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今回のE3 2007では、Ubisoftのプライベートスイートルームにて、テストプレイさせてもらえる機会を得たのでここにレポートしたいと思う。
■ 「Assassin's Creed」はダークヒーロー、アルタイルの必殺仕事人的暗殺行脚 まずは簡単に「Assassin's Creed」の世界観やコンセプトについて整理しておこう。
プレーヤーの任務はシンプル。与えられた殺しのリストに記載された人物を見つけ出して、殺していくこと。
ゲームプレイを行なうステージは、無数の人が思い思いの生活を送っている、あたかも現実世界のような「生きている街そのもの」。遙か遠方からまで描かれた地形や建物はリアルスケールで描き出されており、まさに街そのものがディスプレイの中に息づいているかのようだ。
プレーヤーはこの雑多な街並みから暗殺のターゲットを探し出さなければならない。プレーヤーにはマップが与えられており、これを開くことで、どこに誰がいるのか……といったおおよその情報は知ることができるようになっている。
移動は、地道に街路を歩いていってもいいが、そこはそれ、主人公アルタイルが持つ、超人的な肉体アクションを駆使することで、建物や壁や柱を縦横無尽に飛び伝いながら、忍者のように高速に移動していくのが、このゲームから得られる最もベーシックなカタルシスとなっている。
■ 走る、飛ぶ、掴む、渡るが半自動で繰り出される爽快感とハイテク感 “はしご”のような見るからに登って下さいと言わんばかりに配置された小道具はもちろんだが、屋根の梁、窓の縁、壁、木々の枝々など、街に配置された建造物の全てに対して掴まったり、登ったり、ジャンプしたりといったアクションをしかけることができるのがこのゲームの特長。
見ているだけで息を飲むようなハラハラとするジャンプアクションの連続は、どんなに操作が難しいのかと思わせるが、これが実際にプレイしてみると簡単。Xbox 360版でいえぱ[A]ボタンが「飛ぶ」に割り当てられており、これを押した状態で方向レバーを入れると、全方位にジャンプアクションの検索をかけているようで、勝手に最適なジャンプ先、掴まり先を見つけて勝手なタイミングで飛んだり掴んでくれたりする。さらに方向キーを別に入れればそこからさらなるジャンプアクションを繰り出す。
お尻がすくみそうな棒切れ1本程度の梁に着地するのも完全に自動で、この梁を全速で走り抜けるのも[A]ボタンを押しっぱなしでOK。あとは方向キーを大ざっぱな方向にいれっぱししておけば忍者のように走り抜けてくれる。 その梁の先端に来てしまっても、ひるむ事なかれ。そのまま先端を飛んでしまえばそこから最適な掴まり先、着地先を見つけてジャンプをしてくれる。 この半自動のアクロバティック走り抜けアクションは、今までありそうでなかった操作系で気持ちがいい。街全体がジャングルジムとしてデザインされているワケだが、そのジャングルジム感をプレーヤーに全く感じさせないというところに「ハイテク」を感じずにはいられない。
なお、「Assassin's Creed」でも、全くの無計画で無謀な走り抜けは、どこにも掴まれず落下してしまうことがある。「プリンス・オブ・ペルシャ」ではそこで死んでしまったりしたわけだが、「Assassin's Creed」では着地寸前に受け身を発動し、かっこよく着地して死ぬことはない。「Assassin's Creed」のアクションは「プリンス・オブ・ペルシャ」のアクションの「拡張」+「死なない」版と表現できるかもしれない。
■ 戦闘はリズムゲーム感覚で!
そこで重要となるのは“隠れる”という要素。もともと、「白昼堂々のステルスアクション」というテーマの本作では、ステージとなる町の各所に様々な「身を潜められるポイント」が用意されている。昨年、センセーションを呼んだ、同じ服装の人間に紛れるというのも1つだが、今回のプレゼンテーションでは、藁を積んだ荷車に飛び込むというアクションが紹介された。あくまでリアリティにこだわった本作ではあるが、ゲーム的なわかりやすい表現が実は幾つも用意されている。実は「飛び込むと隠れられる」ポイントには鳩がとまっているのだ。屋根を飛び歩きながら周りを見回し、鳩の群れが休んでいたら、そこに向かって走り飛ぶといい。鳩がバサバサと飛び上がり、プレーヤーキャラはその先にある隠れポイントに飛び込んで隠れることができるのだ。 さて、そうは言ってもゲームの進行上の都合もあって、敵との戦闘を余儀なくされる場合もある。敵に取り囲まれて完全に逃げ道を塞がれてしまった場合は、戦闘を行なうしかない。
戦闘アクションゲームらしい操作系になっている。Xbox 360版ならば攻撃アクションは[B]ボタン、ガードアクションは右トリガで行なう方式。ここは簡単操作ながらもチャレンジング要素の多いゲーム性になっており、画面内の敵のアクションを見ながら、攻撃ボタンをタイミングよく押していくことで攻撃を命中させられる。うまく行くと相手の攻撃を受け流して刺す、斬る……といったアクションが自動発動する。格闘ゲームや剣術アクションとはまたひと味違った独特な戦闘システムは、なかなか新鮮。複数の敵を相手にした戦闘でのボタン操作は、自然とリズムアクションゲームや音楽ゲームのようにリズミカルなものになる。
■ 「Assassin's Creed」の世界はバーチャルワールド? ステージや暗殺ターゲット数はまだ非公開。現在は3つの都市が作り込まれており、これらが舞台となる予定。
ところで、「Assassin's Creed」では敵キャラクタやNPCを視界に入れてロックすると、プログラムコードのような、文字パーティクルが出現したり、ゲーム画面上のゲージ類、マップ画面が妙にモダンなデザインになっていることに気が付かされる。これには表現のアンバランスさを感じるが、一体どういう事なのだろうか。 「これについては物語を進めるとわかってくる。最後までプレイするとびっくりする結末が待っているよ」(Ubisoft担当者) もしかして「Assassin's Creed」の世界はコンピュータ生成されたバーチャルワールドなのだろうか。そのあたりの謎は是非プレイして確かめて欲しい。 北米での発売は2007年11月を予定。プラットフォームはPS3、Xbox 360、PCの3つでほぼ同時に発売される予定。
発売日は未定としながらも日本での発売も決定したとのこと。日本で全プラットフォーム版が発売されるかは不明。
□Ubisoftのホームページ (2007年7月15日) [Reported by トライゼット西川善司]
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