|
会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円)
■ Relic創業者のAlex Gardenを子会社CEOに招聘、マーケティングパートナーに米メディア大手MTV
Alex Garden氏は、北米のPCゲーム界で他の追随を許さない圧倒的な実績を残しているゲームクリエイターだ。代表作には「Homeworld」シリーズ、「Impossible Creatures」、「Warhammer 40000: Dawn of War」、「Company of Heroes」などなど、リアルタイムストラテジー分野の第1人者として、常に革新的なゲームデザインを提案し、PCゲーム業界に新たな潮流を生み出し続けてきた。続編を好まず、常に完全新作で勝負し続ける。米国が誇るゲームクリエイターのひとりといっていい。 Alex Garden氏は、自ら創業して育ててきたRelic EntertainmentをTHQに売却し、同社を退職。今後はNEXONの100%子会社であるNPNAのCEOとして、NEXONの北米展開のために、目の肥えた北米ユーザーに通用する真の意味でクオリティの高いオンラインゲームを開発していくことになる。 Steve Rachtschaffner氏は、Alex Garden氏が説得してNPNAに迎えた人材で、EAでは EA Sportsを担当し、人気フランチャイズである「FIFA」を筆頭に、「SSX」、「Triple Play」、「NBA Street」などの開発を担当してきた。両者の接点は、Relicの本社とEAの開発スタジオがあるバンクーバーで生まれたようで、両者の話しぶりから共に深い信頼関係に結ばれていることを伺わせてくれた。 両者の共通点は、共にコンシューマ市場に熱意を感じなくなり、その一方で、韓国のオンラインゲーム市場の圧倒的な熱意に深い関心を持っていることだ。Alex Garden氏の韓国との接点は、'99年のWorld Cyber Gamesのプレイベントに招待されたことからスタートし、その際にNEXONのオーナーと出会い、2001年から非公式のアドバイザーとしてNEXONのゲーム作りと韓国オンラインゲーム市場に深い関心を持ち続けてきたようだ。2006年にAlex Garden氏が子会社設立に深い興味を示したことから話はトントン拍子に進み、今回の発表となったという。 NPNAの事業内容は、自社開発とサードパーティータイトルのハンドリングとなる。サードパーティーについては、北米ゲーム市場で長い実績を積み上げてきたSteve Rachtschaffner氏の人脈と交渉能力を期待したものだが、うまくいけばNEXONのポータルを通じて、北米の優秀なオンラインゲームタイトルが矢継ぎ早にリリースされるという事態になるかもしれない。 Viacomとの事業提携の内容は、ViacomはNEXONコンテンツをMTVを中心とした各種メディアでマーケティング活動を担当し、NEXONは、Viacomグループが運営する大手コミュニティサイト「NeoPets」に対して、オンラインビジネスのノウハウを提供する。「NeoPets」は会員数5,000万人、1月50億ページビューを誇る、バーチャルペットをオンライン上で育てるコミュニティサイト。現時点では、広告収入が中心の完全無料のサイトとなっているが、新たにアイテム課金ビジネスのノウハウを加え、サービス性と収益性を向上させる。 一方、MTVを使ったマーケティング展開については、具体的な内容については未定ながら、「メイプルストーリー」と「Audition」のプロモーションを大々的に展開していく方針としている。GravityやNCsoftなど、北米進出を目指した韓国大手ゲームメーカーがいずれも苦戦している中、後発としてマーケティングに着目したのはおもしろい展開の仕方といえる。なお、日本への影響については、直接はないものの、今回と同様のメディアとの提携を検討しているという。
今回の発表は、NCsoftが2001年にRichard Garriottを開発パートナーとして迎えて以来の衝撃で、NCsoftから「Guild Wars」や「City of Heroes」が生まれたように、今後NEXON Koreaから北米らしいオンラインゲームタイトルがリリースされることが予想される。今後の展開に大いに期待したいところだ。
■ マルチプラットフォーム展開を発表。まずはNintendo DSとXbox 360にオンラインゲームを供給
Xbox 360に向けては、現在PCで展開しているMMORPG「マビノギ」を提供する。具体的な内容については明かされなかったが、Xbox 360版「マビノギ」をマルチプラットフォーム展開の試金石にしようと考えており、同作のビジネスが商業的に成功すれば、他のタイトルも展開していくという。 ニンテンドーDSについては、現在、子供向けのオンラインゲームの開発を進めているという。タイトルなどは未発表だが、任天堂と協力体制を構築した上で、開発が進められているという話だ。また、子供向けということで、低年齢層に支持されている「メイプルストーリー」や「BnB」のキャラクタを使ったオンラインゲームである可能性が高い。 今回のニンテンドーDSへの参入は、今年7月に任天堂が韓国本格展開に向けて子会社を設立したことと呼応しており、任天堂が韓国本格参入のパートナーとしてNEXONを選択したという見方もできそうだ。今回開発しているタイトルが韓国でのローンチタイトルになるかどうかは不明。発売時期は2007年夏頃を予定しているという。 なお、日本展開も視野に入れているというが、Xbox 360版については、出荷台数が少ないためか、慎重に検討していきたいということだ。DSタイトルについては前向きに検討しているという。 最後にワンソースマルチユース戦略については、年間100億ウォン(約130億)規模まで成長したグッズ販売を強化する一方、トレーディングカードゲーム市場にも参入し、さらに「メイプルストーリー」と「カートライダー」のアニメ化にも着手する。アニメ版「メイプルストーリー」の制作は日本のアニメーションスタジオMadhouseが担当。「カートライダー」は、韓国有数のアニメーションスタジオのDoongWooが担当する。日本展開を行なうかどうかは未定ということだ。
□G★ 2006のホームページ (2005年11月11日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2005 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|