせやすいコンテンツのはずだ。 「Xpol」方式は、投射型、直視型のいずれのディスプレイ装置にも応用でき、さらに偏光フィルターを張ったままでも、通常の映像もあまり違和感なく見られるということで、コストをそれほど掛けることなく、立体映像を楽しむことができる方式の1つとして、これからの発展が望まれる。 ただし、フィルターをモニタの映像素子ごとにぴったりと張り込む技術に関しては、まだまだコスト面ではこれからに期待する部分も多い。対応する立体映像の制作ノウハウはすでにいくつか蓄積されており、目の前にモノを飛ばすような映像などは、立体感が感じられる最も典型的な映像だと思うが、こういった絵作りは逆に目が疲れるのだとか。こういったノウハウも含め、コストダウンなどによってより一般の眼に触れる機会が多くなることを願いたい。
なお、このロケテスト終了後も、「RR7 立体視バージョン」に触れる機会は用意されている。10月2日~6日に開かれるCEATEC JAPANのデジタルネットワークステージ内、デジタルコンテンツパビリオンの「超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム」コーナーに出展。次に、10月11日~14日(11日は招待日)に開かれるASIAGRAPHのクリエイティブファクトリー内企業ブースにて展示される予定だ。まさに百聞は一見にしかず。足を運ぶ機会があれば、是非メガネをかけてディスプレイを見てもらいたい。
RIDGE RACERTM 7 (C)2006 NAMCO BANDAI Games Inc.
□バンダイナムコゲームスのホームページ (2007年9月13日) [Reported by 佐伯憲司]
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