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5月19日~20日開催
会場:ソウルオリンピックパーク
「SC2」は、新作とはいっても前作「Starcraft」(以下「SC」)の枠組みを継承するもので、見た目は「SC」をそのまま3D化させたRTSという印象だ。ゲームの核となる種族も前作と同じ「Protoss」、「Terran」、「Zerg」の3つ。この点について、Blizzard開発陣によれば、現在の「SC」の3種族による戦いの枠組みの中で、それぞれの種族の特徴を一層際立たせ、種族ごとのゲームプレイをよりユニークなものに仕上げたとのことだ。 公開されたデモムービーでは「Protoss」の新ユニット8体、「Terran」の新ユニット1体が登場した他、「Zerg」を含む各3種族の「SC」からの旧ユニットの新スキルが公開された。以下、特に注釈がない場合は、「Protoss」の新ユニットの紹介となる。 「SC2」における「Protoss」は、他の種族に比べて高コストな分、高性能という特徴に加えて、テレポートを用いた高い機動性が新たにフィーチャーされている。ユニット自身がテレポートするものや、ユニットをテレポートさせるものまで、種族特性を活かした癖のある戦術展開が可能になりそうだ。
本稿では開発陣によるデモプレイムービーから得られた情報を元に、ローコストのユニットから順に「SC2」で初めて登場する新ユニットの特徴や、「SC」からのユニットの新スキルなどを紹介していく。 ■ 「Protoss」、「Terran」、「Zerg」の3種族の戦い。「Protoss」の詳細を公開
「Zealot」が「Marine」を倒して建物を攻撃していると今度は「Terran」の「Siege Tank」が登場。障害物のある地形を利用して「Zealot」に砲門を向ける。「SC」で「Protoss」が最も苦戦したのが「Siege Tank」だ。これに対するのが「Protoss」の新ユニット「Immortal」だ。前作の「Dragoon」を髣髴とさせる「Immortal」は、砲撃を無力化するバリアを展開できる。このバリアで「Siege Tank」の攻撃をほとんど無力化できるのだ。「Immortal」はバリアの他に、画面中をテレポートする「Blink」というスキルも持っており、段差のある高所などにも瞬時に移動できるきわめて機動性の高いユニットだ。 次に「Terran」から唯一のユニットとなる「Ravager」の登場だ。攻撃力こそ小さいものの遠距離攻撃が可能で、背中のロケットを利用して高低差のある地形も移動可能な機動力の高いユニットだ。銃撃に対するバリア効果を持たない「Immortal」のアンチとして効果を発揮するだろう。 次に登場したのは「Protoss」の新ユニット「Phase Prism」。移動型のユニットで周囲の施設の機能を有効にする効果をもつ。「SC」では「Photon Canon」といった防御用オブジェクトやアップグレード施設のほか、施設を維持するために「Pylon」を建造する必要があった。「Phase Prism」は、「Pylon」のユニット版となる。敵側から見ればこれを破壊することで、周りの防御施設を一気に無効化できるために戦闘では真っ先に狙われるオブジェクトとして知られている。「Phase Prism」はこの他に、すでに建造済みの「Pylon」のところにユニットをテレポートさせるスキルも持つ。「SC2」での戦略的にキーとなるユニットになるだろう。 高い移動力と強力な攻撃力が特徴の新ユニット「Stalker」は、防御力が低いのが弱点だが、画面内を次々に瞬間移動ができる「Blink」というスキルを持っており、テレポートと歩行を繰り返すため機動力が非常に高い。このユニットはプレーヤースキルによって運用に大きな差が出るユニットとなるだろう。ユニットの性質としては追撃する場面が最も効果が高そうだが、「Blink」を用いたトリッキーな攻撃をしかけることで、攻撃的な運用も十分に可能だ。「SC2」を上り詰めていくためには是非とも操作に習熟しておきたいユニットだ。
クモ型の新ユニット「Colossus」。「Half-Life2」の「Strider」を連想させる。長い足の多足型のため、高い地形もらくらく乗り越えて移動できる。ムービーでは「Zealot」が盾の役をしながら「Colossus」のレーザーで大量の「Zergling」を虐殺する。すると「Zergling」の新しいスキル「Biling」を発動。このスキルを使うと「Zergling」は緑色に変化し、自爆攻撃が可能となる。ローコストながら「Zealot」や「Colossus」を簡単に破壊できていた。
次に登場した飛行ユニットは「Warp Ray」。「Phoenix」とは逆に、対大型ユニットとして強力なレーザー兵器を備えている。ムービーでは大型ユニット「Battle Cruiser」に一直線に集めたレーザーを発射し、あっさり撃破していた。大型ユニットの他に、建物に対しても効果的にダメージを与えることができる。その一方で、「Marine」や「Mutalisk」のような小さく大量にいるユニットには弱い。前述の「Pheonix」との組み合わせで弱点を補いながら、空中を制圧していくことができるだろう。 最後に紹介するユニットは「Protoss」最強のユニット「Mother Ship」だ。1台しか生産できない上、莫大なコストがかかるが、圧倒的な強さを備えたゲームに終止符を打つための「Protoss」最強のユニットだ。「Mother Ship」の新スキルは3つある。敵艦隊の真ん中にブラックホールを出現させる「Black Hole」は、発動させると黒い影が渦を巻きながら周囲のユニットを飲み込んでいってしまう。 2つ目は「Time Shield」。自分を中心に丸い球体を張り出し、球体のなかのオブジェクトの移動時間が鈍くなる防御用のスキル。「Time Shield」に突っ込んだ弾丸がゆっくりと落ちていってしまうなど、ユニークなスキル。
最後は「Mother Ship」の真下に向かって断続的にレーザーを発する「Planet Cracker」。敵の真上から攻撃するため攻撃を受ける隙は多いものの、巨大な「Mother Ship」が攻撃をものともせずにレーザーを浴びせ倒す姿は今回のムービーで最も迫力のあるシーンの1つだった。ムービーを見る限りHPはかなり多いようで、空中や地上からの激しい攻撃にもまったくひるまない様子が印象的だった。
■ 観戦機能を標準搭載!! 真のプレーヤースキルが試される「SC2」
韓国におけるe-Sportsは、「SC」に端を発し、「Battle.net」のマルチプレイを通じて無数のプロゲーマーを誕生させたことで知られる。中には3,000万を稼ぐスタープレーヤーも生まれたほどだ。 そんな「SC」の継承作である「SC2」は、より繊細なコントロールが要求される新ユニット、より複雑化した相性など、次世代のe-Sportsゲーミングを背負うタイトルだという気概が感じられた。中でもゲームの観戦者が見やすいように、無駄なエフェクトを避けたというBlizzardの開発陣の言葉が忘れられない。
さらに楽しみなのは、詳細は明らかにされなかったものの、テレビでの鑑賞に特化した観戦機能を「SC2」で盛り込むと開発陣は話していることだ。同時にマッチング機能も強化されるとしており、大会やLadderと連動する形でユーザーからの大会へのアクセスがよりシームレスになるなどの新しい機能を期待したい。本作の公開により長らく続いた「SC」によるe-Sportsが、さらに洗練されたものになることを楽しみにしている。 (c)2007 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
□Blizzard Entertainmentのホームページ (2007年5月22日) [Reported by 三浦尋一 / Dong Soo “Luie” Han]
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