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コーエー、PS3「ブレイドストーム 百年戦争」本日発売!
~プロデューサーに根掘り葉掘り質問してみました~

8月30日 発売

価格:8,190円 (通常版)
    10,479円 (プレミアムBOX)
    64,980円(PS3本体+プレミアムBOXセット版)


 本日、株式会社コーエーからプレイステーション 3用部隊アクション「ブレイドストーム 百年戦争」が発売された。重厚なグラフィックスと世界観、大部隊同士が激突する迫真の戦闘シーンなど、本作には発売前から高い関心が寄せられている。すでに購入して骨の髄まで楽しんでいる人も少なくないかと思われるが、その一方で「欲しいけど、これと一緒にPS3を購入したものかどうか、ちょっと迷っている」といった人も、なかにはいるだろう。

 そこで今回は、本作のプロデューサーを務めるコーエー執行役員の鈴木 亮浩氏にインタビューを行ない「ブレイドストーム 百年戦争」の魅力について語っていただくことにした。インタビューにあたって事前に製品版を数日プレイさせていただいたこともあり、疑問に思ったこと、気になった点についても、いくつかおうかがいすることができた。購入を検討している人はもちろん、今まさに熱中している人にも「なるほど、アレはこういうことだったのか!」などとプレイの参考にしていただければ幸いだ。


■ “百年戦争”で世界市場にアピール

鈴木 亮浩氏。コーエー執行役員、ソフトウェア事業部、ソフトウェア部長。実は筆者、本作に熱中するあまりインタビュー当日はほぼ徹夜という大変失礼な有様。にも関わらず、にこやかに対応してくれました
―― 今回、作品のテーマを“百年戦争”に決めた理由からおうかがいしたいのですが。

鈴木 亮浩氏(以下:鈴木) 今回、PS3やXbox 360などの次世代機向けに新作を作るという話があったとき、まず会社として「世界市場に通用するタイトルを作ろう」という考えがあったんです。従来、コーエーはアジアの歴史物が多かったんですけど、全世界に通じるテーマということで、アジアの歴史物よりは全世界から広くネタを探してこようという話がありまして。

 “百年戦争”にいきついたのは、モンゴル帝国がヨーロッパに攻め込んで衰退した、約100年後くらい……東西の文化が融合したという歴史的な背景がありまして、そういうところがゲームに入れ込みやすいということで決めました。

―― 北米など、海外市場では“百年戦争”はメジャーな題材なのでしょうか?

鈴木 北米は欧州ほどではないですけど、比較論としてアジアの歴史物よりは“百年戦争”のほうが受け入れられやすいですね。

―― 「三國志」などは海外版も発売されてますが、そういった既存シリーズのネームバリューなどの蓄積を上回る?

鈴木 比較でしかありませんが、ちょっと上くらいの感じではあります。ただ、北米のお客様はアジアの歴史に詳しくないので、たとえば「無双」シリーズを出すと「2」、「3」、「4」すべて同じと言われてしまうんです。日本のユーザーさんは(歴史に)詳しいですから「あ、ここがこう変わったんだ」、「こういうドラマ性が出て面白いね」と思っていただけるんですけど、北米のユーザーさんにとって、ちょっとした違いは「変化がない」も同然のようで、そういった意味でもこれまで使ってきた題材は避けたかったというのがあります。

―― 最初、まったく予備知識無しにトレーラームービーを拝見したとき、非常にアクション性が高い作品なのか思いました。ところが、今回事前にプレイさせていただいたところ「無双」シリーズではなく、操作系ふくめ「決戦」シリーズに近いと感じました。本作の開発チームはオメガフォースとなっていますが「決戦」シリーズのスタッフが関わっているのでしょうか?

鈴木 開発スタッフは「無双」シリーズのメンバーが中心です。

―― 開発チームがオメガフォースということで、社内外から“アクション性”的なものを期待されたのではないかと思うのですが……。

鈴木 個人のアクションという意味では、そういったものは最初から狙っておりませんでした。部隊アクションということで“部隊を統率したときの爽快感”というところを、頑張って作りました。

―― 私は「決戦」シリーズをひととおりプレイしておりましたので、システムの外観、キャラクタの動かし方、コントローラのボタン配置など、かなり似ていると感じました。この“似た感覚”は、意図したものですか? あるいは偶然?

鈴木 そういうわけではないです。「決戦」、「無双」ともまったく違う、新しいものを作りました。“部隊を率いる”というコンセプトが「決戦」とリンクする部分もありますが、まったく違う部分として「プレーヤー個人が“ひとりの人物”」で、戦場にいる部隊を次々と取り替えていく。そのなかで、自分の率いているメンバー(兵士)が、それぞれのAIで独自に動いてくれる。「決戦」とは異なる感覚やアクション性、「無双」に匹敵する爽快感を打ち出していきたい、そう考えて制作しました。

―― “百年戦争”をテーマにするにあたり、特に参考にした映像や文献などは?

鈴木 文献や映画など、できる限り資料は集めました。イギリス、フランス現地にも取材にいっておりまして。城ですとか、跡地、古戦場……そういったところに資料館が建てられていることもありまして、そこで売っている「当時を模した再現DVD」なども参考にしました。

――私自身あまり詳しくないので大変恐縮なんですが、百年戦争の歴史観は、イギリス側とフランス側でそれぞれ異なるといわれています。ひらたくいえば、どちらも「自分が勝った」といっているわけですが、制作にあたってはそうした部分なども意識されたのでしょうか?

鈴木 そうですねぇ……このゲームのコアな部分として、プレーヤーが“傭兵”になるというのがあります。ゲーム中の作戦は、イギリスとフランス、どちらでも好きなほうに参加できます。ユーザーさんがどちらを選ぶかはわかりせんので、一方に偏った作りをしないのはもちろん、イギリスとフランス双方の現実的な歴史観も切り離して。そのなかで、ユーザーさんが一番楽しめるシチュエーションを構築しています。

―― そのあたりの立ち位置は、ゲーム本編でも強調されていますね。ゲーム中のセリフで「傭兵は自由だ。どちらにもつかない」と。自由に動けるとなれば、気になるのがストーリー分岐です。本作はどのような仕組みになっているのでしょうか?

鈴木 基本的に分岐はないのですが、メインのストーリーラインがひとつありまして、そのほかに複数のサブ的なストーリーラインがある。メインが走りつつ、周囲のサブも一緒に平行して話が進んでいくような展開になっています。

―― “傭兵”ということで、てっきり「ゼルドナーシルト('97年にセガサターンで発売されたファンタジーSLG。現在はPS版が廉価再販されている)」のように、一定の勢力に肩入れしていくと特定のエンディングにたどり着くと思ったのですが、そうではない?

鈴木 ユーザーさんに思い入れがあれば、特定の勢力をずっとやっていくこともできますし、それによってイベントの発生するタイミングが変わってきます。

―― イベントすなわち「重要なミッション」には“チェックマーク”がついてリストアップされます。時々、同じ名前のミッションが勢力別に並ぶことがあって、どちらか一方をクリアすると残っていたほうが消えます。このイベントが、後から再登場することはあるのでしょうか?

鈴木 チェックマークつきはストーリーのメインとなる戦闘なんですが、これはプレーヤーさんにどちらか好きなほうを選んでいただいて、一度選んだら「そちらと契約した」ということで、もう一方は消えてしまいます。


■ 史実をベースにした世界観のもと、傭兵として多数の部隊を率いて激戦を生き抜く

―― 本作は“部隊同士の相性”が設定されています。ゲーム性の根幹をなす部分で、兵科の種類も多く、バランス調整には相当苦労されたと思いますが、現在の完成度については十分納得しておられますか? たとえば、相性を曖昧にすると違いが出てこないし、きついとバランスが崩れたりパワープレイが通用したりしてしまう。だいぶジレンマもあったのでは?

鈴木 そこは……非常に苦労しました(笑)。開発終盤の頃は、ああでもない、こうでもないとデータをいじくりまわしていた記憶があります。現状は、そのなかで最善の結果を出せていると思います。

―― マニュアルに40種類以上の兵科があると書かれているのですが、実はプレイする前に「そんなに違いが実感できるのかなぁ?」とうがった見方をしていました。ところが、実際プレイしたら兵科ごとに全然違う。失礼な話なんですが(笑)、とても感心しました。

鈴木 そういう意味でも「決戦」とは違っていて、やっぱり部隊を全部まとめてしまうと特長が出にくいと思うので、部隊内の兵士ひとりひとりの動きもAIで特徴をつけています。その大きな流れや動きで部隊の特徴づけがなされていることで、きちんと差別化ができていると思います。

―― 40種類以上の兵科が登場しますが、開発段階でボツになったものなどはありますか?

鈴木 基本的には、当初から想定していたものは出せたと思うのですが……あー、ひとつありますねぇ。素手で戦う“拳闘士”みたいなものを入れようという話があったのですが、ちゃんと武器を装備して戦う兵科のほうが、時代的にもあってますし。そういったところで消えてしまった感じです。

―― 兵科ごとに際立った個性がある一方で、“百年戦争”というテーマの浸透度からいくと、舞台が欧州なのに「なぜモンゴル兵などが出てくるの?」といったユーザーさんもいるかもしれませんね。

鈴木 そのあたりは、なるべくゲーム中の会話などで触れるようにしています。ゲームを遊びながら、自然に世界観が理解できるように作ってあります。

―― 1300~1400年代が舞台ですから、オカルトもしくはファンタジックというか、そういった要素がもっとたくさん出てくるかと思ったのですが、わりと控えめですよね? 「魔法とか、もっと凄くしようよ!」、「ゲームだから、もっと派手なエフェクトが欲しい」といった声も開発内であったのではないでしょうか。

鈴木 最初の頃はありましたね。ただ、部隊同士の戦場を再現するとなると、そういうところに魔術系を持ち込むとバランスを取りにくいというのもありますし、世界観の問題もあります。こういう題材をもってきたからには、そこまで道を外してしまうのもどうかと思いますし。

―― 世界観という意味では、ゲーム中に登場するイベントはすべて史実がベースになっているのでしょうか? 私がプレイした範疇でも、フランドル都市同盟のエピソードなど、いくつか確認できたのですが。

鈴木 すべてではないのですが、ゲームを進めていくうえで重要になってくる話などは、なるべく忠実にピックアップして、そのシチュエーションを見てもらうという形で入れてあります。

―― 1337年~1453年まで続いたとされる百年戦争からイベントをピックアップするわけですから、プレーヤーキャラクタは100年を通して活動することになる?

鈴木 そうです。たとえばチャリオット(戦車)などは古代のものですし(笑)、バリエーションを出すという意味で、時代考証というのは、ちょっとおいといて。もう少し華やかにというか、混沌さを出していくというか。そういう方向に注力しています。

―― ゲーム内における成長要素が、傭兵である主人公ひとりに集約された作りになっています。ゲーム的なアプローチとしては、兵科そのものを育成するといった方向性もあったと思うのですが?

鈴木 永遠に同じ部隊を引き連れてレベルを上げていく、というのは想定していませんでした。「この部隊は、こういった能力を持っています」という意味で“兵法書”を使い、その部隊を成長させていく。そういう意味で「部隊」を成長させていく、というスタイルをとっています。

―― スキルという形で傭兵の個人能力的なニュアンスで受け取っていたのですが、ゲーム内ではそうした位置付けになっているんですね。

鈴木 今回のコンセプトが“鎧袖一触”で、要は戦場で斬りあったらすぐ死んじゃうわけで、そういうところを若干リアルに再現したというか。部隊は消費するもの、どんどん切り替えて戦ってもらおうというのがありましたから「特定の部隊を殺さないよう大切に育てていこう」ではなく、兵法書という形にしました。

―― 最初、兵科同士の相性をちょっと舐めていた部分があって、敵部隊を見て「ちょっと相性が悪いけど、まぁいいだろう」と突っ込んだら秒殺で全滅くらったり。鎧袖一触は伊達ではないと感じました。そういえば、相性を確認するためのインフォメーション(アイコン)が敵部隊の上に表示されますが、最初のうちは結構わかりにくいというか、混乱しますね。拠点の残存兵力を示す盾マークの色が赤いから、それと重なっていると「あれ、こいつ赤いけど突っ込んだらやばい兵科だったっけ?」とか。慣れればすぐに判別がつくんですが……。

鈴木 部隊の相性はすぐわからなければならないので、一番良く見える場所に表示するとなると、どうしても似通った場所になってしまって……。これは開発チームのテストプレイを見ていても思ったんですけど、やっていくうちに慣れていける、支障のない範疇だろうと。導入部はもちろん、チュートリアルなどでしつこいくらい(笑) 練習してもらって。別に死んでもゲームオーバーにはならないので、どんどんチャレンジしてもらいたいですね。


■ 目前の戦局に“臨機応変”に対応していくダイナミズムに溢れたゲーム性

―― 細かい質問で恐縮なのですが、ミッション開始時、全体マップの各拠点に配置される部隊のパターンは常に一定なのでしょうか?

鈴木 違います。かなりランダム性を持たせてあります。ちょっと仕様的な話なんですが、拠点に所属する部隊もランダムですし、その周囲に出てくる部隊もランダム。その場でプレーヤーが状況に対応していく必要があります。

―― 私、かなり姑息な性格をしておりまして。実はミッション開始前にデータをセーブして“どこに何が出現するか”をメモして再起動を繰り返せば……とか考えていたんですが、そういう小賢しい真似はできないわけですね?(笑)

鈴木 覚えゲーよりは、見て状況を判断してもらって、部隊を切り替えて楽しんでもらおうってところがありますので、こういうシステムになりました(笑)。

―― 兵科に“斥候兵”がいたので「おっ、もしや拠点に近づく前に偵察できるのか!?」と思ったら、ゲーム内に偵察という概念がそもそもない。敵に近づかないと、兵科がわからない。このあたりは意図的にそう作られている?

鈴木 ……(やや無言で考え込む表情になる)。

―― 本作をプレイしていて一番面白かったのは“臨機応変さ”が求められることです。目前の戦況を瞬時に判断して、部隊を切り替えつつ激戦を乗り切ったとき「やった!」となる。ただ、その一方で「あそこに○×という兵科がいるから、ここに△□を配置して……」などと計算づくでやりたいという嗜好を持ったユーザーさんもいるかと思います。

鈴木 偵察などの要素が入っていないのは、主人公の立場が傭兵ですから、まず戦場全体を動かすものではない。大きな状況判断も、拠点から拠点に攻めていくミッション全体マップの矢印を見て「味方部隊がこっちに攻め込むから、そこに便乗して前線にいる部隊を切り替えて戦おう」となる。斥候を使って、戦場全体を見るといった大きな視点は、ゲーム性として想定していないんです。

―― そこまでいくと司令官の作戦レベルになってしまうから、あくまでも傭兵いち個人の立ち位置で楽しんで欲しいと?

鈴木 それこそ「決戦」のプレーヤー視点になってしまいますから。

―― そういう意味では、酒場の商人から「部隊」が購入できる(金で雇った部隊を3つまで登録し、コマンド一発で呼び出し戦場に出現させる)システムは、ちょっと便利すぎるかな? とも思ったのですが……。

鈴木 それは、まず“成長させたい兵科”があるのに、拠点に出現する部隊がランダムだから、どうしても出てこない。そうしたときに使えるシステムであり、もうひとつは騎兵が好きで使っているのに、目の前に天敵のパイク兵がいる……といったときに(笑) 呼び出して対応できる。戦いの構築は、ユーザーさん次第なんです。

―― 先ほど申し上げたとおり、私かなり姑息なもので(笑) 3種類登録できるから「まず対騎兵でしょ。あとは……」などと登録すれば、目の前に真っ赤な敵部隊がいても大概なんとかなる。そういう“保険”として使いがちなんですが、本来は「育てたい部隊を登録しておく」のが健全な使い方なんでしょうね。

鈴木 それは、それぞれ意図する使い方があるでしょうから(笑)

―― 拠点に出現する部隊の内訳はランダムとのことですが、実際プレイすると、ある程度パターンというか「ここには全部騎兵しかいない」など、大きな偏りがほとんどないように感じられます。ぶっちゃけ、ある程度「複数の部隊が存在するように」シャッフルされているように思えるのですが?

鈴木 はい。訪れた先の拠点にいるすべての敵が同じというパターンが続くと、それはそれで面白くないですし(笑)。

―― 基本的にはランダムだけど、ある程度ボリュームゾーンが設定されている?

鈴木 そうです。壁を用意してあげたり、それこそ先ほどの部隊呼び出しであったり、敵味方の能力に影響を与えるアイテム「戦旗」を使ったり、色々な要素が楽しめるように調整してあります。

―― こうしてお話をうかがっていると、プレイ中に生じた疑問が氷解していきます。全体的に「天敵とカモが一緒に並んでいることが多い……かな?」と感じたり、一方で時々カモが3部隊くらい固まってて「祭りじゃぁー!!」と叫びたくなったり(一同笑)。必ず起伏がある。オーバーキル一辺倒にならないよう綿密に作られているんですね。そういえば、本作には難易度設定がありませんが、一度クリアすると難易度が高いモードが出現するといった要素はありますか?

鈴木 それはありません。ミッションごとに難易度が星印で表示されますので、そこで選択する形式になっています。難しいゲームに挑戦したければ、そのなかから一番難易度が高いミッションを選んでいただくことになります。

―― いきなり星印がMAXのミッションが最初から出てくることはありませんが、リストアップされるミッション難易度は、何が基準になっているのでしょうか? たとえば、主人公キャラクタが持っている兵法書のなかで、一番レベルが高いものに合わせられているとか?

鈴木 そのあたりは、能力全体を見てバランスよく判定しています。たとえば、持っている兵法書すべてのレベルが高ければ難易度の高いミッションが出現しやすく、逆に低いものが多ければ、それに応じたものが出るといったイメージです。


■ 実際にプレイして感じたマクロな質問など ~モロモロぶつけてみました~

―― やや辛めの質問になりますが、兵科の個性が際立って感じられる反面、一緒に戦場を駆ける他の“傭兵”の存在が、プレイ中においてやや希薄であるように感じられます。これは、意図してそうされているのでしょうか? 近くにいるとメッセージは出ますけど、極端にからんでこないというか……。

鈴木 ひとつは、イベントで挿入されるムービーシーン。もうひとつは、戦場で行なわれる会話。これには2種類ありまして、ひとつは近くにいくと表示される汎用のもの。もうひとつは、ストーリーにからんでくる戦闘。これに関してはイベントもおきますし、会話のやりとりなど、プレーヤーに大きくからんできます。戦闘後も、酒場に戻ってきたときに会話でさまざまな演出が行なわれます。

―― 画面左下の「戦意ゲージ」がMAXになると、一定時間“ストーム状態”に突入します。これは、具体的にどれくらい強くなっているのでしょうか? 攻撃力、防御力、移動力、すべてのパラメータが、まんべんなくアップしているように感じられるのですが?

鈴木 内部的には、約2倍といったところです。無敵なので、ストーム状態であれば飛躍的に能力がアップします。

―― 無敵という強烈なアドバンテージを考えると、今の持続時間は「やや長いかな?」とも思えるのですが。

鈴木 戦況や部隊など、色々な状況がありますので現在の時間に設定しました。部隊同士の間隔が広いときは、せっかくストーム状態になったのに、次の部隊に移動するまでに終わってしまいますから(笑)。

―― そういえば、戦場のあちこちでピョンピョン跳ねている鹿を見かけますが、あれに近づいたら戦意ゲージがグンと増えますよね……。

鈴木 これは、お遊びとして入れました。元々は意味がなくて、単なるにぎやかしキャラだったのですが、それだけじゃつまらないってことで。鹿は1回触るとゲージが20パーセント増えます。ウサギは体力が回復します。

―― 鹿もウサギも、部隊の足が遅いと接近できませんよね。私は建物につっかえた鹿の横でじっとしてたら、いきなりゲージがグングン増えたので「おぉっ!?」と驚きました。

鈴木 自分ひとりになると、意外とイケます。あとは馬に乗るとか、戦旗を使うとか。

―― 使うといえば、兵法書を育てるには、敵と戦って得られるポイント(SP)を消費します。兵法書には「研究」という共通項目がありますが、これは「レベルを上げると得られるSPが増える」とあります。ということは、攻撃力や防御力を上げるよりも先に「研究」を最大レベルまで上げないと効率が悪化する一方なのでは……。

鈴木 基本はそうなります。ただ、部隊によっては人数を増やさないと戦いづらくSPが上げにくいものがあります。こういったケースもありますので、必ずしも研究を最優先すればいいとは限りません。戦っていて、どうも勝てないなと思ったら、兵法書をチェックして、攻撃力や防御力などを上げてみるといいでしょう。

―― 兵法書のサブスキルによる能力アップですが、最大まで上げると部隊の基本能力はどのくらい向上するのでしょうか?

鈴木 だいたい1.5倍くらいです。

―― これはあくまでも私見なのですが、他の兵科に比べると攻撃サイクルが長めの「弓」、「騎馬」系は、やや慣れが必要かな? と感じました。このあたり、苦戦している人向けに育て方のコツなどを教えていただけるとありがたいのですが。

鈴木 そうですか? うーん……人によるんじゃないですかねぇ。攻撃サイクルなどもふまえて、しっかりバランスはとってありますよ。弓をよく使う開発メンバーは、騎兵を遠くからバシバシ撃って狙うと気持ちいいといっていました(笑)。攻撃力を上げる「イーグルアイ」という部隊アクションがあるのですが、それを発動した直後に弓で撃っていただけると気持ちよく戦えます。部隊の相性は、セレクトボタンを押せば一目でわかります。部隊アクションなどのヘルプも参照できますので、ぜひ活用してください。

―― 兵科、兵法書には「レア」なものもあるんでしょうか? なかなか手に入らないとか……。

鈴木 比較的出づらいというものは、あります。ただ、酒場の商人から買えますし、戦場でアイテムとして入手できる場合もあります。

―― 部隊の出現パターンと一緒で、ランダム?

鈴木 基本はランダムですが、ゲームが進行するに従い、強めの兵科が出てくるような仕掛けにはなっています。武器、防具についても同様で、敵の傭兵を倒したときに出現するアイテムもそうです。

―― 敵の傭兵を倒したときに、お金とアイテムどちらか一方が出現します。正直、お金が出てきたときはガッカリするのですが、これに法則性などはあるのでしょうか?

鈴木 体力が回復するパンが出たときもガッカリしますよね(笑)。基本的にはランダムですが、エドワードやジャンヌ・ダルクなど、特別なキャラクタを倒したときは、その“装備品”が出る確率が高くなっています。それ以外のキャラクタも装備品を落とすことはありますが、やはりお金やパン(笑)のほうが多いですね。

―― キャラクタを倒すといえば、目の前で倒されたキャラクタが、拠点から復活して再出撃してきたことがあるんですが……これは何か特殊な能力があるんでしょうか?

鈴木 CPUが倒したキャラクタは復活してきます。プレーヤーが倒したキャラクタは、その戦場に再登場してきません。


■ 大部隊同士の激突 ~“鎧袖一触のインパクト”という新たな魅力の創出~

―― あまりにも気が早い話なのですが「ブレイドストーム」の次回作は決定しているのでしょうか?

鈴木 まだ白紙の状態です。まずはコレを売ってから!!(笑)

―― 最後に、本作に期待されている読者の方々にメッセージをお願いします。

鈴木 これまで「無双」、「決戦」など作ってきましたが“鎧袖一触のインパクト”というコンセプトを掲げて“多数をもって多数を一瞬でなぎ倒す”という、今までに無かった“部隊アクション”を実現しました。この新しい感覚、部隊を率いる楽しさを、ぜひプレイして実感していただければと思います。テーマが“百年戦争”ということで、無限に遊んでいただければ幸いです。

―― 本日はありがとうございました。


(C)2007 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.

□コーエーのホームページ
http://www.gamecity.ne.jp/
□「ブレイドストーム 百年戦争」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/bladestorm/
□関連情報
【6月29日】コーエー、PS3「ブレイドストーム 百年戦争」
PS3本体(HDD 60GB)をセットにしたパッケージを同時発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070629/bs.htm

(2007年8月30日)

[Reported by 豊臣和孝]



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