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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円) このジャンルは、2004年後半から2005年にかけて韓国で大きなムーブメントとなったNeowizの「Special Force」、NEXONの「War Rock」、Netmarbleの「Sudden Attack」の3タイトルに代表されるオンラインFPSほどのインパクトはないが、中国や台湾、そして日本にも飛び火して、いまやオンラインゲームにおける1ジャンルを形成しつつある。 今回、G★のHanbitSoftの商談スペースにおいて、元Gravityでモバイルチームを統括していたキム・ホジン氏が興したゲームデベロッパーZNE Entertainmentが現在開発を進めている新作オンラインダンスゲーム「Groove Party」を取材する機会に恵まれた。開発には2年の歳月をかけており、パブリッシャーはHanbitSoft。日本展開も視野に入れているという。本稿では、HanbitSoftから2007年にリリースが予定されている「Groove Party」の内容について詳しく紹介していきたい。
■ ストリートダンスに特化したオンラインダンスゲーム「Groove Party」。秀逸なデザインと独特のセンスに注目
一見して感じられるのは、ヒップホップ的なセンスに彩られた統一感のあるインターフェイスデザインだ。アイテム課金制のカジュアルゲームにありがちな、場の雰囲気を無視した画面切り替えや、異質感たっぷりのメニュー等は一切表示されず、ヒップホップらしさを維持しつつ、仲間達が集うマッチングロビーまでシームレスに移動することができる。 具体的には、まずサーバー選択画面では、複数のエリアに分かれた都市マップが表示される。各エリアがサーバー単位となっており、その中に複数のチャンネルがぶら下がる形になる。任意のチャンネルにログインすると、まずは自室からスタートし、そこで洋服を着替えたり、ゲームに使用する楽曲を選んだりできる。そこからアクセスできるアイテムモールでは、洋服やアクセサリを購入でき、ミュージックストアではずらりと並べられたジャケットイメージから、好きな曲を視聴し、そして購入できる。 お好みの洋服に着替え、CDバッグにダンスに使う曲を入れれば、ダンスを踊る準備は整う。CDバッグは複数用意されており、グレードが高いほど同時に持ち込める楽曲の数が変わってくる。また、セッションマスター(ルーム作成者)が楽曲を持っていれば、全員が持っておく必要はない。これは、誰かがCDを持ち込めば、その曲でみんなが踊れるという至極当然の考え方に基づいている。 マッチングロビーはガレージ風となっており、好みの曲と共にセッションマスターのDJが迎えてくれる。同作でユニークのところは、DJが一種のアクセサリとして課金アイテムとなっており、インターフェイスの一部として画面右に表示される。また、ダンス中も、ステージの後ろで身振り手振りと台詞を交えて大いに場の雰囲気を盛り上げてくれる。画面右下では、ダンスに使用されている楽曲のCDがターンテーブル上でぐるぐる周っている。雰囲気を盛り上げるための丁寧な演出が素晴らしい。
個人的に韓国産カジュアルオンラインゲームは、ゲーム性以前の問題として、インターフェイスデザインが貧弱で、日本人の目から見て、この部分での吸引力が弱かった。「Groove Party」のこのヒップホップスタイルで統一されたインターフェイスデザインのこだわりぶりは、韓国産タイトルとして群を抜いている。
■ リズムに合わせてキーを叩くダンスパート。ルーティンによる協力プレイが目新しい
具体的には複数同時に表示されるキーコマンドが、それぞれダンスのテンポと完全にリンクしており、方向キーとスペースキーの入力がワンセットで、それが同時に複数表示される形になる。「Audition」の場合、方向アイコンの束をいかに素早く処理するかが重要になるが、「Groove Party」では楽曲に合わせて指でテンポを取るような形でキーを入力していく。逆に言うと、楽曲を良く知らなければ満足に弾くことすら難しいゲームデザインということになるが、慣れてくるとダンスゲームらしい心地よさがあって、繰り返しプレイしたくなってくる。 またキャラクタのダンスアニメーションも大きなウリのひとつだ。同作では1,000以上ものダンステクニックを、すべてモーションキャプチャして収録しており、ディフォルメキャラながら緩急を交えて実に見事にダンスを踊る。元Bボーイ(ヒップホップダンサー)のホァン・チョイェ氏が企画を担当しており、自身が見て満足できるまでチューニングしたという。 ゲームモードは、同じ曲を複数でプレイする一般モード、2人で合わせ技を楽しめるルーティンモード、そして最大6人でダンスを競うバトルモードの3種類が用意される。中でもルーティンは同作期待のモードで、2人で同じセッションを共有し、コンビネーションダンスを踊ることができる。今回は実際に見ることはできなかったが、スクリーンショットを見る限りでは、うまく踊れれば非常におもしろそうだ。今後の開発に大いに期待したいところだ。 最後に今後の開発予定についてまとめておきたい。まず韓国でのサービススケジュールは、12月中旬よりオープンβテストを実施し、順調にいけば1月中にも正式サービスへ移行する予定。ビジネスモデルは、基本プレイ無料のアイテム課金制を採用。課金アイテムは、コスチューム、DJ、能力付きアイテムなどとなっている。能力付きアイテムは、常時光を放つ靴やタトゥーなどのアクセサリーが中心となるということだ。 楽曲は、自社制作の楽曲と、韓国の市販ダンスミュージックの両方を採用。楽曲の入手をどうするかについては現在検討中とのことで、無料になる可能性もあるという。コミュニティサービスは、自社でブログを展開。そこでユーザーはリプレイファイルを公開して、華麗なダンステクニックを披露することができる予定だ。 今後実装予定の機能としては、ゲーム内チャット以外のコミュニティ機能として、MMORPGにおけるギルドに相当する「アジト」や「メッセンジャー」機能を検討しているという。 日本展開については、具体的な計画はまだ決定していないとしているが、HanbitSoftの日本法人ハンビットユビキタスエンターテインメントが獲得し、パブリッシングを行なう可能性が高い。ビジネスモデル的に、優秀なゲームデザインと比較して、課金アイテム部分が弱い印象があるが、カジュアルオンラインゲームとしてのクオリティは非常に高い。早期の日本展開を期待したいところだ。
□G★ 2006のホームページ (2005年11月12日) [Reported by 中村聖司]
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