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★オンラインゲームファーストインプレッション★

可愛らしさと格好良さを併せ持つ陸上戦と
海上戦の醍醐味が味わえる海洋冒険MMORPG

「Florensia」

  • ジャンル:海洋冒険MMORPG
  • 運営元:NetTimeSoft
  • 開発元:NETTS
  • ビジネスモデル:基本プレイ無料/アイテム課金を予定
  • 対応OS:Windows 2000/XP
  • 発売日:未定(クローズドβテスト実施中)



 「Florensia(フローレンシア)」は韓国NetTimeSoftが開発し、株式会社NETTSが日本で運用する海洋冒険MMORPGである。本稿ではファーストインプレッションとして、8月31日~9月9日まで行なわれた第2次クローズドβテストから、本作の基本要素、感触をお伝えしたい。


■ 海と陸の冒険が楽しめるMMORPG、陸ではキャラクタ性を前面に出した戦いが展開

かわいらしいだけでなく、かっこよさも併せ持つグラフィックス。スタイリッシュなアクションが似合う
海の戦いは本作の大きなセールスポイントだ。プレーヤーは自分だけの船を持ち、未知の世界へ旅立つことになる
 「Florensia」は“浮遊都市”の伝説が語られる、現代の我々とは違う世界の物語である。この世界は今「大航海時代」のまっただ中であり、冒険者は己の力を鍛え、自分だけの船に乗って未知の世界へ向けて次々と旅立っている。旅人達の間では古代遺跡や人間とは違う種族の噂まである。プレーヤーは新米冒険者として、新しい世界へ向けて一歩を踏み出すことになる。

 本作は独特のデフォルメされたキャラクタが、明るいタッチで描かれたフィールドを闊歩する、楽しい雰囲気の作品となっている。プレーヤーキャラクタの職業としては「探検家」、「傭兵」、「貴族」、「精霊使い」の4種類から選択可能となっている。探検家は2丁の銃を構え、傭兵は大剣を振り回し、貴族は冒険に出るとは思えない華美な衣装をまとっている。精霊使いは子供のように背が低く可愛らしい。職業はキャラクタ性が前面に押し出されており、お気に入りのプレイスタイルを追求できそうだ。

 各職業の特徴をもう少し紹介したい。「探検家」は特に銃の扱いに優れ、攻撃力を重視した長銃と、連射力の高い2丁拳銃のスキルが多い。接近戦には剣も装備することができるが、銃を持ったまま戦うことも十分可能だ。特に2丁拳銃は映画「リベリオン」に登場した拳銃を取り入れた格闘技「ガン=カタ」を意識したモーションになっていて、カッコイイ(探検家のスキルにはそのままズバリ「ガン=カタ」というものがある)。また、高レベルになれば宝物や扉の鍵を開けるスキルを獲得し、冒険では心強い仲間、支援役として活躍していく。

 「傭兵」は他の職業より、1回り大きな体が特徴だ。両手剣、片手剣と盾の扱いに優れ、遠距離用には長銃を使うことも可能。巨大な剣を振り回す戦い方か、盾を使いこなすスタイルかを選択していくことになりそうだ。他にも仲間の力を増すスキルも獲得する。パーティープレイでは敵の攻撃を自分に引きつける盾の役割をこなす。「FLORENSIA」の傭兵は「身体の動き」を重視する傾向があるようで、体全部を覆う鎧よりも、体の一部をカバーし、体の線のはっきり出た鎧を好む。女性の傭兵はセクシーだ。

 「貴族」は派手な服、特に女性は宮廷での舞踏会のドレスのような衣装をまとう。この姿でレイピアを持って戦う。とても戦う格好ではないが不思議と似合っている感じがするのが面白い。貴族は攻撃魔法の使い手だ。強力な火炎球で敵を焼きこがし、幽霊獣を召喚して襲わせる。火炎球は見た目も派手でとても初期の魔法とは思えない迫力がある。貴族は魔法攻撃が強いだけにレイピアよりも、「カリアド」という魔法弾を打つ道具を装備した方が活躍できそうであるが、レイピアの凛々しい姿も捨てがたい。

 「精霊使い」は味方を回復する神聖魔法と敵の力を下げる暗黒魔法を使いこなす職業だ。「FLORENSIA」では敵のダメージが大きく、ソロプレイではレベル10あたりから回復薬を大量に持ち歩いての冒険となる。魔法で回復をしてくれる精霊使いはパートナーとしてどの職業からも求められる存在となりそうだ。貴族以上にカリアドの扱いに優れていて、カリアドでの攻撃中には、その場でくるっと一回転するモーションも用意されていたりする。「かわいらしさ」も精霊使いの大きな特徴だ。

 キャラクタには陸上レベルと海上レベルという2つの異なるレベルが用意され、それぞれ別の経験値で成長していく。陸上レベル10あたりからはソロプレイがきつくなるため、パーティープレイが必要となる。自分の職業以外の特性も学んでいくことになるだろう。各職業のスキルはプレーヤーの考え方で更に方向性を決めて育てていける。探検家の場合、2丁拳銃か、長銃を重視するかで戦い方は異なってくる。組むメンバーによって戦い方を模索していく楽しさも持っている。

銃のエキスパート「探検家」。冒険するときにはたっぷり銃弾を用意したい。剣を持っても高いクリティカル率で活躍する
レイピアが似合う「貴族」は、攻撃魔法を得意としている。初期魔法の火炎球から迫力満点だ
パワフルさがウリの「傭兵」。後衛系が多い本作において、パーティーの盾となる頼もしい職業だ
回復役として活躍する「精霊使い」。頭身が低いかわいらしいデザインも魅力だ


■ クリティカルの効果が爽快。パーティープレイでより狩りはスピーディーに

前方に一回転をする特別なモーションが発動する探検家のクリティカル。敵を転倒させ、一方的に攻撃できる
歩く猫を一定時間守るクエスト。モンスター退治やアイテム収集だけでなく、こういったクエストもたくさん欲しい
 ゲームの最初の展開は、街でクエストを受け、フィールドで狩りをするという韓国MMORPGのオーソドックスなものだ。各職業の基本要素や背景などが説明されるが、現在の所メッセージが韓国語を直訳したような形で、要点がつかみにくい。

 最初に「装備」で手間取ってしまった。特に探検家は遠距離用の2丁拳銃と弾丸が与えられるが、まず右クリックで装備し、その後に武器を切り替えなくては使えない。特に武器を切り替えるというのがわかりにくかった。装備画面でクリックするだけでなく、“R”を押すと瞬時に切り替えられる。こういったチュートリアルが欲しいと感じた。

 いきなり最初に手間取ってしまったが、実際のプレイは好感触だった。筆者はまず探検家でプレイしたのだが、2丁拳銃で敵を攻撃するスピードが爽快で、グッとゲームに引き込まれた。「Florensia」の戦闘システムの魅力のひとつに“クリティカル”がある。通常攻撃でクリティカルが出ると、敵を吹っ飛ばすことができる。探検家など遠距離攻撃が得意な職業の場合クリティカル発生は特に有利になる。クリティカルは特別なモーションが用意されており、探検家は前転して敵に攻撃をたたき込む。敵が吹っ飛ぶ姿との相乗効果で爽快感は更に大きくなる。

 探検家以外にも、レイピアをふるう貴族、大剣を叩きつける傭兵など、攻撃のモーションは数パターン用意されており、スキルを併用することで戦いはさらに派手になる。ずっと戦いを繰り返すことになるMMORPGにおいて、モーションにきちんと気を配っている本作の姿勢には好感が持てた。

 レベル7から船を手に入れ、冒険は海にも広がっていく。海での冒険は別項で紹介したい。陸上での冒険はレベル10あたりから、近くの敵を攻撃すると周りの敵が反応して一緒に攻撃してくるため、ソロプレイが難しくなる。2~3人程度のパーティーを組むとスピーディーに狩りをすることができた。多人数で1体の敵を狙えば、クリティカルで敵を転ばせる確率が高くなる。このルールが更にパーティープレイの有効性を高めてくれている。パーティープレイ推奨のゲームであることを強く感じた。

 ここで不満なのが、「パーティー募集システム」がないことだ。特にダンジョン内では敵が密集しているため、普通に狩りをすることすら難しい。集中攻撃を受けて何度も倒されてしまうプレーヤーの姿も多く見かけた。試しに声をかけてみるとすぐにパーティーに応じてくれた。安易に敵を密集して配置しているバランスにも疑問を感じる部分はあるが、パーティー募集システムはすぐにでも実装してもらいたいところだ。

 単純にキャラクタのレベルアップを目指すならば、パーティーを組み、ガンガン敵を倒していく方が効率的に経験値をゲットできるように感じた。パーティープレイはスピーディーで爽快だが、そのスピードを維持するために回復アイテムが大量に必要になる。弾丸を使うキャラクタはその準備も必要だ。パーティーで戦うためには、たっぷりアイテムを用意しておきたい。

 ゲームの序盤では、キツイがソロプレイも可能なためか、今回のテストではソロで進めているプレーヤーが多かった。実際パーティープレイを体験してみると、「Florensia」のカッコイイモーションと、メンバーの力を合わせてガンガン戦える戦闘システムに強い魅力を感じた。是非とも募集システムを実装し、オープンβテスト、正式サービス時にはもっと多くの人に、パーティーでのスピーディーな狩りを体験してもらいたいと思う。

ゲームは、街の様々なNPCからクエストを受けクリアしていく展開となる。フィールドの移動速度は遅めだ
スタート地点のカーディフ島の街「ロクスベリー」。暖かなタッチが感じられる建物のデザインも楽しい
ロクスベリーの西の出口から繋がる「ラークスダウンズ」。巨大なトカゲやカエルなどが闊歩するフィールドだ
こちらはロクスベリーの東「ウィードリッジ」。キノコやコガネムシ、デビルウォーカーといったモンスターがいる
ダンジョン「キツネの穴」。敵が密集しているため、パーティープレイの方がずっと有利に戦える。筆者は入口で協力者を募り、奥に進むことができた。二人で戦うスピード感は爽快だ。フルメンバーではどのような感触が体験できるのか楽しみだ


■ パーツ交換により強くなる海上の冒険、広大な世界へ旅立とう

海上フィールドは広大な空間が広がっている。巨大な怪物と、海賊船と戦っていくことになる
海上スキルは全職業共通だ。船の装備に合わせてスキルを選んでいく必要がある
現在実装されている海上マップ。スタートのカーディフ島周辺以外はアクティブな敵が出てくるので、筆者のレベルでは隣のマグネル島までしか行くことはできなかった
 陸上レベルが7になると海の冒険への道が開ける。船での冒険は、「FLORENSIA」の大きなセールスポイントだ。船は「フレーム」、「帆」、「魔石」、「艦砲」、「固有装備」、「砲弾」といったパーツが必要になり、ドッグでこれを組むことで自分だけの船を作ることができる。最初の基本パーツはクエストで入手できるが、いきなり多様なパーツを渡されて、手間取ってしまった。ガイドメッセージもわかりにくい。

 ドッグでパーツを組んだ後は、船着き場から出航できる。海に出るためには、船着き場で船員を雇わなくてはならない。船員はタイプによって雇用価格が変わる。最初は安い船員しか雇えない。これで準備は整い、出航できるのだが、海での操作も今回のテストでは全く説明がなかったため、完全に手探りだった。

 船は左クリックで方向を指示するか、カーソルキー、もしくはW、A、S、DのFPSタイプのキーボード操作で動かすことができる。スペースキーを押すと「攻撃モード」に変わり、攻撃範囲ならば右クリックで砲撃ができる。Rキーを押すと特殊武装に切り替わり、船のタイプによって違う特別な攻撃を繰り出せる。

 海洋航海の要素は「FLORENSIA」の最も大きな特徴でありセールスポイントだが、このMMORPGには珍しい要素に関するチュートリアルがまったくないのは気になった。オープンβテストまでには必ずプレーヤーがスムースにプレイできるようなシステムを盛り込むべきだろう。

 海のフィールドには、大きく分けて怪物と海賊船の2種類の敵がいる。海賊船はプレーヤーの船と同じように砲撃によって攻撃してくる。怪物はこちらの船に近付き接近戦を仕掛けてくる。敵のタイプによって戦術も大きく異なってくる。特に怪物の場合は砲弾を当てるために、何とか距離を保ちながら大きく円を描くように移動しなくてはならない。船の操作はマウスよりもキーボードを使った方が戦いやすく感じた。最初は操船も不慣れなため、鍛冶屋で緊急の回復アイテムをたっぷり買っておきたいところだ。

 最初は砲弾を当てることも難しいが、徐々に操作に慣れてくる。特殊武装を使ったり、よりうまい操船の仕方を試してみたりと海の冒険を楽しむ余裕も出てくる。海上レベルが4になると少し強い砲を装備できるようになり、海洋レベル8になるとより強い船に乗り換えることができ、更に広い海域へ旅立てるようになる。フィールドに比べて船足がかなり遅いためか、隣の島までもかなりの時間がかかる大冒険になる。隣の島にたどり着いたときは強い達成感を得ることができる。レベルを上げることで行動できる世界が増えていくのは、冒険の本質的な楽しさがある。

 海上のスキルは、いまのところ全職業で共通となっているが、購入する船によってプレイスタイルは変わってくるようになる。船のタイプには、防御能力に優れた「装甲艦」、船首から波動砲のようなエネルギーを発射できる「巨砲艦」、魚雷を撃ち機動力に優れる「魚雷艦」、他の船を回復でき、機雷をまくことができる「整備艦」、体当たりの得意な「突撃艦」の5タイプが用意されている。海でもパーティープレイを前提にしたゲームシステムになっている。船のステータスはパーツに依存しているため、自分のプレイスタイルにあった船を組むことを心がけていくことになる。

 序盤では船の操作がうまくいかず、修理のための出費がかさむこともあり、ある程度陸上で資金を稼いでおく必要がある。陸上の冒険も進めていくと新しい島へ移ることになるため、プレーヤーは陸上と海上の両方のレベルをバランス良く上げる必要がある。ただ、現在の所、船の冒険と陸上の冒険はあまり関連性がないように感じたところが気になった。例えるならば、全く違うゲームを2つ同時にプレイして、それぞれのレベルを上げている感じだ。陸上のキャラクタの特性が活かされるような要素も欲しいと感じた。

 最後に、本作をプレイしてみて一番気になったのは、一番大事な「冒険の動機」が描かれていないことだ。かつて浮遊都市を造るほどの大きな文明があり、それが大災厄に見舞われ、小さな島のみの世界になってしまった。そして人々は過去の伝説を忘れた。というストーリーは書いてあるのだが、そこで何故冒険者は船に乗るかが、ゲームをプレイしていてもわからないままなのだ。

 おそらく、ある者は滅びた文明にロマンを求め、ある者は過去の財宝を夢見て自分の船を持ち旅立っていく、と繋がるのだろうが、クエストでは「ギルドへの挨拶」など目先のことばかりで、現時点では未知の世界へ挑む興奮は全くない。大航海時代の冒険者達は、“ひょっとしたらこの先の海が突然なくなってしまうかもしれない”という恐怖と戦いながら新しい世界を開拓していった。「Florensia」が海洋冒険MMORPGを名乗る以上、未知に挑むその冒険心とロマンこそが冒険者を駆り立てる大きな動機であることを制作・運営スタッフは認識して欲しい。海洋冒険のロマンを、もっともっと強調し、テーマとして前面に押し出すことを期待したい。

ドックと船の部品。5種類の船は装備できるパーツが決まっており、自由度はそれほど高くない。自分の役割を考えて、スキルを取り、それに合わせて5種類の船から船を選び、自分のレベルにあった装備を選んでいく感じだ。大砲は3種類から選択することが可能で、爆発範囲や射程距離、連射速度といったパラメーターを自分の好みでチョイスすることが可能
こちらは船着き場。船員の雇用や船の修理ができる。船員のコンディションが下がると船の速度が遅くなる。その場合は酒場で買った料理を振る舞うことで回復できる
左から、砲撃、巨砲艦の特殊武器「トリガー」、魚雷艦の魚雷。特殊武器はSFチックなイメージだ。戦闘は細かい操船と、視点移動が必要になり慣れが必要だ
巨大な怪物も登場する海上戦。中央の写真は骨の海のオブジェクトだ
マグネル島の「キャッスルホール」。ロクスベリーでの冒険を経験したプレーヤー向けのクエストが用意されている。どんな新しい冒険が待ち受けているか楽しみだ

(C)NETTS Corporation. All Rights Reserved.


【Florensia】
  • CPU:Pentium4 1.3Ghz以上(Pentium4 2.4Ghz以上以上推奨)
  • HDD:4GB以上
  • メモリ:512MB以上(1GB 以上)
  • ビデオカード:GeForce4 Ti Series 64MB 以上(GeForce6 Series 256MB 以上推奨)

□NETTSのホームページ
http://www.netts.jp/
□「Florensia」のページ
http://www.florensia.jp/
□関連情報
【8月17日】NETTS、MMORPG「Florensia」第2次クローズドβテストで
魔法専用武器やパーティ単位のPvPなどを追加実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070817/flo.htm
【8月7日】NETTS、海洋冒険MMORPG「Florensia」
2次クローズドβテストにGAME Watch枠で2,000名募集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070807/flo.htm

(2007年9月11日)

[Reported by 勝田哲也]



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