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正式サービス開始時期:未定 本作最大の特徴となっているのが「Unreal Engine」の最新バージョン「Unreal Engine 3.0」をゲームエンジンとして採用し、要求するPCのスペックを高く設定していることだ。「Sudden Attack」や「Special Force」といったオンラインFPSの草創期を担ったタイトルは、低スペックのPCでの快適な動作を主眼にしてきたのに比べると、実に対照的だ。
本作は開発当初から高いグラフィックス環境をウリとし、それと同時に様々なレイヤーで褒賞制度を設けるなど、オリジナリティの高いゲーム性にも注目が集まっていた。7月3日から韓国で待望のオープンβテストが始まり、ハイスペックPCを所有する韓国のコアゲーマーの間で高い評価を得ている。オンラインFPSの新時代を拓く作品として期待がかかる1本だ。 ■ 「Unreal Engine 3.0」で表現された精巧なグラフィックスと忠実なキャラクタ表現に注目!
「A.V.A」は、Pixel Shader 3.0、HDRレンダリングなどの最新3Dテクノロジーを駆使し、韓国産オンラインゲームとしてはグラフィック面では他の追随を許さないダントツのクオリティを持ち、北米産の最新タイトルにも引けをとらない印象だ。 オープンβテスト前は、韓国国内のPCバンのパソコンは、ハードウェアのアップグレードが十分に進んでいないことから、ハイスペックな動作環境を要求する「A.V.A」の投入は、賭けとも言われていた。しかし、敢えて低スペック環境のユーザーを切り捨てたことが奏功し、ハイエンドユーザーを大きくひきつけることに成功している。 また、実際の軍隊の兵士の動きをしっかり分析したと感じさせる豊かなキャラクタアニメーションにも注目したい。ダッシュ時に武器を両手に抱えたり、サブウェポンを装備する際のライフルを背負う動作など、細かいところまでしっかりと再現されている。
セッション終了時には、相手チームのエースを倒したり、Kill/Deathレートの高低など、条件に応じてリボンやメダル、バッチを付与される。「BattleField 2」のランクサーバー機能でユーザーから高い評価を得ている褒賞制度を「A.V.A」にも取り入れたことで、様々なユーザーのプレイスタイルをカバーし、継続的なプレイを促している。戦闘終了時に褒賞を付与することで、ユーザーに1つのセッションを最後までプレイさせる点にも貢献しており、非常にうまい遊ばせ方だと感じさせてくれる。
■ 3種類の兵科システム。武器をカスタマイズし、自分だけのスタイルを見つけよう!!
「ポイントマン」はMP5などサブマシンガンを得意とする突撃型の兵科で、遠距離戦は苦手だが移動速度や連射力が高く、近距離や室内戦で高い能力を発揮する。 「ライフルマン」はAK48やM4などのアサルトライフルを使い、近、遠距離も対応できる兵科だ。汎用性が高く1発の威力も高いことから韓国のサーバーでは「ライフルマン」を好むプレーヤーが多かった。 「スナイパー」はAWPなどのスナイパーライフルを使う兵科だ。移動速度が遅い上に連射力も無く、近距離ではひたすら不利な立場であるが、高い攻撃力とスコープによる2段ズームで遠距離が強いのが特徴だ。 これらの武器は戦闘時に貰えるゲーム内ポイントで購入することができる。さらに武器に組み込むパーツも購入でき、パワーは落ちるが連射力が上がったり、集団率が下がる代わりにパワーが上がるといった各種パーツが揃っている。
カスタムパーツは、すべて一長一短のバランスになっており、マウントやボディなど改造箇所別に1つずつパーツの入れ替えができる。しかし、ポイントでパーツを買い集めて武器の性能を上げ続けていくのではなく、どのパーツをつけても一長一短があるがゆえにセオリーに拘らないゲームプレイを実現しているところが素晴らしい。今後は兵科独自のスキルもアップデートの中で実装される予定だ。
■ 2つのミッションとデスマッチのシンプルなゲームモード、クラン戦専用サーバーは別途用意
奪還モードは金庫に隠された核物質を取り出し脱出ポイントまで運ぶモードとなっている。核物質は「NRF」軍の金庫に隠されており、「EU」はこの金庫の施錠を解除してから脱出ポイントに核物質を運び込むミッションだ。 爆破モードでは攻守に分かれて2つの爆破ポイントのうちいずれかを爆破する。ルールそのものは一般的だが、攻撃側の「EU」軍は自軍ベースの金庫に爆弾が保管されており、これを任意のタイミングで取り出して爆破ポイントに運び込む方式を取っている。 武器の銃撃感は全体的に重く、連射になるほど反動が増していきリアルに仕上がっている。細かい点を言えばキャラクタの挙動にもう少しシャープさが欲しいところだ。スポーツ系を目指すのか、リアル系か、はたまたカジュアル系を目指すのか。ブレのないコンセプトが欲しい。 本作のスポーツ向けコンセプトは比較的しっかりしているものの、韓国産のオンラインFPSではいい所取りを狙って中途半端な操作感になってしまうケースがあり、細かい部分だが本作にもそうした点を感じる部分がある。 また、本作にはクラン戦専用サーバーもオープンβテスト開始時から設けられており、クラン戦も簡単に楽しむ事ができる。クラン戦専用サーバーはサーバー自体が別立てで用意されており、e-Sportsタイトルとしての側面も強く意識されている。
「A.V.A」の必要推奨スペックはPentium 4世代のCPUとなっているが、これはグラフィックスオプション最低の状態で快適にプレイするために必要なスペックを指しており、今回掲載したようなハイクオリティの3Dグラフィックス環境で快適にプレイしようと思ったら、やはりデュアルコア世代のCPUは必須だ。 今回のレビューに際し、筆者は2つのプレイ環境を用意した。自作パソコンのAthlon 64 3500+、2GBメモリ、GeForce 6600GTの環境と、DELLのXPS M1710、CoreDuo T2400、2GBメモリ、GeForce 7800GTXの2つの環境でプレイしてみた。前者でグラフィックスオプションをフルの状態にすると、非常に重く快適なプレイとは程遠かったが、後者のデュアルコア環境では常に快適にプレイできた。 最後に、本作は派手な出血表現などの理由から成人指定を受けているが、着実に同時接続者数を伸ばしてきており、今後、正式サービス開始を経て、韓国でのオンラインゲームランキングの上位にいかに食い込んでいくのか非常に楽しみである。
破れた壁の隙間からグレネードを投げ入れたり、樽の陰に隠れる敵を、樽ごと銃撃したりと、物理エンジンの特性を利用した試みがプレイに結びつきつつあることも嬉しい。オンラインFPSの新時代を担うタイトルとして、見たことの無い様々な戦いのシチュエーションを見せてくれることに期待したい。
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□REDDUCKのホームページ(韓国語) (2007年8月21日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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