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【連載第120回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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これは珍品か? それとも名品? Wii用コンパクトモニタ2種類を試してみた |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今回はちょっと変わり種の製品を取り上げてみよう。テレビに接続して遊ぶ据え置き型のゲーム機「Wii」に、10インチにも満たない小型ディスプレイを接続し、コンパクトに遊べるようにしてしまうというものだ。試したのはセンチュリーが取り扱う「Wii専用7インチ液晶モニタ」と、海外メーカーPEGAの「Wii用8.5インチポータブルディスプレイ」の2製品。
過去にも、据え置き機の本体にコンパクトなディスプレイを接続して楽しめる製品としては、PS、PS2、Xbox 360、ニンテンドーゲームキューブ用などのグッズがあった。だが、今回はWiiリモコンでの操作が特徴のWiiだ。はたしてこのサイズのディスプレイでWiiは楽しめるのか? 画質は? 音質? 使い勝手は? などの気になるところを探ってみた。
● コンパクトながら高精細な7インチディスプレイが魅力 センチュリー「Wii専用7インチ液晶モニタ」
・「Wii専用7インチ液晶モニタ」
販売・サポートメーカー:センチュリー
価格:14,800円
7インチワイドディスプレイ
スピーカー、センサーバー内蔵
シガーソケット用ACケーブル、AV接続ケーブル付属
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同梱物一覧。車載も前提にされていてシガーソケット用ACケーブルが含まれる |
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内箱は写真のようにWiiの内箱にそっくりな青い箱になっている |
まずはセンチュリーが販売・サポートを行なう「Wii専用7インチ液晶モニタ」だ。外箱の記載などは全て英語で、海外からの輸入販売品であることを感じさせるが、1枚だけの紙とはいえ、日本語のマニュアルが付属している。製品としてそこまで複雑な説明のいるものではないので、これでも十分。さっそく箱を開封すると、水色の内箱が出てきた。これはWii本体の内箱とそっくり。なかなか凝っている。
製品の内訳は、液晶ディスプレイ本体、Wiiとモニタに電源を分配するコンバータBOX、他のゲーム機やDVDプレーヤと接続できる外部接続用AVケーブル、車から電源を得る12V対応シガーソケット用ACケーブル、そして本元の英語マニュアルとなる。
液晶ディスプレイ本体は、Wii本体色に近いホワイトのケースにモニタ、スピーカー、センサーバーが内蔵されている。液晶モニタはワイド7インチで、ちょうどDS Lite本体より一回り大きいぐらいのサイズだ。Wii本体を乗せる土台とヒンジを経由して繋がっており、折りたたむとコの字型になる。
液晶の下には電源ボタン、画質調整などのメニュー呼び出しボタン、ボリューム(+/-)、入力切り替えのボタンが並ぶ。ボタンを押してみるとパコパコとした音がし、少し安っぽい感触だが、クリック感があって必要十分ではある。
早速Wii本体に取り付けてみよう。Wiiを横に寝かせるように液晶ディスプレイの土台に乗せる。ディスクスロット側が液晶ディスプレイの右側になる位置だ。背面のファンの位置に液晶ディスプレイ土台についているフックをかけて固定。次に、液晶ディスプレイとWiiを繋げるコンバーターBOXを装着。これには、Wii本体と、ディスプレイへの電力を分配供給し、Wiiからの画面出力をディスプレイに繋げる役割がある。Wii本体に付属のACアダプタをコンバータBOXに差せば完了。ケーブルは電源コード1本で、スッキリする。
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コンバータBOXでディスプレイとWii本体を接続する。ほかに一切のケーブルがなくスッキリするのが嬉しい。閉じたときの厚みはWiiの1.5倍ほどになるだろうか |
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ちょっと写真ではわかりづらいが、Wiiリモコンは30cmほどの距離でしっかりと認識し、扱えた |
いよいよWiiの電源をオン。モニタの電源も手動でオンにする。ここで注意が必要なのは、このディスプレイはプログレッシブ設定には対応していないところだ。液晶モニタのため対応しているかと思ったのだが、Wii本体の画面設定をインターレースにしないと画面が映らない。
Wiiを起動し、Wiiメニューの画面になると、思ったよりも綺麗な画面に驚いた。さすがに細かな描画や文字はつぶれてしまうものの、発色や輝度は必要十分。Wiiの画面に出るフォントサイズは比較的大きめになっていることもあり、小さめの文字でも、はっきりと見えなくとも「こういう字だな」と雰囲気で読み取れるという具合だ。
Wiiリモコンを振ってみると、こちらも小さな画面ながらテレビでプレイするのと同様の操作感で扱える。ディスプレイにセンサーバーが内蔵されているため、センサーバーの存在を意識せずともすんなり使える。驚いたのは使用可能距離で、最短で30cmほどの距離で大丈夫だった。ディスプレイとの距離にして1m未満ほどの空間でWiiを普通に操作できている。これなら自分専用のコンパクトなプレイ空間を演出するためのアイテムとしての意義や魅力を感じられる。ACアダプタ以外のケーブルが一切ないのもその魅力の一助となる。
さっそくゲームプレイを試す。Wii用ソフトを遊ぶが、ディスプレイが極端にコンパクトになった以外には、意外に異和感はない。ディスプレイが小さいため、Wiiリモコンを振る動作も自然と手首を返す程度になるが、ちゃんと反応してくれる。液晶画面は強い残像感も感じられず、バランスの良さを感じる。驚くほどに美麗というほどでもないが、Wiiリモコンを扱うため、画面から少し距離を取れば十分。逆に近づいてみると、粒状感が感じられる画質だが、問題はないだろう。
テキスト量の多い画面ではどうだろうかと、ニュースを読める「ニュースチャンネル」を試す。込み入った漢字になると潰れて読みづらい感覚はあるが、ほとんどにおいて自然に読めた。フォントサイズも調整できるので、不足はないだろう。
最も向いていたのはやはりバーチャルコンソール(VC)タイトルのプレイ。コンパクトな環境で楽しむには十分だ。VCタイトルをプレイする場合、Wiiリモコンを振る必要はないため、単純にディスプレイがコンパクトになった感触で楽しめた。事前にダウンロード購入しておけば、車載した場合でも、Wii本体のみで様々なタイトルが楽しめる。逆にディスクメディアのタイトルは、揺れる車内では読み取り面に傷をつけてしまう可能性がある。控えたほうが賢明だろう。
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さすがに複雑な漢字は潰れてしまうものの、ほとんどの文字は読み取れる。液晶の映りも想像以上によく、小さいながらも侮れない |
● 8.5インチのディスプレイサイズが魅力 PEGA「Wii用8.5インチポータブルディスプレイ」
・「Wii用8.5インチポータブルディスプレイ」
メーカー:PEGA
購入価格:19,800円
8.5インチワイドディスプレイ
スピーカー、センサーバー内蔵
シガーソケット用ACケーブル付属
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同梱物は液晶ワイドディスプレイとシガーソケット用ACケーブル |
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Wii本体の底面にディスプレイ側のアタッチメントをつけるため、少し横長になる。かわりに、厚みは少ない |
PEGAの「Wii用8.5インチポータブルディスプレイ」は、海外メーカーとしているものの、外箱の記載は一部が日本語記載になっていて、外箱がオール英語だったセンチュリーのものより、ぱっと見た印象では国内製品のように見える。
こちらの製品に同梱されているのは、スピーカーとセンサーバーが内蔵された8.5インチのワイド液晶ディスプレイ、日本語で書かれた取り扱い説明書の紙、12Vのシガーソケット用ACケーブルだ。他のゲーム機やDVDプレーヤも接続できる。こちらの製品ではコンポジットの黄、赤、白の3色のプラグソケットがモニタに用意されているため、汎用ビデオケーブルが使えるため、接続用ケーブルは付属していない。
8.5インチのワイド液晶は先の7インチの製品と比べると当然ながら一回り大きい。接続する部分はWiiの背面だけにとどまり、装着後のサイズはこちらのほうがスリムだ。背面のUSB端子、電源端子、画面出力用の端子にディスプレイ側の端子を差し込む。電源はWii本体付属のACアダプタのものだけで動作する。
この製品の特徴としては、Wiiに対してディスプレイを横にも縦にも開けること。Wiiを横置きするスタイルならノートパソコンのようにディスプレイを開き、縦に置いた場合は、屏風のようにヘの字に開く。気になったのはヒンジ部分などを含め、この製品全体の固定力があまり高くないところだ。センチュリーの製品ががっしりとWii本体を包むものだったこともあり、差を大きく感じる。持ち運びなどには気をつけたい。
液晶の下には、電源ボタン、ボリューム(+/-)、画質調整などのメニュー呼び出しボタン、画面比率変更ボタン(4:3、16:9)、画面反転ボタンが並ぶ。各ボタンは丸みのあるデザインで、押すとカチカチと音がする。
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2方向に開ける角型ヒンジによって、写真のように横にも縦にもディスプレイを開ける。若干気になったのは、ロックする機能がゆるいこと。持ち運びには気をつけたい |
早速Wiiとディスプレイの電源を入れてみる。8.5インチのサイズは7インチと比較するとやはり一回り大きい。だが、精細さはセンチュリーの製品より一段劣ると感じられた。それでも、発色や輝度などにおいて遜色はなく、こちらも想像以上に綺麗に映る。ただし、若干文字の潰れなどはこちらのほうが目立つようだ。総じて一長一短の印象である。
Wiiリモコンの操作感だが、センチュリーの製品は30cmほどに近づいても操作できたのに対して、こちらは純正のセンサーバーで遊ぶときと同じ1m~1.5mほどの距離が必要となった。それ以上近づくと認識しなくなってしまう。せっかく8.5インチの液晶なのだが、こうなると実際のプレイ模様ではむしろ画面は小さく見える結果になる。
特筆すべき点は、センチュリーの製品がインターレース表示のみであったのに対して、こちらはプログレッシブ出力ができること。もう1つが音質だ。内蔵のスピーカーは音がクリア。比較するとセンチュリーの製品は音の濁りや割れを感じる。
その他の操作感、プレイ感においては問題は感じられなかった。やはり最も適していると感じられたのは、VCタイトルのプレイ時で、このときに限っては8.5インチの強みが発揮されたかっこうだ。
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センチュリーのディスプレイと比べると若干精細さが劣るものの、こちらも十分にいい感触を得た。こちらの製品はWiiリモコンの許容距離が長いため、VCタイトルプレイを重視する人に向くだろう |
当初は、「Wiiをこんなに小さいディスプレイで遊んで楽しめるのか!?」という懸念があった研究所員だが、想像以上に操作面に支障がなかったこと、映像面でもさほど不満を感じなかったこと、コンパクトさに対する、一種ホビー的なおもしろさや良さがあり、また違った魅力があるという結論になった。
ACアダプタ以外が一切ケーブルレスになることも非常に大きな魅力。今回は車載した場合のプレイ感覚は試せなかったが、気になるのは周辺の光量にモニタの明るさが負けてしまうことだろう。また、移動中は画面が揺れるため、酔ってしまう可能性もある。家族旅行の移動時に子供が遊ぶ目的に導入するときは、車から離れるときは熱のことも考えると一緒に本体を持ち出す必要はありそうだ。また、DVDプレーヤーなどと接続して映像を閲覧することも可能なので、小型モニタとしての活用法も考えられる。車中よりは、移動した後の宿泊先などで活用するのがいいのかもしれない。
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□センチュリーのホームページ
http://www.century.co.jp/
(2007年7月18日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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