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会場:バンダイナムコゲームス本社
同社ジェネラルマネージャーの吉積 信氏がまず挨拶に立ち、2007年度の「テイルズ オブ」シリーズの展望を語った。今年度のテーマは「挑越」。これは、“新しいことに挑み、それを越えていく”という意味での造語。そのうえで、2007年度は、ニンテンドーDS、Wii、PS2、PSPと、4つのハードに向けてタイトルをそろえていることを明らかにした。
■ 2007年の主軸はDS……DS「テイルズ オブ イノセンス」
同作のクリエイティブプロデューサーである大館隆司氏によれば、同作の開発は株式会社アルファ・システムによるもの。ゲームボーイ「なりきりダンジョン2」からシリーズタイトルの開発に参加しているアルファ・システムは、PSP「テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー」とほぼ同時期からこの「イノセンス」の開発に着手したという。
ゲストとしてまず登場したのは、プロダクションI.Gの寺川英和アニメーションプロデューサーと、アルファ・システムの佐々木哲也代表取締役社長。「TGSではオープニングを公開します」と寺川氏が言えば、「私が遊んでも楽しめるようなものになっている」と順調な開発進行状況を報告した佐々木氏。今までのシリーズを多数手がけてきただけのことはある、余裕を感じさせるコメントが印象に残った。 シリーズのDSへのタイトル供給は、「テイルズ オブ ザ テンペスト」に続く2作目。今回も3Dポリゴンによるグラフィックスをメインに構成されている。戦闘システムは「テイルズ オブ ジ アビス」で導入された「フレックスレンジ-LMBS(リニア・モーション・バトル・システム)」をベースに、PS2「テイルズ オブ デスティニー」の「エアーリアルLMBS」を融合した「ディメンション ストライド-LMBS(仮)」を導入。フリーランを軸とした、空中コンボを見つける楽しみと爽快感が味わえるという。 オープニングムービーはプロダクションI.Gが担当、メインキャラクタデザインはいのまたむつみさんが手がける。このあたりは今までのシリーズと同じ流れだ。多忙ないのまたさんの本作への参加をうながしたのは、主人公であるルカ・ミルダ役の木村亜希子さんの起用だという。木村さんといえば、某カプコンの「ロック○ン」役としても有名。いのまたさんが「ロック○ン」ファンであったことがきっかけになったようだ。
ここで、木村さんとヒロインのイリア・アニーミ役の笹本優子さんもゲストとして登壇。木村さんはシリーズ初の主人公の声を女性声優が担当することになったのだが、「多感な成長期の男の子を演じるという意味で木村さんの起用は正解だった」と大館氏も太鼓判を押した。笹本さんは「最初、設定をもらったときはあまり女の子っぽくなくて、一言で言えばがさつな女の子という印象だったのですが、演じやすかった。『そこまでいじめなくても……』というぐらい、ルカをいじるキャラクタですね」と印象を語ってくれた。
シリーズの特徴のもう1つであるテーマソングはKOKIAさんの「Follow The Nightingale」に決定。大館氏いわく「ゲームに非常にマッチした曲を書き下ろしていただいた」と大満足のナンバーとなっているようだ。
■ 「シンフォニア」の3年後を描く続編タイトル……Wii「テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士(仮称)」
小西輝彰クリエイティブプロデューサーによれば、ベースとなるのは「シンフォニア」ではあるものの、Wiiタイトルらしく、Wiiリモコンによる直感的操作を活かし、フィールド画面はなく、マップ上の地点をポインタで指定すれば即、移動できるよう変更するなど、ハードの特性に合わせたパワーアップが行なわれている。 グラフィックス面でも、たとえ前作に登場した同じ街でも、テクスチャ解像度の向上により、より美麗なグラフィックへと進化。すべてのダンジョンとタウンマップが生まれ変わり、さらに新しい街やダンジョンが登場する。 ゲームシステム的にも「シンフォニア」を継承。しかし、「ラタトスクの騎士(仮称)」では、新要素として、モンスターの捕獲と育成が可能となる。育成したモンスターはパーティメンバーとして参加でき、味方として戦闘にも加わることになる。モンスターによる攻撃や晶術が加わることにより、戦闘はさらに面白みが増すだろう。また、戦闘フィールドに「属性」が付加されることで、より地の利を生かした戦闘が楽しめる。
今作の主人公はエミル・キャスタニエ(CVは下野 紘氏)、ヒロインはマルタ(CVは未公開)。さらに、ロイドをはじめ、前作のキャラクタたちがゲーム中に登場し、エミルたちの旅の手助けをしてくれるというから楽しみだ。2008年春の発売を予定している。
■ PSP向けには「リバース」、そしてPS2「デスティニー」のディレクターズカット版が登場 ブランドマネージャーである馬場英雄氏によって発表されたのは、PSP「テイルズ オブ リバース」と、PS2「テイルズ オブ デスティニー ディレクターズカット」の2タイトル。 ヴェイグ・リュングベルを主人公とし、ヒューマとガジュマ、ふたつの“ヒト”の種族の共存をテーマに描いた「リバース」は、現在のところ2Dビジュアル最後のシリーズとなっている(PS2『デスティニー』はリメイクのため除外)。基本的にはワイド画面対応ということになるが、PSP版にはギャラリーモードを追加するなど、オリジナルのコンテンツも用意される。2008年初頭発売予定。
しかし何よりビックリしたのは、「デスティニー」だけでなく、「テイルズ オブ」シリーズでトップクラスの人気を誇るキャラクタ、リオンのオリジナルシナリオ「リオンモード」が追加されること。リオンの視点から「デスティニー」のストーリーを描き出すこのモードでは、イベントの追加はもちろん、ボイスも新規に収録。このリオンモードのためのシナリオを緑川氏が壇上で受け取ったことから、収録はこれからとなるが、リオンファンならずともその内容が気になるところだ。また、リオンをメインとしたイラストをあしらった限定BOXも登場する。本編ディスク、オリジナルDVDなどがセットになるようだ。
「テイルズ オブ」のラインナップについては、「DSは新しいユーザーを獲得しているハードなので、『イノセンス』では、『テイルズ オブ』の12年の歴史から新しいステップを目指していきたい。Wiiの『シンフォニア ラタトスクの騎士(仮称)』も、続編だが新たな展開が見せられるようにがんばっています。ハードも普及してきたので、50万とはいわず、100万本を目指します。皆さんの応援をよろしくお願いします」と来場者にアピールし、最後を締めくくった。 (2007年7月20 日) [Reported by 佐伯憲司]
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