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★PS3/Xbox360/PCゲームレビュー★

NFSファン歴10年超の筆者が最新作を斬る!!
伝統と実績に裏打ちされたドライビングゲーム

「ニード・フォー・スピード カーボン」



 「ニード・フォー・スピード」(以下NFSと略)シリーズは、ドライビングゲームでは屈指の知名度を得ている人気フランチャイズだ。特に「スポーツ・コンパクト(スポコン)」という市販の車に様々な改造を加えて楽しむ文化を取り入れ、公道レースを題材にした「NFS Underground」シリーズの発売以降は、その売り上げが顕著な物になり、Undergroundシリーズ2作だけで全世界で1,000万本以上の販売本数を叩き出した。

 NFSフランチャイズはドライビングゲームの中でも長い歴史を持ち、第一作目が発売されたのは、EAが3DOプラットフォームを盛んに持ち上げていた'94年に発売された。米国で著名な車雑誌「Road & Track」とタッグを組み、世界中の著名なスポーツカーにゲーム上で乗れることが、ゲーム最大のウリだった。

 それまでのドライビングゲームに出てくる車と言えば、架空のモデルが登場することが当たり前だった「常識」をNFSフランチャイズは覆したことにより、ドライビングゲームファンから支持を得ることに成功した。

 当初はシミュレーター要素が濃かった面があったが、2作目以降はカジュアルなゲームデザインを採用し、スポーツカーを美しいコースで疾走するという純粋なドライブゲームから、パトカーのチェイスをする「Hot Purshit」シリーズ、スポコンを題材にした「Underground」シリーズ、「Hot Purshit」を進化させた「Most Wanted」など、様々なジャンルにチャレンジしている。いまやEAの中でももっとも意欲的なフランチャイズといっていい。

 本作の開発はEA Black Boxが行なっている。このスタジオはもともとBlack Boxという独立系スタジオで、立ち上げ当初はSEGA Dremcast用のスポーツゲームの開発を主に行なっており、日本でも「セガサッカースラム」などのタイトルがリリースされている。2002年にEAに買収されて以降はEAカナダの中でNFSフランチャイズの開発を主に担当している。

ゲームの舞台パルモントシティー 昔の恋人?真相はストーリを進めればわかる プレーヤーは昔の仲間を見捨てたらしい
前作から登場のクロス。警察官とはとても思えない あっさり金で引き下がるクロス。出番はここまで まずはチュートリアル代わりにレースを楽しめる


■ 人気のポリスチェイスは健在、チームメイトと共闘も!!

ドラフターの後を追うと一気に加速!!
ウイングマンへの指示出しはしっかりと練習しよう
最初のチームメイト・ネビルは頼もしい味方だ
 本作「ニード・フォー・スピード カーボン」(以下NFSCと略)は前作「Most Wanted」をベースに、走る爽快感と自分のクルマを「育てる」ゲーム性を追求したNFSフランチャイズの中で最も充実した内容に仕上がっている。

 NFSCのゲームモードはシナリオモードを中核に、すぐにバトルが楽しめるクイックバトル、オンラインに接続して対戦するカスタムマッチ/クイックマッチなど、一通りのゲームモードが用意されている。

 急加速を得られるニトロや画面がスローモーションになり咄嗟の回避が可能になるスピードブレイカーといった機能は前作からそのまま踏襲されている。ニトロはショップで専用パーツを購入しないと発動できないので注意したい。

 レースバトルに警察の介入してくる点も前作と同じだ。NFSCではエリアごとに「ポリスヒート」と呼ばれる警察の警戒度を示すパラメータが新設され、バトルを重ねていると値が上昇する。この数値が高いとエリアを警戒中のパトカーが増え、バトル中に追跡されることが多くなるため、バトル終了後に逃走する事も考えてプレイする必要がある。

 NFSCで新しく追加された要素としては、自分のチームにチームメイトを置くことができるようになった。チームメイトのうち1人をウイングマンとしてバトルに連れて行くことができる。なお、ドリフトやキャニオンデュエルなど一部のレースはプレーヤー単独となる。

 ウイングマンにはライバルカーの進行を妨害するブロッカー、後ろに一定時間ついて行くと加速を得ることができるドラフター、コース中のショートカットを探してくれるスカウトと、3タイプある。

 また、チームメイトは、ポリスヒートを抑えるフィクサー、パーツなどを安く購入できるメカニック、特定パーツをアンロックできるファブリケーターの3つのスキルのうちどれかを持っている。例えば警察の警戒が厳しいエリアでバトルをする時はフィクサースキルを持つメンバーをウイングマンにするなど、状況に応じて選ぶと良いだろう。

 今回チームメイト役として歌手のmelody.を起用しており、ゲームに曲の提供を行なっているほか、ヤマモト・ユミ役でゲームに登場する。かなり奇抜な格好で驚かされるが、ゲームの世界観によくマッチした好演を見せてくれる。

警察に追われた時の対応も最初に学べる メッセンジャーからヒントなども受け取れる チームロゴと名前を決めていよいよゲームスタートだ


■ 峠の走りで魅せろ!新バトル・キャニオンデュエルが追加

 今回新たに峠コースを利用したキャニオンデュエルが追加されている。Undergroundシリーズからおなじみだったドラッグレースは本作では残念ながら用意されていない。パルモントシティで開催されるレースバトルは次の種類が用意されている。

・スプリント
 街中の一部エリアを使い、スタートからゴールまでの2点間でバトルを行なうモード。
 プレーヤーもしくはウイングマンが1位でゴールすれば勝利。
 マシンスペック差がもろに出るバトル。

・ストリート
 街中の一部エリアを周回コースにしてレースを行なうモード。
 プレーヤーもしくはウイングマンが1位でゴールすれば勝利となる。

・チェックポイント
 コースの構成はスプリントと同じだが、チェックポイントが途中に設けられており、制限時間内までにチェックポイントをできるだけ早く通過する必要がある。

・スピードトラップ
 コースの随所に仕掛けられた速度計を猛スピードで駆け抜ける。速度計測の最も高いドライバーが勝利者となる。順位で勝負が決まる訳ではないので注意が必要だ。

・ドリフト
 細かい説明は必要ないだろう。周回コースをいかに連続ドリフトを決めてポイントを稼ぎ出し、ハイスコアを叩き出すことをひたすら追求する。コンボやボーナスゾーンをうまく活用して他のライバルとの差をつけるのがポイント。

・キャニオンデュエル
 峠の下り道を使い、タイマンで追いかけっこする2本勝負のアツいバトル。まず、プレーヤーがライバルカーを追いかける。ライバルカーに近づく程、蓄積ポイントが加算される。2本目はプレーヤーが先行しライバルカーを引き離す。1本目で獲得したポイントがどんどん減って行くのだが、ライバルを引き離せば減り具合が少なくなる。ポイントが無くなる前にゴールすればプレーヤーの勝利となる。

・バトルウォー
 総勢20台の車で競うストリートレースバトル。ウイングマンはつかないため、勝利を得るにはプレーヤーが必ず1位でゴールしなければならない。台数が多いので定められた周回内でトップになるには様々なテクニックを駆使しなければならない。


■ シナリオモードでパルモントシティ全エリアを制覇!!

エリア制覇を目指してバトルをしていこう
スタートは常に最後尾からとなる
フリーラン走行で軽いドライブ気分も味わえる
 シナリオモードは「NFS Underground」シリーズから引き継がれたオープンワールドのシステムを採用したゲームモードだ。プレーヤーは架空の都市「パルモントシティ」の支配権をかけてライバルレースチームとバトルを展開する。

 ストーリーは前作「Most Wanted」から続いているようで、前作より引き続き登場のストリートレーサーの取り締まりに命をかける警察官クロスに追われるところから開始される。逆に言うと前作をプレイしていないプレーヤーにとってはこの冒頭部分は「え?」と思わせるところもあるかもしれない。

 パルモントシティは大きく4つのエリアにわかれ、各エリアにはBUSHIDO、TFK、21stストリート、STACKED DECKの各チームがお互いの勢力を争っている。プレーヤーはこの争いに割って入る形でゲームに参加し全エリアの制覇を目指す。

 各エリアはさらに複数のブロックにわかれており、各ブロックにあるバトルイベントのうち2個所以上を制覇すると、そのブロック支配権が確立される。ゲームはこれを繰り返してエリアの全ブロックを支配すると、エリアをもともと支配していたチームのボスと直接対決を行ない、勝利することによりエリア支配権が確定される。

 各エリアを牛耳るライバルチームを全て倒し、全バトルを制覇することがシナリオモードの最終目標となる。各ブロックに用意されたバトルの種類や成功報酬等はワールドマップを開くことで確認することが可能だ。

 通常バトルをしない場合は、フリーランモードで市内を自由に走り回ることができる。(ただしアンロックされていないエリアには入れない)このモードではライバルチームと偶発的なスプリントレースを行なう、エンカウンターバトルに入ることができる。

 シナリオモードでのバトル順序はプレーヤーの好みで進めることができる。得意なバトルからこなして、得た報酬とアンロックされたパーツを投入してクルマをアップグレードの後に手ごわいバトルにチャレンジして行くパターンがいいだろう。

 警察に追われるとバトル終了後も警察の追跡をうまく撒かない限り次のバトルを始めることができない。運悪く逮捕されると罰金、3回連続逮捕されると乗っている車を没収されてしまうので、度が過ぎる警察とのチェイスには注意したいところだ。

 パトカーは追跡時間の経過に伴い、どんどん増強されてくるため下手に逃げ回るとやがて逮捕されることは目に見えている。セーフハウスにGPSを設定し、一目散に逃げ帰る事を第一に行動した方が良いだろう。

 追跡をうまく逃れるには「バーストブレイカー」をうまく使う。これは街中にあるガソリンスタンドや看板、博物館の恐竜の白骨模型など、様々なオブジェクトを破壊することで追跡してくるパトカーを潰すという荒っぽい逃走方法だ。

 バーストブレイカーの対象物はミニマップ上のアイコンか、ゲーム画面上で赤くマーキングされているため、すぐにわかる。破壊するにはストレートに目標物に突っ込めばOKだ。ド派手な演出で後続のパトカーを巻き込んでくれる。

 そんなこんなでゲームを順調に進めていくとやがて到達する、各エリアのボス戦はなかなかハードだ。プレーヤーとのちょっとした演出後にタイマン勝負に挑むのだが、スプリントレース+キャニオンデュエルという2本立ての戦いになり、集中力の維持が必要不可欠。

 ボス戦の面白いところは画面上にキャラクタの表情が表示される点だ。クルマを追い抜けば悔しそうな顔をするし、こちらがミスを犯すと「ざまあみろ」というような表情をしてくれる。この演出はちょっとした小技ではあるが、バトルを盛り上げるには欠かせないユニークな要素になっている。

なにやらプレーヤーめがけて一団が迫る あっという間に取り囲まれてしまった コイツが最初に対戦するエリア・ボスだ
チームBUSHIDOのボス・ケンジ(通称ケンちゃん) ゲームが進めば新しい仲間も続々登場する ブロックを制覇しエリア覇権を進めよう
警察とのチェイスが終了すると結果が表示される ケンジとの一騎打ちスタート! プレーヤーのミスでケンジ会心の笑み


■ 最強の俺強ェェ~マシンをカスタマイズ!

カーディーラーで新車をゲットしよう
ド派手なチューンを重ねる楽しさはNFSならでは
Autosculptで磨けチューン魂!
 NFSの目玉、チューニングとアップグレードは今回も非常に豊富なラインナップが用意されている。エンジン、トランスミッション、サスペンション、ニトロ、タイヤ、ブレーキ、ターボの各部位をパーツの入手度合によって自由にカスタマイズすることができる。

 また、NFSCでは新しく「Autosculpt」という新しい要素が追加されている。これはホイール、バンパー、スカートなどのクルマの見た目を変える各パーツを調整バーを動かすことで大きさや形などを自由に変形させ搭載することができる機能だ。

 パーツのチューニング、カラー、バイナル、Autosculptを組み合わせることで、完全なオリジナルマシンを組み上げることができる。セーフハウス内のガレージではクルマの撮影を行なえる撮影モードが用意されている。好みカメラ視点で撮影した画像は、NFSの公式サイト「needforspeed.com」にアップロードして楽しむことも可能だ。

 クルマは街にあるカーディーラーで購入することができる。クラスはスタンダード、マッスル、ハイエンドの3種類に分類されており、各クラスは更に3種類のセットが用意されている。スタンダード・セット1が最もコストが低く、ハイエンド・セット3が最も高い。

 車種としてはスタンダードクラスには日本車が多く集まっており、マツダ・RX-7、ニッサン・フェアレディZ、スカイライン、スバル・インプレッサ、三菱・ランサー、トヨタ・スープラなどおなじみのクルマが揃っている。

 マッスルクラスは力強いアメリカ車が主体となっており、ダッジ・バイバー、シボレー・カマロ、コルベット、フォード・マスタングなどいかにも力強そうなクルマが揃う。世界で652台しか生産されていない貴重なプリマス・クーダも登場する。

 クーダといえば海外テレビドラマ「刑事ナッシュ・ブリッジス」でドン・ジョンソン扮する主人公が乗る黄色いクルマと言えばわかる人もいるだろう。ボディカラーを変える事でドラマに登場したクーダ以上の大活躍も実現できるかもしれない。

 ハイエンドクラスはメルセデスベンツ・CLK500、SLRマクラーレン、SL65AMG、ポルシェ・カレラGT、アストン・マーチン、フォード・GTなど欧米高級外車が揃っている。

 クルマの総数は前作と比較するとほとんど変わらないが、スポコン色がより濃いためかトレンドなのかは不明だが日本車勢が増えている点は日本のゲーマーには嬉しいところ。エンジン音も耳に心地よい見事な音を再現している。ぜひヘッドフォンでプレイしてゲームの世界に没頭して欲しい。

各パーツは複数種類用意されている お買い物はネットショッピング感覚でできる クラシックスタイルなマッスル車も登場


■ PC版とXbox 360版、PS3版を比較してみる

 本作は大多数のEAタイトルと同じようにPC、家庭用ゲーム機でマルチプラットフォーム展開されている。中でもPS3、Xbox 360版はハイデフィニション表示に対応しており、HDTVを使うことで最新ゲーム機ならではの高画質環境でゲームを楽しむことができる。

 マルチプラットフォームタイトルにおけるPC版は、何かとオマケ的な要素が強いというか、不遇な扱いをされる場合が多いのだが、NFSCに関して言えばその考え方は当てはまらない。環境が高ければ高いほど、実はPC版が一番NFSCを快適にプレイすることができる点にPCゲームファンは注目しなければならない。

今回はPC、Xbox 360、PS3の各バージョンで簡単な「やり比べ」をしてみた観想を簡単に挙げておく。なおPS3とXbox 360版についてはHDTVに映してプレイした。

 PC版:
 ・必要スペック以上のPCがあれば全プラットフォーム中一番快適にプレイできる
 ・ローディングが高速
 ・グラフィックカードの性能によってはXbox 360/PS3と同じビジュアルを実現できる
 ・EA公式サイト(needforspeed.com)で車やパーツを別途リアルマネーで購入できる

 Xbox 360版:
 ・ビデオゲーム機版の中では一番フレームレートが高く、快適にプレイできる
 ・PS3版に比べてグラフィックにジャギーが目立ちにくく、綺麗に見える
 ・720p(D4)のHD環境まで対応しており、高解像度のビジュアルを楽しめる
 ・Xbox Liveマーケットプレイスで車やパーツを別途リアルマネーで購入できる

 PS3版:
 ・480P(D2)および720P(D4)の解像度に対応
 ・PS3の特徴である1080pに対応していない
 ・車のボディーラインなどに顕著なジャギーが目立つ
 ・Logicoolのハンドルコントローラ GT FORCEシリーズに対応

 ハイスペックPCを持っているならPC版、そうでなければXbox 360版を筆者はオススメしたい。理由はごく簡単で、360版の完成度がビデオゲーム機版の中では最も高く、PC版はハイエンドPCで動かせば360版よりも快適なプレイ環境を得ることができるからだ。

 ちなみに筆者は今回PC版をメインにプレイしているが、PC版はXbox 360有線コントローラとの相性が非常に良かった。振動機能まではサポートしていないがXbox 360版とほぼ同じ操作性を実現することができるため、ぜひこの環境でのプレイをオススメしたい。

 残るPS3版は残念ながら固有アドバンテージがほとんど無い。唯一ハンドルコントローラに標準対応しているが、PS3コントローラ「SIXAXIS」の特徴である傾き検知機能に対応していない。プラットフォーム固有の機能はどんどんサポートして欲しいものだ。

 車とパーツのリアルマネー販売については、オンライン販売に対してEAが積極的な対応をしている証ではあるが、7,800円程度のフルプライスのパッケージソフトを購入した上で、更にいくらかの出費を促されるといささか興をそがれるものがある。

 販売アイテム内容もゲームプレイを続けていればアンロックで入手できるものがあり、本当にお金を払う価値があるものなのか、ファンに対してもう一つレア感を煽るようなラインナップにしてほしかった。

 EAの「いわゆるアイテム販売」はユーザーからの評判は必ずしも芳しいものではなく、ゲームをプレイする楽しさ自体を損ないかねない微妙なラインナップについて、EAタイトルの影響がより大きい欧米ゲームサイトの掲示板ではユーザーの間で議論がされている。


■ 安心して遊べる毎年定番のドライビングゲーム

ジャンプの際はこんな演出で楽しませてくれる
最初のエリア・ダウンタウンを制覇した!
髪型がすごいことになっているユミ・ヤマモト
 NFSCはUndergroundシリーズ以降推進してきた「レース版GTA」の集大成的なタイトルと言える。スポーツコンパクト文化と公道レースをとことん突き詰め、ゲームデザインを練り上げてきた本作に対向できるライバルタイトルは少ない。

 また、ゲーム内の世界観は映画「ワイルドスピード」に代表される米国の若者カルチャーを常にマーケティングして今の地位を築き上げたEAだからこそ作り出せたタイトルだと言っても過言ではない。NFSCの世界にピッタリと合ったサウンドの選曲センスも然りだ。

 ドライビングゲームの枠を大幅に超えてしまっている本作は、ファンのみならずRPGファン、SLGファンにもオススメできるだけの優れたデザイン思想を感じる。これだけの要素をよくまとめ上げれたものだと本当に関心してしまう。

 不満点としては、バトル中のフレームレートが全く安定していない点は真のレースゲームファンからするとかなり厳しい目で見られるに違いない。特に峠でのキャニオンレースなど緊迫した場面でのフレームレート低下はゲームの面白さを不当に落とす。

 このフレームレート低下および一瞬止まるという問題は、「NFS Underground 2」の頃から存在していた。プラットフォームが次世代機に移り純粋にスペックが上がることで解決されるとも思われていたが、内容面も順当に豪華になったせいか本作に至るまで解決されていない。

 一昨年Xbox 360で「NFS Most Wanted」がイベントで発表された時、試遊台の係員は「既にXbox 360のスペックを使い切るほどの高い技術力をこのゲームに投じた」と言っていたのを思い出したが、プレーヤーに快適なレースを楽しませる点に技術力を投じていない以上、決して自慢にはならない。何とか次回作では解消して欲しい切実な問題だ。

 今作から投入されたウイングマンの要素は、あまり効果的に使う機会がないのが惜しいところ。ドライビングゲームはコース上以外は動く事ができず、フライトシムのように大空を自由に行動できないため、使える機会自体があまり無い。

 イベント類が少ないせいか若干ゲームの展開は淡々としているのも寂しいところ。フリーランと突発的なバトルで間に合わせようとしているのかもしれないが、せっかくストーリー性を強くしたのだから、もっと起伏のある展開を見せて欲しかった。

 いくつかの明確な不満点はあるものの、アメリカンカルチャーを忠実にゲームに落とし込んだ本作は必ずプレーヤーを楽しませてくれるだけのポテンシャルを持ち、不満点を我慢してプレイし続けるだけの奥深さを備えている。

 今更ながらに注目したい点としては、ゲーム中に多数登場する実車が破損したり、改造され放題、しかもその題材が警察に追われる違法レースというところだ。これはゲームなんだから当たり前じゃないかと読者の方は思われるかもしれないが、許可を出す自動車メーカー側にしてみると自社製品が事故にあったような姿で描かれたり、違法な事の道具に使われたりする事を極端に嫌がるものだ(たとえばEAの「Burn Out」シリーズには実車が登場しない)。

 現在発売されている実車が登場するゲームの多くが、クラッシュしても傷つかなかったりする事を考えると恐らく実車を多数このゲームに登場させるには法務関連で非常な苦労があったことと推察される。こんな所にもNFSフランチャイズの伝統と血統の良さを感じることができる一作だ。

チームメイト選びもバトル勝利には重要な要素 第二のボス・アンジーはいかにもワイルドで強そうだ しつこいパトカーはバーストブレイカーで撒こう

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【ニード・フォー・スピード カーボン】
  • CPU:Pentium 4 3.0GHz以上
  • HDD:5.3GB以上
  • メモリ:1GB以上
  • ビデオメモリ:256MB以上

□EAのホームページ
http://www.japan.ea.com/
□「ニード・フォー・スピード カーボン」のページ
http://www.japan.ea.com/nfsc/
□関連情報
【12月27日】エレクトロニック・アーツ、「ニード・フォー・スピード カーボン」
峠でのレースを採用。チームバトルでレースに勝て
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061227/nsc.htm
【12月2日】EA、「ニード・フォー・スピード カーボン」
今回は仲間と協力して戦うチームバトル。ラストは峠でバトル!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061202/nfsc.htm
【11月17日】EA、「ニード・フォー・スピード カーボン」
フル3Dのキャニオンレースが遊べる特設サイトを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061117/nfs.htm
【11月11日】エレクトロニック・アーツ、「ニード・フォー・スピード カーボン」
“峠”と“チームバトル”を採用したシリーズ最新作
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061111/nfs.htm
【9月21日】EA、「ニード・フォー・スピード カーボン」
日本人アーティストのmelody.を起用。ゲームキャラクタとしても登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060921/nfs.htm

(2007年1月15日)

[Reported by GameDude]



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