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「全世界ベースでは、1,430万本のソフトを出荷し、日本のパブリッシャーの中では、ハードホルダー以外では世界で最大の出荷量となった。日本では580万本出荷し、DS『おしゃれ魔女 ラブ&ベリー』が105万本強を突破したほか、プレイステーション 2『龍が如く2』が50万本強、そして、ベスト版ながら『龍が如く』が50万本販売された」ことなどを好調の理由に挙げた。 今期は、「日本市場は昨年度の好調を維持した形で推移しているとはいえ、みなさんも次世代機における不透明感を感じていると思います。そうしたなかで、セガは2006年以上の計画をしており、それをバックアップするタイトルを用意しています」と今期のプランを明らかにした。今期のソフト販売目標数は全世界で2,800万本の出荷を予定しているという。 「世界的には、海外メーカーがシェアを握っている状態。日本のソフトメーカーとして、それを少しでも取り返したい。目標としている全世界で3,000万本まであと1歩まで近づいてきた」と好調さを引き続きアピールした前田氏は、プラットフォーム別の今半期の戦略についても口にした。 「日本においては、今半期もDSが引き続き市場を牽引すると考えている。『なるほ堂』ブランドには力を入れている。任天堂の『Touch! Generations』シリーズとは内容もプロモーション仕様もできるだけ一線を画すようにやっていきたい。それだけでなく、先日レッド・エンタテインメントの広井さんが発表した『サクラ大戦』の新作をリリース、というような、セガのIP群、あるいはゲームらしいタイトルをDSで投入していく予定」と、今期もDS向けのタイトルに力を入れると宣言した。 Wiiに関しては、「コントローラの新規性だけに頼らない、ゲーム性を兼ね備えたものを作りたい。その1つの例として、皆様から要望の高かった『Nights』をWii版として発売する」と語った。 PS3に関しては、「今回、チュンソフトさんと共同でサウンドノベル最新作を用意した。『中村さんはまさに天才だな』と思っているタイトルです。ほかにも、相当数のタイトルを手がけている。年末から年度末にリリース予定なので、ぜひ期待してください」と続けた。最後に「セガは市場を牽引する自負を持って今後もやっていく」と、前期の好調ぶりに後押しされた力強い発言が目立つ挨拶となった。
■ 「なるほ堂」タイトルは2007年はDSで展開
「知的好奇心研究所 なるほ堂」ブランドは、2005年からセガが取り組んできた、「知りたい」、「学びたい」という知的好奇心を刺激することを狙ったタイトル群。結果的に「PSPというプラットフォームではそれなりに存在感を出すことができたのではないか。2007年については、メインプラットフォームをDSに移し、年間を通じて強力なラインナップを組んでいきたい」ということで、9月までのタイトルがビデオで紹介された。
「音声感情分析器ココロスキャン」は、好きなものを判定する「スキスキ測定器」と、どんなものに興奮するかわかる「コーフン測定器」をデモ。このタイトルは、日本SGIとAGIが共同開発した「感情制御技術 ST(Sensibility Technology) for ニンテンドーDS」を採用したソフト。音声の度合いから心の動きを認識し、判定するというもの。複数の表示されるフレーズを読み上げると、その声から判定が行なわれる。 「ピクトイメージDS」の方は、4人まで楽しめるコミュニケーションゲーム。出されたお題をタッチペンで絵を書いて、残りの3人がお題をあてるというもの。DSダウンロード機能を使えば、最大8人まで同時にプレイができるので、人が集まるときに1本持っていけば、コミュニケーションのネタにもなるだろうというもの。
■ サウンドノベル15周年タイトル「忌火起草(いまびきそう)
「忌火起草」は、同社の代表タイトルである「サウンドノベル」シリーズの最新作。プラットフォームはPS3。そして内容的には既存のどのシリーズとも違う、完全新作として開発されている。2007年秋発売予定で、価格は未定。 とある大学の野草研究会サークルのメンバーの話。「ビジョン」という合法ドラッグを楽しんでしまったことから始まる究極のホラーストーリー。スタッフの布陣は以下のとおり。
シナリオに関しては、北島氏は「金八先生」、牧野氏は「かまいたちの夜」を手がけたスタッフ。これに加えてホラー作家の加藤氏が参加し、「ゲーム史上最恐」を目指して制作された本作。特徴はやはり、セリフ部分は声優によるボイスが当てられていること。「より臨場感があふれていると思います。セリフを聞きながら、同時に心の中を文字で読む快感、同時に複数の人間がしゃべるスピード感など、今までにない体験をしていただけると思います」と中村氏。 既報の「東京ジョイポリス」に新作アトラクションが登場するという連動企画も今夏にスタートする。
■ 試遊できたタイトルをレポート プレゼンテーションのラストは、今半期発売予定のタイトルのラッシュビデオとなった。そこで明らかになったのは、「SEGA AGES 2500」シリーズの動向だ。「Vol.30 ギャラクシーフォースII ~スペシャルエクステンデッドエディション~」が7月26日、「電脳戦機バーチャロン」が今夏、「ファンタシースターI・II・III・IV」が今夏、いずれも2,625円で発売。同シリーズは、「ファンタジーゾーンII DX」までを2007年中に発売するとしている。 また、先日スクリーンショットが公開となったWii「ナイツ」は、「ナイツ~星降る夜の物語~」とタイトルが決定。そして、アーケードのカードガンシューティングゲーム「ゴースト・スカッド」のWiiへの移植が判明。どちらも動画が上映されたうえ、「ゴースト・スカッド」はすでに実機上で動いており、別室で実機によるプレイもできた。「ナイツ」は「Dreams Dreams」が流れる中、華麗に空を飛んでいた。 終了後、別室にてタイトルの試遊が行なわれた。30分(実質20分)程度と非常に短い時間の中で、できる限りタッチできたタイトルについてレポートする。セガ流通を利用するサードパーティタイトルにも少し触れてあるので、今後の参考にしていただければ幸いだ また、PS2「シーマン2~北京原人育成キット~」も今夏に9,240円で発売が予定されているが、ビデオも上映され、試遊機も出展されていたが、都合によりプレイレポートはできなかった。
■ 「忌火起草(いまびきそう)」(PS3)
ストーリーもオリジナルで、「弟切草」や「かまいたちの夜」といったチュンソフトの過去のサウンドノベルとストーリー上の関連はないという。今作は正統派の恐怖を軸に、世界的に評価されるジャパニーズホラーの要素を取り入れた作品。シナリオには、「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」でシナリオに参加した北島行徳氏、怪談作家の加藤一氏が参加している。
キャラクタは男も女も顔が影を落としたように黒く描かれている。いかにもチュンソフトのサウンドノベルという演出だ。黒い顔に時折血走った白目が浮かぶことがあり、たったそれだけなのにはっきりと恐怖の表情を読み取ることができるのが不思議だ。 画面の構成は実写ベースの背景ビジュアルと横組みのテキストのみで、それ以外の情報は一切ない。ゲームの進め方は「弟切草」や「街」と同じように○ボタンでテキストを読み進めていき、選択肢のチョイスでストーリーが分岐する。ビジュアルとテキスト表示で進行するサウンドノベルだが、「忌火起草」のテキストは情景及び心理描写のみであり、セリフはすべて声優のボイスで表現されるのが特徴。主人公たちがどれほど恐怖を感じているかはテキストでは捉えづらいところがあるが、本当に怖がっているかのような迫真の演技により臨場感が圧倒的に高まっている。 ショートストーリー「大学の学食で」では、複数の人物が話をするシーンがあったので実際にヘッドフォンで聴いてみると、声に表情のある声優たちのせいか会話を聞き分けやすい。もし、聞き逃してしまったとしても、方向キー上を入力してバックログを読めば人物のセリフが「」で表示されるようになっているので安心だ。 エピソード「嫌な気配」では、アパートで眠りにつこうとする主人公の背後から黒い影のようなものが動きだし、ヘッドフォンからは不気味で生々しい呼吸音がする。振り返る主人公だが、誰もいないという話。霊の気配や怪異の表現の部分で、サウンドが大きなウェイトを占めているのは間違いない。
ビジュアル面でも、焼けこげた男が這うシーンや不気味なクリーチャーが動きまわり不気味さを増幅させる。男性がトラックにひかれるムービーなど、直接的に痛い映像が増えたという印象を受けた。サウンド面、ビジュアル面ともに進化したサウンドノベルとして理解できるだろう。ストーリーは合法ドラッグ「ビジョン」という麻薬、そして「爪」、「指先」が大きなキーワードになるらしいのだが、明確なストーリはまったくわからない。今後の情報に期待したい。
(C)2007 CHUNSOFT
□「忌火起草」公式サイト
■ 「ぷよぷよ!」(Wii)
キャラクタはアミティやアルルなどシリーズに登場した22名が登場。グラフィックは「ぷよぷよフィーバー」がベースとなっている。これらのキャラクタがステージの間幕におなじみの漫才デモを繰り広げる姿に郷愁を覚えるファンも多いだろう。
通常のボタン操作でも遊べるが、Wiiならではの独自要素として用意されたのが「リモコンぷよぷよ」。この操作方法を一人で遊ぶ場合、Wiiリモコンを2本使い(ヌンチャクは使用しない)、左手に持ったリモコンを傾けることでぷよの移動と落下、右手のリモコンを傾けることでぷよの回転をするという操作が可能。
バトルでは、「ぷよぷよ」、「ぷよぷよ通」、「ぷよぷよフィーバー」といった過去シリーズのルールを選択することができる。また、今回新規加わったバトルは一定時間ごとにフィールドが180度回転し、想定外のぷよが消えてしまう「だいかいてん」や、いつもの4倍の大きさの「ぷよ」が落ちてくる「でかぷよ」。ぷよが水に浮かぶ「すいちゅう」などバリエーション豊かなバトルルールが用意されている。
(C)SEGA
□「ぷよぷよ!」公式サイト
■ 「ゴースト・スカッド」(Wii)
Wii版のグラフィックスは、さすがにアーケード版(基板chihiro)には見劣りがするが、原作のカラーを忠実に移植しているクオリティ。敵兵の挙動や撃たれた際のモーションなど、原作のスピード感はすこしも損なわれていないといえるだろう。
(C)SEGA
■ 「ピクトイメージDS」(DS)
遊び方は、まず出題者が自分のDS画面に表示された「みかん」、「ねこ」、「うみ」、「ガラス」、「いえ」などのキーワードを“イラスト”で表現。描くときに使うペン先は、太さ、色などが複数から選択可能。カラー、描き直しも自由自在。シンプルだが、意外と多彩なタッチで描くことができる。
他のプレーヤーは、そのイラストが何なのかをタッチペンによる文字入力で素早く答える。間違っても罰は特になく、何度でも答えを入力できる。正解したプレーヤーと出題者にはそれぞれポイントが加算されるが、誰も答えられないときは出題者が減点されてしまう。出題者は、1問ごとにシフトしていく持ち回り形式になっている。
「絵心がないから、ちょっと自分には不向きかな」と思われる人も少なくなさそうだが、出題されるキーワードは前述のとおり普遍的なものが多く、お世辞抜きに子供からお年よりまで誰でもすぐになじむことができるはず。「みんなで集まったときに遊ぶゲームが欲しいけど、ありがちな内容だとイマイチ盛り上がらないよなぁ」といった人には迷わずオススメしたい1本だ。8月発売予定で、価格は3,990円。
□「ピクトイメージDS」公式サイト http://pictimage.sega.jp/
■ スパイク「The Elder Scrols IV:OBLIVION」(Xbox 360)
これまでにも本誌で何度か触れられているとおり、本作の魅力は“究極ともいえる自由度の高さ”に尽きる。ストーリーなどの制約を受けることなく己の意思で行動できる。正義を貫くことはもちろん、ただ漠然と生きてもいいし、悪党や魔物として本能のままに暴れることも可能。 通常、こうした自由度の高いRPGは個々のイベントが“広く浅く”なりがちだが、本作においてそれはまったくあてはまらない。ゲームクリアにつながるメインクエストはもちろん、ノン・プレーヤーキャラクタやギルドなどから受けられるサブクエストにいたるまで、一切の手抜かりがない。その膨大なテキスト量は驚くほどで、英語版を目にしたときは「これを完全ローカライズで発売するのは難しいかもしれない」と危惧したほどだ。 本作に期待している数多のゲームファンも、恐らくは「ローカライズの程度」が気にかかっているはず。筆者もご多分にもれず心配していたくちなので、その点について近くにいた担当氏にうかがったところ「細かいサブクエストにいたるまで、テキストは完全に日本語化済み」との回答が得られた。ローカライズによりテキストの表示量が増えたため、グラフィックス処理の軽減に若干時間がかかっているというが、内容についてはまったく心配ないといってよさそうだ。
ゾンビなどの残虐表現についても「CEROレーティングD(17歳以上対象)の範疇に、なんとか収まるはず。英語版とほぼ同じグラフィックス表現でユーザーの方々にプレイしていただけるよう努力している」という。かつてないほどのスケール感と自由度は、ドメスティックなRPGに慣れきった日本のゲームファンの目に、はたしてどう映るのだろうか。英語力がないため、海外版を一足早く楽しんでいたマニア諸氏を羨ましく眺めていた筆者は、7月26日の発売日が待ち遠しくて仕方がない。価格は8,190円。
□「The Elder Scrols IV:OBLIVION」のページ
■ スパイク「HITMAN:Blood Money」(Xbox 360) スキンヘッドの暗殺者「エージェント 47」となり、さまざまな暗殺任務を遂行していくアクションアドベンチャー「HITMAN」シリーズ最新作。「目標をどう始末するか」にフォーカスしたソリッドかつ大胆なゲーム性で、国内外のユーザーから高い支持を得ている。 ローカライズは字幕形式で、音声などは英語版そのまま。配役によっては日本語吹き替えもアリなのだろうが、筆者個人としては、こうしたハードボイルドな作品は字幕形式のほうが雰囲気があって良いのではないかと思う。
本作のツボは、新聞の記事形式で表示される暗殺の顛末。相手にまったく悟られることなく隠密のうちに処理したなら「姿無き暗殺者」、俺を見た奴は全員殺すとばかり殺戮の宴を敢行したなら「残虐無比な殺人鬼」など、さまざまなバリエーションが用意されている。体裁こそ英字新聞だが、見出しやテキストなどの記事内容は、当然すべて日本語化される。7月12日発売予定で、価格は7,140円。CEROレーティングはZ(18歳以上が対象)。
□「HITMAN:Blood Money」のページ
■ インターチャネル・ホロン「マーベル アルティメット アライアンス」(PS3、Wii)
基本システムは俯瞰視点のアクションスタイル。4人1組でチームを編成。プレーヤーが使うキャラクタはボタンひとつでいつでも変更可能。他のキャラクタは自動的に行動し敵を見つけては順次攻撃する。 試遊台でプレイできたのは、スパイダーマン、ウルヴァリン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソーの4人による組み合わせ。担当者によれば、こうしたクロスオーバーはもちろん、ファンタスティック・フォーなどシリーズや劇中でおなじみのキャラクタでチームを編成すると、正式なチーム名がきちんと表示されるという。また、女性キャラクタだけでチームを組むと特殊編成になり攻撃力がアップするといった細かい仕掛けも多数用意されるという。このあたり、アメコミファンにはたまらないフィーチャーといえそう。 ゲームはステージクリア形式。画面隅に表示されるマップは、未踏エリアが赤で表示されるなど、実にわかりやすい。チームに組み込めるキャラクタはゲームを進めるごとに増えていき、ストーリーも他キャラクタのと協力、敵対といったプレーヤーの行動や選択次第でさまざまなパターンに分岐していく。
会場に設置されていたのはPS3版。ボタンの組み合わせによるコンボ、L2ボタンを押しながら他ボタンを同時押しする必殺技など、アクションゲームらしいプレイ感覚が存分に味わえた。ちなみにWii版は、スパイダーマンのウェブ攻撃やキャプテン・アメリカのシールド投擲といった必殺技が、リモコンをそれっぽく動かすことで発動する“なりきりシステム”のようなものが搭載されている。王道アクションとしてジックリ遊びたい人はPS3版が、ごっこ遊び風にノリノリでプレイしたい人はWii版が良さそう。発売日は、Wii版が5月17日、PS3版が6月28日。価格は各7,140円。CEROレーティングはC(12歳以上が対象)。
□「マーベル アルティメット アライアンス」のページ
■ THQジャパン「レミーのおいしいレストラン」(PS2、Wii、DS)
ストーリーは3機種ほぼ共通しているが、据置型のPS2とWii、携帯機のDSでは若干内容が異なるという。ゲームの基本的な流れは、ステージ内にある食材を、主人公のレミーが走り回ってコッソリ回収していくというもの。なぜコッソリ回収するかといえば、ステージとなる厨房にいるシェフ(敵)に見つかると大変なことになるからだ。 筆者がプレイしたDS版では、怒ったシェフが容赦なくトマトをぶつけてきた。ちょこまか走り回って逃げつつ、バケツなどのオブジェクトに潜り込んで“怒りメーター”を下げ、時間の経過とともにほとぼりが冷めたらまた食材を回収しにいくといった具合。 回収した食材は、ステージクリア後に料理を作るミニゲームで使われる。Wiiはリモコン、PS2はアナログスティック、DSはタッチペンで、それぞれ“おままごと”の要領で食材を調理することが可能。各機種専用のミニゲームも用意されており、たとえばDS版なら食材を冷ますとき、マイクに「フーフー」と息を吹きかけるなど、各機種の特徴を活かしたアレンジが施されている。
PS2とWii版は、レミーの滑らかかつ多彩なアクションが最大の特徴。オールドファン向けにいえば「プリンス・オブ・ペルシャ」、近年であれば「トゥーム・レイダー」シリーズ的なアクション性を感じさせる。一方のDS版は、ダウンロードプレイに対応した最大4人まで参加可能なミニゲームなど、バラエティに富んだ内容が特徴。発売は3機種同時で、各8月2日。価格はPS2とWiiが6,090円、DSが5,040円。
□セガのホームページ (2007年5月15日) [Reported by 佐伯憲司/豊臣孝和/福田柵太郎]
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