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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約650円)
「AIKA」は独特のファンタジー世界を舞台としているMMORPGである。チャンネルごとに都市国家が設定されており、プレーヤー達は国家に所属し、他チャンネルのプレーヤー達と激しく対立していく。さらにパートナーとなる“娘”を育てるシステムや、ボスに対して特別なモーションでとどめを刺す「イベントアクションシステム」などユニークなシステムを盛り込んでいる。韓国では2007年の早い段階でクローズドβテストを開始し、2007年の夏にはオープンβテストに移行する予定だという。 ■ “娘”を授かる? ユニークな育成要素を持ったMMORPG
「AIKA」のキャラクタは、「Fighter」、「Mage」、「Scouter」の3つのクラスから選択する。レベルアップすることでさらにスキルの性能の特化した上位クラスへ転職可能だ。キャラクタ、フィールドともにグラフィックスは細かく書き込まれていて、世界を見て回ったり、キャラクタの姿をチェックするのが楽しい作品となりそうである。 本作の戦闘システムで特にユニークなポイントとしては、モンスターに特別なモーションでとどめを刺す「イベントアクションシステム」が挙げられるだろう。デモプレイではミノタウロスの腕から頭によじ登り、剣を突き刺すというアクションを見ることができた。血が噴水のように噴き出す残酷ながら爽快感のあるシーンだ。このアクションはとどめの時にある職業であるスキルを使う、といった条件を満たすことで発動する。逆にこの条件を満たさないとボスモンスターを倒すことはできないという。条件は特定のクラス、特定のスキルに限定されるため、ボス戦にはパーティープレイが必須のようだ。 キャラクタの育成では、スキルポイントに余裕を持たせ、かつ方向性をはっきりさせる事が可能だ。「回復が得意」、「防御力に長ける」、「遠距離攻撃に特化」など、これまでのMMORPG以上に戦場での「役割」を意識させる。ボイスチャット機能なども搭載し、ギルドマスターは仲間達をユニットとした、戦略シミュレーションゲームをプレイしているかのように動かすことができるようになるという。 もう1つユニークなポイントとして、「ユニークペットシステム」がある。これは育成SLG「プリンセスメーカー」に影響を受けたというシステムで、プレーヤーはある条件を満たすことで「娘」を授かるという。この娘は血はつながっておらず、人間のような外見をしているが、プレーヤーキャラクタ達人間とは別な存在のようだ。この娘はプレーヤーの育成の仕方でさまざまな外見、性格へ変化していく。娘はAIで制御されており、独自の思考で行動するという。
「娘というよりも、コミックの『ファイブスターストーリーズ』に登場する“ファティマ”の様な存在といえるかもしれません。育て方によってはプレーヤーの頼もしいパートナーとなってくれるキャラクタです」とパク氏は語る。ちなみに男女どちらのキャラクタにも娘が授けられる。詳細が明らかになるのは今後とのことだが、育成の自由度の高さに期待したい。
■ 都市を管理し、他チャンネルの市民と激しく戦う戦争・政治要素
都市国家の運営は一定期間で行なわれる戦争の結果によって国家の代表の地位を争うことになる。元首となったプレーヤーは行政を行なう大臣、経済を運営する大臣、法を執行する大臣を決めることになる。「AIKA」ではモンスターはゴールドをドロップしない。モンスターから得られるアイテムを販売することでお金を得られるのだが、各サーバーには「特産物」が設定されていて、アイテム制作などのために、プレーヤーは各サーバーを回ることになる。経済大臣は、この特産物の販売などをコントロールするという。 行政大臣は「この地域に入った他チャンネルの市民はPK可能」といったルールを設定する。司法大臣はそれに従い実務を行なう。他チャンネルからの侵入者に対して先頭に立って戦うこともあるという。元首や大臣は最初はNPCが担当しているが、戦うことで地位を奪うことができる。チャンネルの支配権をめぐって多くのギルドが争うことになるだろう。 1つのギルドがいくつものチャンネルを独占したり、自分たちに有利なだけの法律を制定する可能性もある。そういった場合、「神の啓示」が発動し、「この都市の支配をめぐって戦え!」というメッセージが全チャンネルに提示される。プレーヤー達はこの啓示に導かれて、次の支配者の座を争うのだ。啓示はさまざまな条件が満たされることで下されることになる。どんなことをすると髪から見放されてしまうのかを探るのも面白そうだ。 イ氏は「この都市国家、政治システムは『AIKA』の根幹をなすシステムで、早い時期でプレーヤーに体験してもらいたい。サービスが始まっているのに未実装、ということはありません」と語る。「AIKA」の1サーバーは5~10のチャンネルが設定される予定で、それだけの数の都市国家が誕生することになる。プレーヤー達が社会をどう構築し、どう運営していくか。サーバーごとにもまったく展開が異なるかもしれない。どこまでシステム側が自由度を許し、プレーヤー達はそこからどんな方法を導き出していくのか、期待したい。 「『プリンセスメーカー』は本当に感動しました。それに影響を受けて作ったシステムを『AIKA』には盛り込んでいます。日本のプレーヤーにも楽しんでもらいたいです」とイ氏は語る。戦争中心のゲームながらも、育成要素を入れたのは、日本市場を意識した部分と、日本のゲームに強く影響を受け、そこから自分たちが作り出したシステムで、日本のユーザーの反応を見てみたいという意気込みが感じられた。 パク氏は日本のプレーヤーに向けて、「『WYD』は韓国市場向けで作られたゲームなので、日本のプレーヤーには少し魅力が伝わりにくい部分があったかもしれません。『AIKA』は韓国のみならず、日本のプレーヤーを意識して制作されています。ご期待ください」と、メッセージをくれた。
プレーヤーに政治システムや社会の管理をゆだねる、というのは魅力的な部分であると共に、逆に制作者からの強烈なメッセージや、魅力ある世界の構築すらもプレーヤー社会で左右されてしまう危険性がある。自分たちが作った世界でプレーヤーを魅了するのではなく、大枠をゆだねようというアプローチは、オンラインゲームならではであり、個人的には、韓国らしい部分であるとも感じた。とはいえ、制作者がガイドラインを引くことで、プレーヤー社会はダイナミックに動く。自由度が高いだけに、制作者の役割は一層重い。どのように社会にプレーヤーを導き、プレーヤーはそれに応えどんな社会を形成していくのか、期待したい。
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□G★2006のホームページ (2006年11月11日) [Reported by 勝田哲也]
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