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会場:メガウェブステーション麻浦区役所店
1月から始まった国内オンライン予選を勝ち抜いた日本代表「E・ROMAN」の4人が日本代表チームとしてソウルに乗り込み、同じく韓国代表チームの「北風連中(1)」と対戦した。4対4と2対2の試合を交互に繰り返し、3勝先取で勝利となる。 集団戦法で弱点を集中的に狙い続けた韓国チームに対し、1対1の戦いに強いバランス型のキャラクタ構成で臨んだ日本チームは、2対2での戦いでは善戦したものの、4対4の試合では防御の薄いポエマーを徹底して狙われ0-3でのストレート負けを喫した。 折しも2月3日は日本の「WYD」正式サービスからちょうど1年。サービスから5年間が経過し、PvPを練りに練りつくした韓国との試合だったが、対人戦に特化したキャラクタでの戦いに慣れていない日本チームとの実力の隔たりは大きかったようだ。
なお、この日は2007年の「WYD」のアップデート予定も公開されたので、開発チームのコメントと共に後半にお伝えする。 ■ 全国から集まった初顔合わせの4人。日本最強チームいざ韓国へ!!
試合当日、羽田空港に集まった「E・ROMAN」の4人の選手たちは、北海道、東京、大阪、九州と日本全国から集まった。前日は深夜まで、大会用に用意されたキャラクタのステータスやスキル振りを行なっていたとしながらも、疲れも見せずに飛行機に乗り込んでいた。韓国到着後はホテルに荷物を置いた後、すぐに会場のPCバンへ移動し、ただちに試合へ向けたセッティングにあたった。 当日の会場はHanbit主催の「WYD」のユーザーイベントが行なわれており、韓国予選の8強の選手たちを含めた「WYD」ユーザーが50人以上集まっていた。メインイベントを飾る日韓頂上決戦と両国選手が紹介されると会場中が沸いた。
日韓戦では1職業1選手、伝神355レベルに設定されており、ビーストマスターは種魔選手、ポエマーはHeilel選手、トランスナイトは水果選手、ハンターはトライトン選手が担当した。
■ 0-3で韓国チームの圧勝!第2試合はあと1撃で惜しくも試合を決められず
大会で設定された伝神355レベルは、レベルキャップが400までの「WYD」では必ずしも最強ではない。韓国チームは瞬間最大火力を重視して、攻撃力や防御力にステータスを大きく特化させたキャラ設定をしたのに対し、日本チームはあくまで1人のキャラクタで完結するバランスを取ったいた。 韓国チームの連携は優れ、攻めはあくまでポエマー狙い、試合開始後すぐにヒールや補助役のポエマーが狙われた。日本チームも1度は相手の一角を崩したものの一定確率で戦闘不能プレーヤーを復活させるリザレクションが決まり、戦局を振り出しに戻されてしまった。Heile選手操るポエマーが倒されると、ハンター、トランスナイトがあっという間に倒されてしまい、防御力のもっとも高いビーストマスター1人きりとなり、第1試合はあっさりと韓国の勝利が決まった。 第2試合は2対2の戦い。トランスナイトとビーストマスター同士での戦いだ。7回倒されるまでは復活できるが、以降倒されると復活できなくなり、こちらも全滅した方が負けとなる。一番の熱い戦いとなったこの試合は、防御力と攻撃力の高い職業同士の戦いで、お互いのプレーヤースキルがぶつかり合い、PvPの魅力が堪能できた試合だった。 攻守の要であるビーストマスターが詠唱スキルのターゲットをいかにかわし、いかにヒットさせるかを競う争いになった。ビーストマスターが常時6、7体の獣を出し両者互角の接戦を演じた。中央にあるオブジェクトの柱を影に、巧みに互いのスキルのターゲットをはずす。お互いのビーストマスター同士が残り1撃のヒットが決まるかどうかで復活不能になるところまで追い込んだが、最後の1ヒットを決めたのは韓国チーム。2対1の戦いに持ち込まれ勝負が決まってしまった。 第3試合は、2試合の結果で敗北が確定したことから日本選手にあきらめるムードも漂ってきた。弱気な選手にチームを引率したGMツトム氏のハッパをかける声も大きくなる。献身的なサポートで選手やユーザー達に信頼されている彼だけに懸命に選手を励ましていた。日本チームはわずかな時間で作戦を組みなおし、韓国チームのポエマーを積極的に狙っていく方針に出た。 しかし、この試合こそ最も韓国チームの戦術が光った試合になった。韓国チームはポエマーが集中して狙われるのがわかると、意図的に大きく下がる行動に出た。日本チームは追い討ちの得意なハンターが動き、ビーストマスターも距離を詰めにかかる。すると飛び出したビーストマスターを残る3人で集中して叩きにかかったのだ。こうして一進一退の攻防の後、1試合目と同じくポエマーのHeilel選手に集中砲火浴びせ、倒すことに成功した韓国チームが一気に切り崩し雌雄を決した。
敵の陣形を乱し、多対1のシチュエーションを巧みに作った動きは熟練していた。ポエマーの補助魔法のフラッシュを受け画面が真っ白になった状態でも韓国チームは動じない。フラッシュを受けた直後から回避行動に移る日本チームの陣形の乱れをきっちりと捉え、終始攻守の筋がぶれることのない貫禄あるゲーム展開だった。
■ 対人戦の幅広い経験の必要性を実感。後発サービス国との格差是正すべき
日本のユーザーにとっては対人戦に特化したキャラクタを育て、さまざまな対人戦の研究がユーザー間でされるまでもう少し時間が必要であると感じた。種魔選手によれば、大会用キャラクタを作成する際のエピソードとして「1回の戦いのためばかりでなく、明日の狩りのためのステータスにも無意識のうちに振ってしまった」と語る。「普段プレイしているキャラクタを使用する国内予選ではレベル差や体力差で押し切るシーンも多かったが、こうしたアドバンテージに驕らないが純粋な対人戦の戦術研究や、思い切ったステータス構成が必要だ」と冷静に振り返った。 また、日韓戦では運営側で用意された伝神355レベルにセッティングされており、1チーム内で職業が被らないように4種類の職業を分担しなければならないなど、初めての経験も多かった。昨年は韓国・台湾・中国での国際試合も行なわれ、日本を除くブラジル、フィリピン、マレーシアといった「WYD」サービス国との国際大会も今後実施を予定しているとのことだ。 予選大会と平行して大会レギュレーションに沿った特設チャンネルを設け、ステータスやスキルを何度も作り直してユーザー間での戦術研究を促進するなど、サービス期間に格差を埋める工夫が今後の展開では必要となってくるだろう。
両国の選手達との交流も含めてイベントの中で試合を振り返る機会が無かったのも残念なところだ。選手間でお互いのプレイに刺激になるような情報交換の機会を設けることが、同作の発展に繋がるのではないだろうか。 ■ 2007年「WYD」開発日程表を公開。300人対300人の戦闘を楽しむ「王国戦システム」を投入
王国戦に勝利した側の所属プレーヤーはドロップ率向上などの恩恵があり、王国祭壇を占領したギルドマスターは国王となる。また、同時に国王の名前と同名のNPCが設置され、その他のユーザーはそのNPCから王国の加入やクエストを貰うことができるようになる。 アイテム面では新規マウントの他に転職専用防具のアップデートが行なわれる。デザインコンセプトは戦闘特化のキャラクタとして攻撃と移動に適したものにしたとのことで、半身にだけ装甲を施したデザインで軽快さを見せている。また、+12の装備を作るためのアイテムの材料を、新規のレイドボスモンスターのドロップするようになる。これにより大人数でのパーティープレイに新たな楽しみを見せていきたい考えだ。 また、傭兵システムの見直しを行ない、攻城戦だけで使用されていたシステムをマウントシステムのようなユーザーと共に成長していく方式にリニューアルされるとのことで、3カ月おきのバランス調整を挟みながらパーティープレイを盛り上げていく方針だ。
日本独自のアップデートでは、「パチンコスロットシステム」が企画されている。昨年韓国では成人向けメダルゲーム機「海物語」をはじめとした遊技機が撤去されるのに平行して、オンラインゲームのコンテンツでも射幸心を煽るとして、カジノやギャンブル機能を制限する動きがあった。韓国の時勢を背景に日本だけに残されたコンテンツだけなのかという質問をしたところ、もともと日本のためだけに企画されたものだということだ。
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□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ (2007年2月5日) [Reported by 三浦尋一]
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