|
会場:お茶の水ビジネスセンター
月額課金制だった「グラナド・エスパダ」は、12月19日15時をもって利用料金を無料化し、課金ユーザーに支援アイテムを配布などの補償を行なうと共に、過去にプレイをしていたユーザーや、初心者を対象にしたキャンペーンを開始した。2007年1月19日には、政治システムや決闘システム、より強力なキャラクタを育成可能な覚醒システムなどを盛り込んだ「GE2.0」を実装。さらにアイテムモールを実装し、アイテム課金制のMMORPGとして生まれ変わることになる。
■ アイテム課金制に移行に伴う、多くのプレーヤーを対象にした補償を実施
概要を説明した後に平田氏は既存ユーザーの補償について説明を行なった。「グラナド・エスパダ」は30日、60日、90日、180日といったプレイチケットを販売する形で運営を行なっていたが、12月19日15時においてこの課金を停止し、この日からの残りの日数に応じた「はんびっとコイン(アイテムを購入できるポイントで計算式は日数×100ポイント)」を12月20日に一括支給する。 さらに現在プレイを続けているプレーヤーに対しては全キャラクタに装備可能な大きな羽「エスペランサ勲章」、所持しているだけですべての能力値が15%アップする「リバイバー」が一個ずつ進呈される(効果期間12月19日~2007年1月19日)。この他にも様々なアイテムが入っている「ベレムの箱」が20個プレゼントされる。これらの特別アイテムは12月19日に支給される。アイテムはプレーヤーの最高レベルのキャラクタが所属している家門で、複数のサーバーに同レベルのキャラクタがいる場合、家門に所属するキャラクタの合計レベルが高い家門に自動的に支給される。 補償は課金を停止していたユーザーにも行なわれる。課金を停止しているプレーヤーには本日以降、最初にログインしたワールドにいるキャラクタに「リバイバー」が1つ支給される。現在、サーバー統合を経て自分のキャラクタがどのサーバーにいるかわからないプレーヤーのために、公式ページでは、ゲームにログインせずに自分のキャラクタの情報を確認できるサービスを実施している。 この他にも新規にアカウントを取得してプレイするユーザーに対しては初回にログインしたキャラクタに対してアイテムを詰め合わせにした「初心者応援セット(クイーンズ豆腐× 10、クイーンズミルク×100、クイーンズブレッド×100、クイーンズヒュガノイドアンバー×10、クイーンズカストロアンバー×5、ハット×1、など)」が贈られる。こちらの実施期間も12月19日~2007年1月19日だ。また、公認ネットカフェから接続するユーザーに対しては攻撃力と移動速度が10%アップする「エスペランサの加護」が付与される。 さらにこれからパッケージを買う人、パッケージを買ってチケットを使用していないユーザーに対しては、スターターキットを購入したユーザーには3,000はんびっとコインが、プレミアムパッケージのユーザーには4,000はんびっとコインが新しい特典となる。この特典の補償期間は12月19日より1年間となる。
プレーヤーにより快適なゲーム環境を提供するために、、「不正対策ツールの強化」を行なっていくこともアナウンスされた。「Xtrap」という新しいセキュリティソフトが導入され、不正プログラム使用者を監視するという。HUEはこのソフトにより不正プログラム使用者をリアルタイムで監視し、使用者に対して多様な制裁プログラムを運営していく。
定額制からアイテム課金に移行するタイトルは増加傾向にあるが、これだけの厚い補償を行ない、大きくアピールするメーカーは少ない。この姿勢は、HUEが既存ユーザーに対して“ゲームを続けるモチベーションを維持してもらいたい”という想いのあらわれだとも思える。補償が今後実装されるであろう課金アイテムの試用という側面があるところも注目したい。基本無料による新規ユーザーの増加と、「GE2.0」によって大きく変わっていくゲーム世界に対して、ユーザー達がどんな社会を構築しゲームを楽しんでいくか、期待したいところだ。
■ 政治システム、覚醒システムなどをより大きな目標を提示する「GE2.0」
また、中級者向けに「セニーザダンジョン」と「リオンダンジョン」の2つのダンジョンが実装される。このダンジョンはモンスターの再出現が早く、狩りにぴったりな場所となるという。この他にも、専用のレシピを入手し、更に材料を集めることで装備アイテムを制作できる「アイテム製造システム」が導入される。 リボルドウェにいるレンジャー「ブルーニ」、同じくリボルドウェにいる「イェガネー」、オーシュにいる「グルトルテ」の3人がプレーヤーキャラクタとして使用可能になる。プレーヤーキャラクタのバリエーションが増えるのはファンにとって特にうれしい要素だろう。加えて、フィールドに宝箱が配置されたり、キャラクタの総レベルに応じてボーナスが得られる「家門レベル」が追加されたり、一時的に削除されていたインスタンスミッションが復活したりと様々な変更が行なわれる。 2007年1月19日に実装される「GE2.0」のポイントを説明したのはHUE「グラナド・エスパダ」チームディレクターの片野健氏。このアップデートでいよいよ開発当初からアナウンスされていた「政治システム」が導入されることになる。 政治システムの第一弾として実装されるのは、「大規模PvP(RvR)」である。プレーヤーは「共和派」か「王党派」のどちらかに所属して敵対勢力と激しく争うことになる。中立の「傭兵団」を選択することも可能で、傭兵はどちらかの勢力に雇われることで勢力争いに参加することができる。各マップに配置されたコロニーは、この派閥戦の影響を受ける。また、派閥は選挙によって「代表(仮名)」を選ぶことが可能になるという。 代表は徴税による利益が生じるなどのメリットがあり、税率の調整も可能になるという。現在はその他の要素は明らかになっていないが、代表を目指すプレーヤーはキャラクタの強さだけを求めるだけでなく、“政治的手腕”を試されることにもなりそうだ。 従来のデュエルとは異なる、お互いの承諾の上で初めて成立する「決闘システム」も導入される。敗者になったプレーヤーには経験値減少のペナルティーがある。相手が決闘を承諾しないのに強引に攻撃を加えることで攻撃したプレーヤーの家門は「ブルロン」となる。決闘の勝者には名誉が得られるとのことだが、ルール的な効果は現時点ではアナウンスされていない。決闘システムはブルロンを生み出すシステム、という側面も大きそうだ。 ブルロンとなった家門のキャラクタには頭上に赤いドクロのマークが浮かび、他プレーヤーからはモンスター同様に無条件で攻撃されてしまう。ブルロンには段階があり、一般プレーヤーを倒し続けることで、メリットとデメリットのあるブルロン専用のBuffがより強力になっていく。モンスターを倒したり、他のブルロンを倒すことで、ブルロンの段階は減少していくという。ブルロン状態でしか行くことのできない「ロス・トルドス」という街や、専用のクエストなども用意されるとのことで、ブルロンに興味を持つプレーヤーも多そうだ。 上級プレーヤー向けに、より強力なキャラクタに育成させる「覚醒システム」が導入される。現在のキャラクタのレベルキャップは100だが、キャラクタを“覚醒”させることで、さらに能力を高めることができる。覚醒後のキャラクタは段階に応じて好きなステータスを1ポイントずつ向上させることが可能だ。さらにいくつかの条件を満たすことで「上位スタンス」を使用することも可能になる。槍と盾を使う「ステブガード」や銃剣を使う「エンカウンターショット」など様々な上位スタンスが登場するという。 新地域も更に追加される。「タブカル平原」の他、地下のダンジョンなども予定されているという。今回“イメージ”として従来の3倍以上の広さを持つ世界地図が公開された。新地域は上級者向けだけではなく、幅広い層に向けたものになるという。 今回の発表会では、上位スタンス、政治システムなどの“詳細”は明らかにされなかった。韓国では本日より「GE2.0」が、12月21日よりアイテム販売がスタートする。販売されるアイテムはステータスアップなど消費アイテムが中心という。日本でのアイテムのラインナップは未定だが、価格的にも品揃え的にも変えていくことを検討しているという。新要素の詳細なども含めて、今後の情報の公開に期待したい。政治システムに関してはスタート時点では各勢力への運営側からの干渉は行なわないが、どのようになっていくかは運営側も興味を持っているとのこと。こちらも韓国の状況によって変化が生じる可能性があるだろう。 韓国のMMORPGはコンテンツの充実を計っていく中で、RvRの要素を強めていく作品が多い。今回「GE2.0」で提示された政治システムは、他の作品で実現している要素の追従という印象を持った。大規模戦は非常に魅力的であるが、その戦いの果てに何があるのか、“次の段階”を指し示す作品は現在のところまだ見えてこない。“政治”という言葉は、司法や立法など、より濃密で複雑なプレーヤー社会を期待させてくれる。今後の「グラナド・エスパダ」が何を提示してくれるか注目していきたいと思う。
今回、V1.96と「GE2.0」の新要素を紹介したムービーを紹介したい。韓国語版であるが、「カトヴィック雪原」や大規模レイド、対立する2つ勢力の代表者や、新スタンスによる戦いなど内容の濃いムービーになっている。下記リンクよりダウンロードして視聴していただきたい。
(C)2003-2006 IMC Games Co.,Ltd./ Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.
□ハンビットユビキタスエンターテインメントのホームページ (2006年12月19日) [Reported by 勝田哲也]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|