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会場:Shanghai New International Expo Center
Joyzoneによれば中国での正式なサービススケジュールやビジネスモデルは未定とのことだが、秋口までにクローズドβテスト、年内にはオープンβテストを行ないたいとのことだ。 また、この日は日本の東星の中国子会社、東星上海が開発したカジュアルオンラインサッカーゲーム「蹴蹴球」の発表会および、Joyzoneとの調印式も行なわれた。
東星のオンラインゲームエンジン「津波」を利用した初の作品としてお目見えした同作は、子供達が道ばたに立てたポールをゴールに見立てサッカーをするような、何でもアリの草サッカーの世界観が特徴となっている。7月26日からオープンβテストが予定されている。記者発表会の様子と共にゲームの特徴をお伝えしたい。
■ 東星上海が放つ「蹴蹴球」。「津波」エンジンを用いた厚みのあるカジュアルタイトル Joyzoneは2005年4月から中国でサービスをスタートさせた、韓国Hyundai Digital Entertainment開発のオンラインレースゲーム「CTRacer」のパブリッシャーとしてローンチを成功させ力を伸ばしてきた。 東星上海の開発として披露されたカジュアルオンラインサッカーゲーム「蹴蹴球」は、草サッカーがモチーフとされており、3頭身の線の強いコミカルなキャラクタによる3対3のカジュアルサッカーゲームだ。7月26日からオープンβサービスの開始が発表されている。 本作のルールはいたってシンプルで、最大3対3のプレーヤーにゴールキーパーのAIを1人ずつ加えた4人1チームとなって、ビーチや街角に立てた2本のポールの間や、ゴール見立てた絵のなかにボールを蹴り入れるというもの。草サッカーらしく、障害物を利用して裏からのゴールも狙うことも可能だ。 カジュアルタイトルらしくギャグのセンスが多数盛り込まれており、地団駄を踏むと相手プレーヤーが転んだり、少年達の永遠のライバルとも言える「ビックママ」ことお母さんが「家に帰って勉強しなさい!」と叫びまくって画面をさえぎったり、フライ返しでゴールキーパーを叩きに現れるなど、思わず吹き出してしまうようなスキルや仕掛けがふんだんに盛り込まれている。 また、3人称視点でプレイしていると背中を見ることの多いプレーヤーキャラクタに、ドライバーやおにぎりやホイッスルなどサッカーとは一見無関係な様々な巨大アイテムを背負わせることができ、自己表現に対する需要の高い中国向けの味付けを絶妙に表現している。 一方ゲーム面では、ボールの弾道計算も、風向きや反射角、バウンド時の摩擦などが細かく計算され、カジュアルといえども深みのあるプレイ環境が作られている。 本作はそもそも同社へ開発業務を発注するクライアントのための「津波」のデモプレイ用に開発されたものだが、ゲームとしてのポテンシャルがJoyzoneの目に止まり東星のブランドネームで公開されたいきさつがある。
記者発表会では、JoyzoneのCEO Zou Liang氏、東星上海総経理の千種茂氏、中国で著名なサッカー解説者の黄健翔氏の3人が登壇した。千種氏は「Made in Chinaから世界へ」と述べ、開発会社としての東星上海の持つクオリティに強い自信を示した。日本でも「蹴蹴球」がプレイできる日が来ることを願っている。 ■ 「Level-R」海外展開第1弾は中国。MMOタイトルとしても方向転換へ Joyzoneはこの日、オンラインレースゲーム「Level-R」の中国展開も発表した。ハンガリーの開発会社Invictus Softと、同作のアジアパブリッシャーである日本のゲームポットとの3社間で調印式が行なわれた。 本格派レースゲームの「Level-R」がラインナップに加わることで、Joyzoneは看板タイトルの「CTRacer」に、ジャンルの上ではレースゲーム2タイトルが被ってしまう形にはなる。しかしながら、多くのカジュアル層を取り込んだ「CTRacer」に加えてコアユーザー層を強く意識した「Level-R」を追加することで、「CTRacer」からのコアタイトルへの需要に応えていく形だ。
次にJoyzoneの会場のブースでは、「蹴蹴球」、「Level-R」、「CTRacer」の3本立てで構成され、試遊台を全面に押し出したブース展開に人気が集まった。特にレースゲーム2タイトルはUSB接続のハンドルとギアをつけた本格的なデバイスで楽しむことができ、男性ユーザーを中心に順番待ちの列ができていた。 「ChinaJoy」最終日の15日には中国と韓国の「CTRacer」ユーザーによる大会が行なわれるとのことで、時間帯によってプレイ可能な試遊台をやりくりするなど、中規模ブースで効率よく試遊台を回転させていたのが印象的だった。
日産やトヨタなどの上海市民にも馴染みのある実車が登場する「Level-R」の試遊台では座ったユーザーがゲーム内で軒並みスピンし続けていたのが印象的な光景だった。コア層に訴求するためのタイトルとはいえ、リアルを追求した本格派タイトルと見られるか、或いは単にとっつきにくいタイトルとされてしまうか中国ユーザーの今後の反応が楽しみなところだ。
□China Digital Entertainment Expoのホームページ http://www.chinajoy.net/ □Joyzoneのホームページ http://www.joyzone.com.cn/ □「蹴蹴球」のホームページ http://www.joyzone.com.cn/ □東星上海のホームページ http://www.tose.com.cn/jp/index.htm □「Level-R」のホームページ http://www.joyzone.com.cn/ □関連情報 「China Digital Entertainment Expo 2007」記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070715/cdeelink.htm (2007年7月15日) [Reported by 三浦尋一]
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