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【みんなのGOLF 5】
価格:5,980円
発表会ではこれまでのシリーズの歴史を振り返るところからスタート。その後、開発を担当しているSCE JAPANスタジオ、制作2部シニアプロデューサーの池尻大作氏、クラップハンズの開発部チーフプランナーの八木宏之氏、同開発部チーフCGデザイナーの二見圭介氏によるゲームの説明が1時間強じっくりとされた。 ■ 新ショット方式「本格ショット」
今回導入されるショットシステムは「本格ショット」と呼ばれるもので、これまでのゲージとは違い、よりビジュアライズされている。キャラクタが構えた時点で○ボタンを押してスタート。次にハーフスイングでボタンを押すと50%、フルスイングで押すと100%という具合にパワーを決定。ここで“白い輪”が出現しボールに向かい徐々に小さくなっていくので、輪が最も小さくなったタイミングで再度○ボタンを押すとジャストインパクトとなる。 パターについても基本的に同様のシステムとなる。さらにグリーン上では残り距離が5mを切ると、一瞬、パターのスイング中にボールの軌跡予想が表示されるなどのよりプレイしやすい工夫も導入されている。 PLAYSTATION Storeでは「みんなのGOLF 5」の体験版を配信しており、「本格ショット」等を体験できる。従来のショット方式も搭載されているが、うまくショットできた場合は、本格ショットのほうが“飛距離が伸びる”などの利点がある。 なぜ、今回「本格ショット」が採用されることになったのか? その理由は「シリーズが作られ続けた中で操作方法に馴れてしまったことから、デジタルになりすぎてしまった。そのことからものすごいスコアをたたき出せる人が現われてしまった。そういった意味から、ここで一度クリアして、アナログ的な操作方法を導入しようと思った」と八木氏が説明。 池尻氏は初めて「ショット方式を変える」聞いたときは、「驚いた」というが、「『みんなのGOLF 4』はプレイステーション 2での集大成でやりきった感があった。しかし、プレイステーション 3で制作することになり、綺麗になっただけでなくなにか面白いことがなければと考えた。打ち方が変わると言うことだが、説明を聞くと理にかなっていた」ということで、本格ショットが採用となったという。 制作陣の説明によれば「本格ショット」はゴルファーのスウィングに近いと言い、コツとしては「(パワーが) 100%がどこなのか体内時計で憶えて欲しい。そこからボールをしっかり見て打つ。ボールをしっかり見るという点で、実際のゴルフに近い」という。
難しくなったのではと感じる人もいるかもしれない。しかし同社によれば「操作は難しくない。ボタンを3回押すという所はこれまで同様守っている」ということで、基本的な行為そのものはこれまで通りシンプルだが、より実際のゴルフに近い操作感を目指している。すでに体験版が公開されているが、同社によれば「細かい部分は調整している」ということだ。
■ 新コース登場 今回「みんなのGOLF 5」に収録されるコースは6コース。その中から今回は3つのコースが公開された。 ひとつめは、すでに公開されている体験版にも収録されている「あやめヶ原カントリークラブ」。綺麗な池や花が咲き乱れているなど春から初夏をイメージしている。自然物を美しく描くよう気を遣い、苦労の甲斐あって遠くまで綺麗に表現できたという。 ふたつめは「ちゅら海ゴルフリゾート」。海が開けていて気持ちの良いコース。椰子の木なども生えていて、まさに南国といった雰囲気。スクリーンショットだけではわからないが、音楽も沖縄風で、目と耳で南国気分を味わえるようなっている。このコースのテストプレイを行なったプロゴルファーが「まさに沖縄のコースだね」とコメントしたことからもその雰囲気の再現度が伝わってくるようだ。
みっつめがアフリカをイメージしたという「グレートサファリカントリークラブ」。コースにはホロホロ鳥やシマウマ、キリン、象、ライオンなどが歩き回っている。さらには発表会のムービーではラリーカーが側を走っているシーンもあった。アフリカにも実際にゴルフ場があるというが、当然の話だがきちんとしたゴルフ場なのだという。そういった意味で箱のゴルフ場は日本人の我々が抱くアフリカそのもの。ゲームらしいコースに仕上がりそうだ。ちなみに、打ったゴルフボールは動物たちに当たらないのだという。音楽はテンポの良い音楽が採用されていると言うことでこちらも注目だ。 ■ 新キャラクタ登場!! 世界の丸ちゃんも参加決定
池尻氏によれば「『みんなのGOLF 4』で川奈という実際のゴルフコースを収録した。そこで、次のチャレンジとしてプロゴルファーを登場させることにした」という。丸山氏はゲームが好きで、さらに「みんなのGOLF」シリーズもプレイしてきたといった経緯からお願いしたところ、とんとん拍子に決まっていったのだという。 丸山氏のキャラクタ化に当たっては、最近の主流であるモーションキャプチャは一切使わず、カメラを何台も設置し、丸山氏にスウィングや様々なポーズを取ってもらったという。この映像を研究し、ひとつひとつ手付けで制作していったのだという。最も注意したのは丸山氏の最大の特徴である「笑顔」だとか。この笑顔が似ていないといけないということで、「通常は無表情な顔の制作からモデルを作るが、今回は笑顔のモデルから制作した」のだという。また、着ているコスチュームも、ブリジストンの許可を得て正式なユニフォームを再現している。 こうした苦労の甲斐あってか、丸山氏によるテストプレイでは「ショットのタイミングとかアドレスの雰囲気とか似ている」といったコメントが聞かれ、「ぼくですねぇ、そっくり!」と感心することしきりだったとか。 丸山氏は発表会には残念ながら出席できなかったが、ビデオレターでコメントを寄せている。丸山氏は「『みんなのGOLF 5』は相当やりごたえがある。(ショットの感覚が似ているのでゲームだけでプレイしている人より) プロゴルファーはある程度はできると思う」とゲームについて解説。これについて八木氏は「プロが感覚的にうまくできるのは、狙いのひとつ」として嬉しそうだった。 ちなみに丸山氏はキャラクタとして登場するだけではない。なんとキャディとしても登場する。丸山氏によれば、当然のことながら実際にキャディをしたことはないと言うことで、非常に面白い試みだ。プレイしているのもキャディも丸山選手……。丸山氏のテストプレイでは当然プレイするのも丸山選手と言うことで、丸山さんだらけとなったとか。ゴルファー、キャディ共にずっこけてみたり面白い動作もするのだが、これは丸山氏に「ゲームだから」と承諾を得て実現したのだという。
丸山氏は「みんなのGOLF」について、「ゲームをプレイすることで、ラインの読みが上手くなった。皆さんは『また、ウソを言って』というかもしれないが、これは本当で、イメージすることが大切で、ゲームは練習になる」とコメントしていたのが面白かった。 今回紹介された新規キャラクタはコナン、ジャスミン、クリス、ソフィの4名。コナンとジャスミンは最初から使用可能なキャラクタだが、制作陣からのコメントとしては、特にコナンに関する開設が面白かった。 これまで、一番最初に登場する男性キャラクタはどのキャラクタも人気がなく使ってもらえないのだという。そこで今回はこれを克服するため、これまでにないさっぱりした顔で、今風の子に設定することで、人気の獲得を目指したのだとか。 また、今回初登場となるクリスについては可愛らしい容姿に設定することで「女性に使用して欲しい」といった意図があるのだとか。実際、社内のテストでは女性の使用率が高いのだとか。
「みんなのGOLF 5」では、新キャラは15名、キャディは7名登場するという。どのキャラクタもシリーズのイメージを壊さないために、コミカルでカワイイと言うところは踏襲しながらも、着ている服のシワなどは全て立体でおこし、リアルな感触を再現しているという。たとえばスクリーンショットを見ていただけるとわかると思うが、クリスであればセーターの質感にこだわったのだという。
そして、「みんなのGOLF 5」といえば“スズキ”という人も少なくないだろう。実際、今日の発表会でも登場しまくりだった。そのスズキはもちろん今回も登場する。さらに、現在配信中の体験版をダウンロードしておけば、「みんなのGOLF 5」を購入したその日からスズキがプレーヤーキャラクタとして使用可能になるのだという。
なお、当初体験版のダウンロードは5月7日までとなっていたが、6月30日まで期間延長となった。
■ オンラインモード発表。8人まで参加できる「少人数リアル大会」 今回の発表の中で、目玉のひとつがこのオンラインモードの発表だろう。「みんなのGOLF」ではかつて「みんなのGOLF オンライン」が発売され、サービスが行なわれていたが、現在ではすでにサービス終了となっている。同社には「ロビーだけでも残して欲しい」といった声が届けられたと言い、そういった意味でも断腸の思いでサービスを終了させたという。 そして今回、プレイステーション 3というネットワークに強いプラットフォームで制作されることになり、復活させることとなった。池尻氏は「プレイステーション 3は繋げてなんぼ」と言いきり、オンラインモードには力が入っているようだ。それは「サービス料金無料」という意気込みにも表われている。 今回発表されたオンラインのモードでは、「みんなのGOLF オンライン」では100人でトーナメントが行なわれていたが、今回は50人でプレイして1位を決定するモードがあるという。一方で、8人という少人数で楽しめるモード「少人数リアル大会」も用意されている。 この「少人数リアル大会」では、皆同時にコースに出てプレイを開始する。このとき、通常のゴルフのように順番に代わる代わる打つのではなく、皆バラバラに同時にプレイするのだが、各キャラクタは同時に表示されているのがこれまでになく面白いところ。これでなにが起こるのかと言えば、まだフェアウェイにいる人がグリーン上に打とうと思って見ると、チップインバーディを決めている人が見えたとする。すると、明らかにプレッシャーになるだろう。逆にわざと後からプレイして、人の弾道を見ることで風の計算ができるかもしれない。これまでにない様々な駆け引きが生まれるわけだ。 スクリーンショットを見ていただきたいが、みんなが同時にグリーン上でゴルフをプレイしている様はなかなか面白い。それだけでもプレイしてみたくなるモードだ。ちなみに同時にプレイしてはいるが、ボールは干渉しない。あくまでも同時に表示されているにすぎないのだ。 チャットについては、コントローラでも接続したキーボードでも可能となっている。しかし、コースにいる間はプレイに集中して欲しいということで、チャットはできない。ホールとホールの合間のスコア画面でのみ可能となっている。また、長々と話ができるわけではなく、コメントを2度まで入力できる程度となっている。ちなみに、コントローラではコメント入力が面倒くさいと思う人もいるだろう。事前にいくつかコメントを登録しておき、それを一発で入力できるシステムも予定されているという。 もっとチャットも楽しみたいという人のためにも、「みんなのGOLF オンライン」でも人気だったロビーは用意されている。池尻氏によれば、人気が高かったこともあってか、以前のロビーと同じグラフィックスのロビーを意図的に用意したという。もちろんこれ以外にも用意されていると言うが、ファンを大切にしていると言えるだろう。このほかにもキャラクタのモーションや効果音も意図的に残しているのだとか。発表会で公開されたものの中にはジャンプなどこれまでにはないモーションも追加されているのが確認できている。
オンラインモードは基本無料。発売と同時にサービスが開始となる。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ (2007年4月25日) [Reported by 船津稔]
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