★Wiiゲームレビュー★
Wiiの実力を馴染みあるスポーツで体感する1本
「Wii Sports」 |
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- ジャンル:スポーツ
- 発売元:任天堂株式会社
- 価格:4,800円
- プラットフォーム:Wii
- 発売日:発売中(2006年12月2日)
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Wiiが提示する新感覚といえば、なんと言ってもWiiリモコンの操作に尽きる。Wiiリモコンを振る、突くといった動作でゲームをコントロールする。紹介する本体同時発売タイトル「Wii Sports」は、Wiiリモコンでの操作の魅力、ひいてはWiiの魅力がストレートにわかる1本だ。コントローラというゲームと遊ぶ人を繋ぐ重要なパーツを大胆に変えたWiiの魅力を「Wii Sports」の魅力と共にお伝えしよう。
Wii Sportsというわかりやすいタイトルのとおり、本作はテニス、ベースボール、ボウリング、ゴルフ、ボクシングといった馴染みのあるスポーツを楽しめる。いずれのスポーツでも操作に扱うのはWiiリモコンが基本。ボクシングのみ両手を再現するためヌンチャクを併用する。各スポーツ種目のプレイを個別に紹介していこう。
■ 「テニス」……「ラケットを振る」体感に魅力を絞ったシンプルなダブルス
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システムもさることながら画面もシンプルでわかりやすい。ボールを打つタイミングでWiiリモコンを振るだけでボタンも使わない |
ダブルス形式の簡単なテニス。1人から4人まで同時プレイが可能で、4ポイント獲得で1ゲーム先取、プレイ開始前に1、2、3ゲーム先取の設定ができる。コート内の移動は自動的に行なわれるため、“ラケットを振る”操作をWiiリモコンで行なうことに特化したお手軽なシステムだ。
利き手にリモコンを構えて試合開始。実際のテニスさながらにラケットを振る動作で楽しむ。まずはサーブ。Wiiリモコンを下から上に振るとキャラクタがボールを上にトスする。上に振ったWiiリモコンを振り下ろすとそのままにキャラクタがサーブを打つ。ボールのトスはAボタンでもできるが、雰囲気たっぷりにサーブの動作で打ちたいところ。
レシーブの振り方も本物そのまま。キャラクタから見て右側にきた球は、体の右側でWiiリモコンを後ろから前に振る。逆に左側にきた場合は体の左側だ。キャラクタ選択時に利き手の設定が可能なので、それぞれフォアハンド、バックハンドの姿勢でWiiリモコンを振る。画面のキャラクタはそのままにスイングしてくれる。
ボールを打つタイミングの速い、遅いによって左右方向を打ちわけできるほか、振るときにひねりを加えることでスピンもかかる。また、Wiiリモコンを下から上に振ると、ふわりと高く打ち上げ、上から下に向けて振るとドライブのかかった低く速い弾道になる。自分の動きそのままにキャラクタが動くとは事前知識で知っていても、実際に触るとその細かさに驚くだろう。
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こちらWiiリモコン、中央にあるのがスピーカーだ。ここから出る音が想像以上に効いている |
一言で済ませてしまうと、本物のテニスでラケットをスイングするようにすれば、そのままにゲーム内でボールが打てる。キャラクタの動きとWiiリモコンのスイングの一体感はかなり高いが、それを高めているのは、Wiiリモコン側のスピーカーから発せられる“音”だ。
サーブ時にトスすると「ヒュー」っと球が上がっていく音がし、打つと「パカンッ」という球の音と「ヒュンッ」というラケットが風を切る音が手から聞こえ、ナチュラルな強さの振動も入る。単に音と振動があるばかりでなく、音を出しているWiiリモコンのスピーカーは手とともに動いていることがポイント。Wiiリモコンのスピーカーから耳までの距離が動きにあわせて変化するため、自然とサラウンド効果のついた音に聞こえてくる。
例えば右利きの場合、打ち返した音とラケットの風きり音が、打った瞬間は右横に近い角度から聞こえ、振り切ったときには余韻が左の耳に聞こえる。自分の動きにシンクロしてくれるWiiリモコンの操作もさることながら、筆者はこのギミックと体感の効果に大変驚かされた。
気をつけたいのはWiiリモコンを振るという動作に律儀に反応してくれること。何気なく手首を返したりすると、それだけでスイングしてしまったりすることがある。自分の手にはラケットがあるんだ、ということを意識し、慣れないうちはしっかりと静止するのがよい。また、ぶっちゃけた話をすると、体全体でWiiリモコンをスイングしなくても手首の返しレベルでもスイングできる。だが、前述のようにWiiリモコンスピーカーの音が動く、という体感を得るためにも、できるかぎりそれらしく体を使ってスイングしたい。
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テニスプレイ中のWiiリモコンと腕。左がフォアハンドのスイング、右はサーブ時にボールをトスするために上に振り上げたところだ。ボタンすら使わずに直感的な動かし方で操作できる
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左は対戦中の画面。画面が2分割され、どちらのペアも手前側のコートでプレイできた。右はポイント獲得時のリプレイ
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■ 「ベースボール」……投げる、打つ! の感触にこだわった簡易野球
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投打に操作を絞った簡易なシステムのベースボール。やはりWiiリモコンを振って操作することにポイントを絞っている |
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バッティング時はバットのグリップのようにWiiリモコンを持つ。ボタンは使わない |
最大プレイ人数2人のシンプルな簡易野球だ。表裏を含め回は3回まで、5点差がつくとコールドゲームとなる。守備と走塁は自動的に行なわれるため、“バッティングとピッチングに特化したプレイ”になる。Wiiリモコンをピッチング時にはボールに(もちろんWiiリモコンは投げない)、バッティング時にはバットに見立てる。
まずはバッティングから。胸の前あたりにボタン面が体に向くようにしてまっすぐWiiリモコンを持つ。その状態がバットを垂直に構える格好になる。Wiiリモコンを動かすと画面のバットも合わせて動く。メジャーリーガーのようにボールがくるまでバットの先をクルクル回したりといったことも自由自在。
ピッチャーの投げたボールにタイミングをあわせてWiiリモコンを胸から前に振るだけだ。スイングの角度や高さも打球に関係しているようだが、タイミングが最も重要になる。ボールがピッチャーの側から手元に伸びてくるタイミングを捉えるのは少々慣れが必要なので、スイング後にタイミングの遅い、速い、少し遅い、少し速い、といったフォロー文が表示される。
ここでもテニスの項で書いたように、Wiiリモコンから出る音が一体感をアップさせている。「ブンッ」というバットの風きり音がスイングに合わせて左右に流れ、ボールを芯で打てたときは「カキーンッ」と爽快な音がする。バッティングの気持ちよさがシンプルに感じられる。ちなみに走塁は守備が完全に終わったあとにコマを進めるように行なわれる。打球の質や守備にかかった時間などでアウトかセーフか、そして進塁数の判定がされているようだ。
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Wiiリモコンから聞こえるスイングの風きり音、会心の当たりをしたときの「カキーンッ」という音、そしてホームラン。気持ちいい |
続いてはピッチング。投げるほうの手でWiiリモコンを持ち、ボールを投げるように振る。キャラクタは基本的に上投げで投げるが、Wiiリモコンを振れば投球になるので、下投げでも横投げのフォームでもよい。Wiiリモコンの十字ボタンの左右で外角と内角の操作ができ、上下ボタンは中心に戻す操作になる。Aボタンを押しながら投げるとカーブ、Bボタンでシュート、AとBを押しながらでフォークを投げる。
ポイントになるのはWiiリモコンを振りぬく速さで、これがそのままボールの速さになる。ストレートであればゆっくり振ると100~120km前後だが、速く振りぬくと150km前後になった。こちらもWiiリモコンから「シューンッ」というようなボールが飛んでいく音がする。腕を振りぬいた自分の体に遠心力の負荷も加わり体感は抜群にいい。むしろ力んでプレイして肩を痛めないようお気をつけ頂きたい。また、必ずストラップを手首につけて固定するというルールを守ってほしい。
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こちらはピッチング画面。WiiリモコンのA、Bボタン、さらに同時押しでカーブ、シュート、フォークを投げられる。Wiiリモコンを振る腕の速さがそのまま球速になるのも本当にボールを投げる感覚に近い。右は打たれた後の守備だが、守備と走塁はオートで行なわれる |
■ 「ボウリング」……Wiiリモコンを“ひねる”ことでスピンも可能なことに驚き
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Wiiリモコンをボウリングの球にみたてて、アンダースローで投げる、ボールから指を離すまでが体感できる。Wiiリモコンをひねる動作を加えてスピンもかけられる |
10フレームのフルプレイが楽しめるボウリング。最大4人プレイが可能で、投球が交代制になっているので、Wiiリモコン1つで4人プレイできるのが嬉しい。
胸の前でWiiリモコンを構え、Bボタンを押したまま体の後ろに持っていき、もう一度振り子のように前に腕を振り戻しつつBボタンを離す。ようするに本当のボウリングで球を投げるフォームをWiiリモコンでする。Wiiリモコンを球に見立てて球から指を放すタイミングでBボタンを離すのだが、ボタンを離すタイミングが速いと投球ミスになり操作のヒントが表示される。反対に遅い場合は球が上に飛んでレーンにゴトンッと落ちて飛んでいく。
投球前には十字ボタンの左右で立ち位置を調節、Aボタンを押してモードを切り替えることで角度も変えられる。Wiiリモコンをスイングする速さが投球のスピードに反映されるほか、手首をひねりながらボタンを離すことでスピンがかかり球が曲がる。ルールは全てボウリングそのまま。簡単なものではあるが、本当のボウリング場で遊んでいるように、周囲で他人がプレイしている様子が見え音も聞こえてくるなど、細かな演出が嬉しい。Wiiリモコンからは「シュッ」という腕を振った音が出る。
Wiiリモコンをひねるというギミックが加わっており、ボウリングが持つゲーム性をストレートに楽しめる。ちなみに筆者は本当のボウリングをすると、まっすぐ投げているつもりでも球が左に曲がりがちなのだが、Wii Sportsのボウリングでもその癖がそのままに現われて驚かされた。シンプルに手軽にボウリングを楽しめるが、投球フォームの反映は本格的だ。
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こちらボーリングでの腕の振り。Wiiリモコン背面のBボタンを押して投球モーションに入り、画面のキャラクタに合わせるように腕をアンダースローに振って、下にきたときにBボタンを離すと球を指から放す。テニスやベースボールと比べると少し複雑かもしれないが、慣れるのにあまり時間が掛からずわかりやすい
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投球前に十字ボタンで立ち位置を、Aボタンを押してモードを変えると角度を変更できる。自分の体を使って投球するので、結果も不規則になる。それゆえ、狙い通りにストライクやスペアが取れたときの喜びが大きい |
■ 「ゴルフ」……本当のゴルフの難しさ、もどかしい面白さを垣間見れる
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Wiiリモコンを仮想ゴルフクラブとして扱うゴルフ。スイングの強弱などで画面にある縦長のパワーメーターが増減する |
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Wiiリモコンの側面でゴルフボールを打つようにスイングする |
ゴルフはコースが全9ホール用意されていて、3ホールずつ初級、中級、上級とコース難易度が分かれている。使用するクラブはドライバー、アイアン、ウェッジ、パターの4本。システム面は手軽さを重視した簡易なものながら、Wiiリモコンでスイングするというリアルな体験ができる。
Wiiリモコンをゴルフクラブのグリップに見立てた「ゴルフクラブを振る」という体感がポイント。体は他のスポーツ同様に、ゴルフのスイングそのままに動かす。Wiiコントローラをまっすぐ下に持ち、後ろに振りかぶったあと、下方向に円を描いて振りぬく。取扱説明書にもあるのだが、Wiiリモコンの側面でボールを打つような感覚だ。
ショット時にはパワーメーター表示があり、腕の振りぬきやスイングの速さなどで強弱がつく。パワーメーターがオーバーしてしまうと、ミスショットになって球があらぬ方向に曲がったりしてしまう。この感覚がとても絶妙で、力むとすぐにオーバーするが、リラックスしたスイングで振りぬくとナイスショットが出やすい。ラフやバンカーに入ってしまうとこのパワーメーターが短くなり、スイングの力加減はさらに難しくなる。
使用するクラブは4本と少ないものの、体を使った強弱で距離を調節できるので遊びやすくかつ、適度に難しい。ゴルフスイングそのものな感覚と妙が楽しめる。グリーン上でのパターショットも同様にパッティングのスイングをするが、やはり力加減が難しく面白い。ちなみに手首だけでスイングすると力加減が狂いがち。腕ごと動かすしっかりとしたゴルフスイングのほうがよいだろう。
ゴルフでも注目したいポイントはWiiリモコンからの音だ。素振りをしたときに「フォンッ」という風きり音がスイングに沿って前後に動きながら聞こえるのは非常にユニークな感覚。打ったときの「スパッ」や「パシンッ」といった打音も気持ちがいい。擬似的なものとは言え、従来のゲームパッド操作の何倍も豊かに「打った」という感覚を得られる。ちなみにラウンド中はナイスショットに歓声と拍手が起こり、パットもカップインしそうになると「オォ~ッ」とギャラリーの声が挙がる。演出もしっかりしている。
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左はバンカーショット。パワーメーターが一段階まで縮み力加減が難しい。右はパッティング、振り子のようにWiiリモコンを小さく振るが、微妙な加減が難しく、上手くなるまでもどかしく、それが楽しい |
■ 「ボクシング」……自分の手でパンチし、そしてガードする。対戦が熱い!
唯一の格闘技であり、Wiiリモコンとヌンチャクを併用するボクシング。それぞれが右手、左手の役割になる。1分3ラウンド制の試合が楽しめる。最大2人の対戦プレイが可能だが、対戦プレイの場合はWiiリモコンとヌンチャクが2セット必要になる。
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Wiiリモコンとヌンチャクを使い両手のグローブを動かす |
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ボクシングプレイ中の構え。ファイティングポーズそのまま、ハチの字にリモコンとヌンチャクを構える |
パンチの動作はそのまま。Wiiリモコンやヌンチャクを前に突き出すと、連動してキャラクタがパンチを放つ。立てた状態で突き出すと相手の顔に、寝かせた状態で突くとボディにパンチを打つ。取扱説明書にもあるこれら基本のパンチ以外にも、巻き込むようにパンチスイングすることでフックになったり、下から上に突き上げるように振るとアッパーになったりとパンチのバリエーションが様々あるようだ。
プレイ中はWiiリモコンとヌンチャクの角度がそのままグローブの動きになり、自在に動かせる。グローブでのガードも相手のパンチに合わせて自在に行なう。また、手前に体を引いてパンチを避ける「スウェー」は、Wiiリモコンとヌンチャクを引く。横に体を倒してパンチを避ける「ウィービング」は、スウェーと同じようにWiiリモコンとヌンチャクを横に傾ける。体ごと傾けると自然と避ける動作になるのが一体感もあって面白い。
やはりボクシングも、Wiiリモコンから出るパンチ音やヒット音が気持ちいい。シュッシュッというパンチ音が突き出す手から聞こえる。さらに、ヒット時に「バシッ」、クリーンヒット時に「バシーンッ」、カウンターヒットや出会いがしらなど最大のヒットをすると「グワシャーン」といったような爽快感を高めてくれる音が出る。ここに強弱のある振動も加わるためプレイ感は豊かだ。スウェーやウィービングですれすれに相手のパンチを避けると、一瞬画面がスローモーションになる。このときに素早く反応する、もしくは狙いすましていればカウンターパンチを叩き込める。ワイワイとパンチの応酬を楽しむ気軽なプレイはもちろん、テクニカルな奥深い楽しみ方もできそうだ。
レフェリーが自分に向けて出している声はWiiリモコンから、双方に対しての声はテレビからといったように音の出どころを細かく使い分けているのも面白い。自分がダウンしたときのカウントはWiiリモコンから、対戦相手がダウンしているときはテレビからといった具合だ。2人対戦時には互いのWiiリモコンから、シチュエーションによってテレビからになる。細かなところではあるが、より自分に近いところから音声が聞こえるのは大きく体感に影響している。KO勝利が決まった瞬間の「ノックアウト!」の声もWiiリモコンから大きく再生され、盛り上げてくれる。
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角度が自在なほかパンチのバリエーションもそこそこにあるので、見た目以上にゲーム性は高い。Wiiリモコンから流れるパンチのヒット音、画面のエフェクト、レフリーの声が気分を盛り上げてくれる。右は2人対戦画面。体を動かすことも手伝ってテンションの高い試合になることうけあい |
■ どんどん増えるMii、体力測定で出される恐怖の「Wii Sports体力年齢」など、遊びも多彩
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各種目で使用するMiiを選択。Wii本体に保存されているMiiのほか、ゲスト用に用意されたMii、さらにWiiリモコンに保存してあるMiiも使用できる |
紹介してきた各スポーツは、Wiiの本体機能のひとつである「Mii」をキャラクタに使う。「Mii」とは本体の「似顔絵チャンネル」で作成するもので、目、鼻、まゆなどの顔のパーツを組み合わせたり調節したりで男女の多彩なキャラクタを作り出せる。
このMiiをWii Sportsの使用キャラクタに使う。Wii Sportsを作成したMiiでプレイすると各種目ごとに熟練度という値が加わる。プレイ回数や結果で増減するようで、この熟練度にあわせてCPUの難易度も変化しているようだ。そのため、家族など複数人数で1台のWiiを扱うなら各個人で自分のMiiを決めるのがいい。自分で自分のMiiを作るのももちろんいいが、お互いに作りあうのも楽しくオススメだ。また、プレイ中はプレーヤーとして指定したMii以外も、ベースボールのチームメイトなど随所に保存されたMiiが登場する。ゲーム性が変化するわけではないが、よく知る人のMiiが参加しているのはちょっと面白い。
自分や家族のMiiを作るのはもちろん、「Wiiばんごう」で登録したWiiフレンドとネットワークを介してMiiを送りあえる。また、「似顔絵パレード」にはWiiユーザーの公開設定されたMiiが自分のWiiに登場し、これも本体に保存できる。MiiはWiiリモコンにも保存でき、Wiiリモコンごと持ち運ぶことができる。Wiiリモコンを持ち寄って友人の家で自分のMiiを使うこともできる。
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左が保存されているMiiが集まる「似顔絵広場」、ここのMiiは全てWii Sportsで使用できるほか、それぞれのMiiに熟練度などのデータが保存される。右は公開設定されている他人のMiiが遊びにくる「似顔絵パレード」。画面はまだ一人と寂しいが、浸透すると大行軍になるのではないだろうか。このMiiも自分の似顔絵広場に保存できる |
最後はトレーニングと体力測定を紹介しよう。トレーニングには種目ごとに複数のゲームが収録されていて、各種目の練習になる内容。プレイすることで新しいゲームが遊べるようになる。ユニークなルールが多いうえ、うまくプレイできると、金、銀、胴のメダルが与えられるなど、シンプルながら遊びがいがある。一人での練習や、複数人数での趣向を変えた遊びができる。
体力測定は、トレーニングモードのゲームから3つを使って、「バランス」、「スタミナ」、「スピード」のカテゴリを測定する。体力測定用のゲームはトレーニングモードを遊んでゲームが追加されると、体力測定にも追加されるようだ。Mii一人に対して、1日1回測定ができるモードで、測定後には「Wii Sports体力年齢」が表示される。20歳以上の大人を基準としているようで、最低年齢が20歳になる。体力測定の結果は、Wii本体メニューの「Wii伝言板」に貼りだされる。前回からの体力年齢の推移や測定の合計数などを見られる。
筆者も早速初日に挑戦したところ「40歳」という本来の年齢を考えると危機的な結果を頂き、翌日、翌々日と奮闘したところ「36歳」、「28歳」となんとか面目を保て結果を出せた。ちなみに右腕は本稿を書くに辺りたくさんプレイしたことも合わさって筋肉痛だ。「Wii Sports体力年齢」は課題の結果だけで決まっているわけではないように感じた。プレイ中のWiiリモコンの操作スピードや、プレイ中の減退などからも算出しているのかもしれない。
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体力測定の結果には「Wii Sports体力年齢」という、日頃、運動不足を感じている人は測るのが恐ろしくなる年齢が表示される。Mii1体につき1日1回だけプレイ可能だ。右はWii伝言板に貼られるレポート |
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トレーニングモードのゲームにはユニークなものが多く、単純な練習以上に遊べる。左は91ピンを倒すというボーリングのゲーム。倒してみたいという欲求にかられた人はプレイするべし |
■ 操作の体感もさることながら、“Wiiリモコンからの動く音”に驚き
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長時間プレイすると登場する「そろそろ休けいしましょう。」画面。本当に体力を使うので無理をしないようお気をつけ頂きたい |
現実に存在し、知名度の高いスポーツの数々をWiiで楽しむ「Wii Sports」。テニスやベースボール、ボウリングなど、全てではないにしろ、誰もが1つぐらいは慣れ親しんだことがありそうなスポーツが収録されている。経験のあるスポーツなら、体をどう動かせばいいのか、ある程度の知識があるわけで、それをほぼそのまま「Wii Sports」のプレイ動作にできることに驚くはずだ。Wiiリモコンによるこれまでのゲーム機にない体を使った操作感の魅力を伝えるのに、これほどわかりやすく気軽に触れられる題材はないだろう。
各スポーツは、手軽さを重視して簡易なシステムになっているが、Wiiリモコンの操作は細かでリアルだ。筆者が驚いたのは、本稿中でも多く書いてきた「Wiiリモコンからの音」。体の動きに連動してスピーカーの位置が動くという、原始的だが最も一体感のある方法で音が動いて聞こえる。一体感や臨場感を一歩も二歩も高めている。
いずれのスポーツも2人または4人までのプレイが可能で、複数人数で楽しむのにうってつけ。スポーツという題材のわかりやすさはWiiに初めて触れる、もしくは普段ゲームをしない人でもすんなり遊べる。1人でプレイするという面ではさすがにちょっと浅さも感じるものの、体力測定やトレーニング、Miiの熟練度の向上に挑戦するなど楽しみ方が用意されているのが嬉しい。本体と共に購入しておいて損のない1本だ。
(C)2006 Nintendo
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「Wii」のページ
http://www.nintendo.co.jp/wii/
□関連情報
「Wii」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/revolink.htm
(2007年1月11日)
[Reported by 山村智美]
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