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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円)
■ 「Huxley」対戦、ステージイベントと、大きく盛り上がるWEBZENブース
今回WEBZENが一番大きくアピールしていたのは「Huxley」である。「Unreal Engine 3」を使用したグラフィックスは非常に美しく、エフェクトも派手で目をひく。会場ではシングルプレイの他、8vs8の対戦を行なうことができ、試遊台はいつも混雑していた。 「Huxley」の世界観は、現実的なオブジェクトと、エイリアンやプラズマの球を打ち出す銃などが混じり合うSF世界だ。敵が出現するであろうポイントに常に武器を構えながら進むプレーヤー、めまぐるしく照準を動かす落ち着きのない人……さまざまなプレイスタイルを見ることができて面白かった。倒されてもすぐに復活できるルールなため、他プレーヤーに打たれてもすぐ戦線に復帰できる。このため、後ろから見ていると敷居が低く見えるようで、気軽に挑戦している人が多かった。男性がほとんどだが、女性の姿も見られた。 「SUN」はすこし出展方法に問題があるように見えた。ブースの奧にあり、ブースの外からはユーザーがゲームが出展されることに気がつかないかもしれないのだ。「SUN」は今年の5月にオープンβテストを開始したが、正式サービスがまだ開始されていない。これは当初月額課金を予定していたモデルをアイテム課金制にするために時間がかかってしまっているという。今回の少し地味な出展方法は、「SUN」の苦戦をそのまま物語っているようにも感じた。
WEBZENはタイトルの発表から実際にユーザーが遊べるようになるまでのコンテンツのスケジュールが非常に長いメーカーだというイメージがある。さまざまな海外の会場で大きくタイトルをアピールするのだが、「Huxley」、「一騎当千」は共にプレイできるようになるまではもう少しかかりそうである。毎回強い存在感を示しながら、タイトルのラインナップそのものはあまり変わらず、じっくりとタイトルを育てていくというWEBZENは、なかなかユニークな方針を持ったメーカーであるといえるだろう。
■ キャラクタ育成と、最大200人のド派手な対戦が楽しめるFPS+MMORPG「Huxley」
「Huxley」は感覚的にはMMORPG+MOのタイプのゲームに近い。プレーヤーは街を拠点として、ミッションやクエストを引き受けてバトルフィールドに進軍する。バトルフィールドではFPSとなるが、PvP、PvE両方を楽しむことができる。ミッションをこなすことでキャラクタは経験値を獲得し、スキルを入手しキャラクタを育成させることができる。スキルでは一定時間自分のスピードをアップさせるものや防御力を上げるものなどが用意されるという。 キャラクタは接近戦に長けた「ENFORCER」、オールラウンドに力を発揮する「AVENGER」、狙撃の得意な「PHANTOM」の3タイプがある。武器もロボットのように見えるボディアーマーからナイフ、奇妙な形のレーザーガン、無骨なマシンガンなどさまざまなものが用意されている。スキル、装備を選択していくことで、キャラクタの方向性がより明確になり、特性を活かした戦闘を行なっていく。キャラクタの外見は実用的な装備以外でもさまざまなカスタマイズが可能だ。 PvPでは最大100人対100人の対戦を行なうことができるようにしていくという。またミッションではプレーヤー達がパーティーを組んでこなすことも、ソロプレイで楽しむことも可能だ。サーモグラフを使って暗闇に潜むエイリアンを攻撃する、といったシチュエーションもあるという。 また、発表会のムービーでは前面が厚い装甲で覆われたバイクや、装甲車などの乗り物も登場した。敵となるエイリアンは非常に強力そうで、対戦だけではなく、モンスターとの戦いも非常に楽しいものになりそうだ。公開されたイメージイラストでは、エイリアンやキャラクタの装備、戦場などが緻密なイラストで描かれており、独特のセンスで彩られている。このユニークな世界を歩いてみたいと強く思った。
今回出展されたのは、「Huxley」のバトルフィールドでの戦闘が楽しめる部分だ。魅力的な世界で、迫力たっぷりの銃撃戦を行なうことができるシステムを、今回出展されたバージョンは見事に証明したと言える。試遊台を囲みプレイを待つユーザー達は本作に大きな期待を抱いたことだろう。今後本作ならではのMMORPG部分がどんな形になっていくか、注目したい。
■ 今後の展開が待たれる「SUN」と「一騎当千」、より明確な提示はこれから
数週間後に課金システムでの細かい発表なども予定しているため、今回の出展は少し地味になったとのことだが、これから大きく勢いを増すためにも、「G★」こそその方向性を提示する場所なのではなかっただろうか。開発の難航を物語っているようで、少し考えさせられる部分である。 「SUN」はスタイリッシュなキャラクタと、ド派手なスキル、MMO+MOのゲーム性、ダークな世界観、タイミング良くスキルつなげていくことで有利に進めることができる戦闘などコンセプトは魅力的なものがある。しかし、レスポンスやモンスターとの駆け引きといった部分で魅力を十分に発揮できていないという評価もある。課金制アイテム導入を含めたアップデートでどうやって作品の完成度を上げていくかは、大きな課題といえるだろう。 一方、 「一騎当千」は昨年の「G★」でも出展されていたタイトルだが、今回は大きくイメージを変えており、驚かされた。本作は三国志をテーマにしたMMORPGだが、昨年の「G★」やTaipeiゲームショウ、ChinaJoyでは複数のプレーヤーで戦うことができる対戦アクションゲームのような作品だったのだが、今回は街からスタートし、周辺のモンスターを倒すというMMORPGとしてはおなじみのプレイをするバージョンとなっていた。 「一騎当千」は史実上の人物達と深く関わることができるクエスト、作り込まれた古代中国の世界、時間制限などさまざまなシチュエーションでの戦闘などのイメージが提示されたのだが、今までの対戦アクションのような、カジュアルな対戦シーンが今回はまったく見ることができなかった。一般的なMMORPGに逆戻りしたようで、少し驚かされた。 今回出展されたバージョンでは、いくつかのクエストを引き受けることができ、街の外の盗賊達と戦う、ということができたのだが、ここからどのようにゲームが展開していくかが伝わりにくい。今回の試遊台からは、少しゲームのイメージが伝わりにくい、感覚的には少し古いアピール方法だと感じた。今までのように、荒削りながらもゲームの独自性を示す方がプレーヤーの心をつかみやすいのではないのだろうか。これまで提示された対戦アクション部分と、MMORPGを融合させ、更に大規模な攻城戦要素も体験できるとのことだが、どう広がっていくかは、今後の発表を待つ必要がありそうである。
「一騎当千」は来年の3月に中国でクローズドβテストが行なわれるという。どういったゲーム性を持ち、どのような体験ができるか、見守っていきたい。
□G★2006のホームページ (2006年11月11日) [Reported by 勝田哲也]
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