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会場:Shanghai New International Expo Center
PCタイトルでは両社とも最新タイトルでも1本35元(576円)から69元(約1,104円)前後の希望小売価格を設定し、日本や欧米では5,000円~6,000円前後という販売価格から比べると極めて戦略的な低価格で展開を行なっている。 さらに両社は揃ってWiiタイトルのデモを行ない、コンソールメーカーとしてのブランドイメージの強化を図っていたのが特徴的だった。
非常に安価で提供されているPCタイトルであるが、会場内の別の場所に設けられた代理店による即売ブースでは、両社のタイトルが35元(約510円)均一という破格の安さで提供され、「Command & Conquer 3」などの最新作を中心に完売するなど活況を呈していた。
■ EA、Wii「タイガー・ウッズ PGA TOUR」、「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」などコンシューマタイトルを積極的にPR 出展メーカーでも最大規模を誇るEAブースでは、コンシューマやオンラインのそれぞれの最新タイトルを出展した。中国では正規流通こそしていないものの、コンシューマパブリッシャーとしてもブランドイメージを高めたい同社は、Wii「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」英語版、「タイガー・ウッズ PGA TOUR」、Xbox 360「NBA STREET HOMECOURT」を始め、PCとXbox 360で提供されているタイトルを多数プレイアブル展示した。 「NBA STREET HOMECOURT」は、7月11日に韓国Neowizとの共同開発によるオンライン化が発表されたばかり。同じくNeowizとの共同開発によるオンラインサッカーゲーム「FIFA Online」が韓国語バージョンで出展されており、未出展の「Battlefield Online」と合わせて、EAとNeowizによるPCタイトルのオンラインサービス化の第3作目として今後のサービス展開が注目される。
この他、試遊台の内訳はPC「The Sims Life Stories」、Xbox 360/PC「Need For Speed: Carbon」、PC「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」中文簡体字版、PC「Command & Conquer 3」中文簡体字版、MMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」を出展した。コンソールタイトルを中心に試遊台は軒並み盛況で、上海のユーザーに効果的に訴求できたようだ。
■ EA Mythic開発陣が「Warhammer Online」を積極PR
本作はRvRをメインにした本格派MMORPGで、テーブルトークに由来するファンタジックさと、筋肉隆々の味の濃いキャラクタ達によるブリティッシュユーモア溢れる世界観が特徴だ。 現在北米版で1カ月ほど前からクローズドβテストが進行中。2008年には日本でも展開が予定されるとのことで、今後のニュースが注目される。 今回開示されたバージョンではビジュアル的な真新しさはなかったものの、1グループは6人まで、シナリオモードでのPvPでは30人対30人での戦いが想定され、1サーバーあたりのユーザー数は3,000人程度になることなどディテールが明らかになった。さらにPvEよりもRvRを繰り返す方がより大きな褒賞があるなど、常にユーザー間との戦いを求めていくカラーが鮮明になった。
サービスモデルは北米や欧州では月額課金になるとしているが、アジア地域でのビジネスモデルはパブリッシャーとの協議の上、各地域の実情に即したものとなるとのこと。日本でのパブリッシャーも未定とのことだが、本格派MMORPGを心待ちにしているユーザーには嬉しいニュースとなった。
■ PCタイトルを全面に出したUbisoft
大きくスペースを割いていたのは、UBIの上海スタジオで制作されているPC「Splinter Cell Double Agent」中文簡体字版、「忍者タートルズ」をモチーフにしたPC「TMNT」中文簡体字版、PC「Heros of Might and Magic V: Hammers of Fate」中文簡体字版、PC「ラビッツパーティー」英語版を中心に、試遊台が並べられていた。 ステージではWii版の「ラビッツパーティー」英語版を開発者とユーザーがプレイしながら製品をアピールしていた。PC「ラビッツパーティー」は現在中文簡体字版が開発中とのことだ。 若年以上の幅広い層の男性ユーザーを狙った「Splinter Cell Double Agent」、「TMNT」、「Heros of Might and Magic V: Hammers of Fate」の3作品に加え、ミニゲームを集めたパーティーゲームとして男女全年齢をターゲットにした「ラビットパーティー」を早期からPRすることで、本来男性ばかりをターゲットとしてきた中国向けのマーケット戦略に変化が現れたことを伺わせる。 EAとUBIの北米の2大巨頭によるブース展開は、他の地域と販売戦略こそ異なるものの、市場としての取り組み方の道筋がはっきりと見えてきているからだと取れる。街で10元(約160円)や15元(約240円)といった値段で売られている新作タイトルの海賊版にPCタイトルメーカーが正規流通で対抗していくのは難しさを感じる。
その一方で、物販ブースの売れ行きと合わせて考えると、ユーザーがこの値段なら正規品を選んでもいいという価格にメーカーが流通面でも帳尻を合わせられてきていることに期待感を感じた。
□China Digital Entertainment Expoのホームページ http://www.chinajoy.net/ □Electronic Artsのホームページ http://www.ea.com/ □Ubisoftのホームページ http://www.ubi.com/ □関連情報 「China Digital Entertainment Expo 2007」記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070715/cdeelink.htm (2007年7月15日) [Reported by 三浦尋一]
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