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NHN、「アミーゴ・アミーガ」のオープンβを1月中旬より開始
中村光一プロデュースのクリエイティビティ満載のMMORPG

1月中旬オープンβテスト開始予定

利用料金:無料(アイテム課金を予定)



 2007年が幕を開けた。今年も前年以上のオンラインゲームがリリースされることが予想されるが、中でも水面下で高い注目と多くの期待を集めているタイトルがNHN Japanの「アミーゴ・アミーガ」だ。同作は12月13日に予定通りトライアルテストを終え、1月中旬開始予定のオープンβテストに向けて現在開発を進めている。正式サービスは、1月末から2月初旬を予定。NHNらしいスピーディーな展開となる。

 「アミーゴ・アミーガ」は、いまや珍しくなくなった純国産のMMORPGであり、開発はドワンゴを母体としたオンラインゲーム開発会社ゲームズアリーナが担当し、チュンソフトが企画、監修を行なっている。ディレクターは元ドワンゴで「ストラガーデン」等の開発に携わってきたゲームズアリーナの山口尚氏が担当し、プロデューサーはチュンソフトの代表取締役社長の中村光一氏が務めている。

 パブリッシャーは大手オンラインゲームパブリッシャーのNHN Japan。同社は、昨年「ファミスタオンライン」や「メテオスオンライン」など、日本オリジナルタイトルのパブリッシング事業を本格的にスタートさせ、オンラインゲーム市場を大いに盛り上げてくれたメーカーである。12月27日には、国産MMORPGの主要通信ライブラリMPS(MassplayerSystem)の開発元であるマルチタームを完全子会社化。2007年も引き続き国産タイトルを増やしていく方針を明らかにしたばかりだ。

 「アミーゴ・アミーガ」は、そうしたNHN Japanのラインナップの中でも最有力タイトルと目される今年期待のMMORPGだ。本稿では、取材を経て判明した「アミーゴ・アミーガ」の魅力をご紹介していきたい。


■ 「アミーゴ・アミーガ」の随所に散りばめられた中村光一イズム

かっきりとした絵が特徴的なグラフィックス。各キャラの後ろにいるのがアミーガたちだ
とにかくアミーガのインパクトが強いゲーム画面。人とアミーゴが織りなすカオスな雰囲気が、際だった個性を演出している
テント型アミーガのイメージ
 「アミーゴ・アミーガ」の最大の特徴は、ゲーム世界のあらゆるオブジェクトが、生き物として扱われ、ユーザーは一定の条件を満たすことにより、アミーゴ(友達)として仲間にできるという度はずれたゲームデザインにある。

 その原点は、チュンソフトのオンラインゲーム第1弾となるゲームキューブ向けネットワーク対応RPG「ホームランド」にあり、主人公自身が用いる変身アイテム“マスコット”に変わる、新しいキャラクタシステムが“アミーゴ”と考えるとわかりやすいかもしれない。

 アミーゴは、イス、ベンチ、看板、モップなどあらゆるオブジェクトが対象で、山口氏によればその総数は500種類以上だという。常時はフィールドに静止オブジェクトとして鎮座し、自分の主が現われるのを静かに待っている。アミーゴを仲間にするには、一定の条件を満たす必要があるが、その“条件”は同作における謎解きそのものであり、プレーヤー自ら試行錯誤を繰り返して見つけ出す必要がある。代表的な例としては、アミーゴが好む“キラキラ”を持っていること、あとはレベル、クエスト、職業などさまざまな条件が付加される。

 プレーヤーが条件を満たした状態で近づくと、静止オブジェクトが突如として活性化してアミーゴとなり、飛び跳ねたり、うねうね動いたりしてプレーヤーに話しかけてくれる。このアミーゴの活性化の演出は、サーバー側ではなくクライアント側で処理されるため、他のパーティーメンバーにはそれを見ることができない。自分だけに反応してくれるという演出が、アミーゴを見つけた時のうれしさを何倍にも増幅させてくれる。

 アミーゴは仲間にして一緒に戦うだけでなく、家やテント型のアミーゴはフィールド上に配置して居住することができ、内部にイスや机といった家具型アミーゴを配置することもできる。ちなみにテント型アミーゴは、内部でHPの回復が行なえるだけでなく、他のユーザーも呼び入れることができる。さらに、テントアミーゴ設置後は、どこからでも瞬時にテントまで戻れるというスペシャルな機能が付いている。また、生産に関しては、アミーゴごとに得意分野があり、採取、合成、分解という3つの生産プロセスを手伝わせることができる。

 このアミーゴシステムに関して、フィールド上の静止オブジェクトを“ペット”として仲間に入れるのではなく、あくまで“お友達”として会話という1対1のコミュニケーションを経て仲間に迎え入れるようにしたのは、中村光一氏の発案と言うことで、中村氏はそのほかにも極力シンプルにしたメニューデザインや、各アミーゴの扱いなどについて、アドバイスを与えているという。

 特にアミーゴに対する中村氏のこだわりについては、いくつかおもしろいエピソードを伺ったのだが、ストーリー上のネタバレになるため、ここでふれることは控えたい。逆に言えば、同作にはそれだけストーリーと謎解きの楽しみがあるMMORPGということでもある。アミーゴのアイデアに関しては、機会があれば中村氏ご本人に、直接伺ってみたいところだ。

【アミーゴ】
最上段のモッピー、チェルシー、キャンの3体は初期アミーゴとして好きなものを1体選択できる。いずれのアミーゴもかわいらしい。どれもこれも欲しくなるが連れ歩けるのは1体まで。悩ましい選択だ

【ファイター】
【レンジャー】
【マジシャン】
自分のキャラクタは、3つの職業から選択することができる。それぞれ固有の戦闘スキルを持ち、

【テントアミーゴ】
MMORPGにおける“家”に相当するのがテントアミーゴ。これをフィールドに設置することで、冒険中の休憩スペースとして利用できる。ダンジョンから戻るポータルとしても機能するため、取得できるのはゲームがある程度進んだ後になりそうだ


■ 生産システムはすべてスロットゲームに。将来的にはデュエルやオークションなども

パーティーで移動するだけでユニークな光景が広がる
バトルはエンカウント方式。パーティーメンバーとモンスターだけがいる専用フィールドで雌雄を決する
 「アミーゴ・アミーガ」の基本ストーリーは、モノに命が宿る不思議な大陸「ティエラ」を舞台に、ひとりの冒険者とその冒険者に発見されたアミーゴが協力して、アミーゴの命の恩人であるナゼットさんを探すという筋書きになっている。

 ナゼットさんを見つけるとクリア、というわけではなく、実際にはストーリーを消化していくことで新たな事実が判明し、世界を覆う大きな存在も次第に明らかになる。この存在を倒すとクリアとなるかどうかは現時点では不明だが、通常のRPGと同様にわかりやすい敵が存在するMMORPGになるのは間違いなさそうだ。

 バトルシステムは、「ストラガーデン」と同様にエンカウント方式を採用し、好きなアミーゴと二人一組で戦うことができる。スキルを組み合わせることでコンボが発生し、敵に大ダメージを与えることができる。他のプレーヤーとパーティーを組むことで最大10コラボまで繋げることができるようだ。

 生産システムに関しては、すべて「スロットゲーム」で当たり外れを決めるという割り切ったシステムを採用している。採取は採掘、伐採、収穫、釣りの4種類があり、採取で得た素材を合成することで新たなアイテムを生み出すことができ、逆に分解でアイテムから素材を抽出することができる。「アミーゴ・アミーガ」では、これらの成功失敗、クオリティの設定をすべてスロットゲームで決める。

 スロットの“当選確率”は、ベースとなるスキル値と、サポートさせるアミーゴの能力で決まる。あとは運次第で、採取に必要なアイテムさえ所持していれば連続して回すこともできる。非常にシンプルでわかりやすいシステムだ。合成は、素材作製、武器作製、防具作製の3つのスキルがあり、分解にも固有のスキルが設定されている。中には分解でしか手に入らないアイテムや、将来的には有料アイテムの分解も可能になるようだ。

 最後に1月末から2月初旬にかけて予定されている正式サービス以降のアップデート計画についてまとめておきたい。まず、有料アイテムについては、経験値アップアイテムや攻撃・防御力アップアイテムなどブースト系のアイテムのほか、武器、防具、消費系アイテム、合成用素材などの販売を予定しているという。肝心のアミーゴについては、有料販売するつもりはないということで、週に1回程度の頻度で新しいアミーゴを実装していく方針だという。

 正式サービス後は、徐々にメインストーリーに絡んだシナリオクエストが実装されるほか、定期的に新コンテンツも盛り込まれる。現時点での構想としては、闘技場でのデュエルシステム、インスタンスダンジョンシステム、オークションシステムなど。これらはいずれも春以降の実装を予定しているという。この記事を読んで気になった読者は、まもなくスタートするオープンβテストに参加してみてはいかがだろうか。

【生産システム】
成功失敗がスロットでわかるユニークな生産システム。シンプルでわかりやすいのはいいが、インタラクティブ性が低いため、飽きられる恐れがありそうだ

(C) 2006 CHUNSOFT / DWANGO/ Games Arena

□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□ゲームズアリーナのページ
http://www.gamesarena.co.jp/
□チュンソフトのページ
http://www.chunsoft.co.jp/
□「ハンゲーム」のページ
http://www.hangame.co.jp/
□「アミーゴ・アミーガ」のページ
http://amigo-amiga.jp/
□関連情報
【2006年11月24日】NHNJ、「アミーゴ・アミーガ」のトライアルテスターを募集
チュンソフト初のMMORPG、本誌枠は500名
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061124/amigo.htm

(2007年1月5日)

[Reported by 中村聖司]



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