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会場:六本木アカデミーヒルズ
■ 魔物達が闊歩する架空の三国鼎立時代を舞台としたMMORPG「三國志 Online」
本作の大きな特徴は、コーエーのシンガポール開発拠点で制作されているという点だ。シンガポールは国としてエンターテインメントコンテンツ制作をバックアップしており、外国企業の誘致が盛んだ。コーエーもシンガポールの経済開発庁からの誘致に応える形で制作スタジオを設立した。他にもルーカスフィルムなどが制作スタジオを設立している。シンガポールは国内だけでなく、マレーシアや、タイ、インドといった外国の開発者も集まってくる地理的な優位性を持っているという。 発表会で最初に挨拶に立ったのは、コーエー代表取締役執行役員社長COOの小松清志氏。氏は、「コーエーはシンガポールに2004年に開発スタジオを設立しました。それ以来、経済開発庁をはじめとしたシンガポール政府から多大な支援をいただきまして、ようやく私達の成果をお披露目することができました。世界で一番競争力が激しいという評価も受けているシンガポールでこの作品を作り、発表できることを非常にうれしく思っています」と発表を祝した。 続いて壇上に上がったのは、シンガポール経済開発庁日本部門代表電子産業担当局長 リム スウイ ニエン氏。「『三國志 Online』はシンガポールのスタジオが1から開発したものです。我々としても開発に貢献できたことは非常にうれしいく思っています」と挨拶した。 「三國志 Online」プロデューサー 上野彰三氏は、ゲームの具体的な説明と、デモプレイを行なった。ゲームのイメージを表現したデモムービーでは、3Dで再現された古代中国の街をキャラクタが駆け抜け、自身の数倍もある大きさの牛の頭を持った魔物と戦う場面が描かれた。更にムービーは多数の人々が城壁を張り巡らした城に突撃し、城前で軍隊が入り乱れて争う場面へ。突然、押し寄せた兵士達のど真ん中に突然巨大な白い虎が現われ、兵士達を木の葉の様に吹っ飛ばした。それを見た攻撃軍の軍師が手を天に掲げると巨大な竜が現われ、白虎に襲いかかった……。残念ながら撮影不可だったためお見せできないが、非常に迫力のあるムービーだった。 デモプレイでは、キャラクタ作成に始まり、のどかな「荊州」の小村、多くの商人が立っているにぎやかな「長安」といった街を歩き、続いて不気味な石の柱が立ち並ぶオープンフィールドのダンジョン「石林」が紹介された。その後牛頭の魔獣とのバトル、数十人のキャラクタが激しくぶつかり合う場面を見ることができた。 イベントの最後にはコーエーの専務執行役員ソフトウエア事業部長 杉山芳樹氏が登壇し、「コーエーはネットワークゲームの発展に貢献し、韓国や台湾、中国といったアジア地域を中心に積極的に海外にも展開しています。今後は北米や欧州にも展開したいと思っています。『三國志 Online』は今までのコーエーの技術の集大成として、コーエーの『三國志』ならではの作品になりました。みなさんに楽しんでいただくと共に、歴史観なども体感してもらいたいと思います」と語った。
■ 武将や聖獣、攻城兵器入り乱れる大規模バトルが最大の特徴
本作の世界観は牛頭の魔物や巨大な白虎、大サソリなども登場する中国風ファンタジー世界とも言えるものに仕上がっている。「年代」という概念はなく、時代を問わない形で三国志の英雄達が登場するという。プレーヤーは荊州の小村からスタートし、成長することで長安や成都といった大きな街へ徐々に行動範囲を広げていく。その過程で仕える武将、所属する国家を選択していく。 本作のキャラクタは「職業」という概念に縛られないフレキシブルな成長システムを採用しており、「攻撃」、「防御」、「妖術」など6つの戦闘技能を育てていくことでキャラクタの個性が表現される。さらに7系統の生産技能、5系統の採取能力が用意されており、これを育てていくことで武器や防具など、キャラクタが使用できるアイテムを製造できるようになる。 今回提示されたのは、武器や装備によってキャラクタの戦闘の特性が変化していくという要素だ。片手に武器を持ち、盾を持つと防御能力が高い“盾役”に、両手武器を持たせると敵を弱体化し、味方を強化する“サポート役”に、錫杖のような「練丹武器」を装備すると回復役になれる。ある決められた職業になり、特化するというよりも武器に関連づけられた技能を伸ばすことでマルチな力を持った冒険者になることができるという。 パーティーによって回復役がいないようだったら、装備を練丹武器にすれば回復役になることができる。このシステムの細かい仕様については明らかにされなかったが、単純なレベル制でもなく、スキル制というわけでもない独自のシステムを構築中だという。 戦闘ではフィールド上の敵とシームレスに戦える「オープンバトル方式」を採用しており、弓使いが敵を引きつけ、盾役で食い止める、といった戦略的な戦いが可能だ。徒党(パーティー)は最大5人、複数の徒党が協力する連合(アライアンス)も可能となっている。ダンジョンでのボス戦や、複数の徒党が戦うRvRではパーティーメンバーのみならず、徒党の連携も重要となってくるだろう。 RvRでは数百人のプレーヤーが激しくぶつかり合う戦場を想定しているという。投石機など巨大な攻城兵器を複数のプレーヤーが協力することで作ることが可能になっている。これらの兵器は戦場で組み立て操作することになる。使うことができれば高い効果を発揮するという。さらにあらかじめダンジョンで「聖獣の欠片」を集めておき、複数のプレーヤーで使うことができれば、強力な“聖獣”を召喚し、戦場に天変地異を巻き起こすことができる。 戦いで大きな鍵を握るのが“武将”の存在だ。上野氏は「『信長の野望Online』は国に所属して戦っていましたが、『三國志 Online』はお気に入りの武将に仕える、という形になります」と語る。武将との親密度が上がれば彼らを戦場にお助けキャラとして招聘することもできる。彼らは非常に頼もしい味方になってくれそうだ。
発表会はゲームの概要が提示されたのみで、細かい部分に関しては、明らかになるのはこれからという印象だった。デモプレイの1つとして紹介されたRvRに関しては突撃したキャラクタが、基本的には1vs1で足を止めて手で持った武器で斬り合うという、韓国産MMORPGの様なスタイルで、三国志の“大軍同士のぶつかり合い”、という雰囲気というにはまだまだ演出面で弱いかなと感じられた。現在の所、プレーヤーは1人の兵士として戦闘に参加するとのことだが、やはり武将として、兵を率いて戦いたい。クローズドβテストまで1カ月というこの期間での提示としてはもう少し具体的な部分を見せてもらいたいとも感じた。クローズドβテストのスタートまでにさらなる情報の提示に期待したい。
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□コーエーのホームページ (2006年12月7日) [Reported by 勝田哲也]
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