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基本的なゲームデザインは、SDガンダムのかわいらしい2頭身のガンダムを操作して敵を撃破する非常にシンプルなサードパーソンシューティング。各MSは4種類の武器を持ち、3人称視点で後方から自身のMSを操りながら相手と対戦する。最大4対4でのチームデスマッチと、最大8人までのデスマッチ、ミッション形式のシングルプレイの各モードで楽しめる。 MSは最初に支給される「ザク」から始まり、各セッションの試合結果によって支給されるポイントを集めてガシャポンをして機体を集めたり、レシピに合わせて集めた機体を調合させることでレア機体を獲得できたりと、コレクション要素も豊富に備えている。 現在、ゲーム内で触れられる機体は「機動戦士ガンダム」をはじめ、「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」、「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」、「機動武闘伝 Gガンダム」、「機動戦士 ガンダムSEED」の計8個のタイトルから出演するモビルスーツ(MS)が用意されている。将来的には「機動戦士ガンダム」から「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」まで、アニメ化された計16のタイトルに登場する多くの機体が追加される予定だ。 韓国におけるガンダムの歴史は'80年代までさかのぼる。民放での放送も無く、一部の日本アニメファンやプラモデルを趣味とするユーザーの間でその存在が知られていた。その後プラモデルの贋物(コピー)や関連商品が蔓延する。しかし、通信インフラの強化によるインターネットの一般化や、日本文化開放政策の影響により'90年代後半から2000年前後を境にようやく日本アニメの代表作の1つとして認知されるようになった。 テレビ放映では、'95年に「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」が韓国MBC放送のスペシャル番組として放映されたのを皮切りに、「機動戦士 Gガンダム」から本格的な吹き替え版が放送されるようになる。最近ではCJインターネットが所属するCJグループのアニメ専門ケーブルテレビ局「Tooniverse」で「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」が日本放送終了直後から韓国語吹き替え版が放送され、高い人気を集めている。
本作の展開で韓国で近年ガンダムシリーズに触れたユーザーから、旧来からのユーザーに対してガンダムシリーズのバイブル的な存在になることだろう。韓国および日本での正式サービス日程は未定だが、日本のファンも要注目の「SDガンダムカプセル戦記オンライン」を早速ご紹介する。 ■ MSを調合しレアMSを手にしろ!! コレクター心をくすぐる佳作
ガシャポンのシステムは文字通り、数種類あるガシャポン台からカプセルを引くことで、ランダムにMSを獲得できるシステムだ。各ガシャポン台の中身は公開されており、レア度の高いAランクからCランクまでの6種のMSをランダムで1つ獲得することができる。高ランクのものほど出る確率は低く設定されており、CランクのMSはしばしばダブってしまう。 ガシャポンを引くためにはセッションの結果によって得られるポイントが必要で、ガシャポン台ごとに1回1,200~1,600ポイントを消耗する。シングルプレイやマルチプレイのセッションの結果によって70~150程度のポイントが獲得できるので、大体10~15ゲームに1回程度の割合でガシャポンを引くことができる。 筆者も実際に6、7回ガシャポンを試してみたが、当たったMSはすべてCランクであった。これらがすべて無駄になるかといえばそうではない。MSの「レシピ」を購入し、そのMSを集めることでレアなMSに交換できたり、不要なMS3体でランダムの1体のMSに交換することもできる。 調合では、お目当てのMSが完成する「レシピ式」をポイントを使って購入し、レシピに従って6機の決められた機体を集めることで、レアなMSを獲得することができる。レシピの価格は10,000ポイント以上と高額なため、レシピを獲得したらコツコツとガシャポンをして、時には運に頼りながら機体を集めていくことになるだろう。 機体の獲得には直接関係ないが、レンタル機体も豊富に用意されており、24時間を数百ポイントのレンタル料でプレイすることも可能だ。「機動戦士ガンダム SEED」に登場した「ストライクダガー」のようにサーベルを2本装備した特長的なキャラクタなどを試すことができる。 また、驚くべきことにオープンβテスト中にも関わらず一部に課金サービスが実装されており、獲得経験値やポイントにボーナスのある女性のオペレーターや、MS保管用の拡張ケースが有料で用意されている。課金モデルとしても将来的に300種類を超えるMSを追加するなどコレクション性とアクション性の2本の軸で開発されているといえるだろう。 現在パイロットは顔の見えない2Dのキャラクタを主人公にしている。「シャア」や「アムロ」、「カミーユ」といったパイロットも操作してみたいところだ。パイロットやオペレータなど登場人物も重要な要素であるため、今後の登場が待ち望まれる。
■ ダッシュや必殺技など、SDながら迫力が感じられる格闘バトルが全開
ゲームが始まると前後左右の移動では「ドンドン」とMSが地面を踏み鳴らして歩き、素早く2回方向キーを入れるとブースターを使用しながらダッシュする。スペースキーでも同じくブースターを使用しジャンプ後に一時的に滞空するなど、モビルスーツの動作を忠実に再現している。さらには「Zガンダム」のように可変機体の変形にも対応している。 ただ、通常移動からダッシュへの切り替えの遅さ、後述する自動照準機能によるエイミングの容易さから、ハイレベルなコントロールを伴う戦いは期待できない。その一方でチームメンバーとの協力や地形の利用が重要になると考えられる。 1つのMSにつき使用可能な武器の種類は4種類。MSごとに固定され、1キーはビームサーベルなどの接近攻撃用、2キーはライフルなどの中・長距離用武器、3キーはスナイパーライフルや近距離用のバルカンなど選択したMSのタイプに特化した武器、4キーの必殺攻撃となっている。 実際のゲームでは、ライフル等の中長距離用武器による攻撃が基本となる。武器の射程圏内で敵MSに照準を向けると照準枠が青く光る。光った際に左クリックで攻撃すると、攻撃がヒットする。また、マウスの右クリックを押し続けることで、自動で敵MSに向けて照準が動いていき、エイミングが苦手なユーザーにも配慮された設計となっている。 格闘が得意なタイプや一般タイプのMSの戦闘では、ライフルを撃ちながら距離を縮め、ビームサーベルでトドメを狙うシチュエーションが多かった。ライフルは攻撃力が低いため、「ガンタンク」や「ジムスナイパー」など遠距離型のMSを除けばほとんどの戦闘が近距離での激しいドッグファイトが多かった。 ビームサーベルによる攻撃は強力で、1度攻撃が決まると相手は3撃目まで攻撃を回避できない。攻撃を受けきると地面にダウンし、立ち上がって数秒間が無敵時間として設定されているが、その間に攻撃したキャラクタは上空や周囲を先回りして死角に回ればそのまま撃破に持ち込める。
また、必殺攻撃の発動中はアニメーションがカットインし、その間他のプレーヤーからの攻撃を受けない。通常攻撃をキャンセルして必殺技へ繋げるシチュエーションも多く、敵に囲まれた際の防御用や、1対1での必殺技として活用されている。
■ 2つのシングルプレイモード、3つのマルチプレイモードなど、多彩なゲームモードを用意
ミッションモードでは、一定時間基地を敵から守りぬくミッションと、市街地を走る「ガンタンク」を、ビルの上から「ガンキャノン」の砲撃で援護するものの2種類があり、1人で遊べるシングルプレイモードでありながら、総得点をランキング化するなどオンラインゲームのメリットを活かしたシングルモードとなっている。シングルミッションモードからでもガシャポンに必要なポイントが得られるため、5分間のマルチプレイセッションよりも更にカジュアルに遊びたいユーザーも参加できる。 一方、マルチプレイは、チームデスマッチモードと、Kill数を競う一般対戦モード、そしてランダムモードの3つに大別される。一般対戦モードは個人戦とチーム戦の選択が可能で制限時間内での総撃破数を競う。 チームデスマッチモードでは、敵の撃破を競いつつ各ユーザー同士は6回までしか再出撃できないモードだ。MSの体力は一度削られると回復することができないため、再出撃回数が限られているチームデスマッチモードでは、時には敵陣への切り込みを控えるなど方針を変えなければならない場面も出てくるだろう。 一般対戦モードには通常ルールで対戦するか、アイテム戦にするかを選択できる。アイテム戦はゲームの残り時間の他に「コールゲージ」が存在し、一定時間でコールゲージが満たされると戦艦が空中に登場してアイテムを落としていく。 空中投下されるアイテムは、味方の戦艦から落とされたもののみ得ることができ、自分のブースターゲージやスペシャル攻撃ゲージを増加させる味方のためのアイテムや、敵のブースターゲージや弾丸ゲージを消失させたり、マウスコントロールを逆さにするなどの妨害用のアイテムなどがある。これらを活用することで相手より優位な立場で戦えるわけだ。また、敵の戦艦が落としたアイテムは、「?」の形をした箱で表現されるので、破壊することで敵チームのアイテム獲得を阻止したり、また、敵機の撃破で自軍のコールゲージの上昇速度を高めることができるなど、アイテム戦はかなり戦略的なモードとなっている。 ランダムモードでは、マップやMSまでランダムに設定することも可能で、自分が所持していないMSもプレイすることができる上に、セッション終了後に搭乗したMSに付与される熟練度も多く設定されているため、カジュアルにプレイしたいユーザーの多くはランダムモードを遊んでいた。 明快な操作と優れたコレクション性から幅広い年齢層で楽しめる一作に仕上がっており、韓国でもブランド力のあるガンダムならではのゲーム作りで、お膝元の日本展開が待ち望まれる。NTLが開発し、本作と同じく「Netmarble」で今年の夏にβテストが予定されている「ドラゴンボールオンライン」と合わせて今後の展開に注目したい。
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□BANDAI KOREAのホームページ(韓国語) (2007年7月4日) [Reported by Dong Soo “Luie” Han / 三浦尋一]
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