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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円)
■ オンラインゲームを中心にアピール、コンシューマは数を絞った出展に
こだわりの造形のモビルスーツ達が、ビームサーベルやライフルを手に素早く、激しく戦う姿は、シミュレーションゲームの「SDガンダムカプセル戦記」シリーズの戦闘シーンを彷彿とさせ、ガンダムファン、SDガンダムファンの心を強く引きつける。しかし、残念ながら日本での展開は今のところ未定で、まずは韓国でコンテンツをスタートさせていくという。韓国では12月中旬頃に第2クローズドβテストを実施する予定で、5,000~1万人規模での募集を考えているという。会場でも本作の人気は非常に高く、20台以上ある試遊台は常にプレーヤーがいて、ギャラリーやプレイ待ちの人が画面をのぞき込んでいた。韓国のユーザーのコンテンツに対する興味は非常に大きいと感じた。 しかし、BANDAIKOREAは本作に関してはまだまだアピールをしていかなくてはいけないと考えている。それは、韓国ではガンダムがまだメジャーな存在ではないからだというのだ。韓国でも「ガンダム」というロボットの持つキャラクタ性は、プラモデルやグッズなどから多くの人が認知している。しかし、初代の「機動戦士ガンダム」から脈々と続く、ガンダムが持つ歴史、コンテンツの厚みは韓国の一般層には認識されていないというのだ。 それは、韓国のテレビ放映が「Gガンダム」からで、「ガンダムウイング」そこから「ガンダムSEED」へと続いている。富野由悠季氏が監督をつとめる、本流といえる「宇宙世紀のガンダム」は韓国ではあまり知られておらず、日本のファンとは知識と思い入れで大きな開きがある。このため、公式ページで機体やステージの説明を行なうなど、積極的な“ガンダムサーガ”の紹介を行なっているという。 BANDAIKOREAはこの他にも「ケロキングオンライン」の試遊台を出展していた。「ケロキング」はPS2やGCで発売された、カエルをゴルフのボールに見立て、ハンマーでとばしてコースを攻略していくというユニークなアクションゲームだ。生き物であるカエルはボールと違い勝手に跳ねたり、歩いたりする。コースに巨大な蜘蛛が巣を張っていて、それにぶつかるとなぜかはねとばされたりと、ルール、世界観共にちょっと不条理な感じがあって楽しい。 「ケロキングオンライン」はこのユニークなルールを活かして、オンライン要素を取り入れたカジュアルゲームとなる。しかし、今回出展されたバージョンでは、ただカエルを跳ばし、コースを進んでいくだけで、カエルのユニークなリアクションや、ちょっととぼけたキャラクタなどは楽しいのだが、ゲームとしてはコース攻略の要素も、オンラインならではの要素もまだなく、ゲームとしては未完成なものだった。 BANDAIKOREAは今後このタイトルに関してはじっくりと、アイテム課金を視野に入れたクオリティーアップを行なっていくという。正式サービスは、「SDガンダムカプセル戦記オンライン」の後になる予定だ。BANDAIKOREAはこの他にも、韓国人漫画家が日本の雑誌で展開し、劇場版アニメも制作された「新暗行御史」を題材にしたMMORPGを2007年に展開予定だ。今後はこれらのコンテンツをアピールすることで、韓国のユーザー達にオンラインゲームメーカーとしてのイメージを定着させていきたいという戦略を持っているという。
BANDAIKOREAはバンダイナムコゲームスのタイトルも積極的に展開している。今回のブースではPS2「ドラゴンボールZ Sparking! NEO」や、PS2「NARUTO 木の葉スピリッツ」といったタイトルが人気を集めていた。これらのタイトルはマニュアルやパッケージのみのローカライズで、ゲーム本編は日本語版のまま発売されるケースが多いという。
■ こだわりとスピード感を満喫できる「SDガンダムカプセル戦記オンライン」
ゲームの基本システムは、W、A、S、Dで移動し、マウスで視点移動と、攻撃を行なうというFPS方式でキャラクタを操作する。スペースキーでジャンプし、押し続けることでバーニア(ジェット噴射)を使ってより高いジャンプをすることができる。1、2、3、4の数字キーでビームサーベルやライフルなどに武器を切り換えることができる。 全体的に遠距離攻撃より接近戦の法が強めの判定になっていて、ジャンプやダッシュで敵の遠距離攻撃をかわし、ビームサーベルで斬りつけるという展開が多くみられた。ゲームのシステムは直感的でわかりやすく、レスポンスも良好で、モビルスーツを操作しているだけでも楽しい。 しかし、何よりも「ガンダム」そして、「SDガンダム」へのこだわりが本作の楽しさを倍加させている。3頭身のデフォルメされたモビルスーツはかわいらしくて、カッコイイ。アッガイなどは思わずニヤリとされるほどコミカルで、それでいながら遠距離でちくちく攻撃する様はちょっと憎たらしかったりする。キャラクタがモビルスーツだと言うだけで、一段思い入れが深くなるのは、とても面白い感触だ。これはファンの思い入れに応える、秀逸なモビルスーツのデザインあってこそだろう。 ステージもまた、初めてガンダムが起動した「サイド7」や、クワトロとハマーン、シロッコが3つどもえの戦いを繰り広げた「コロニーレーザー内部」など、思わずニヤリとしてしまうステージが用意されている。確かにこの作品は、ガンダムを知っていればいるほど楽しめる作品だ。韓国で展開する「SDガンダムカプセル戦記オンライン」は、こういった濃いこだわりを随所に配しながらも、ガンダムMk-IIとガンダムアストレイの対決など、作品の時系列や世界観を飛び越えた戦いが展開する。韓国ではよりわかりやすくカッコイイ本作独自の世界を提示していく予定だという。 本作は、正式サービス時にはアイテム課金を予定している。現在提示されているのは、カプセル販売機(ガチャガチャ)によるモビルスーツの販売だ。ポイントをためることでカプセル販売機を回すことができ、ランダムで新しいモビルスーツを入手できる。現在具体的なモビルスーツはまだ未定だが、その種類は300以上になるという。このモビルスーツは友達とトレードも可能だ。戦闘だけでなく、自分のモビルスーツをコレクションすることも大きな楽しみとなるのだ。ファンネルや有線サイコミュ、隠し腕、分離型バックパックなど、ガンダムのモビルスーツには多彩なアイデアが詰め込まれている。これらをゲーム上でどう再現するかも注目したい。
本作の日本での展開はまだ未定である。まずは韓国で展開してから、ということになるようだ。日本で展開する場合にはより思い入れの深いファンに向けて、作品の世界や要素をかっちりとカスタマイズを行なっていきたいとのこと。1ガンダムファンとして、一日も早い日本での展開を待ちたい。
□G★2006のホームページ (2006年11月12日) [Reported by 勝田哲也]
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