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THQジャパン、この夏公開「レミーのおいしいレストラン」
プロデューサーインタビュー「ゲームではレミーの動きがよく再現されている」

6月12日 収録

【レミーのおいしいレストラン】
8月2日 発売

価格:未定

CEROレーティング:A (全年齢対象)

 THQジャパン株式会社は、7月28日 (土) から日劇3ほか全国でロードショー公開されるディズニー/ピクサーのアニメーション映画「レミーのおいしいレストラン」のゲームをプレイステーション 2、Wii、ニンテンドーDSで発売する発売予定日は8月2日で、価格は未定。CEROレーティングは全てA (全年齢対象)。

 「レミーのおいしいレストラン」は、天才的な味覚と嗅覚で料理の才能を持つネズミのレミーが、数々の障害を乗り越えながらも料理への夢を捨てず、ひとつひとつ実現していく様を描いた物語。レミーと一緒に高みを目指そうとする、料理が苦手な見習いシェフのリングイニとの友情や、恐ろしい料理評論家のイーゴが最後に見せる素顔など、見所がちりばめられている。また、舞台となるパリのレストランの厨房が非常に良く再現されており、本当に美味しそうな料理と共に目を楽しませてくれる映画に仕上がっている。

 今回は、映画のゲーム化にあたり、映画のプロデューサーのブラッド・ルイス氏にお話を伺うことができた。「レミーのおいしいレストラン」の作品だけに留まらず、ゲームそのものに話が及ぶなど、短い時間ながら印象的なインタビューとなった。


 実は、こういった映画関係のインタビューでは、得てしてゲームが苦手という方が多い。今回のブラッド・ルイス氏もゲームが苦手と言うことで、一度はコントローラを握りプレイステーション 2版の「レミーのおいしいレストラン」をプレイし始めたが、いくつかはうまくいったが、すぐ挫折……。結果的には、THQジャパンの担当者がゲームをプレイしてみせた。しかしゲームの映像や動きについては「レミーの動きが良いですね。這い上がろうとするところの手足の動きとか」満足そうだった。

――ゲームをプレイしてみた感想をお願いします

ブラッド・ルイス氏 :とても美しく作られていると思いますし、食べ物を使っているという発想も良いと思います。そしてレミーの描写の仕方がとてもいいです。動きまできちんと作られていますし、魅力的に描写されています。

 実際の映画でも描いているシーンがあるのですが、本物のネズミのように口や鼻周りを前足を使って動かすような仕草がゲームでも見ることができます。また、ちょっと落ちそうになったときに後ろ足をばたつかせるような動作まで描写されています。

――映画でもゲームでも良いのですが、今回のこの映画「レミーのおいしいレストラン」で一番訴えたかったことはどんなことでしょうか?

ブラッド・ルイス氏 :映画に関して言えば、一つめはお客さんに楽しんでもらいたい映画ということです。ネズミが料理をするというアイディアからスタートし、リングイニという人間のキャラクタとのやり取りで、頭(帽子)の中に隠れてドタバタ劇を繰り広げるという非常にユーモラスを持った作品です。このユーモラスな点がどこまでゲームに反映されているかという点については、私はわからないのですが、そういった楽しめる要素を見ていただきたい。

 その他にも、普遍的なテーマですが、自分の運命をきちんと歩んでいくということですね。自分は一体どういう者なのかということを追求すると言うことですね。自分の目的に向かっていく中で、自分で問題を解決し、家族とも和解をして、友人とも関係を気付いていくと言うことが大切だと言うことです。

――ゲーム製作関係者と打合せをされましたが?

ブラッド・ルイス氏 :そうですね、かなり多くのゲームメーカーさんがいらっしゃいますし、ゲームのフォーマットやプラットフォームもたくさんありますから、それぞれのアイディアの違いもあって、全ての段階でかかわることはできなかったのですが、非常に早い段階でスタッフの方とはお会いしていました。

 ゲームの制作側に対しては、映画を制作しているPixerでの作業をお見せして、デザイン的な面やレミーのアニメーション化の動きですとか、そういったことをお見せして、我々の作品に対する考え方などを説明させていただきました。ゲームメーカーさんによっては映画の線上に沿ったゲームを作り上げる方もいらっしゃれば、独自なアイディアからゲームを作り上げる方もいらっしゃいます。その方々と我々とで情報を共有した上で、どこまでやっていくか、その先までは把握していません。

――はじめの打合せで、「これだけは守って欲しい」といった注文のようなものはありましたか?

ブラッド・ルイス氏 :ありましたね。映画のキャラクタから離れてしまってはいけませんので、キャラクタの雰囲気を再現できていないものはやめて欲しいと注文しました。我々はこういった方向性にゲームを持って行って欲しくないといった話もしました。また、キャラクタの動きのみならず、映画のストーリーやその伝え方といった点についても話をしました。たとえばこのプレイステーション 2版では、食べ物を使った夢の世界といった内容ですが、別のゲームでは厨房を舞台にしたゲームもあります。その時は舞台となるキッチンが必ずフランス料理の厨房となるようにしてほしいと注文しました。(ゲームをプレイすることで) 映画を思い出させなければなりませんから。

 個人的にはちょっと悪戯めいたアイディアが盛り込まれても良いかなとも思いましたが。

――映画がゲーム化されることに対して拒否感などありませんか?

ブラッド・ルイス氏 :私はコアなゲーマーではないので話がそれるかもしれませんが、基本的に映画がゲーム化されるということは、私としてはゲームを楽しんでもらって、ゲームをプレイすることでその延長線上としてゲームを通して映画の世界に訪れてくれると言うことは、とても良いことだと思います。今は様々なゲームが発売されていて、Wiiのようにこれまでにないコントローラーで体を使って楽しめるゲームもありますし、画面が2つあって、下の画面で料理をかき混ぜるような感覚を楽しめることもできます。これらこれまで考えられなかったような、料理を扱ったようなゲームが出てくるということで、それはとても楽しいことだと思います。

――ゲームという表現手段を使いなにか作ってみたいものはありますか?

ブラッド・ルイス氏 :ゲームの世界も進化していて広がってきていると思います。優れたゲームを作るには、それ相当の年数をかけて作っていかなくてはならないということがあると思いますので、私が作るというよりはより密接にゲームメーカーさんと関わりを持って連携を深めることで、なにか楽しい発想やアイディアがあれば、作品を作る環境を構築していけたらなと思います。

 しかし、私はコアなゲーマーではないので、方向性としてどこまでゲームの世界に突き進んでいけるかと言うことがわからないところもあります。しかし、一般的に見て、ゲームはもう次のレベルにいけるのではないかとは思います。なぜなら、今はまだゲームには制限があると思うのです。アニメーション自体はゲームの中で非常に向上しているかと思いますが、ただ、ゲームをプレイすると言うことに関してはあまり面白い進化が見られないと思うのです。ここ過去15年ほど、次に来るなにかを得て、次のレベルに進むという発想がないままに来ているように思うのです。

――「レベルを上げる発想」について、なにか具体的なものはありますか?

ブラッド・ルイス氏 :色々な制限はあると思うのですが、コントローラで遊ぶという点に限界があるのかもしれませんが、もっと物理的に入り込んでいけるような形で遊ぶような方法はないかですとか、他の選択肢がないかと思ったりしますし、遊び手自身がストーリーテラーになることはできないかと思ったりはします。

 私もよくはわからないですが何かある方法で、ゲームをプレイしている人自体がゲームを遊びながら、どんどんストーリーを作っていくことができないかと思ったりしますね。なぜかゲームは常にある任務に向かってプレイしているような感じがするので、もっと楽しく面白いことができないのかとちょっと思ったりしますね。

――確かにゲーム業界でもそういった指摘があります。ルイスさんがまったくゲームをプレイされないのに、スッとそういった意見が出てきたので、面白く感じました。

ブラッド・ルイス氏 :まるでメロドラマを長く見てきたのと同じ感覚で、私は息子がゲームを遊んでいるのをずっと隣で見てきたので、「まだそんなことをやってるのか?」とちょっと思ったりしますね(笑)。

――最後に日本のファンに向けて一言お願いします。

ブラッド・ルイス氏 :まずは映画を楽しんでいただきたいと思います。そして、映画を楽しんでいただくことによって、ゲームもまた楽しんでいただければと思います。実際にアニメーションはよくできていると思いますし、ゲームの開発者とも連携して開発してきましたし、実際にレミーをゲームで動かして楽しむことができます。まずは映画を楽しんでください。

息子さんはゲームをプレイするが、ご本人はプレイしないというブラッド・ルイス氏。しかし、大変楽しそうにプレイしておられた なかなかうまくプレイできなくて、ガッカリしてしまう時もあったが、終始笑顔でプレイしていたルイス氏 ……でも結局、うまく進むことができずにメーカーの担当者さんがプレイし、それを鑑賞することになった
7月28日より日劇3ほか全国でロードショー公開される「レミーのおいしいレストラン」。7月25日から3日間、特別上映も決定した。料理に関しては天才的で、クリエイティブな才能を発揮するネズミのレミーが、悩みながらも勇気を持って人間の青年“リングイニ”と共に夢に向かって進んでいくストーリー



■「レミーのおいしいレストラン」PS2版

 映画「レミーのおいしいレストラン」の世界観を再現し、主人公の“レミー”となってストーリーを楽しめる。収録されているマップは、映画に登場するパリ市内の下水道やグストーのレストランなどを映画のイメージそのものとなっている。マップは6マップで、50以上のミッションが用意されている。

 ゲームモードは、ストーリーモードとミニゲームの2つ。ストーリーモードでは様々なミッションが用意されていて、厨房内で料理中のシェフや番犬などの動物から身を隠したり、食材を集めたりといったアドベンチャー要素の強いアクションや、仲間のネズミ達と協力してミッションをクリアするといったシーンも用意されている。また、映画の中でも“逃げる”シーンが何度となく繰り返されるが、ゲームでも逃避行アクションが楽しめる「チェイス」ミッションなども用意されている。

 レミーなど登場キャラクタのアニメーションについては、前述のルイス氏も満足していたように、アクロバティックなアクションを存分に楽しめる。ネズミなだけに壁登りや、スプーンを振り回しての攻撃、玉乗りなどシチュエーションに応じたアクションが用意されている。

 映画のゲーム化ということで、カジュアル層でもすぐにゲームができることが重要な点だが、同作品ではミッション目標や目標地点をビジュアル的に表示する“かぎわけビジョン”なるシステムが搭載されている。もちろんゲーム開始時にはチュートリアルが用意されているので、操作関係で迷うこともないだろう。

 また、用意されているミニゲームは1人プレイ用のゲームが22種類。様々なテーマの食材が空中を飛び交う“夢の国”でのアクションゲームとなっている。ストーリーモードをクリアしていくことでアンロックされるミニゲームもあり、どんどんプレイできるゲームが増えていくことになる。さらに、最高4人対戦が可能なミニゲームも4種類用意されている。これらも、ストーリーモードをクリアすることでアンロックされていく。

 音声は日本語吹き替え。音楽は映画のものが使用されている。

【スクリーンショット】
映画のストーリーに沿った展開となるPS2版。フランス料理の厨房などが再現されている


■「レミーのおいしいレストラン」Wii版

 基本的にはプレイステーション 2版と同じだが、Wii版でしか遊べないミニゲームが収録されている。収録されているのは、「フィッシング」、「洗いもの」、「クレープ作り」の、3種類合計5つのミニゲーム。

【スクリーンショット】
Wii版には、皿洗いやクレープ作りなどここでしか遊べないミニゲームが収録されている。これらのミニゲームはWiiリモコンの特性を活かしたゲームとなっている



■ 「レミーのおいしいレストラン」DS版

 ニンテンドーDS版「レミーのおいしいレストラン」では、2つのモードが用意されている。ひとつは映画のストーリーに基づいた展開となるストーリーモード。

 そして何より特徴的なのは、タッチペンを使い調理器具のように見立てて料理を作るクッキングゲームが収められていること。このクッキングモードでは、タッチペンで食材を切ったり、焦げ付きそうな料理をマイクに息を吹きかけることで冷ますなどDSのシステムを使用したギミックが満載となっている。さらに、1つのカートリッジで2人から4人まで対戦可能なマルチプレーヤー用ゲームも収録されている。。

【スクリーンショット】
DS版には、映画のリアル指向のグラフィックスだけでなく、ポップな絵柄も織り交ぜられている。基本的には映画に登場するマップを再現しており、映画の楽しさを追体験できる


(C)WALT DISNEY PICTURES/PIXAR ANIMATION STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
2007年7月28日(土)より日劇3ほか全国ロードショー

□THQジャパンのホームページ
http://www.thqgame.jp/
□ゲーム「レミーのおいしいレストラン」の紹介ページ
http://www.thqgame.jp/games/gameinfo.php?id=1271 (PS2版)
http://www.thqgame.jp/games/gameinfo.php?id=1271&upc=30126 (Wii版)
http://www.thqgame.jp/games/gameinfo.php?id=1271&upc=36122 (DS版)
□ディズニーのホームページ
http://www.disney.co.jp/
□映画「レミーのおいしいレストラン」のページ
http://www.disney.co.jp/movies/remy/

(2007年7月23日)

[Reported by 船津稔]



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