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会場:東京・渋谷 club asia P
このイベントはゲーム開発者・関係者をゲストに招き、自由にトークステージを行なうというもの。トークステージは三部に分かれ、一部「AREA51~シザーマンvs.屍人(ゲスト:河野一二三氏、外山圭一郎氏)」、二部「うららvs.ワンダ.featふいんき語り(ゲスト:水口哲也氏、上田文人氏、飯田和敏氏、米山一成氏、麻野一哉氏)、三部「SNAKE vs.ZOMBIE(小島秀夫氏、三上真司氏)」という構成。二部以外はグラスホッパー・マニファクチュアの代表取締役・須田剛一氏がナビゲーターを務めた。
海外産のゲーム映像の高難度さを見ているうちに、登壇者からはホラーゲームの難易度の感覚が話題になった。河野氏からは「ホラーゲームはプレーヤーキャラクタの弱さと、ちゃんとゲームとして成立させるということとのせめぎ合い」、外山氏は「他のゲームに比べて、ホラーゲームだとバランスが読みにくい」とコメントした。
トークショーの中で水口氏は「ゲームがやってきたことは新しい視点の獲得だと思っている。2Dから3Dになったとき、革命的に視点が増えた。新しい視点を持つと人間は意識が変わる」とコメント。上田氏は「ゲームで何を表現するのかというところですけど、私は一定時間で楽しんでもらって終わりというようなものが表現したいと思っています」と語る。
次は、ゲーム化の際に重きを置くところを一言で発表するというコーナー。飯田氏は「戦慄」。麻野氏は「暗黙知」。米山氏は「コウモン」。上田氏は「絵」。上田氏はコメントの中で「絵、とは音も全部含めた絵。最初にこういう絵が作りたいと考えたときに、それはCGとかで再現されるものでなくて、プレー画面の中で生成されるもの。それを表現するためにそれ以外の物(そこにもっていくというためのシチュエーションやストーリー)を作っていくという感じ」。
水口氏は「気持ちイイの量子化。気持ちイイというのは僕の中のテーマだと思う。ゲームはコードに置き換えるわけですが、プログラマーの諸君やサウンドデザイナーの人たちと気持ちイイというのをいかに高めていくか、というのを基本一番大事にしているような気がしている」と発言した。
トークの内容はディレクターとしての苦労話、最近の映画の話、次世代機の話、三上氏と須田氏の「キラー7」作成時の話など多岐に渡った。三上氏は須田氏の印象を質問され、「ベテラン勢とゲームを作ると、驚きがない。須田さんと仕事をすると新鮮な驚きがある」とコメント。小島氏は次世代機の話題に関し、「ゲームはテクノロジー依存だが、現在はハード機に依存という状況なのが少し嫌ですね」とゲームを取り巻く環境について意見を述べた。 須田氏から「ゲームをいつまで作り続けるか?」という問いが投げかけられた。小島氏は「死ぬまで、死んでもバグになって出てくる(笑)」、三上氏は「続くとこまで。でも、僕はキャプチャーも役者さんより動くくらいで現場ではテンションが高すぎるんで…(笑)」と頼もしい答えを返した。 最後に小島氏からは須田氏へ「須田さんは経営者で現場もやられているでしょ? 例えば、現場を1年休んだとしたら、もう戻れないと思いますね。戻れないから細かいお金のかかり方とか分からなくなるから、経営もできなくなると僕は思う。一度現場を離れると、ゲーム作りもゲームプロデュースもできなくなると僕はそう思うんで、僕は今でも現場をやっているんです」と激励(?)。須田氏は「僕も死ぬまで現場にはいたいと思います。ディレクターとしては死んでしまいますよね。売れるゲームを頑張って作りたいと思います」と返答。こうしてすべてのトークイベントは無事終了した。
ナビゲーターの須田氏はゲストたちに配慮して話しを振っていたせいか、グラスホッパー・マニファクチュア関連の話題は少なかった。だが、第一線のゲームクリエーターたちの生の声を聞けるという大変貴重なイベントであることは間違いない。登壇者の一部には少々ほろ酔い気分で参加されている方もおり、リップサービス的な発言が次々と飛び交うというのもこのイベントならではの魅力だろう。今後も継続して開催されることに期待したい。 (C)2007, grasshopper manufacture inc.
□グラスホッパー・マニファクチュアのホームページ (2007年4月17日) [Reported by 福田柵太郎]
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