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会場:ガンホー本社会議室
■ 4月4日スタートのケイブ、6月スタートのガンホーのサービスの違い 今回の発表会は、今年1月に業務提携を行なったガンホー本社にて行なわれた。発表会には、ケイブ代表取締役社長の高野健一氏、ガンホー代表取締役社長森下一喜氏ほか、「女神転生IMAGINE」プロジェクトの各パートの責任者が勢揃いした。
正式サービス後は、現在稼働しているケイブの公式サイトに加えて、ガンホーゲームズ側でも別途プロモーションサイトを設け、どちらからでも同一のゲームサーバーに接続する形で、同質のサービスが受けられるようになる。違いはケイブの「イマジンID」だとダイレクトにCP(仮想通貨)を購入できるのに対し、ガンホーゲームズの「GungHo ID」では、いったんガンホーコインを購入し、それを使ってCPをチャージするところだ。 これを、余ったガンホーコインを他のゲームに利用できるとポジティブに捉えるか、2度手間になるとネガティブに捉えるかはユーザーの利用形態次第だが、いずれにしてもユーザーにとって選択肢が与えられたことは歓迎したい。ただ、今回の両社の提携は、あくまで新規ユーザーの獲得を主眼に置いているため、既存のイマジンIDとGungho IDをひも付けするサービスは行なわない。逆に言うと、βテスターが正式サービスに際し、ガンホーIDに切り替えるような手間も発生しない。 ちなみに「女神転生IMAGINE」そのものの正式サービスは4月4日からスタートするが、ガンホーゲームズでのGungHo IDを使ったユーザー登録は6月スタートとなる。2カ月ずらす理由については、「サーバーの安定性を確認した上で、大型バージョンアップのある6月に開始することが妥当だと判断した」ということだが、ガンホーとしてもチャネル提携が初めてということもあり、両社の思惑に若干の温度差が感じられる。 今後のロードマップとしては、まず3月30日にケイブからスターターパッケージが発売され、4月4日の正式サービス開始に合わせて大規模アップデートが行なわれる。正式サービス開始に際し、キャラクタデータのワイプは行なわないため、現在オープンβテストで遊んでいるユーザーはそのままシームレスに正式サービスに移行できる。また、同日より、新規登録したユーザーを対象に、お試しアイテムセット(内容調整中)を配布し、抽選でPCやグラフィックスカードなどが当たるキャンペーンも実施する。 一方、ガンホー側では、プロモーションサイトの設置を皮切りに、先述したガンホーコインからCPへのチャージの対応、「女神転生IMAGINE」サークルの設置などを順次行なっていく。ガンホーでのユーザー登録は、他のガンホータイトルと同様に正式登録に加えて、メールアドレスのみで登録可能な「簡単登録」があるのが特徴となっている。「女神転生IMAGINE」は基本プレイ無料のタイトルであるため金銭的なメリットはないが、正式登録するのは面倒くさいが、ちょっと試してみたいという場合に便利なサービスだ。 なお、ガンホーゲームズでもサービス開始を記念して、アバターやゲーム内アイテムがプレゼントされるキャンペーンを実施する予定となっている。ガンホーゲームズにコミュニティを持ち、ガンホーコインでの決済を希望するユーザーは、あえて6月まで待つというのも選択肢のひとつだろう。
■ 「エピソードI:デビルバスター編」がスタート。正式サービスに合わせた魅力的な新要素
まず、正式サービス開始時のアップデート内容から見ていくと、「ACT.3 襲撃」、「ACT.4 アズラ」を一気に実装し、「女神」ファンには待望となる「女神転生IMAGINE」のストーリーが本格スタートする。正式サービス開始を機にスタートするストーリーは「エピソードI:デビルバスター編」と名付けられ、流れ者の冒険者がスネークマンと出会い、さまざまなクエストを経て、一人前のデビルバスターに成長する過程が描かれる。 ストーリーの開始に伴い、既存エリア以外の未解放エリアも順次開放していく。具体的にはLAWの街シナガワとCHAOSの街イチガヤの2つの街で、ストーリーの軸としてセツと呼ばれる重要人物が登場するほか、教団(メシア/ガイア)/共同社会関係者なども姿を現し、LAWとCHAOS、そしてNEUTRALが共存する「女神転生」らしい世界観が描かれていく。 ちなみに「女神転生」では欠かせない要素である属性の同作での扱いは、過去のシリーズに比べて比較的ゆるいものになる。具体的には、ギルドのようにいずれかに入会するわけではなく、プレーヤーの行動が結果として、いずれかの属性として反映されるシステムになっている。 従って、MMORPGにありがちな、LAW、CHAOS、NEUTRALの争いをRvR(大規模PvP)として盛り込むことは考えておらず、クラン内でさまざまな属性が混在することも許容している。属性の違いによるゲームプレイ上の変化としては、召喚できる仲魔に違いが生まれ、またLAWの街シナガワやCHAOSの街イチガヤといったエリアでは、プレーヤーの属性によってNPCの対応に変化がでてくるということだ。 さて、ストーリーを展開する上で、目的地となるのが「魔階ダンジョン」である。「魔階ダンジョン」は、プライベートダンジョンになっており、「魔階プレート」を所持した上で「謎の石版」から突入するというシステムになっている。ダンジョンは、パーティーメンバーだけのエリアとなっており、最深部には「守護者」を名乗るボスが潜むという設定だ。今回は、イチガヤ魔階坑道とシブヤ魔階坑道の2つの魔階ダンジョンが公開された。このほかにも、魔階ダンジョンは存在するということだ。 さらに、レベルキャップが45から50まで開放され、20種類の悪魔が追加される。アイテムに関しても、アイテムモールの実装に伴い、新しい武器、防具のほか、一時的に取得経験値やステータスを上昇させるアイテムや、移動速度を速めたり、デスペナルティをなくす便利系アイテムが多数実装される。価格は10~180CP(100~1,800円)としている。 有料の武器、防具に関しては、期間限定のレンタルではなく売り切りとなり、武器に関してはパーティクルエフェクトが付与され、一目でそれとわかる仕様になっている。防具に関しては、過去の「女神転生」シリーズの衣装を再現したものなどが販売される。価格は30~180CP(300~1,800円)としている。
■ 「騎乗システム」、「悪魔コロシアム」など今後のアップデート計画も発表、RMT対策にも一工夫あり
8月には邪教の館のパワーアップ版となる「邪教の館Max」を実装し、3体の悪魔を合体する「三身合体」や、一定の確率で突然変異を起こす「合体事故」といった要素を盛り込んでいく。将来的には、悪魔の魂を武器や防具に封じ込めて強化する「エンチャント」といった機能も実装する予定だという。 そのほかも谷川氏は、「実装時期は未定ですが」と前置きした上で、さまざまな新要素を公開した。かいつまんで紹介していくと、ケルベロスなど特定の悪魔に騎乗してフィールドを移動できる「騎乗システム」、装備品の「修理、改造システム」、発掘されたマテリアルを使った「薬品調合システム」、銃や刀剣の「製造システム」、仲魔同士を戦わせる「悪魔コロシアム」などなど。 最後に紹介されたのは「東京カジノ」構想。もともと「女神転生」シリーズは、アンダーグラウンドな雰囲気を備えた遊びとして「コードブレイカー」という賭博システムを実装していた。基本的なノリはこの延長線上にあり、臨海副都心エリアに実装を予定しているという。その具体的な内容や、カジノ用メダルの入手方法、カジノの報酬などは未定ということだが、非常に楽しみな要素だ。 最後に独自取材で得られたこぼれ話を拾っておくと、「女神転生IMAGINE」では、実に独創的なRMT対策を施している。正確には正式サービスに合わせてシステムの実装を予定しているという。 具体的にはユーザー間でのトレードシステムを常に等価交換のみに限定するというもの。一方的に大量のマッカ(ゲーム内通貨)をトレードすることをシステム的に禁止し、さらにアイテムに関してもゲームに登場するあらゆるアイテムに内部的な値段データを埋め込み、ユーザー間でトレードする際は、その枠内のマッカないしアイテムを支払う必要があるというシステムを採用する。 内部的な値段データは、メーカー側が勝手に設定するわけではなく、日常のユーザーのトレードを集計した上で、1日に1度更新していく。これにより、大量の資産が移動することを規制する考えだ。理論的にはもはやキャラクタをアカウントごと売るしかRMTの余地はないが、買ったキャラクタからマッカを引き出すには、同等価値のアイテムを用意する必要があり、買い手が付かないことが予想される。
もっとも、天井知らずのレアアイテムのトレードや、新アイテム実装直後の大幅な値段変動、自由な値付けのバザーができないことなど、新システム導入による弊害もありそうだが、非常にチャレンジングなシステムであり、軟着陸することを期待したい。
(c)ATLUS
□ケイブのホームページ (2007年3月22日) [Reported by 中村聖司]
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