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株式会社レベルファイブは、パブリッシング事業の開始と、その第1弾タイトルとなるニンテンドーDS用ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー「レイトン教授と不思議な町」の発表会を10月11日に開催した。 発表会ではまず、レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏が壇上に立ち、同社の今後の展開について説明した。自社でのパブリッシング事業については、「今までと変わらぬ熱い思いで制作したい」と意欲を見せた。またデベロッパーとしての事業も継続し、完全なパブリッシャーにはならないとした。
これに合わせて同社は、新たな企業ロゴを発表。アルファベットの“V”をかたどったロゴを示し、5つ星のソフトを作るという“5”を意味する数字、次世代へのビジョン(VISION)、新たなビジネスで勝利する(VICTORY)という3つの意味を込めたと説明した。
■ パブリッシング第1弾、DS「レイトン教授と不思議な町」
本作について日野氏は、「初めてのパブリッシング作品ということで、あえてレベルファイブらしくないものを目指した」とゲームの方向性を語った。また、同社がこれまで扱っていなかった、DSというプラットフォームを選んだ理由としては、「今回の企画が、タッチペンというインターフェイスに適していたため」とした。 現在の開発進行度は80%。また本作は「レイトン教授」シリーズとして、3部作で展開されることも明らかにされた。日野氏は本作でもプロデューサーを務めており、「ゲームが面白くて、デバッグ作業も楽しい。パブリッシャーとして初参入のタイトルだが、ビッグヒットを狙えると自負している」と早くも作品の出来に満足しているようだ。 会場にはゲストとして、著書「頭の体操」で知られる、千葉大学名誉教授の多湖輝氏が登場。ナゾの制作に監修として携わっており、「頭の体操」の問題を提供したほか、新たな問題も制作したという。 ゲームの制作に関しては、「頭の体操」の大ファンという日野氏が多湖氏の事務所に行き、「『頭の体操』をゲームにしたい」という話をしたのが始まりだという。非常に熱っぽく語る日野氏に、多湖氏は思わずその場でうなずきかけたが一旦保留し、「一度御社を見たい」といって九州へ。そのオフィスを見て、「この会社なら絶対にすごいものを作ってくれる」と確信し、全力で協力することを約束したという。 ゲームについては詳しくないという多湖氏だが、レベルファイブのクリエイターの力量にほれ込み、楽しく議論しながらゲームを制作したという。ただ1点大変だったのは、「新たな問題を最低でも30問作って欲しい」という依頼だったそうで、パズルの専門家や漫画家などでプロジェクトチームを編成し、制作したという。最後に多湖氏は、「すごい人たちの熱気の中で作られた作品。家族みんなで楽しんで欲しい」と語った。 またストーリーを盛り上げる演出として、アニメーションをふんだんに取り入れているのも本作の特徴。声優には、主人公のレイトン博士役に俳優の大泉洋さん、助手のルーク少年役に女優の堀北真希さんを起用している。おふたりからのビデオメッセージも流され、大泉さんは、「ゲーム下手の私も、車の中でずっとやってしまうほど面白いゲームです。(自分の声が入って)どう仕上がっているのか楽しみです」とコメント。堀北さんは、「初めての声の仕事で、しかも演じたのは年下の男の子役。とても難しかったですが頑張りました」と話していた。 さらに会場には、任天堂株式会社より、代表取締役専務 営業本部長の波多野信治氏が来場。「レイトン教授と不思議な町」について、「新たな手法を取り入れた、新しいジャンルのゲームだと理解している。『脳トレ』シリーズなどで大学の先生方がゲーム開発に参画しているが、こういったゲームが多くのユーザーに支持されれば、ビデオゲームは知的で文化的、教育的な要素をもった娯楽という認識を高められる」と、昨今の「脳トレ」ブームを加速させるという意味でも期待を寄せるコメントを残した。
最後にプロモーションムービーが上映され、そこで発売日と価格も発表された。2007年2月15日発売予定で、価格は4,800円。
■ 試遊会で体験版をプレイ
基本的なシステムは一般的なアドベンチャーゲームと同じく、テキストを読み進めていくタイプ。タッチペンのみで操作でき、人にタッチするとその人と会話できる。会話を進めたいときも、画面をタッチすればいい。ちなみにボタン操作にも対応している。 この“不思議な町”の住人というのが、非常に謎かけが好きなようで、誰かに話すと大抵何かナゾ(問題)が出てくる。しかも町に入って依頼人の元へたどり着くまでに何人も住人がいるので、さも「ここは通さぬ」といった感じに次々に新しいナゾを突きつけられる。そしてこのナゾというのが、「頭の体操」をベースにした、発想の転換が必要になるものばかりで、なかなか歯ごたえがある。 ナゾ解きもタッチスクリーンを使用する。例えばマッチ棒を使った問題では、スクリーンのマッチ棒にタッチして移動や回転させて解答を作る。また「1つだけやや軽いものが混じった8つの分銅から、天秤ばかりを使って軽いものを見つける」という問題では、タッチスクリーン上に分銅と天秤ばかりが描かれており、実際に分銅を天秤ばかりに載せて答えを導き出す。 問題自体は「頭の体操」と同じものもあるのだが、前の例では天秤ばかりがちゃんと傾いてくれるので、本を見て考えるよりも親切な設計になっている。テレビのクイズ番組の解答者になったような気分といってもいいかもしれない。 問題の難易度はさまざまだが、「頭の体操」を知っている人ならば、何事もなく全問正解できるような代物でないことはご存知だろう。本作ではストーリー上、解答が必須となる問題もあるようだが、そこはサポートとしてヒントが用意されている。ただしヒントを見るにはコインというアイテムが必要になる。時折入手できるものの有限なので、なるべくじっくりと悩みつつプレイするのが正しいスタイルといえるだろう。
ストーリー的にはまだ導入部分ということで、何かの事件が起こるところまではプレイできなかった(何せ問題を解かなければ話が進まないので、時間がかかってしまう)。ただ、古いアニメを思わせるようなビジュアルからは、強いオリジナリティを感じられた。多湖氏の言うように、家族でも安心して楽しめるソフトに仕上がりそうだ。
(C)LEVEL-5 Inc. ※ 画像は開発中のものです。
□レベルファイブのホームページ (2006年10月11日) [Reported by 石田賀津男]
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