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G★2006現地レポート

新作2作品でFPSユーザー総取りを狙うNEOWIZブースレポート
Unreal Engine 3採用「A.V.A」など新作4タイトルを出展

11月9日~12日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場(KINTEX)

入場料:5,000ウォン(約650円)
     子供3,000ウォン(約390円)


 NEOWIZのブースは、自社の運営するゲームポータル「pmang」のイメージを前面に出し、来年の追加コンテンツを紹介するというブース展開を行なった。今年は新作の本格派ミリタリーFPS「A.V.A」、スポーツ系ミリタリーFPS「Cross Fire」、レーシングRPG「RAYCITY」、歴史アクションRPG「Warlord」の新作4タイトルに加え、正式サービスを行なっている「FIFA Online」を出展。ブースの中心に「Raycity」のイメージであるスポーツカーのポルシェを据え、周辺に各タイトルの試遊台の設置していた。

 「pmang」は成長性を持ったミリタリーFPS「Special Force」が看板タイトルとして人気を博しているが、今回「A.V.A」と「Cross Fire」が加わり、来年に向けミリタリーFPS王国の地位を固めつつある。このFPS2作品の試遊台は常に対戦待ちの列ができ、連日賑わいを見せていた。


■ FPS先駆者NEOWIZの次の一手は、ミリタリー系FPSユーザーの徹底的な囲い込みへ

 新作のラインナップで疑問を感じたのは、「Special Force」のヒットにも関わらず、なぜ同じミリタリー系のFPSを2作品も出展したのかということだ。一見して、インターフェイスが「Counter-Strike」そのままの「Cross Fire」と、「BattleField」や「Rainbow Six」シリーズを彷彿とさせる本格派「A.V.A」の2タイトルを同じ時期に相次いでリリースするというのは、無謀な行ないに見えた。

 しかし、実際に触れてみると、「Cross Fire」はスポーツ系で、「A.V.A」は正統派ミリタリー系と、外見は似ていながらゲーム性や世界観はまったく異なっている。「Cross Fire」はe-Sports向けタイトルに必要なスピード感や操作性を兼ね備えており、一方の「A.V.A」はUnreal Engine 3を用いた現代歩兵戦のリアルさを実現し、ミリタリーファンをうなずかせる仕上がりになっていると感じた。

 NEOWIZ自身の「Special Force」によって火がついたアイテム課金によるオンラインFPSのジャンルだが、「Special Force」はキャラクタのグラフィックが現行タイトルとしては少しチープで、それでいながらスポーツ性もそれほど重視されていない。いささかフォーカスの甘い作品で、e-Sports向けともミリタリー系ともいいがたい世界観とゲーム性が惜しい点だった。

 NEOWIZは、「A.V.A」では軍隊を除隊した成人以上の男性、「Cross Fire」は子供からの全年齢層と、ターゲット層を分けていくという。表面的には「アイテム課金で、成長要素があり、さまざまなミッションが楽しめるミリタリーFPS」と、3作ともまったく同じように見える。しかし、多数のユーザーがオンラインのミリタリーFPSをプレイしている現在の韓国市場において、スポーツ系や、リアルな世界観の演出に特化することで、最終的にあらゆるユーザー層を貪欲に取り込んでいく戦略だ。まだNEOWIZがカバーしていないユーザー層には、「BattleField 2」のような大規模戦闘をウリにしたものあげられるが、今後そうしたユーザー層に訴求するタイトルの投入にも期待が持たれるだろう。


■ 本格派FPS「A.V.A」。繊細なグラフィックスで、現代の歩兵戦を再現

ブースの試遊台では一番人気となった「A.V.A」。男性ユーザーに大人気を博した
 「A.V.A」は、会場で初めて発表された、まだウェブページも出来ていない最新FPSタイトルだ。開発は韓国REDDUCKが行ない、Unreal Engine 3を採用している。課金方法はアイテム課金を予定しており、現在第1次クローズドベータテスト中である。2007年初めにオープンβテストの開始を予定している。現在は5対5までの対戦をサポートし、現代戦争の中の歩兵戦にフォーカスしている。

 リアルなグラフィック環境で最新鋭のライフルを駆使した白兵戦の雰囲気を存分に味わうことができる作品だ。また、個人のスキルや好みが活かされる兵科制を採用しており、武器のカスタマイズなど細部に渡るチューニングが可能になるようだ。試遊台では「ポイントマン」、「ライフルマン」、「スナイパー」の3種類の兵科からキャラを選択し出撃できた。NEOWIZブースに用意された試遊台の中では「A.V.A」が一番人気で、ターゲットとする成人以上のユーザー層にがっちりフィットした作品と言えるだろう。

 ミリタリー好きのユーザーへの「A.V.A」への吸い込まれるような没入感はなかなかで、多くの歓声を上げながらプレイしている様子は印象的だった。また、銃撃の際、弾のバラつきや不確実的要素が含まれるところなどはリアル志向であり、マップの中を探すとM60のような強力な武器が落ちているのも面白い点だ。リアル系特有の移動の遅さはあまり感じられず、逆に用意されたマップではゲーム開始から数秒で敵チームのプレーヤーと遭遇してしまう。マップの広さやスピード感のバランス調整が今後のポイントになるだろう。

【「A.V.A」のスクリーンショット】
「A.V.A」はマップが予想外に狭く、プレーヤーがグレネードで一気に片付けられてしまうシーンも多かった。開始10秒以内にやられてしまうのも緻密な現代戦のイメージとはやや乖離している印象がある。タイトルごとのターゲットユーザーを明確にしている以上、妥協はせずに1ラウンドにかかる時間をやや増やすようなバランス調整にしてもいいのではないだろうか

【「Cross Fire」のスクリーンショット】
FPSのもう一方はスポーツ性に富んだミリタリーFPS「Cross Fire」。全年齢層を対象にしたタイトル。アイテム課金制で開発は「SmileGate」。現在クローズドベータ中で、2007年初めにオープンベータ予定。8対8までの対戦をサポートしている。攻守に分かれてのミッションの際には、ラウンドごとに武器や爆弾を詰め替える「背嚢システム」を盛り込んだ。デスマッチ・チームデスマッチ・爆弾を設置するチームマッチ・ゴーストモードといった多様なゲームモードを取り入れている。経験値をためると階級が上がっていき、それにより使える武器が増える。インターフェイスや武器のイラストなどが「Counter-Strike」そのままという点が実にいただけないのだが、スピード感を始めとするゲームのバランスは整っている



■ 三国志世界を駆ける「Warload」、爽快感のある演出が光るMO+MMORPG

直感的な操作が可能な「Warlord」。試遊台には女性の姿も多く、カジュアル層の人気に期待がかかる
 「Warload」は三国志世界をテーマにしたMOとMMOの要素が合体した3DアクションRPGだ。ThingSoftが開発を担当している。「G★2006」で初公開され、ビジネスモデルはアイテム課金を予定。年内にクローズドβテストを実施し、2007年初めにオープンベータに移行する予定。

 プレーヤーは騎士・マジシャン・戦士・アサシンの4人の中からキャラクタを選択する。1パーティは最大6人まで参加可能で、さまざまなミッションやクエストに挑む。キーボード操作での移動にはW、A、S、Dキーと攻撃にはテンキーの1~6キーを用いる。1キーと2キーが基本攻撃となっていて、「1 1 1 1 2 2」などの簡単な組み合わせで軽快にコンボが発動する。

 コンシューマゲームのようなスムーズなネットワーク処理は実によくできており、コンボの軽快な発動のタイミングは実に軽快で楽しかった。着想を得たとするコーエーの3Dアクション「真・三国無双」シリーズ以上の爽快感を持っていると感じた。今回出展されたバージョンは、戦闘場面だけの公開で、ロビー機能やMMO部分のコンテンツは公開されなかった。何より爽快感と操作性の良さが光る一作である。今後、この爽快感を保ったまま完成度を上げていって欲しい。

【「Warlord」のスクリーンショット】
「Warlord」の試遊台ではボスの董卓を倒すミッションをプレイすることができた。ゲームパッドでの操作にも対応しており、幅広いユーザーが楽しめる設計となっている。コンボのつながりからキャラクタのジャンプ攻撃の割合も多く、プレイ中の画面の動きやプレーヤーの視点移動に伴うスピード感の演出には注力しているようだ



■ ソウル市内を完全再現。コンビニにまでも立ち寄れるレーシングRPG「Raycity」

ブース中央に据えられたポルシェ。試遊台では友人たちと自宅の近所をゲーム内で散策し、興味深げな表情で楽しむユーザーの姿もあった
 今回、筆者の一番のお気に入りのタイトルが「Raycity」だ。アイテム課金によるビジネスモデルで、サービススケジュールは、11月よりストレステストを開始し、2006年末から2007年初等にもβテストを開始する見込みだ。開発はJ2Mが担当している。ソウル市内を完全に再現し、ソウル各所に発生するミッションやクエストをナビゲートマップに従って受け取り、遂行していく。

 今回のバージョンでは、ミッションの多くは、「クレイジータクシー」のような客の要望に応えて運んでいくものだった。歩いている町の人々の近くに車を寄せると、その人に応じて「どこに行ってくれ」といったミッションを受けることができる。ユニークなのは、乗客によって難易度がまったく異なること。若い人を乗せた場合は、画面上部に行き先の方向を細かく指示をしてくれるのだが、おばあさんを乗せると「麻浦の病院に行ってくれ」という情報が出るだけ。自分で道や施設を見つけなくてはならない。

 町を走行していくと画面下のゲージが溜まっていく。これを消費するとジャンプしたり、左右への斜線変更や、ニトロを発動させたりすることができる。ジャンプは何段も重ねられ、ニトロで一気に加速したところで、たくさんの車を飛び越えると一気に経験値を多く稼ぐことができる。稼いだ経験値でレベルアップすることによってプレイできる車の種類や、装着できるパーツが増えていく。

 このゲームにはコラボレーションによって実在のソウルで有名なコンビニチェーン「LG25」が登場する。ここでは、ゲーム内のアイテムを購入できる。商店に限らず、バスの塗装や看板など実際の世界の世界と同じく自然に広告を打てる箇所はいくらでもある。一般車両のバンの後ろにNEOWIZのロゴが書いてあるところなど、さらなるスポンサーを募集しているかのような印象を受けた。

【スクリーンショット】
「Raycity」のフィールドは広大だが、他のプレーヤーが勢いよく飛び跳ねる場面にたびたび遭遇した。1つのチャンネルに1,000人まで同時に接続できるそうなので、サービス開始時にはかなりの通行量になることだろう。また、町を走りながら、必然的に地理にも詳しくなってくる。標識はもちろんだが、歯科医院や豆腐店といった看板まで細かく再現されている点が実に面白い。まだまだ開発段階で街中を走っている一般車の種類も少なく、接触した際も物や車が壊れることがないのはやや不自然な感じがする


Copyrights 1997-2006 NEOWIZ.Corporation.,All rights reserved.

□G★ 2006のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□Neowizのホームページ
http://www.neowiz.com/

(2006年11月11日)

[Reported by 三浦尋一]



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