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Wiiショートレビュー
バンダイナムコゲームス、Wii「縁日の達人」

12月2日 発売

価格:5,040円

CEROレーティング:A(全年齢対象)

 株式会社バンダイナムコゲームスがWiiのロンチタイトルとして発売する1本「縁日の達人」。“縁日体感ゲーム”というジャンル分けがなされているが、先日の紹介記事などを見て、「ただのミニゲーム集じゃないの?」と思った読者の方々も多かろう。記者もその1人。そこで、実際にプレイする機会をいただいたので、そのレポートをお届けしよう。

■ 縁日をゲーム化するということ

屋台を楽しむだけでなく、お客を喜ばせるゲームもある。なるほど、と思わされた
 このタイトルは、「縁日」をWiiで体感するゲームであって、単なるミニゲーム集とはちょっと趣が異なる。遊べる屋台は全部で9つあり、一般的縁日で楽しめるものと、逆に自らが出店している側の立場となり、お客さんのオーダーに応えるというもの、それ以外のものに分類される。基本的にどの店で屋台を楽しんでもいいが、「お化け屋敷」だけは最初の状態では訪れることができない。それぞれの屋台の紹介は過去記事を参考にしてもらいたい。

・一般的縁日屋台
ヨーヨー釣り、輪投げ、射的、金魚すくい、ダーツ、お化け屋敷

・出店側屋台
たこ焼き、クレープ、バルーンアート

・そのほか
占いの館

 なんとなくだが、バンダイナムコグループが提供している屋内型アトラクション施設「ナンジャタウン」、そして「太鼓の達人」をはじめとした「達人」シリーズに共通したテイストが感じられるグラフィックスと、趣向を凝らしたWiiリモコンの使い方、そしてゲームへの取り込み方がこのゲームの肝になっている。とくに面白いのは、屋台ごとのコントローラの持ち方だ。

【金魚すくい】 【ヨーヨー釣り】 【輪投げ】
Wiiリモコンを握って水平に移動させると、すくう動作 Wiiリモコンをぶら下げるように縦に持ち、引き上げる動作 Wiiリモコンを握り、Bボタンを押している間は輪をつかんで、投げるように振り、ボタンから指を離すと投擲という動作
【ダーツ】 【たこ焼き】 【バルーンアート】
鉛筆を握るようにWiiリモコンをつかみ、肘から先を使って投げるような動作 Wiiリモコンをつかみ、ひねる(たこ焼きを返す)動作 ヌンチャクスタイルで、お互いをひねる動作
【射的/クレープ】 【お化け屋敷】 【占いの館】
Wiiリモコンの標準的動作。水平に持ち、ポインティングしていく ヌンチャクスタイルで、ヌンチャク側アナログスティックで移動、Wiiリモコン側でハンマーを振る動作 ヌンチャクスタイルで、水晶玉をこするように2つを動かす動作


画面を見ただけでは伝わらないWiiリモコンの操作感覚がこのゲームの魅力でもある
 なぜこのような持ち方になっているかというと、まさに屋台を実際に体験しているかのような操作系になっているからだ。金魚すくいは本当にポイ(網)を持ってすくっているかのようになるし、ヨーヨー釣りではWiiリモコンをコヨリ代わりに引っ張りあげるように動かす。ダーツではWiiリモコンをダーツに見立てるように水平につまむように持つ、といった具合。なお、蛇足だが、Wiiリモコンをくれぐれも放り投げてしまわないよう、あらかじめストラップを手首に通し固定してから持ちたい。

 このWiiリモコンの持ち方が、このゲームをより縁日の気分にいざなってくれる。3軸の加速度、傾きセンサー、そしてボタン類もそれぞれのゲームによって使用/不使用が決まっているが、基本的に多数のボタンを使うことはないし、いくつか屋台を課題通りにプレイすれば、そのコツもわかってくる。

 そうそう、解説を忘れていたが、それぞれの屋台はいくつかの課題が用意されており、それぞれ一定時間の時間制限内にノルマを満たせばクリアとなる。時間制限が設けられていることが、このタイトルがゲームであることを思い出させてくれるといえるだろう。

■ 年齢問わずチャレンジできる懐の広いタイトル

2人で協力できる屋台もいっぱいだ
 さて、一通りの屋台をプレイしてみると、たしかになるほど、「縁日体感」だと思わされた。横から見ていると、Wiiリモコンを宙でなにやら動かしているという感覚だろうが、プレーヤーは、確実にたこ焼きを千枚通しで返していたり、バルーンアートをひねっている、という感覚に包まれている。

 そして、屋台の仕掛けがきちんとゲームシステムに落とし込まれていて、紹介記事にも書いてあるが、縁日でポイの膜を破らないためのコツ、ヨーヨーのコヨリを切られないようにするコツといった、縁日でのノウハウが本作でも通用する。射的はWiiリモコンを画面に近づけすぎると、屋台のおじさんに怒られたりとか、重心の違う的がぐらぐらゆれる様など、細かいところもちゃんと作りこんである。これなら、今までのコントローラよりもさらに縁日気分を実感しやすい。

 個人的に一番難しさを感じたのは金魚すくいだったりする。ポイの位置移動、特に前後の移動はコントローラを水平に前後に移動させ、左右の移動とともにポイの入射角(?)を手首をひねりつつ決定。そして課題の金魚をさっとすくってあげたいのだが、画面のイメージと、Wiiリモコンの移動の反応(どこまで動かすとどれぐらいポイが移動するか)をつかむまで少々時間を要した。

 もう1つ、クレープも少々難しい。まず、クレープの生地をうまく丸く焼き上げるかが非常に重要なのだが、キレイな円を描くように生地を伸ばしていくのはお絵かき気分で楽しいものの、あまりはみ出てしまっては焦げてしまってボツ。あまり消極的になりすぎて穴があいてもダメ(小さければOK)。この生地作りがなかなか絵心のない(?)自分にはドキドキものだった。

 やりこみ度もないわけではない。たこ焼きはタネを投入し、ひっくり返すだけだが、焼け具合を見ながら、順番を考えてひっくり返していかないとなかなかうまく焼き上げられない。4個ぐらいなら楽勝だが、12個同時に焼こうとすると、どの順でタネを入れたかを覚えておき、好機を逃さずどんどんひっくり返していかなければならないスリル満点な展開になっていく。クリアノルマはどんどん用意されているので、うまくなればなるほどさらに楽しめる仕組みとなっている。

 さらに、ゲットした景品をコレクションすることもできる。「お化けカード」を集めれば、「お化け屋敷」への入場も可能となる。

 単純な「ミニゲーム」を集めただけでなく、リアルな縁日のノウハウを駆使しながら楽しめるだけに、幅広い年齢層に楽しめる1本になっている。できれば親子、お孫さんと家族や友達といっしょに、ああでもないこうでもない、とわいわいガヤガヤ遊ぶと楽しい。2人でプレイを分担できる屋台も多い。これでお父さんは株を上げるチャンスが生まれるかもしれないし、そういった光景をぜひ見てみたい、と思わせるユニークなタイトルといえそうだ。

丸くキレイにクレープの生地を焼くのはちょっと慣れがいる 店主を狙ってみると、いいことがあるかもしれない? カードを集めて「お化け屋敷」も楽しめる


(C)2006 NBGI
※ 画面は開発中のものです。

□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□「縁日の達人」のページ
http://namco-ch.net/ennichino_tatsujin/index.php
□関連情報
【11月3日】任天堂、約50タイトルのWii用ソフトが遊べるイベント 「Nintendo World 2006 Wii体験会」開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20061103/wii.htm

(2006年12月1日)

[Reported by 佐伯憲司]



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