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★PS3ゲームファーストインプレッション★

「鉄拳」シリーズ初のインターネット対戦を実現
PS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」

  • ジャンル:対戦格闘アクション
  • 発売元:株式会社バンダイナムコゲームス
  • 価格:2,800円(フルパック)
    1,000円(拡張パック)
  • プラットフォーム:プレイステーション 3
  • 発売日:発売中(ダウンロード専売)



 8月1日からPLAYSTATION Storeからのダウンロード専売で発売なった株式会社バンダイナムコゲームスのPS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」。「鉄拳」シリーズとして通信対戦に対応したのは、PSP「鉄拳 DARK RESURRECTION」に続く2作目だが、インターネット経由でのオンライン対戦は本作がシリーズ初の試みとなる。

 PS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION」からの違いとしては、オンライン対戦に対応した「オンラインバトル」モード、1本先取でどこまで勝ち抜けるかを競う「サバイバル」モード、練習のための「プラクティス」モードの追加がある。

 また、通信モジュールの追加や、ボイスチャットの処理に必要なマシンパワーを稼ぐ必要もあり、以前配信されていたオフライン版よりもプログラムの最適化が行なわれており、単にオフラインでプレイしている人も、「ONLINE」にアップデートする価値はあるだろう。顕著なところでは、オフライン版ではPS3の処理がきつくなってきた場合、ヒットマークなどのエフェクトが消えることがあったが、これはマシンパワーを確保し、全体の処理を安定させるためにプログラム側で制御していたもの。これは「ONLINE」ではあまり見られなくなったところを見ると、やはりプログラムの最適化が効果を発揮していると思える。

 ただ、技性能などゲームシステム周りは基本的に手は入れられていない。そういった意味では変わっていないので、オフライン専門で遊ぶ人に、1,000円を払う価値があるかどうかは、ユーザーの判断にゆだねられているといえそうだ。

 さて、発売前にバンダイナムコゲームス本社で体験会が催され、メディア同士での対戦を体験してきたので、ここで簡単だがレポートしてみたい。しかしながら、やはりいろんな環境での対戦を実際にやってみないと、本当にどこまでちゃんとプレイできるのかわからない。そこで後日、編集部、そして筆者の自宅に設置したPS3で実際にダウンロードし、数日対戦してみた経験も踏まえ、オンライン対戦に関する点を中心に見ていこう。

■ レスポンスは思ったよりもかなり良し。対戦者の環境によって差は出る

 先日の発売決定記事でも述べてあるように、「オンラインモード」の対戦までの流れとしては、モード選択後、「自分と同じレベルのルーム検索」、「参加できるすべてのルーム検索」、「条件を設定し、マッチするルームを検索」の3タイプの検索方法で対戦ルームを探して参加するか、自分でルームを作ることで参加者を待つことになる。

 8月3日現在、時間によっては検索して開いているルームに参加しても「満員です」と言われることが非常に多い時間帯があるのが残念だった。これはどういった経緯で起こるのかは想像するしかないが、検索レスポンスがよすぎるのか、それとも逆にちょっと前のデータが表示されるのか、なのだろう。この場合、□ボタンでルームの再検索ができるので、何度か試してみるといいだろう。

 こういった状況が続くようであれば、任天堂のWi-Fiコネクションによるいくつかのタイトルの対戦のように、「アクセスしてきたメンバーをそれぞれ1対1ですぐに接続する」といった仕組みもあったほうがいいように思う。アーケードで乱入されるような雰囲気のマッチング方式だ。

 無事にルームにアクセスできて、参加メンバーが全員表示されれば、ほとんど対戦は可能のようだ。ある程度安定してマッチングしたい場合は、時間帯をはずしてみるといいのかもしれない。

 ルームで対戦が進行している場合、対戦者以外は2人の対戦を観戦することになる。この時点でルーム参加者同士の回線が直結する形になるため、参加者の回線状況がその後のルーム状況に影響する。単に回線が早い、遅いというだけでなく、参加者同士の回線距離が離れている場合や、接続機器が不安定な状況では、残念ながらラグが頻発することも少なくない。観戦時はパケット量が減るのか、パケットの送出レスポンスに違いがあるのか、それほどでもないようだった。

 対戦時はお互いの回線状況が一定時間ごとにそれぞれ1P、2Pの下にレベル表示されるが、アンテナが1本も立っていない状況ではちょっとラグがきつい、というレベルだ(そのときの対戦前のキャラクタ選択の時点で5フレーム以上遅れていると思える)。ちなみに編集部とバンダイナムコ本社での専用線、そして自宅のADSL回線でプレイしてみたところ、ADSLでも2~3本で安定していたし、専用線でも1~2本になることもあった。やはりお互いの環境と距離に依存するようだ。

 実際に戦ってみた限りでは、相性がいいときで、ほぼストレスフルに戦え、ひどいときは最速レベルの硬直差の確定反撃がちょっと入りにくい、という状況に開きがある感じではあったが、これはこのタイトルに限らず、過去の(2Dも含め)対戦格闘ゲームのオンライン版ではあたりまえのようにあった状況より少し軽いレベルだと言って差し支えない(ちなみに記者はX-BANDで『ストリートファイターII』を遊んだあたりからオンラインプレイを体験している)。思ったよりもレスポンスよく戦えるし、ほとんどオフラインでの対戦と変わらないレベルのレスポンスで戦えることのほうが多かった気がする。

 もし、オンラインプレイしていて画面奥に横歩きしようとしてジャンプになるようであれば、そこそこひどいラグになっているといってもいいが、そのような状況でのオンライン対戦のコツは、「レバー入れっぱなしにするタイプの入力をちょっと短めに入力する」、「先行入力はモーションを見ながらよりも心もち早めに入力する」といった工夫が必要だろう。複雑、もしくはシビアなコンボやジャストフレーム入力は100%という成功率にはならないかもしれない。「どうもラグが気になるな」というときは、ルームを変えてみたり、相性のいい(回線相性の読める)友達とのフレンド対戦にしてみるなどの工夫も必要だ。

 また、ボイスチャットをONにしているルームでは、ホストが退出すると部屋が消えてしまうことに注意。ボイスチャットはパケット量も増えるので、仲間内などでの回線状況が読める場合に使うのがベターなのかもしれない。

 このゲームのオンラインモードで使用できるキャラクタは三島仁八を除いたキャラクタ。これは仁八のキャラクタバランスが強すぎるところから見て当然ともいえる。対戦終了時は、オンライン専用のバトルポイントがもらえる。このポイントの蓄積によって、アーケードモードとは別のランキングが集計されている。

■ アーケード版の移植を基本としたカスタマイズメニューがちょっと手間

 さて、「オンライン」モードの対戦のレスポンスがいいことは今までも述べてきたが、逆に「オンライン」モードで気になる点があるとすれば、アーケード版の移植を基本としたメニューの仕様だろう。このモードでは、登場するキャラクタは「アーケード」モードのキャラになる。獲得ファイトマネーを使ってカスタマイズしたものも、そのままオンラインに反映される。ちなみに戦績は「オンライン」モードで別管理になっているが、プロフィールに表示されるメインキャラクタはゲーム全体、つまり「アーケード」モードなどで使用されたキャラクタの使用頻度の一番多いキャラクタになっている。

 このキャラクタカスタマイズは、PS2「鉄拳5」のころから同じ仕様になっていて、「アーケード」モードを選択後、キャラクタ選択時に購入、装備することになっている。「オンライン」、「サバイバル」モードプレイ時もファイトマネーが獲得できる。ここで、いざキャラクタをカスタマイズしようとすると、一度「オンライン」モードを辞し、メニュー画面に戻り、「アーケード」モードを選択し、キャラクタを選択してショップに行ってカスタマイズ後、STARTボタンを押してショップを抜け、STARTとSELECTボタンを同時してタイトル画面にリセット、というプロセスを必要とする。これがちょっと面倒だ。

 この構造になっているのは、携帯電話でのカスタマイズを基本としていたアーケード版「鉄拳5」および「鉄拳5DR」との違いを吸収した形なのだが、PS2「鉄拳5」にあったキャラクタビューワーは本作にはないため、カスタマイズの結果は実際に各モードで戦ってみるまではビジュアルでわからないのも残念。アーケード版を基本とする「鉄拳」シリーズのポリシーだと思うが、「オンライン」モードを別に分けるのであれば、カスタマイズの仕様もこちらに取り込んでもらえれば、さらによかっただろう。

■ 復帰組/初心者に贈る「鉄拳5 DR ONLINE」プレイのヒント

 さて、初心者から熟練者が多数サーバーにアクセスし、日々対戦を繰り広げている様子を見ていて少し思ったのは、「ひょっとして過去シリーズからの復帰組や初心者が多目なのかも?」という印象だ。例えば、起き上がり方法を知らないと思われる初心者が後転起きしてすぐに下段始動コンボをボコボコ食らっているような状況によく遭遇した(記者もまだまだ“級”レベルだったからだろうが)」。そこで、少しだが、「鉄拳5 DR」のプレイで役に立つであろうヒントを列挙しておく。参戦される初心者やシリーズ過去作からの復帰組の方のヒントになれば幸いだ。

・ガードはニュートラルと敵反対方向斜め下
 何もしていないときは勝手にガードする(ニュートラルガード)。下段攻撃だけは相手の位置と反対の斜め下方向にレバー(方向キー)を入力すると下段ガードになる。ただし、ニュートラルガードでガードしてくれないタイミングがあるので、技を出した後のガードはできれば、相手の位置と反対方向にレバー(方向キー)を入力しておきたい。

・受け身、起き上がり操作を覚えておこう
 「鉄拳」は起き上がりがシビアなゲームだ。基本的に倒れているほうも倒したほうも五分の状況ではあるが、ダウンしている側は無敵ではないので、そのままでは下段攻撃や中段攻撃が当たってしまう。起き上がりや受け身に関しては、転倒して接地するタイミングでどちらかのPボタンを押せば画面奥受け身、Kボタンを押せば画面手前受け身、レバー(方向キー)前でクイック受け身、後ろで後転受け身となる。起き上がりはPボタンで画面奥方向横転、下+Pボタンで手前方向横転、レバー後ろで後転、Kを押せば起き上がり中段キック、下+Kボタンで起き上がり下段キックとなる。

 まずはきちんと受け身が取れるように練習するということが大事だろう。ダウンさせられるだけだと、ダウン時に攻撃を受ける「鉄拳」のゲームシステムの場合どうしてもプレッシャーを感じるので、ガードの意識が強いと、つい後転起き上がりをしてしまう。だが、そこに重ねて技を出されてしまうとガードが間に合わず一方的に食らってしまうことが多い。そういった場合は、相手の攻撃を甘んじて1発食らってから、受け身を取ることで回避するということも大切だ。

 さらに言えば、後転起き上がりの場合、起き上がりモーションの最初あたりで攻撃を食らうと空中判定になっているため、そこからコンボをつなげられる危険がある。結局、受け身にしろ起き上がりにしろ、同じ方向や同じタイミングで反射的に起き上がるのではなく、相手の様子を見ながらタイミングよく起き上がれるようになればいい(受け身はタイミングを変えられないが)。

 また、壁のあるステージでは、距離が調節できない壁側にいるほうがやはり不利。しかも壁に激突させられるとダウンの状態が変わり、痛いコンボを叩き込まれてしまう。そのためには、横移動と横歩きをうまく活用していきたい。

・しゃがみ、ジャンプステータスを理解しておこう
 上段攻撃をかわすしゃがみステータス、下段攻撃をかわすジャンプステータス。この2つの能力を持つ技を有効に活用すると、例えばシットジャブ(しゃがみLP)にあわせてのジャンプ攻撃の有用性がわかる。技をガードした後、状況が不利のときに暴れたくなるとついシットジャブを出してしまう癖がある相手なら、ジャンプステータス技を出せば勝てるわけだ。

・「プラクティス」モードを活用しよう
 「ONLINE」でせっかく追加された「プラクティス」モードを活用しない手はない。技を実演してくれる技表はもちろん、技コマンドをそのまま表示し続けられるようになっているほか、行動中の入力不可時間を表示する機能なども搭載されている。自分が使うキャラだけでなく、苦手と思うキャラクタも自分で調べてみると、その強みや弱みもわかるだろう。

【「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」プロモーションムービー】
[WMV9形式: 93.3MB 1分51秒] LZH圧縮
【画像をクリックするとダウンロードが始まります】


(C) 1994-2006 NBGI

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□製品情報
http://namco-ch.net/tekken5_dr/index.php
□関連情報
【7月27日】バンダイナムコゲームス、PS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」
8月1日よりダウンロード販売開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070727/tk5o.htm
【6月18日】バンダイナムコゲームス、PS3「鉄拳5 DARK RESURRECTION」をオンライン化
拡張パックとフルパッケージをDL販売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070618/tk5.htm

(2007年8月3日)

[Reported by 佐伯憲司]



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