|
会場:ラフォーレミュージアム六本木
■ 細かく描き込まれた世界と、アニメ的な演出によって描かれる“落ちこぼれ勇者”の物語
一方、トカマクは勇者としての能力を認められる。トカマクとも離され、プレーヤーは異世界からの来訪者であり、落ちこぼれ勇者としてこの世界を生きていくことになる。「コンチェルトゲート」は落ちこぼれの勇者候補が、1人の少女のために奏でる物語なのだ。 発表会で流されたアニメーションムービーでは、手をつなぎながらこの世界を訪れる少年と少女、多くの仲間と共に街や雪原、密林を歩む2人、そして天使のような翼をはやし、天に昇っていく少女を寂しげに見送る少年の姿が点描された。このムービーは公式サイトで見ることができる。 ファーレン王国、そしてファンブルグは前作にあたる「クロスゲート」にも登場する。本作は前作の世界観を受け継いだ続編的位置づけになる。今回は明らかにされなかったが、時代設定など両者の関係が気になるところだ。 「コンチェルトゲート」は、「かんたん」、「かわいい」、「奥深い」の3つのキーワードが基本コンセプトになっている。暖かい世界観、かわいらしいキャラクタ、間口の広いシステムを持つ本作は、ゲーム初心者から、コミュニケーションに重点を置くオンラインゲームファンまでを視野に入れた、ほのぼのとした冒険が楽しめる作品を目指しているようだ。 ゲームの世界はキャラクタを3Dグラフィックスで、建物などのオブジェクトを2Dグラフィックスで描き、3D空間に配置するという方式で表現されている。画面はクオータービューとなっていて、カメラの回転はできないが拡大縮小は可能だ。キャラクタのみならず建物も非常に細かく、そして暖かなタッチで描き込まれており、絵本の中の世界のような独特の雰囲気で構築されている。 特にキャラクタのかわいらしさとアバター要素は本作の大きなセールスポイントだ。「コンチェルトゲート」ではプレーヤーキャラクタとして男女各17タイプ、合計で34人のキャラクタが用意されている。キャラクタはツインテールの元気な女の子から、縦ロールのお嬢様、ひげ面の中年男からニヒルな青年など非常に個性豊かだ。 この基本キャラクタをベースに髪の色や肌の色、唇や目の色、髪型などで細かいカスタマイズが可能になっており、さらに身長もスライダーを用いて細かく変化させることができる。身長が高くなるにつれ頭身も上がり、「クロスゲート」とは比べものにならないほど個性がアピールできる。自分のイメージに合わせたキャラクタモデルをとことんまで追求できそうだ。
加えてキャラクタは装備品でその姿を大きく変える。エプロンドレスやおへそが出た活動的な衣装、重装備の鎧など多数のアイテムにきちんと対応しており、服装のコーディネートもとても楽しいものになる。多彩なアイテムと、服装のカスタマイズはMMORPGの大きな魅力だ。本作もコレクション欲も大きく刺激してくれる作品となるだろう。
■ 全モンスターをペットにできたり、プレーヤーが世界に影響をおよぼすなど意欲的なシステムを実装
街の外ではモンスターとの戦闘も体験できた。本作は基本的にフィールドを歩いていると突然始まるランダムエンカウントシステムを採用している。戦闘が開始されると画面が切り替わり、戦闘フィールドに移動する。整列してこちらに武器を向ける敵と、戦闘ポーズを取るキャラクタが対峙し、戦闘が開始される。「ファイナルファンタジー」シリーズなどのコンシューマ向けのRPGではおなじみのスタイルだ。 ゲームの進行はコマンドで行動を選択し、コマンド入力した順にアクションするセミリアルタイムバトル方式。今回の試遊ではいくつかの強力なスキルを使うことができた。巨大な火柱を巻き起こす「ヴォルケーノ」、竜巻を発生させる「ストーム」、レーザーのような直線的な光で敵を攻撃する「気功弾」といったものがあり、それぞれ攻撃範囲が決まっている。 コマンドはメニューから使用するスキルをクリックし、次に敵をクリックすることで完了する。強力なスキルは発動する前に時間がかかった。ユニークに感じたのは敵が攻撃してくるとカウンターで攻撃を返しダメージを与えることができたこと。どうやらパッシブスキルのようで、まったく操作をしなくても発動した。 今回試遊台で体験できたのは移動と簡単な戦闘のみだったが、発表会ではより細かいゲーム要素も明らかになった。フィールドによっては従来のランダムエンカウントだけではなく、モンスターの姿が見えるシンボルエンカウントとなる場所もある。「コンチェルトゲート」は「クロスゲート」同様、パーティーを組むとリーダーが移動を担当し、他のプレーヤーはそれを追跡していく形となる。シンボルエンカウントの場合、いかにモンスターを避けるか、リーダーの操作テクニックが問われることになる。 「コンチェルトゲート」のキャラクタは「戦闘系」、「生産系」、「特殊系」の3つに分類された全15種類の職業が用意される。戦闘系「物理攻撃」と「魔法攻撃」に分かれ、生産系は「一次職人タイプ(採取系)」と「職人タイプ」にわかれる。特殊系はモンスターを仲間にし、“使い魔”として使役したり、踊ることで特殊なスキルを発動するような職業が用意されるという。現時点では職業システムは概要が紹介されたのみで、詳細は明らかにされなかった。特殊系は登場するモンスターを全て仲間にすることが可能とのことで、特に注目したい職業だ。 この他、本作ならではの要素として「テラジェネレーションシステム」が紹介された。「コンチェルトゲート」では生産タイプのスキル「伐採・採掘・狩猟」を行なっているとその影響が地形に反映されるという。例として採掘を行なった場合、どんどん大きな穴が掘られ地面が沈んでいった。実際には変化は徐々に進行し、1カ月くらいで穴になったりするという。フィールドが長いスパンでプレーヤーの手によって変化していくのだ。デモでは反対に大きな山ができる様子も紹介されたが、この場合はどのスキルが影響したのだろうか。採取スキル以外の地形の変化も期待したい。世界が変わったとき、プレーヤー社会はどのように変化するのだろうか。 発表会で強く感じたことは本作の「アニメーション作品」への指向性である。デモムービーだけでなく、センスを前面に押し出した世界のテイスト、キャラクタの姿や装備、そして戦闘の状況にあわせて変化するカメラワークなど、「コンチェルトゲート」はアニメ作品を強く意識しているように感じた。特に戦闘はキャラクタの仕草と派手なエフェクト、カメラワークによって強く感情移入させられる。ゲームを進めていくことで、アニメ作品の登場人物になったかのような感覚を体験できそうだ。
ファンブルグの街もドラゴンの石像や怪しげな魔法商店などバックストーリーを感じさせられる。「落ちこぼれの勇者」が街ではどのような扱いを受けるのか。NPCの反応も楽しみである。もちろん本作のMMORPGとしてのゲーム性も大いに気になる。特に「テラジェネレーションシステム」が世界にどのような影響をおよぼすかに注目したい。早くプレイをしてこの世界を探検してみたいと強く思った。
Published by NHN Japan Corporation
□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年1月24日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|