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★PCゲームレビュー★

沢山のミニオンを従えて、悪の帝王を目指す!
独特の使い魔システムが魅力のアクションADV

OVERLORD

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 開発元:Triumph Studios
  • 発売元:Codemasters
  • 価格:49.90ドル(英語版、実売6,000円前後)
  • 対応OS:Windows XP/Vista
  • 発売日:6月29日(発売中)



 ファンタジー世界に甦った悪の大君主!! 独特のスキルを持った4種のミニオンを多数引きつれて、時には指令し、時には意のままに操り、楯突く敵を蹴散らして、世界にオーバーロードによる平和をもたらそう!

 オランダの新鋭デベロッパーTrimph Studiosが放つ本作「OVERLORD」は、独特の使い魔システムによる戦闘が楽しい、ユニークなゲーム性を誇るアクションアドベンチャーゲームだ。ゲームはXbox 360版とWindows PC版が同時発売。現在英語版のみプレイアブルであるものの、非常に楽しくやりがいのあるゲームということで、今回PC版でのプレイをおこなったのでレポートしてみたい。


■ 主人公に付き従う「ミニオン」達を手足のように操り、悪の大君主を目指せ

何やら無理矢理な感じで「復活」させられた主人公。一見シリアスな絵柄とは裏腹に、演出はわりとコミカルな風味があるのが本作の特徴だ
ポータルをターゲットして右クリック。ポイポイポイッとミニオンたちが飛び出してくる
・「この棺だ!」

 薄暗い地底のゴブリンたちが見つけた石棺は、長らく封印されていた悪の帝王が眠る墓所。これが主人公オーバーロードだ。世界の支配者となるべく運命付けられたこの大君主は、ゴブリンたちに起こされ甲冑を身に着け、幾年ぶりかもわからない外界へ足を進める。このゴブリンたちは「ミニオン」。オーバーロードの使い魔として手足以上のものとなる忠誠心豊富なやつらだ。ゲームの基本プレイ要素は、このイントロ演出を兼ねたチュートリアルで学ぶことができる。

 主人公であるオーバーロードの最も重要にして基本となる能力は、ポータルからミニオン達を召喚することだ。対象となるポータルをターゲットした常態で右クリック。するとポータルからミニオン達が次々に飛び出してくる。ミニオンは大君主の持つ「ライフフォース」の数だけストックすることができるが、同時に出現させられる数は限られていて最初は5匹。この数は冒険を続ける中、オーバーロードの力が増すにつれて次第に多くなっていき、最終的には何十匹にも上る大群となる。

 オーバーロード自身の操作はFPSスタイルで、WSADキーによって移動、そしてスペースバーで攻撃だ。オーバーロードは初期装備としてバトルアクスを装備しており、直接攻撃により敵を倒すことができる。しかし多くの場合、左クリックでミニオン達に攻撃を指示することが敵を倒す最も確実で安全な方法だ。

・基本操作は独特ながらシンプル。ミニオンを自身の手足にしてしまえ

攻撃戦術は基本的にミニオンたちと力を合わせてフクロ叩き。いかに反撃のスキを与えずに倒すかがポイントだ
金銀財宝など重量級のオブジェクトを運ばせる。運んでる間に攻撃を受けると一方的にやられるので注意しよう
完全コントロールモードでは主人公の入れない場所でミニオンを暴れさせることができる
 まずはミニオンを使った基本的なアクション方法を押さえておこう。ミニオンを従えた状態で、前方に攻撃対象となるオブジェクトを見定め、左クリックをし続ける。すると、押している間ミニオン達はターゲットに向かって突っ走っていく。それが敵ならば飛び掛って攻撃し、破壊可能なオブジェクトなら破壊する。ミニオンの個体はあまりタフではないので、反撃を受けると簡単に死体になってしまう。なので、タフな敵を相手にするときは、1匹2匹といわず数十匹のミニオンを飛び掛らせて袋叩きにしてしまうのがセオリーだ。反撃を受ける前に倒すことで無駄な犠牲を省くという戦法だ。

 そういった戦闘の結果得られる最重要資源が「ライフフォース」だ。敵や、敵ではない家畜や民間人でも良いのだが、生き物を倒すとその場に光る玉が残される。これが、オーバーロードがミニオンを呼び出す力の源泉になる。1個のライフフォースで1個のミニオンを呼び出すことができる。ライフフォースには4種の色があり、それが「ブラウン」、「レッド」、「グリーン」、「ブルー」という4種のミニオンに対応する。ゲーム序盤ではブラウン達で戦うことになるが、ゲームを進める毎に操れるミニオンの種類が増えていき、ライフフォースの数量管理が重要になってくる。ある色のライフフォースが不足し始めたら、集めるためだけに狩りへ出かけることも必要になってくるだろう。

 ミニオンは戦闘だけでなく、障害物を移動させたり、重量物を運搬することも大事な役割だ。マップ中には数字アイコンのついたオブジェクトが転がっていることがある。それはゲーム進行上欠かせないオブジェクトだ。書かれている数字は、そのオブジェクトを動作・移動させるために必要なミニオンの数。左クリックを押して必要な数のミニオンをぶつけよう。すると重量物なら持ち上げて運び出し、回転スイッチなら棒に取り付いて押し始める。

 派遣したミニオンは仕事が完了すると戻ってくるが、右クリックをすると任意のタイミングで呼び戻すことができる。1回クリックすれば1匹のミニオンが現在遂行中の仕事を止めて戻ってくる。ずっと押し続けると、全員が現在の仕事を止めて戻って来、さらに押し続けると重量物の運搬など特殊な状態にあるミニオンも離脱して戻ってくる。注意点としては、仕事中にオーバーロードとあまりにも離れてしまったミニオンは合流に失敗することがあるので、なるべく目を離さないようにしたい。重量物の運搬中に敵と遭遇するなど芳しくない状況などでは、とっさに右クリックを長押しして体制を立て直すクセをつけておきたいところ。

 そして、左クリックと右クリックを同時押しするとミニオンの集団を完全に手動でコントロールできる。この状態ではプレーヤーがマウスを動かした方向にミニオンが集団でワラワラと走っていくので、うまくマウスを動かしながら狙った場所へミニオンを導くような操作になる。ミニオンはオーバーロードの入り込めない小さな隙間を突破していくことができるので、直接手の届かない場所にある障害物を動かしたり、アイテムを拾ったり、敵にけしかけたりすることができるわけだ。このような仕組みを使ったパズル的ステージも頻出。手動コントロールは基本テクニックとして押さえておきたい。

タワーの建設資材を運ばせる。近場のポータルまで運べば完了だ たまに見かける祭壇に突っ込ませると、命と引き換えに主人公のライフを回復 重い装置を動作させるのも基本アクション。なんとも健気なミニオンたちだ

・ミニオンの強化など、アイテムの活用も大事なファクター

箱や壷がある部屋でひとしきり暴れさせると、アイテムを見つけて大騒ぎ
 文字通りプレーヤーの手足となって活躍してくれるミニオン。それだけに、強い敵に備えてミニオンを強化することも重要だ。

 マップ中に豊富にある壷や箱などの破壊可能オブジェクトには、武器や防具が隠されていることがある。ミニオンはそれを見つけると、今自分が装備しているよりも良いものであれば「It's mine!!」と言いながらはしゃぎ、装備する。基本的なミニオンである「ブラウン」の初期装備は、裸に棍棒。剣や槍を拾えばそれだけ攻撃力が増し、鎧や兜を拾えば打たれ強くなる。もちろん、10匹のミニオンを強化するには10セット以上の武器・防具が必要になる。マップ中に見つかる破壊可能オブジェクトは目ざとくチェックしておきたいところだ。

 また、破壊可能オブジェクトから出てくるアイテムには金貨や回復用のポーションがある。これは主人公用だ。

 これらのアイテムを見つけたミニオンは、訓練された犬よろしく拾ってオーバーロードのもとに駆け寄り、アイテムを掲げて「For you~!」と渡してくれる。このしぐさがなんともいえずほのぼのとして、かわいげがあるのだ。金貨はオーバーロードの住まいである塔の装飾や専用の武器や防具を鍛えるための資金源。回復ポーションは体力を回復する赤色と、魔法力を回復する青色とがあり、冒険中の回復手段が極めて限られているオーバーロードにとってありがたい存在だ。

ミニオンを民家に突っ込ませるとドアを突き破って内部を荒らしまわり、アイテムを拾って戻ってくる。山賊みたいなやつらだ

開けた場所でも適当な方向に向かって派遣すると、破壊できるオブジェクトを勝手に見つけて暴れまくる。見つけたアイテムは勝手に拾って、使えなければ無視してくれるので管理は楽だ


■ 次第に「力技」が通用しなくなるゲーム展開にパズル的面白さを発見

居城であるタワーは崩壊中。ひとまず再建のため旅を続けるオーバーロードであった
最初の関門、巨大まんまる男。まともに攻撃を受ければミニオンが大量死するので距離をとって戦おう
 主人公オーバーロードの活動拠点は、彼の居城である「ダークタワー」だ。プレーヤーは、タワーから各ステージに自由に行き来できるようになっている。ゲームは基本的にストーリーに乗っ取ったクエストクリア形式で進むが一本道というわけではなく、タワーを拠点に別のマップへ進み、自由に好みのクエストからクリアしていくことができる。まあ各クエストには一部依存関係もあるため、最終的には1個の方向へ進むという点で、本作はストーリー重視のゲームだとも言える。

 ゲーム開始直後、主人公の拠点であるタワーは長い間放置されていたようで、内部は荒れ放題の半壊状態。その修理が先決であると、ひとまずポータルから出て最初の土地に出かけていくと、そこはなんとものどかな田園風景。主人公が最初に行なうミッションは、ハーフリング族たちが手入れしているカボチャ畑を荒らすというものだ。最初に召喚可能なミニオンを5匹、カボチャ畑に向けて走らせると、グシャグシャとカボチャを潰して暴れまわる。「ハア、これが『悪の大君主』の初仕事か」というほど牧歌的。

 どうやら主人公オーバーロードの基本スタンスは、自分を崇拝する人間族を助け、ハーフリング族をはじめとする敵対種族を懲らしめることにあるようだ。オーバーロードは道すがら、小麦畑に隠れるハーフリングの集団を魔法で火祭りに上げたり、トロールをミニオンでボコボコにしながらズンズン進んでいく。序盤のミッションはハーフリング族の拠点を次々に潰していくことで進行していくのだが、おそらく多くのプレーヤーが最初に躓くのが、ボス戦だ。

 最初のボスはハーフリング族の王様らしき、丸々と太った食いしん坊のオッサン。オッサンは棒切れを振り回して攻撃してくるが、閉鎖空間の戦いということもあり距離をとるのがとても重要。ちょっと気を抜いてミニオン達を攻撃にさらすと1発で数匹がオシャカにされてしまう。幸いオッサンの動きは遅いので、うまく旋回して背後にまわりつつ、タイミングを見てミニオンをけしかけて攻撃していく。しばらく殴っているとジャンプしてミニオンを全部吹き飛ばしてしまうが、頃合を見て引き、引いては攻めるという繰り返しを正確に行なえば対処できる。

 やがてオッサンは「もっと食い物をよこせ~」とばかりに怒り狂い、丸い体を生かした回転攻撃をしてくるので回避に専念しよう。ミニオンの集団に直撃すると簡単に全滅してしまい、勝利がおぼつかなくなるので注意。転がった直後のスキを突いて攻撃を加えれば無難に倒せるが、直撃を食らったらやり直すハメになってしまうだろう。このあたりのシビアさが、ハラハラドキドキという感じで面白い。

ボヨーン、グシャー。このヒップアタックを2度食らうと確実にミニオンが全滅するのでヒットアンドアウェイで対抗しよう。その後に繰り出してくる回転ゴロゴロ攻撃は多少ホーミングしてくるので要注意

この「レッドの巣」を持ち出し、ポータルを通じてタワーに運び込もう
 最初のボス戦をなんとかクリアすると、その奥には2番目のミニオンとなるレッド達の巣があった。崩壊したオーバーロードの塔から持ち去られていたレッド達の「巣」を回収することがこのミッションの目的だ。本作で登場するミニオンは全4種類だが、ブラウンを除く3種のミニオンは、その巣を回収して塔に入れるまでは自由に召喚することができない。この場所にはレッドの巣が安置されておりレッドたちを召喚することができるので、熱いマグマの岩盤に放置された巣をレッド達を使って運び出し、ポータルを通じて塔に運び込もう。そうすれば、行く先々でレッドたちを召喚することができるようになる。

・4種のミニオンの特性を理解して使いこなそう

近距離戦闘では無類の強さを誇るブラウン。使い勝手が良いのでついつい頼りがち
ファイアーボール攻撃で敵を火祭りに上げるレッド。空中の敵にも攻撃できるので重宝する
毒の耐性を持つグリーン。行く先々の障害物を除去するために必要とする場面が出てくるだろう
水の中で活動可能なブルー。他のミニオンはすぐに溺死してしまうので、使い分けは確実に
 このようにゲームの序盤から中盤にかけ、新たなミニオンの巣を手に入れることがひとつの流れになっている。ここで本作に登場する個性豊かなミニオンたちの特徴について押さえておこう。

 「ブラウン」たちは、ゲーム開始時から使役できる最も基本的なミニオンだ。得意技は物理攻撃。敵に飛び掛り、棍棒や、拾った武器で殴りつける攻撃は、1発1発がオーバーロード自身の直接攻撃に匹敵するほどの威力。敵の攻撃に対する体力も随一で、一般的なザコ敵相手であれば、単純にぶつけてやればほぼ一方的に勝てる。破壊可能オブジェクトを片付けるのも得意で使い勝手がよく、使用頻度が最も高くなるミニオンだ。しかし、火に弱く浅い川で溺死するほど水にも弱いので、特殊な環境では役に立たなかったりする。

 「レッド」たちは火に特化したミニオン。攻撃はファイアーボールの投擲のみで、直接殴りあうことはできない。人間タイプの敵はおおむね火に弱いので、囲まれることさえなければファイアーボールの攻撃で一方的に火だるまにして倒すことができ、また空中の敵にも攻撃をヒットさせることができるので、状況によっては最も信頼できるミニオンだ。燃え盛る火の中でも平気であり、そういった障害物を鎮火して通行可能にすることもできる。オーバーロード自身は耐火性がないので、レッドたちを活用する局面が少なくない。ただし敵から直接殴られるとあっという間に死んでしまうヤワさなので、敵の接近には気をつけよう。

 「グリーン」は毒の耐性を持つ暗殺者タイプのミニオンだ。うまく敵の背後に誘導すれば、グリーンたちは敵の背中に飛び乗って一方的に攻撃をし始める。この不意打ち状態の攻撃力はブラウンにも匹敵するほどで、反撃をもらうこともないため非常に強力だ。また、毒ガスを噴出する障害物の除去や、毒液を攻撃手段とするタイプの敵への対処など、状況は限られるが必須の場面が多い。グリーンも直接攻撃にさらされると弱いほか、ブラウン、レッドと同様に水で溺れ死ぬので注意したい。

 「ブルー」は水への耐性と、魔法による攻撃を行なえる唯一のミニオンだ。この特性により、ブルーが必須になる局面は二つ。湖など水場を横断する必要のある場所や、ウィスプや幽霊など物理攻撃を受け付けない敵への対処だ。またブルーには、死んだ直後のミニオンを蘇生させるという特殊能力がある。タフな敵と戦う局面では、何匹かのブルーを召喚しておくことが被害最小化のポイントだ。なお死んだミニオンは、10秒ほどで蘇生が不可能になるため、ブルーの派遣はお早めに。また、ブルーは直接戦闘に最も弱い種族であるため、なるべく敵には接近させず、ここぞと言うときにだけ繰り出すようにしよう。

・数種類のミニオンを適材適所で活用。局面に応じた対策を賢く導き出そう

エルフの森は呪われた巨木の根によって覆われ、通行が著しく制限。解決の糸口を探そう
特殊な条件で大活躍のブルーたちは打たれ弱く、トロルの一撃で全滅。敵の接近には気をつけよう
 ハーフリング族の騒動が片付くと、人間達の村へ入れるようになる。彼らのいうところでは、近隣で色々な問題が起こっているようだが……悪の帝王たるオーバーロードが人助けをするのはなんとも違和感があるが、ともかく支配する対象を確立するためには、まず敵を滅ぼすことが必要なのだろう。次なる中心の舞台は呪われたエルフの森。ここでは呪いにかけられたエルフが巨木となり、森全体を覆いつくして通行の障害になっている。しばらく探索しているとわかることだが、これ以降のプレイにはブラウン、レッド、グリーン、ブルー全種類のミニオンの活用が必要になってくるのだ。

 森を探索し、なんとかグリーンの巣を攻略。グリーンたちは道を塞ぐ致死性の毒ガス地帯を無毒化できるので、それを活用しながら前進していき、敵が現れたらブラウンたちに戦わせてピンチを凌ぎたい。デフォルトではマウスホイールの回転で、都度使役するミニオンの種類を選ぶことができるので、状況に合わせた選択をしていこう。

 呪われた巨木の根を1本づつ破壊しつつ奥へ奥へと進んでいくと、ついに水場によって前進が不可能な地点に到達。ブラウン、レッド、グリーンのミニオンたちは水中に入れるとたちまち溺れ死んでしまうので、ここから先はブルーミニオンが必要だ。攻略の糸口を探るのもゲームの楽しみのひとつなので、どこでブルーたちの巣を回収するかについては伏せておくが、ちょっとした寄り道が必要なことだけは言っておく。本作ではタワーに戻れば、これまで行ったことのあるステージならば自由に行き来ができるため、時には一歩戻って別の道を探ることも必要。このことに気がついていれば、ハマって無駄な時間を過ごしてしまうことにはならないはずだ。

 さて、ブルーを手に入れて全4種類のミニオンを手に入れてからがゲームの本番。いよいよ行く先々で各ミニオンの特性を理解して活用する必要に迫られるのだ。敵の特性にも注意。幽霊やウィスプといった実体のない敵には、ブルーの攻撃が必須だ。また、通行不可能な障害物を除去できるレッドやグリーンの必要な局面で、近場に召喚用のポータルがないという状況も多々ある。そんなときはいったんいけるところまで進んでみて、解決の手がかりを探してみよう。同時に複数種のミニオンを使うことが必要になる局面もあるので、いくら戦闘能力が手堅いからといってもブラウン一色でズンズン進んでしまうのは避けておきたいところだ。

呪われた巨木の根は、露出した部分を攻撃すると除去できる。こうして次第に移動できる範囲が広がるので、広大なエルフの森は段階的な攻略という形でゲームが進んでいく

グリーンの巣あたりからパズル要素が色濃く。ミニオンに別働させつつ別の道を進んだり、障害物を除去しながらの移動が続く。使い分けのためミニオンの切り替えを覚えていこう


■ ミニオンを供物にしてオーバーロード自身の装備を強化する、RPG的楽しさもアリ

オブジェクトの運搬中、通行不可能な道は別のミニオンに開かせよう
ミニオンの種類によって、強化内容が異なる。バランスの良い武器を鍛えるため、よく考えて配分を調整しよう
製造開始! 我先にと釜に突っ込んでいく忠義深いミニオンたち。なんという美しい光景か
闘技場ではそれまでに倒したことのある敵を選び、対戦することができる
 ゲームを進めていくにしたがって、各所で見つかる「オブジェクト」を回収することができる。オブジェクトはオーバーロード自身の能力を高める重要な資源だ。各オブジェクトがオーバーロードにもたらす効果はそれぞれ異なるが、大別すると体力アップ、魔力アップ、そして新たな魔法の習得ということになる。

 オーバーロードの強力な攻撃手段である魔法には、4つのスクールが存在する。炎の魔法、ミニオン強化の魔法、防御魔法、特殊効果の魔法だ。新たな魔法は対応するオブジェクトの獲得によって得られるが、これはゲーム展開に添って決まった地点で得られるようになるため、オブジェクトをきちんと回収しておけば最後まで取得することができる。魔法は初期段階ではミニオンの攻撃を多少援護する程度の威力だが、最終段階に近づくにつれて、オーバーロード単体でボス級のキャラクタやザコ敵の集団にも対応できる強さに変貌していく。

 オーバーロードの装備をアップグレードしていくことも、ゲームを効率的に進めるために大切な要素。主人公の根城であるタワーの地下室にはいくつかの施設があるが、武器を鍛える鍛冶場もそのひとつだ。鍛冶場ではゲーム中に回収した溶鉱炉を使って、新たな武器・防具を作ることができるのだが、特徴的なのはアップグレード内容に応じたミニオンを溶鉱炉にブチ込んで溶かすという、凄まじい方法だったりする。武器のアップグレードでは、ブラウンは攻撃力の増加、レッドは炎属性の追加攻撃力の付加、グリーンは攻撃モーションの最後にくるスマッシュ攻撃の破壊力ボーナス向上、ブルーは人型ターゲットに対する吹き飛ばし攻撃確率の付与、という内容になっている。好みの特性に武器を鍛えるため、溶鉱炉に入れるミニオンの数をよく考えて調整しよう。

 また、あらたな溶鉱炉を手に入れることで、より多くのミニオンを投入できる武器が鍛えられるようになる。最初に手に入る溶鉱炉では、鉄製の武器が作れる。これはオーバーロードの初期装備でもあり、アップグレードに使えるミニオンの数も最小だ。ゲームの終盤までに全3種類の溶鉱炉が手に入るが、後期に手に入る溶鉱炉ではより多くのミニオンの魂を受け入れられる素材となるので、最終的なアップグレード効果が非常に高まる。これによりオーバーロード自身の能力が著しく向上していくため、しっかりとミニオンの源泉であるライフフォースの数量管理をして備えておきたい。

 また、タワーのもうひとつの施設である闘技場では、倒したことのある敵キャラを選んで戦うことができ、ライフフォース狩りに最適だ。筆者のオススメは「Battler Beatle」や「Magma Beatle」などのビートルシリーズ。戦闘に勝てるならば1匹あたり5個のライフフォースを出すビートルが15匹、計75個のライフフォースを一度に回収できる上、全4色に対応した各種ビートルがそろっている。序盤のオーバーロードの能力ではうっかりすると死んでしまうバランスとはなっているが、中盤を過ぎたあたりなら楽に勝てるようになっているはずだ。闘技場でしばらく戦っていれば、数百以上のライフフォースがたやすく手に入るはず。これを使って新たな武器のアップグレードをおこない、強力無比な大君主を育て上げていこう。

闘技場入り口では全種類のミニオン召喚ポータルがある。敵の種類に応じて編成しよう 敵はわりと大げさな集団で登場するので、一度に全部を相手にしないよう動き回るのが基本だ

復興が完了するとタワー上層の部屋で内装のカスタマイズが可能に。カネはかかるが、帝王の御所らしく豪華に飾り立てていこう

 「OVERLORD」はRPG的な楽しさもあり、ゲーム展開はストーリー中心に組み立てられているため、プレイ感覚としては単なるアクションゲームというより、アクションRPGかアクションアドベンチャーかといった感じだ。ゲームのボリュームも非常に多く、初めてのプレイでは効率的にプレイしているつもりでも、クリアまでに30時間程度はかかるだろう。登場するステージは変化に富み、その種類だけでも二桁を越える内容量だ。また本作はマルチエンディングシステムを採用しており、主人公であるオーバーロードがゲームの中で行なった所業が先々のゲーム展開やエンディングに影響を与える。

 ちなみに、行く先々で無辜の住人を殺戮したり、家屋を略奪し続けるなど暴虐を行なえば主人公の「腐敗ポイント」が向上していく。これが強まっていくと同時にオーバーロードの暗黒面から湧き出すパワーも向上するようで、主人公は強くなっていくようだ。しかし無駄に悪虐ぶりばかりを繰り返すと、得られる協力も得られなくなってしまう。このあたりは名作RPG「Fable」っぽさを感じるアプローチではあるが、プレーヤーの選択によってゲーム展開がダイナミックに変わるほどのレベルではない。しかしゲームを通したいくつかの場面では世界の姿を決定付ける重要な選択を迫られることがあるので、そういうときにはちょっと深呼吸して、自分の目指す世界を問うてみよう。

 というわけで非常に濃密、ボリュームもたっぷりでユニークなゲーム性が楽しめる本作「OVERLORD」。現在は英語版のみで日本語版のリリース予定がまだ聞こえてこないのはもどかしいところだが、基本はアクションゲームであるだけに英語に抵抗のないユーザーなら全く問題なく楽しめる内容。この夏に楽しむタイトルのひとつとして、ラインナップに加えておいて損はないだろう。

(C) 2005-2007 Triumph Studios B.V. ("Triumph"). All rights reserved. "Codemasters" (R) is a registered trademark owned by The Codemasters Software Company Limited (“Codemasters”). The Codemasters logo is a trade mark of Codemasters. "Overlord" is a trademark of Triumph. All other copyrights or trademarks are the property of their respective owners and are being used under license. Developed by Triumph and published by Codemasters. Microsoft, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies.


    【OVERLORD】
  • CPU:Pentium 4 2.4GHz以上
  • HDD:1.2GB以上
  • メモリ:512MB以上
  • ビデオカード:GeForce FX 5900/ATI Radeon 9500以上


□「OVERLORD」のページ
http://www.codemasters.co.uk/overlord/

(2007年8月8日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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